JPS6217402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は二重壁構造のプラスチツク製箱に関す
る。

経済性、耐久性、軽量性が望まれる場合、二重
壁構造の吹込み成形のプラスチツク製の箱が広く
使用されている。軽量であることは運搬費用を減
らし、二重壁構造は衝撃に対する緩衝を提供す
る。

「従来の技術」 カセツトテープ用のこのような箱の一例が米国
特許第4078657号に示されている。その蝶番の詳
細構造は示されてはいないが、この特許に示すの
と基本的に同じものが数年前から米国市場で市販
されている。この箱は容器部分とカバーから成つ
ている。この箱の容器部分の後部に沿つて、中空
状でまつすぐな柱状突起が延びており、この柱状
突起の端部はカバーに形成された孔に嵌合する一
対の蝶番ピンになつている。大量生産において
は、この箱は、その部品が成形された直後に、ま
だ熱くて柔軟な間に組み立てられる。カバーが取
付け具に置かれ、該取付け具がカバーの孔をわづ
かに押し広げ、組立作業員は容器部分をつかみ、
前記取付け具に押し込む。これにより、箱の柱状
突起は曲げられて、蝶番ピンを相互に向かつて近
づけてカバーの孔に蝶番ピンを嵌合させるように
する。蝶番ピンは孔と整合するように動かされる
につれて、曲げ力が解放され、蝶番ピンは所定位
置にはまる。市販されてきた箱の蝶番は横方向に
ゆるみがあるが、これは余り問題でなかつたかも
しれない。

「考案が解決しようとする問題点」 前記米国特許に開示された箱は２つの問題点が
ある。第１に、箱の容器部分の後部に沿つて延び
た柱状突起が連続しているため、組立ての際に、
組立作業員は相当に強い力で柱状突起を曲げない
と、柱状突起の両端の蝶番ピンをカバーの孔に嵌
合させることができない。この傾向は、箱が成形
後に時間の経過と共に冷却した場合や、箱が小型
の場合には著しい。第２に、柱状突起が箱のほぼ
全長にわたり連続しているので、成形した際に柱
状突起が必ずしもまつすぐにならず、ゆがむ場合
がある。このような場合、箱を組み立てた際に容
器部分の柱状突起とカバーとの間に隙間が生じて
箱の機能上好ましくない。

「問題点を解決するための手段」 本考案による箱は２個の部品を含み、その一方
の部品に設けられたまつすぐな柱状突起装置は、
端部が一対の蝶番ピンになつており、これらの蝶
番ピンはそれぞれ箱の他方の部品にある孔に嵌合
している。本考案による箱は、その柱状突起装置
が２個の別々の柱状突起から成り、これらの柱状
突起を有する箱の部品が柱状突起の間では特に肉
厚にされたり、補強されたりしていない点におい
て前記米国特許のものと相違する。このように、
本考案の箱においては、柱状突起装置が２個の柱
状突起から成るので、箱の組立ての際に柱状突起
装置を比較的に弱い力でも曲げることができて、
両端の蝶番ピンを他方の部品の孔に嵌合させるの
を容易にする。この利点は小型の箱では特に顕著
である。

本考案の箱の前記他方の部品に設けられた突出
部は前記一方の部品の２つの柱状突起の間に嵌合
し、該突出部と柱状突起の衝接端部は組み合わさ
れる凹状面と凸状面を有し、付加的な蝶番を提供
している。これらの蝶番は側方への安定性を提供
し、また他方の部品の突出部と一方の部品の間、
および一方の部品の柱状突起装置と他方の部品の
間にそれぞれ隙間が生じるのを防止する。

「実施例」 本考案による蝶番付き箱の実施例を図面に概略
的に示す。

図示した箱は２個の部品を含み、その一方の部
品は底部すなわち容器部分１２であり、他方の部
品はカバー部分１４である。離隔し、中空でまつ
すぐな２個の柱状突起１６，１８は箱の柱状突起
装置を構成し、かつ容器部分１２の後部に沿つて
延び、その両端は蝶番ピン２０，２２になつてい
る。柱状突起１６と１８の隣接する端部は凸状面
２４，２６になつている。箱が組み立てられると
カバー部分１４の後部から延びる中空の突出部２
８は柱状突起１６と１８の間の空間に嵌合し、該
突出部２８は、箱が組み立てられると前記凸状面
２４と２６にそれぞれ組み合う凹状面３０，３２
を有する。柱状突起１６と１８の間の部分の厚さ
は容器部分１２を形成する壁の一つである広い壁
部３３の厚さと同じである。

凸状面２４，２６と凹状面３０，３２の各々は
ほゞ球状であることが好ましい。凸状面２４と２
６の間の間隔は凹状面３０と３２との間の距離よ
り僅かに小さくて締りばめを提供する。凸状面２
４と２６の半径は凹状面３０と３２の半径より若
干小さくて良好な整合を確実にする。これらの表
面が組み合わさると、側方の安全性を与え、柱状
突起１６と１８の間で容器部分を撓ませようとす
る力に対して容器部分１２を堅固にする。

カバー部分１４は一対の孔３４と３６を有し、
これらの孔はそれぞれ蝶番ピン２０，２２のジヤ
ーナルとして作用する。前記の米国特許の箱にお
けるように、これらの孔はカバー部分１４の二重
壁を穴あけすることにより形成され、二重壁の間
の空間は蝶番ピンを受け入れるのに十分な深さが
ある。

この新規な箱は米国特許第4153178号に開示さ
れた型式のラツチ４０を備えており、容器部分１
２はカバー部分１４の溝４４に嵌合する米国特許
第4153178号に開示されているリブ４２を形成さ
れている。容器部分１２およびカバー部分１４の
それぞれの一方の縁部４６は衝接部４８を形成さ
れ、これらの衝接部は、箱が前記縁部を下にして
直立するのを可能にする。容器部分１２とカバー
部分１４のそれぞれの反対側の縁部はリブ４２と
溝４４の外側の５０の個所にくぼみがつけられ、
指を入れてカバー部分を容器部分から容易に持ち
上げられるようにしている。容器部分はビデオカ
セツトのリールを保持する一対のハブ５２を有す
る。

この新規な箱の材料である好ましいプラスチツ
クは一般に吹込み成形に使用され、低コストで、
箱の組み立てを容易にするのに十分な可撓性を有
すると共に良好なじん性、耐変質性および形状保
持力を有する高密度ポリエチレンである。

「考案の効果」 前記の通り、本考案による箱においては、蝶番
構造は良好な側方の安定性を有し、また特殊な取
付け具を用いることなく容易に組み立てることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は分解した状態で、かつ二重壁構造のあ
る細部は省略した本考案の箱の斜視図；および第
２図は部分的に開放した状態の組み立てられた箱
の中央断面図である。 図において、１２：容器部分、１４：カバー部
分、１６，１８：柱状突起、２０，２２：蝶番ピ
ン、２４，２６：凸状面、２８：突出部、３０，
３２：凹状面、３４，３６：孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ２個の部品１２，１４を含む二重壁構造のプラ
   スチツク製の箱であつて、前記箱の一方の部品１
   ２に沿つて延びるまつすぐな柱状突起装置を含む
   蝶番を有し、前記柱状突起装置の両端は一対の蝶
   番ピン２０，２２になつており、それぞれの蝶番
   ピンが前記箱の他方の部品１４にある孔３４，３
   ６に嵌合しているプラスチツク製の箱において、 前記柱状突起装置は離隔した少なくとも２個の
   柱状突起１６，１８を含み、前記柱状突起を担持
   した前記箱の部品１２は前記柱状突起の間では前
   記箱の二重壁の厚さと概ね同じ厚さを有し、前記
   箱の前記他方の部品１４にある突出部２８が前記
   柱状突起の間の間隙に嵌合し、前記他方の部品の
   前記突出部および前記一方の部品の前記柱状突起
   のそれぞれの隣接端部が組み合わせになる凸状面
   ２４，２６および凹状面３０，３２を有すること
   を特徴とするプラスチツク製の箱。