JPS6217655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、弁棒をそれの軸芯方向に位置調節す
る螺合部材を、前記弁棒の端部に作用させる状態
で設け、前記螺合部材の回転を阻止する部材を設
け、前記螺合部材及び前記回転阻止部材を覆うカ
バーを弁箱に取付けた回転弁に関する。

上記回転弁における従来例の一例として、第６
図に示すように、弁棒３０をそれの軸芯方向に位
置調節する螺合部材としてのボルト３１を、弁箱
３２にボルト連結される蓋体３３に対して、弁棒
３０の端部を接当押圧するよう弁棒軸芯方向に螺
進移動可能に螺合させた状態で設け、回転阻止部
材としてのロツクナツト３４を前記ボルト３１に
螺合させ、ボルト３１及びロツクナツト３４を覆
うカバー３５を前記蓋体３３にボルト連結するよ
うにしたものであるが、この構造の場合、弁棒位
置調節状態を、ロツクナツト３４を緩みに起因し
て長期間に亘つて維持し難い不都合であつた。

この不都合を解消すべく、第７図に示すよう
に、第６図に示す構造のものにおけるロツクナツ
ト３４に代けて、角軸状部材３６を、前記ボルト
３１の端部に相対回転不能に係合させる状態で、
且つ、前記カバー３１に固定する状態で設けるよ
うにしたものがある。しかし、上記第６図及び第
７図で示す従来構造のものは、ボルト３１がそれ
の回転阻止のために弁棒３２から外方へ大きく突
出することに起因して、全体構造が大型化する不
都合があり、又、弁棒位置調節も押しのみで引き
込む動作はできなかつた。

又、別の従来例として、第８図に示すように、
弁棒４０にボルト状部分４０ａを連設し、弁箱４
１にボルト連結される蓋体４１ａに、前記ボルト
状部分４０ａを挿通する孔４２を形成し、弁棒４
０をそれの軸芯方向に位置調節する螺合部材とし
てのナツト状部材４３を、前記ボルト状部分４０
ａにそれの軸芯方向に螺進移動可能に螺合させた
状態で、且つ、前記蓋体４１ａにボルト連結した
カバー４４との接当により弁箱４１に対して位置
決めさせた状態で設け、回転阻止部材としてのノ
ツクピン４５を、前記ボルト状部分４０ａ及び前
記ナツト状部材４３に亘つて貫通装着させるよう
にしたものがあるが、この構造の場合、弁棒４０
の回転軸線とボルト状部分４０ａの軸線とを一致
させなければ弁の開閉操作が円滑に行えなくなる
ところから、ボルト状部分４０ａの取付加工に高
い精度が要求されるばかりでなく、弁棒４０の位
置調節後において、ボルト状部分４０ａ及び、ナ
ツト状部材４３の両者に亘つてノツクピン４５に
対する装着孔を形成しなければならず、位置調節
作業が煩しい作業となる不都合があるとともに、
ノツクピン挿通孔を弁棒軸芯方向に近接して形成
することができないため、再調節に対して大きな
制約を受ける不都合があつた。

その上、第６図乃至第８図に示した従来例にお
いては、いずれも、弁箱３２，４１にボルト連結
される蓋体３３，４１ａにボルト３１またはボル
ト状部分４０ａを貫通させ、更に、これらボルト
３１またはボルト状部分４０ａを覆うカバー３
５，４４を蓋体３３，４１ａにボルト連結する構
造であるから前記カバー３５，４４と蓋体３３，
４１ａとの接合面にシールを設ける必要があり、
このシールに対する保守点検作業も必要となる。

本考案の目的は、弁棒位置調節構造を、コンパ
クトかつ製作容易で、しかも、位置調節作業、保
守点検作業が容易で、そのうえ、再調節も特別な
制約なく良好に行える構造にする点にある。

本考案の構成は、弁棒をそれの軸芯方向に位置
調節する螺合部材を、前記弁棒にそれの軸芯方向
に螺合させた状態で、且つ、弁箱に取付けたカバ
ーとの接当により前記弁箱に対して位置決めさせ
た状態で設け、前記螺合部材の回転を阻止する部
材が、前記螺合部材に連設した鍔状部に係入する
とともに前記弁棒に螺合するボルトであることを
特徴とする。

すなわち、螺合部材を弁棒に対して回転操作す
ることにより、弁棒の位置調節を行なえるように
し、そして、ボルトにて螺合部材の弁棒に対する
回転を阻止させることによつて、弁棒位置調節状
態を維持させるようにせんとするものであり、螺
合部材をそれの回転阻止のために弁箱から外方に
大きく突出させない状態で設けることができるか
ら、上記した第６図及び第７図の従来例に較べ
て、コンパクト化を図ることができ、しかも、弁
棒位置調節後において単に螺合部材に対する回転
阻止用ボルトを装着するだけで、弁棒調節状態を
維持できるようにしてあるから、上記した第８図
の従来例に較べて、弁棒位置調節作業を容易に行
なわせることができ、そのうえ、螺合部材に対す
る回転阻止用ボルトを装着するために形成するこ
とになるボルト係入孔及びボルト螺合孔を、異な
る弁棒位置調節状態においても兼用できるから、
弁棒位置の再調節をも特別な制約を受けることな
く良好に行なうことができるのであり、実用上の
利点大である。

また、螺合部材を弁箱に取付けたカバーに接当
させて位置決めする構造であり、弁棒に螺合させ
た螺合部材を更にカバーに対して係入させる構造
ではないので、螺合部材の取付加工に格別高い精
度を要求されることがなく、製作が容易である。

そして、螺合部材が弁箱に取付けたカバーを貫
通する構造ではなく、従つて、従来のように別途
のカバーを取付ける必要がないので、その為のシ
ールが不要となり、保守点検作業が容易に行える
ようになつた。

次に、本考案の第１実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図に示すように、流体輸送管接続用フラン
ジを連設した弁箱１に、その弁箱流路の中心に直
交する上下軸芯を有する軸受構造２，３を取付け
ると共に、円盤型弁体４を取付けた同芯状の弁棒
５，５を、その上端側を上方の軸受構造２から突
出させて回転自在に両軸受構造２，３に架設し、
そして、前記弁棒５の弁箱１からの突出部分に弁
棒回転操作部６を連設して、バタフライ型式の回
転弁を構成してある。

第２図及び第３図に示すように、前記下部側の
軸受構造３を構成するに、弁棒５に外嵌するブツ
シユ７を設け、弁棒５をそれの軸芯方向に位置調
節するためのボルト８を、弁棒下端部にそれの軸
芯方向に螺進移動可能に螺合させ、前記位置調節
用ボルト８の下端部に、鍔状部９を一体形成し、
前記位置調節用ボルト８の回転を阻止するための
ボルト１０を、前記鍔状部９に係入させるととも
に、前記弁棒５に螺合させる状態で設け、前記位
置調節用ボルト８及び回転阻止用ボルト１０を覆
うカバー１１を、前記弁箱１に着脱可能にボルト
固定した状態で設け、前記位置調節用ボルト８
を、それの弁箱１に対する位置を決めるようカバ
ー１１に接当させ、もつて、前記位置調節用ボル
ト８を弁棒５に対して回転操作することにより、
弁棒５の位置調節を行なわせることができ、且
つ、回転阻止用ボルト１０の装着により、弁棒位
置調節状態を維持できるようにしてある。

要するに、弁体４を弁箱側シート１２に対する
位置合せのために、弁棒５をそれの軸芯方向に位
置変更調節できるようにしてある。

前記鍔状部９に、前記回転阻止用ボルト１０の
係入孔１３を弁棒５の軸芯を中心とした周方向に
並べる状態で複数個備えさせ、もつて、前記位置
調節用ボルト８におけるピツチよりも小間隔で、
弁棒５をそれの軸芯方向に位置変更調節できるよ
うにしてある。

次に、第２実施例について第４図に基づいて説
明する。

前記第１実施例と同じように、位置調節用ボル
ト８、鍔状部９、回転阻止用ボルト１０、カバー
１１を設けるとともに、弁棒５に、前記回転阻止
用ボルト１０の螺合孔１４を周方向に並べる状態
で複数個備えさせ、もつて、前記位置調節用ボル
ト８におけるピツチよりも小間隔で、弁棒５をそ
れの軸芯方向に位置変更調節できるようにしてあ
る。

次に、第３実施例について第５図に基づいて説
明する。

前記第１実施例における位置調節用ボルト８に
代えて、弁棒５に連設のネジ軸５ａに螺合するナ
ツト１５を設け、もつて、ナツト１５の回転操作
により弁体５の位置調節を行なえるようにしてあ
る。

本考案は、上記バタフライ型式の弁の他、回転
式の逆止弁やボール弁型式のものなど、各種回転
弁に適用できる。

又、弁棒５をその軸芯を水平方向に向けた回転
弁にも適用できる。そして、この場合、弁棒５の
一端部を螺合部材８又は１５にて位置調節した状
態において、弁棒他端部の移動を阻止するストツ
パーを設けるとよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図の図面は本考案の実施例を示
し、第１図は切欠き側面図、第２図は弁棒支持構
造の断面図、第３図は第２図における−線断
面図、第４図及び第５図は別の実施例の断面図、
第６図乃至第８図は従来例の断面図である。 １……弁箱、５……弁棒、８，１５……螺合部
材、９……鍔状部、１０……回転阻止部材、１１
……カバー、１３……係入孔、１４……螺合孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 弁棒５をそれの軸線方向に位置調節する螺合
   部材（８又は１５）を、前記弁棒５の端部に作
   用させる状態で設け、前記螺合部材（８又は１
   ５）の弁棒５に対する回転を阻止する部材１０
   を設け、前記螺合部材（８又は１５）及び前記
   回転阻止部材１０を覆うカバー１１を弁箱１に
   取付けた回転弁であつて、前記螺合部材（８又
   は１５）を、前記弁棒５にそれの軸線方向に螺
   進移動可能に螺合させた状態で、且つ、この螺
   合部材と前記カバー１１との接当により前記弁
   箱１に対して弁棒の位置決めさせた状態で設
   け、前記回転阻止部材１０が、前記螺合部材
   （８又は１５）に連設した鍔状部９に係入する
   とともに前記弁棒５に螺合するボルトであるこ
   とを特徴とする回転弁。 ２ 前記鍔状部９に、前記ボルト１０の係入孔１
   ３を前記弁棒５を軸線を中心とした周方向に並
   べる状態で複数個備えさせてあることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の回
   転弁。 ３ 前記弁棒５に、前記ボルト１０の螺合孔１４
   を周方向に並べる状態で複数個備えさせてある
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の回転弁。