JPS6217399Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は密封びんに関し、さらに詳しくは、ピ
ルフアープルーフ性を有する（すなわち使用前に
開封されていないことが保証された）、プラスチ
ツクキヤツプによつて口部が封緘された密封びん
に関する。

打込みによつてびん口部に打栓され、ピルフア
ープルーフバンドに設けられた摘みタブを引張る
ことによつて、ピルフアープルーフバンドを引裂
いて開封するタイプの、従来のピルフアープルー
フ・プラスチツクキヤツプは、ピルフアープルー
フバンドを手指で押上げることによつて、キヤツ
プがびん口部から抜けて開封され易く、ピルフア
ープルーフ性が十分でないという問題があつた。

本考案は以上に述べた従来技術の問題点の解消
を図ることを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案は上部環状ビ
ード部、上部環状ビード部の下方に位置する中間
環状ビード部、および中間環状ビード部より外径
の小さい下部環状ビード部を該中間環状ビード部
近傍に備えるびんの口部に、上部環状ビード部に
係合可能な上部内側突出部、中間環状ビード部に
係合可能な中間内側突出部、下部環状ビード部に
係合可能な下部内側突出部、および下部外面に設
けられた摘みタブを有するスカート部を備え、上
部内側突出部の下側に引裂き可能な、ピルフアー
プルーフバンドを画定する環状薄肉部が形成され
ており、該摘みタブの基部内面より斜上方に該環
状薄肉部まで延びる、該摘みタブを引張ることに
よつて引裂き可能な開封用薄肉部が形成されたピ
ルフアープルーフ・プラスチツクキヤツプが封緘
されていることを特徴とする密封びんを提供する
ものである。

以下実施列である図面を参照しながら本考案に
ついて説明する。

第１図，第２図，第３図は密封びん１の要部を
示したものであつて、びん（硝子やプラスチツク
等よりなる）の口部２はピルフアープルーフ・プ
ラスチツクキヤツプ３（以下キヤツプとよぶ）に
よつて封緘されている。

びん口部２は、上端面２ａに接続する上部環状
ビード部４、上部環状ビード部の下方に位置する
中間環状ビード部５、および中間環状ビード部５
近傍に設けられた下部環状ビード部６を備えてい
る。キヤツプ３の打栓を容易にするため、中間環
状ビード部５の外径は、上部環状ビード部４の夫
れよりも若干大きく定められており、かつ中間環
状ビード部５の上面５ａは、軸線方向に対し比較
的小さな角度の勾配で傾斜するテーパ状に形成さ
れている。下部環状ビード部６の外径は、中間環
状ビード部５の夫れよりも若干小さく定められて
いる。下部環状ビード部６の外径が中間環状ビー
ド部５の夫れよりも大きいと、打栓のさい下部内
側突出部９が下部環状ビード部６に引掛つて完全
な打栓が不可能になつたり、開封用薄肉部１２が
破断したりするおそれが生ずるからである。

キヤツプ３は、天部３ａとスカート部３ｂを備
えており、垂下するスカート部３ｂの内面には、
上部環状ビード部４と係合可能な上部内側突出部
７（開封後のリシール性を良くするため、環状に
不連続的に形成された）、中間環状ビード部５と
係合可能な中間内側突出部８（後述の開封用薄肉
部１２の近傍を除いて、連続的に形成された）、
および下部環状ビード部６と係合可能な下部内側
突出部９（押上げのさいの抜けを困難にするた
め、環状に連続的に形成された）が形成されてい
る。

下部環状ビード部６は中間環状ビード部５の近
傍に設けられているので、下部内側突出部９と中
間内側突出部８は比較的接近している。

スカート部３ｂの下部外面の、下部内側突出部
９に対応する位置の直上に、外方に突出する摘み
タブ１０がスカート部３ｂと一体成形により設け
られている。またスカート部３ｂの上部内側突出
部７の直下の内面には、引裂き可能な、断面Ｖ字
状の環状薄肉部１１が形成されており、環状薄肉
部１１の下方部がピルフアープルーフバンド３b₁
となつている。そして摘みタブ１０の基部１０ａ
の内面から斜上方に環状薄肉部１１まで延びる、
断面Ｖ字状の開封用薄肉部１２が、ピルフアープ
ルーフバンド３b₁の内面に形成さされている。

以上のようなキヤツプ３は、比較的柔軟で弾力
性を有し、かつ薄肉部が引裂き性を有するプラス
チツク、例えば充填剤が適量配合された低密度ポ
リエチレンより、射出成形法等により形成され
る。そしてびん口部２に打込んで打栓し、びん口
部の３条の環状ビード部と、その各々に対応する
キヤツプの３条の内側突出部を係合させることに
よつて密封が行なわれる。このように係合箇所が
高さ方向に３箇所あり、特に中間係合部と下部係
合部が比較的接近しているので、密封後手指でキ
ヤツプ３を押上げても、キヤツプ３が口部２に沿
つて抜け上ることなく、ピルフアープルーフ性が
確保される。

すなわちスカート部の下端面、従つてピルフア
ープルーフバンドの下部内側突出部下側の下端面
を手指で押し上げて、キヤツプをびん口部から抜
き出そうとすると、同時に中間内側突出部を半径
方向に押し付ける力が自然に手指によつて加わつ
て、中間内側突出部と中間環状ビード部間の係合
が一段と高まり、キヤツプの抜き出しが不可能に
なる。

第４図は開封途中の状態を示したものであつ
て、先づ摘みタブ１０を、その延びる方向と反対
の方向（矢印Ａ方向）に逆戻しして、ほぼ水平方
向に引張ると、先づ摘みタブ１０の基部１０ａよ
り下方の下部内側突出部９の部分９ａが破断し
て、破断部９′ａが形成され、次いで開封用薄肉
部１２に沿つて引裂きが行なわれ（１２′は引裂
き線を示す）、引裂き線１２′が環状薄肉部１１に
達すると、環状薄肉部１１が引裂かれる（１１′
は引裂き線を示す）。そして摘みタブ１０を口部
２に沿つてほぼ１周して引張ることによつて、環
状薄肉部１１は全周に沿つて引裂かれ、ピルフア
ープルーフバンド３b₁は除かれる。

次いで環状薄肉部１１より上方のキヤツプ３の
部分、すなわちキヤツプ主部３b₂を押し上げる
と、上部環状ビード部４と上部内側突出部７間の
係合が解けて開封が行なわれる。キヤツプ主部３
b₂はリシールが可能である。

本考案の密封びんにおいて、ピルフアープルー
フ・プラスチツクキヤツプは、びん口部とキヤツ
プの間に、係合箇所が高さ方向に３箇所あり、特
に中間係合部と下部係合部が比較的接近している
ので、打込み打栓タイプのものであつても、手指
による押上げによつて容易にびん口部を沿つて抜
け上ることがなく、ピルフアープルーフ性が確保
されるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例である密封びんの要
部正面図、第２図は第１図の密封びんの要部平面
図、第３図は第１図の密封びんの要部縦断面図、
第４図は第１図の密封びんの開封中の状態を示す
要部正面図である。 １……密封びん、２……びん口部、３……ピル
フアープルーフ・プラスチツクキヤツプ、３ｂ…
…スカート部、３b₁……ピルフアープルーフバン
ド、４……上部環状ビード部、５……中間環状ビ
ード部、６……下部環状ビード部、７……上部内
側突出部、８……中間内側突出部、９……下部内
側突出部、１０……摘みタブ、１０ａ……基部、
１１……環状薄肉部、１２……開封用薄肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部環状ビード部、上部環状ビード部の下方に
   位置する中間環状ビード部、および中間環状ビー
   ド部より外径の小さい下部環状ビード部を該中間
   環状ビード部近傍に備えるびんの口部に、上部環
   状ビード部に係合可能な上部内側突出部、中間環
   状ビード部に係合可能な中間内側突出部、下部環
   状ビード部に係合可能な下部内側突出部、および
   下部外面に設けられた摘みタブを有するスカート
   部を備え、上部内側突出部の下側に引裂き可能
   な、ピルフアープルーフバンドを画定する環状薄
   肉部が形成されており、該摘みタブの基部内面よ
   り斜上方に該環状薄肉部まで延びる、該摘みタブ
   を引張ることによつて引裂き可能な開封用薄肉部
   が形成された、ピルフアープルーフ・プラスチツ
   クキヤツプが封緘されていることを特徴とする密
   封びん。