JPH0128938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホツトチヤンバー・ダイカストマシン
に関する。

従来、この種のホツトチヤンバー・ダイカスト
マシンは第１図に示すようにホツトチヤンバー・
ダイカストマシン本体１と、このダイカストマシ
ン本体１の上部に設けられたレール２，２上を移
動できる固定金型３、リンク機構Ｂによつて往復
移動する可動金型４、押し出し板５等が設けられ
た金型ユニツト６と、前記ダイカストマシン本体
１に固定された前記金型ユニツト６に溶湯を供給
する湯注出装置７と、前記金型ユニツト６を移動
させる移動装置８とからなり、前記移動装置８は
一端が前記金型ユニツト６の後端に枢支され、他
端が前記ダイカストマシン本体１に位置調整可能
に取付けられたアーム９に枢支され略中央部が回
動可能に枢支されたリンク１０と、このリンク１
０の略中央部をロツド１１を介して回動させる油
圧シリンダー１２とから構成されている。

したがつて、金型ユニツト６の可動金型４は型
締め型開き方向にしか移動しないので、筒状の長
い物を２分割しないで鋳造したくても可動金型の
移動ストローク半分以下の寸法のものでなければ
金型より製品を取り出すことができず、長い物は
鋳造できないという欠点がある。

また可動金型の移動ストロークを大きくするこ
とも考えられるが、リンク機構Ｂを取りかえなけ
ればならず、その作業に多くの時間がかかるので
専用機にしなければならないという欠点があつ
た。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、筒状
の長い物でも可動金型のストロークをかえること
なくかつ軸心方向に２分割しなくても鋳造するこ
とができるとともに、短かい物でも従来と同様に
鋳造することのできるホツトチヤンバー・ダイカ
ストマシンを得るにある。

以下、第２図ないし第１０図に示す実施例によ
り本考案を詳細に説明する。なお、これらの実施
例の説明に当つて、前記本考案の実施例と同一部
分には同一符号を付して重複する説明を省略す
る。

第２図ないし第４図の実施例において、前記従
来の実施例と主に異なる点は、金型ユニツト６に
可動金型４を型開き方向に対し直角方向に移動さ
せる移動機構１３を備えさせた点で、この移動機
構１３は前記金型ユニツト６のフレーム１４に固
定された支持台１５と、この支持台１５に前記可
動金型４と同方向に移動可能に取付けられた油圧
シリンダー１６と、この油圧シリンダー１６のロ
ツド１７の先端が固定された前記可動金型４の型
開きの移動方向に対し直角方向に移動できるよう
に前記フレーム１４の支持ピン１８，１８，１
８，１８が挿入された長孔１９，１９が形成され
た可動金型４および押し出し板５とから構成され
ている。

上記構成にあつては、移動機構１３の油圧シリ
ンダー１６を作動させて可動金型４に形成された
長孔１９，１９と、押し出し板５に形成した長孔
１９，１９の下部にそれぞれフレーム１４の下部
の支持ピン１８，１８が当接するように位置させ
る。この状態で可動金型４の型締めおよび型開き
の第１行程を従来と同様に行うことができる。こ
の時、油圧シリンダー１６は可動金型４の移動に
応じて同方向に移動できるように支持台１５に支
持されている。

前述のように型開きの第１行程が完了すると移
動機構１３の油圧シリンダー１６が作動して第４
図に示すように、可動金型４に形成された長孔１
９，１９と、押し出し板５に形成した長孔１９，
１９の上部にフレーム１４の支持ピン１８，１８
が当接するように位置させる。これにより可動金
型４に形成されているキヤビテイ２０内に保持さ
れている筒状の長い鋳造製品２１の取り出し方向
の部位は固定金型３の下部位置となり、容易に取
り出すことができる。なお、この実施例の場合、
可動金型４の型開き方向と直角方向の移動量はリ
ンク機構Ｂの許容範囲内である。

第５図および第６図の実施例において、前記本
考案の実施例と主に異なる点は可動金型４Ａをリ
ンク機構Ｂに接続された第１の可動金型２２と、
この第１の可動金型２２の移動方向に対し略直角
方向にスライド可能に取付けられたキヤビテイ２
０を有する第２の可動金型２３とするとともに、
この第２の可動金型２３に移動機構１３を取付け
た点で、このように構成することにより第２の可
動金型２３の型開き方向に対して直角方向の移動
量をリンク機構Ｂに関係なく大きく取ることがで
きる。

第７図および第８図の実施例において、前記本
考案の実施例と主に異なる点は可動金型４、押し
出し板５を支持するフレーム１４をリンク機構を
用いることなく油圧シリンダー２４によつて移動
できるようにした点と、１回の鋳造作業毎に油圧
シリンダー２５によつて金型ユニツト６をノズル
２６より離すように移動させるようにした点で、
このように構成しても同様な作用効果が得られ
る。

第９図および第１０図の実施例において、前記
第５図の実施例と主に異なる点は可動金型４Ｂ
で、この可動金型４Ｂは第１の可動金型２２に対
し第２の可動金型２３Ａを回動できるように枢支
ピン２７で枢支するとともに、一端である本体を
第１の可動金型２２の側面に枢支され他端である
ロツドの先端を第２の可動金型２３Ａの側面に枢
支された移動機構としての油圧シリンダー２８を
設けた点で、このように構成しても同様な作用効
果が得られる。なお、第２の可動金型２３Ａに保
持されている鋳造製品は別途設けられる押し出し
ピンによつて第２の可動金型２３Ａが回動した後
押し出される。

以上の説明から明らかなように、本考案にあつ
ては可動金型を型開き方向に対し略直角方向に移
動させることができるので、可動金型のストロー
クよりも大きな製品を軸心方向に２分割すること
なく鋳造成形しても取り出し時に鋳造製品が固定
金型に当接することなく取り出すことができる。
したがつて、従来では軸心方向に２分割して鋳造
しなければ鋳造できない長い筒状の製品でも、大
変な作業であるリンク機構や油圧シリンダーのス
トロークをかえることなく行うことができる。ま
た通常の長さの製品を鋳造する場合には移動機構
を作動させなければ従来と同様に鋳造作業を行う
ことができるという実用上優れた利点がある。

さらに、金型ユニツトを１回の鋳造作業毎に湯
注出装置のノズルより離すように移動させること
ができる油圧シリンダーを備えたので、型開き前
に湯道とノズルとで凝固した部分を金型ユニツト
の移動によつてノズル先端部より切断できるの
で、固定金型より、キヤビテイで成形された鋳造
成形品を容易に外すことができる。よつて、型開
き時に鋳造成形品が可動金型側に付着した状態で
型開きできるように容易に金型を設計することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一実施例を示す説明図、第２図
は本考案の一実施例を示す要部説明図、第３図は
可動金型を下げた状態を示す図、第４図は第３図
の状態にある可動金型の説明図、第５図および第
６図、第７図および第８図、第９図および第１０
図はそれぞれ本考案の異なる実施例を示す説明図
である。 １……ダイカストマシン本体、２……レール、
３……固定金型、４，４Ａ……可動金型、５……
押し出し板、６……金型ユニツト、７……湯注出
装置、８……移動装置、９……アーム、１０……
リンク、１１……ロツド、１２……油圧シリンダ
ー、１３……移動機構、１４……フレーム、１５
……支持台、１６……油圧シリンダー、１７……
ロツド、１８……支持ピン、１９……長孔、２０
……キヤビテイ、２１……鋳造製品、２２……第
１の可動金型、２３，２３Ａ……第２の可動金
型、２４……油圧シリンダー、２５……油圧シリ
ンダー、２６……ノズル、２７……枢支ピン、２
８……油圧シリンダー、Ｂ……リンク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイカストマシン本体と、このダイカストマシ
   ン本体の上部一端に備えられた湯注出装置と、上
   記ダイカストマシン本体に備えられた前記湯注出
   装置から注湯される固定金型、可動金型等を有す
   る金型ユニツトと、この金型ユニツトに可動金型
   を型開き方向に対し直角方向に移動させる移動機
   構と、前記金型ユニツトを１回の鋳造作業毎に前
   記湯注出装置のノズルより離すように移動させる
   ことのできる油圧シリンダーとからなることを特
   徴とするホツトチヤンバー・ダイカストマシン。