JPS621759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子レンジの駆動回路更に詳しくは、
サイリスタを用いた駆動回路に関する。

第１図は本考案の電気回路図であつて、１は
100Vの交流電源ACを昇圧する昇圧トランスで、
その二次側には整流回路２を介してマグネトロン
３が接続されている。４はこのトランスの一次側
に挿入接続されたトライアツク等のサイリスタ
で、そのゲート電極は切り換えスイツチを構成し
ている第１のリレー接点５の常閉接点NCに連る
と共に、抵抗６を介してトリガスイツチを構成し
ている第２のリレー接点７の一端に連つている。
また第１のリレー接点５の常開接点NOは一端が
交流電源ACラインの他方に連つたブロアモータ
８に接続されており、また該リレー接点５の可動
接点MCは交流電源ACラインの一方に直結され
たサイリスタ４の一方の電極に接続されている。
また第２のリレー接点７の他端はサイリスタ４の
他方の電極に接続されている。１０はマイクロコ
ンピユータ等の電子レンジ制御部で、調理時間の
設定等を行う入力装置１１と、その入力情報や調
理時間等を表示する表示装置１２が関連付けられ
ており、更にこの制御部１０からは上記２個のリ
レー接点５，７の開閉を制御する第１，第２のリ
レーコイル１３，１４を制御する信号線R₁，R₂
が導出されている。１５はこの制御部１０の電源
回路、１６，１６はドアスイツチ等の安全スイツ
チ、である。

而して電子レンジの不使用時には第１図に示す
如く第１のリレー接点５の可動接点MCは常閉接
点NC側にあり、また第２のリレー接点７は開放
状態にある。従つてこの状態で外来雑音等の到来
があつてもサイリスタ４の制御電極は第１のリレ
ー接点５に依つてサイリスタ４の一方の主電極に
対して短絡状態にあるので、サイリスタ４は一切
作動せず、マグネトロンが発振するような電子レ
ンジとしての誤動作は起こらない。またサイリス
タ４の制御電極を短絡する事に依つてその耐圧は
向上し、電源ラインからのサージ電圧等に依つて
サイリスタが破壊されるような恐れは殆どない。
ここで入力装置１１のキースイツチ等を操作して
制御部１０に電子レンジ駆動指令を与えると、制
御部１０は先ず信号線R₁に第２図に示す如き第
１リレー信号Ａを発生せしめ、その信号Ａに依つ
て第１リレーコイル１３を駆動して第１リレー接
点５の可動接点MCを常閉接点NC側から切り離
してサイリスタ４の制御電極の短絡回路を開放す
ると同時に可動接点MCを常開接点NO側に切り
換え、ブロアーモータ８に通電せしめる。その結
果ブロアモータ８は作動してマグネトロン３への
冷却風を生ぜしめると同時にキヤビテイー内の換
気をも行わしめる。この状態ではサイリスタ４の
制御電極の短絡回路は開放状態にあるので制御電
極にトリガ信号さえ与えられればサイリスタ４は
導通し得る状態にあるが、この時点ではまだ第２
のリレー接点７が開放されているので、サイリス
タ４は作動し得ない。ここで制御部１０から信号
線R₂に第２図に示す如き第２リレー信号Ｂが発
生されて第２のリレーコイル１４に通電し、第２
リレー接点７をONせしめる。その結果、抵抗６
を介してサイリスタ４の制御電極にトリガ信号が
印加されてサイリスタ４は導通し、昇圧トランス
１に交流電源ACが印加され、整流回路２を介し
てマグネトロン３に直流高圧が供給されて予めブ
ロアモータ８に依つて冷却状態にあるマグネトロ
ン３は発振を開始し、同時に予めブロアモータ８
に依つて換気状態にあるキヤビテイ内に電磁波を
発生せしめて調理を開始する。第２図に示したよ
うに第１リレー信号Ａと第２リレー信号Ｂとの間
には遅延時間Ｔが設けられているので、第１のリ
レー接点５に多少のチヤタリング等の不安定動作
期間が存在しても電子レンジの動作を不安定なら
しめる事はなく、常に安定した調理状態が得られ
る。

尚、この遅延時間Ｔとしては使用するリレーや
ブロアモータ等の特性にも依るが、0.5〜３秒程
度あれば十分であろう。

本考案は以上の説明から明らかな如く、電子レ
ンジの不使用時には、常閉接点に接続されてサイ
リスタの制御電極を短絡するリレー接点からなる
切り換えスイツチと、投入されて制御電極へトリ
ガ信号を供給するトリガスイツチとを設け、切り
換えスイツチの常開接点への切り換えとトリガス
イツチの投入との間に時間遅れを持たせているの
で、リレー接点である切り換えスイツチのチヤタ
リング等に起因するマグネトロンの発振動作の不
安定性は完全に除去され、安定した動作を得る事
ができる。更に、切り換えスイツチの常開接点
に、一端が電源に連つたブロワモータに接続して
この切り換えスイツチをブロワモータへの通電ス
イツチとして兼用したので、回路構成を簡単なも
のとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気回路図、第２図はその動
作説明の波形図であつて、 １は昇圧トランス、３はマグネトロン、４はサ
イリスタ、５，７はリレー接点、１０は電子レン
ジ制御部、１３，１４はリレーコイル、を夫々示
している。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 交流電源を昇圧トランスを使用して昇圧した高
   電圧に依つてマグネトロンを駆動する電子レンジ
   に於て、上記昇圧トランスの一次側にサイリスタ
   を挿入接続し、該サイリスタの制御電極をリレー
   からなる切り換えスイツチの常閉接点に接続し、
   該スイツチの可動接点は電源ラインの一方に直結
   されたサイリスタの一方の主電極に接続されてお
   り、またこのスイツチの常開接点は一端が電源ラ
   インの他方に連つたブロアモータに連ると共に、
   上記サイリスタの制御電極は更にトリガスイツチ
   に接続されており、更に電子レンジの使用に際し
   ては上記切り換えスイツチの常開接点側への投入
   の後、適宜の時間遅れをもつて上記トリガスイツ
   チを投入せしめる制御部を備える事を特徴とした
   電子レンジの駆動回路。