JPS6217150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金型鋳造装置における押出しピンの調
節装置に関するものである。

一般に金型鋳造装置における押出しピンは、金
型模型のキヤビテイ面から出すぎると製品の離
型、落下時に製品と干渉して曲げられたり或いは
製品を傷つけたりする恐れがあり、また、その逆
に引込めすぎると製品に余分な肉が形成されて製
品の商品価値を低下させるなどいろいろな問題が
あり、押出しピンのストロークを常に最適量に調
節できる装置の開発が業界において要望されてい
る。

本考案は前記のような要望に応えた金型鋳造装
置における押出しピンの調節装置を目的として完
成されたもので、以下、本考案を図示の実施例に
ついて詳細に説明する。

１は固定側のダイプレート、２は取付フレーム
で、該ダイプレート１及び取付フレーム２の両端
部には２本のガイドロツド３が固定支持され、該
ガイドロツド３の中間部には可動側のダイプレー
ト４が支持筒５を介して摺動自在に嵌挿されてい
る。また、該固定側のダイプレート１及び可動側
のダイプレート４の前面には金型模型６付のダイ
ベース７が添装され、該ダイベース７は前記ダイ
プレート１，４にそれぞれ挿通されて後端の雄ね
じ部にナツト８を螺装したＬ字ボルト９のフツク
部９ａに把持されて該ダイプレート１，４にそれ
ぞれ取付けられている。１０は取付フレーム２の
背面に取付けられた開閉シリンダで、取付フレー
ム２を貫通して取付フレーム２の前面に突出した
該開閉シリンダ１０のピストンロツド１０ａの先
端には可動側のダイプレート４が固着され、該開
閉シリンダ１０の作動により前記可動側のダイプ
レート４はガイドロツド３に沿つて摺動移動でき
るようになつている。１１は固定側のダイプレー
ト１の背面に取付けられた製品の押出しシリンダ
で、ダイプレート１を貫通して該ダイプレート１
前面に突出した前記押出しシリンダ１１のピスト
ンロツド１１ａの先端には取付け板１２が固着さ
れている。そして、この取付け板１２にはその上
縁部に先端がフツク部に形成された上部クランプ
爪１３が該上縁部に設けられた切欠溝に横架され
た枢軸１４をもつて枢支される一方、該取付け板
１２の下縁部には先端が内向きのフツク部に形成
された図示しない下部クランプ爪が設けられ、製
品押出しプレート１５は上部クランプ爪１３およ
び下部クランプ爪によつて取付け板１２に把持さ
れるようになつており、また、製品押出しプレー
ト１５の前面には先端部を金型模型６のキヤビテ
イ面に突出した押出しピン１６が固着されてい
る。１７は固定側のダイプレート１に設けたガイ
ド孔に摺動自在に嵌挿されたガイドピンで、該ガ
イドピン１７はその先端が取付け板１２に固着さ
れている。１８は固定側のダイプレート１に設け
た螺孔２２に螺挿されて回動により進退動する螺
管状の当て部材で、該当て部材１８はロツクナツ
ト１９によつて常時は固定側のダイプレート１に
強固に締着される。そして、この当て部材１８に
はストツパピン２０が摺動できるように嵌挿され
ていて該ストツパピン２０の基端は雄ねじ部２
０″として前記取付け板１２の所要個所に螺着さ
れ、また、該ストツパピン２０の先端すなわち当
て部材１８の後端より突出する部分には雄ねじ部
２０′が形成されてこれに二重の調節用ナツト２
１が螺装されている。すなわち、押出しピン１６
は調節用ナツト２１を当て部材１８の後面Ａに当
接させることによつて出過ぎが規制され、また、
当て部材１８の前面Ｂに取付け板１２の背面を当
接させることによつて引込み過ぎが規制されるよ
うになつている。

このように構成されたものは、開閉シリンダ１
０の作動により型締め、型開きが行われる点と、
押出しシリンダ１１の作動により進退動する取付
け板１２を介し押出しピン１６が進退動して製品
の押出しを行う点は在来のこの種装置と同様であ
るが、押出しピン１６のストロークを常に最適量
に容易に調節できる点に本考案の特長がある。す
なわち、図示する状態において押出しピン１６が
出過ぎる場合には、二重の調節用ナツト２１を回
動螺進させて調節用ナツト２１と当て部材１８の
後面Ａとの間の間隔を狭め、取付け板１２の押出
し端の位置を調整して決まつた所で調節用ナツト
２１を再び締めて固定する。他方、押出しピン１
６が引込み過ぎの場合には、ロツクナツト１９を
弛めたうえ当て部材１８を回動して螺進させ、取
付け板１２の背面と当て部材１８の前面Ｂとの間
の間隔を狭め、取付け板１２の戻り端の位置を調
整して決まつた所でロツクナツト１９を再び締め
て固定する。このように押出しピン１６のストロ
ークを調整したあと常法により金型を開閉して鋳
造作業を開始すればよいもので、押出しピン１６
のストローク調節はロツクナツト１９を緩めて螺
管状の当て部材１８を進退動させるか、調節用ナ
ツト２１を回動させてストツパピン２０の有効長
さを調節するだけの簡単な操作をもつて行うこと
ができることとなる。なお、前記実施例において
は、固定側のダイプレート１側に押出し機構とと
もにその調節装置等を配置したものとしている
が、可動側のダイプレート４側に配置するように
しても良いことは勿論である。

本考案は前記実施例による説明から明らかなよ
うに、ダイプレートの螺孔に螺挿した螺管状の当
て部材と、取付け板に突設されて前記当て部材に
挿通されるストツパピンを巧妙に利用して押出し
ピンを金型模型のキヤビテイ面から出すぎたり、
引込みすぎたりすることのないようにしたもの
で、製品の離型、落下時に押出しピンが製品と干
渉して曲げられることがないから、押出しピンが
長期使用できるものとなるうえ押出しピンにより
製品を傷つけることがなく、さらには製品に余分
な肉が付けられて製品の商品価値が低下すること
もないなどいろいろな優れた効果をもつもので、
在来のこの種の装置の問題点を解決したものとし
て実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部切欠平面図で
ある。 １……固定側のダイプレート、４……可動側の
ダイプレート、１２……取付け板、１６……押出
しピン、１８……当て部材、２０……ストツパピ
ン、２０′……雄ねじ部、２１……調整用ナツ
ト、２２……螺孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイプレートの前面に製品押出し用の押出しピ
   ン１６を進退動させる取付け板１２を配置した金
   型鋳造装置において、該ダイプレートの所要箇所
   に螺孔２２を設けてこれに回動により進退動する
   螺管状の当て部材１８をその前面Ｂがダイプレー
   トの前面より出没できるように螺挿し、該当て部
   材１８に前記取付け板１２の背面に突設したスト
   ツパピン２０を摺動自在に挿通させて該ストツパ
   ピン２０の先端に形成される雄ねじ部２０′には
   調節用ナツト２１を前記当て部材１８の後面Ａと
   の間隔を調整できるように螺装したことを特徴と
   する金型鋳造装置における押出しピンの調節装
   置。