JPS6216759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は回転電機に関するものであり、例え
ば内燃機関を始動する始動電動機において水抜き
構造を改良した回転電機に関するものである。

〔従来の技術〕

第１図は従来の回転電機を示す側断面図であ
る。第１図において、電磁押込型始動電動機１は
内燃機関を始動するもので、直流電動機２を主構
成要素としている。継鉄３は軟鋼板で円筒状に構
成されている。界磁磁極４は軟鋼部材で構成され
継鉄３の内周面に固着されたものであり、界磁コ
イル５が巻装されている。電機子６は界磁磁極４
の内周面に相対して回転可能に設置されており、
電機子巻線７が巻装された電機子鉄心８と、電機
子鉄心８に固定された回転軸９とから構成されて
いる。フロントブラケツト１０は貫通孔１０１が
穿設された突設部１０２を備え、回転軸９の前端
部９０１を貫通孔１０１内に挿入して、スリーブ
ベアリング１１を介して回転可能に支承するもの
であり、継鉄３の一端面開口部を覆うように継鉄
３に取付けられている。リヤブラケツト１２は継
鉄３の他端面開口部を覆うように継鉄３に取付け
られており、円筒容器状に外方向に折曲げられた
突設部１２１を備えている。スリーブベアリング
１３は突設部１２１内に設置され回転軸９の後端
部９０２を回転可能に支承するものである。オー
バランニングクラツチ１４は回転軸９にスプライ
ン係合されたものである。ピニオン１５はオーバ
ランニングクラツチ１４の前端部に固着され、一
方向回転係合されるものである。ストツパ１６は
回転軸９の前端部９０１に係着されたもので、ピ
ニオン１５の前方突出を係止するものである。ス
ラストワツシヤ１７は回転軸９の前端部９０１の
段付部とフロントブラケツト１０の突設部１０２
の内周面間に装着され、ストツパ１６の受圧力を
フロントブラケツト１０に伝達するものである。
電磁スイツチ１８はフロントブラケツト１０にボ
ルト（図示せず）によつて取付けられたものであ
る。プランジヤ１９は電磁スイツチ１８の励磁時
に復帰ばね（図示せず）のばね力に抗して電磁ス
イツチ１８の枠体内に吸引されるものである。シ
フトレバー２０は、その回転支点部２０１がホル
ダー２１によつて回動自在に支承されており、そ
の一端部２０２はプランジヤ１９に係合され、そ
の他端部２０３はオーバランニングクラツチ１４
に係合されている。整流子２２は回転軸９の後端
部９０２に嵌着され電機子巻線７に接続されてい
る。ブラシ２３は整流子２２に摺接して電機子巻
線７に通電するものである。ブラシホルダ２４は
ブラシ２３を保持しブラシ台２５を介してリヤブ
ラケツト１２に取付けられたものである。水抜孔
２６はブラシ２３の下方部分のリヤブラケツト１
２に穿設されたものである。

次に動作について説明する。今、電磁スイツチ
１８が通電付勢されて、プランジヤ１９が復帰ば
ね（図示せず）のばね力に抗して電磁スイツチ１
８の枠体内に吸引されると、シフトレバー２０は
回動支点２０１を中心に反時計方向に回動する。
このためオーバランニングクラツチ１４は回転軸
９上を前方（図中の右方向）に移送され、ピニオ
ン１５が内燃機関のリングギヤ（図示せず）に噛
合する。またこのとき、電磁スイツチ１８に内蔵
された主接点（図示せず）がプランジヤ１９によ
つて押圧閉成され、直流電動機２を回転駆動す
る。このため回転軸９、オーバランニングクラツ
チ１４及びピニオン１５を介して内燃機関のリン
グギヤ（図示せず）が回転駆動され、内燃機関が
始動される。水抜孔２６は上述の動作を妨げる直
流電動機２の筐体内の溜水を外部に排出する作用
を行うものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の回転電機は以上のように構成され、水抜
孔２６を通じて直流電動機２の筐体内の内部空間
が外気に直接連通しているため、外部から泥水、
塵埃等が直流電動機２内に侵入して、直流電動機
２が汚損される恐れがあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたものであり、水抜孔２６を
微少間隙を介してブラシ台２５に支持された覆い
材で覆つて、この覆い材と水抜孔２６とでラビリ
ンス機構を構成するようにしたものである。

〔作用〕

この考案は、水抜孔２６を微少間〓を介して覆
い材で覆つてラビリンスシール機構を構成してい
るため、外部から泥水、塵埃等が直流電動機２内
に侵入するのを防止する。

〔実施例〕

以下図面によつてこの考案の一実施例を説明す
る。

第２図はこの考案に係る回転電機の主要部の一
実施例を示す部分側断面図である。図中第１図と
同一部分には同一符号を付している。第２図にお
いて、ラビリンスシール機構２７Ａは、ブラシ台
２５に一端が支持され、水抜孔２６を機枠である
リヤブラケツト１２の内側から、微少間〓を介し
て覆う覆い材２７と、水抜孔２６とで構成されて
いる。

この考案は以上のように構成され、覆い材２７
によつて水抜孔２６を微少間隙を介して覆い、こ
の覆い材２７と水抜孔２６とでラビリンスシール
機構２７Ａを構成しているため、リヤブラケツト
１２の下部の溜水は、リヤブラケツト１２と覆い
材２７との〓間から水抜孔２６を介して外部に排
出される。一方、外部から水抜孔２６を介してリ
ヤブラケツト１２内に侵入しようとする泥水、塵
埃等は、覆い材２７によつて侵入が防がれ、外部
から直流電動機２の筐体内に泥水、塵埃等が侵入
する恐れがなく、直流電動機２が汚損される恐れ
はない。

なお、ブラシ台２５と覆い材２７とを、例えば
表面処理された薄鋼板のプレス加工等によつて一
体に成形してもよく、安価に作製することができ
る。

以上のようにこの考案によれば、外部からの汚
損を防止することができ、安価に作成することが
できる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転電機を示す側断面図、第２
図はこの考案に係る回転電機の主要部の一実施例
を示す部分側断面図である。 図において、各図中同一部分には同一符号を付
しており、２は直流電動機、９は回転軸、１２は
リヤブラケツト、２２は整流子、２３はブラシ、
２４はブラシホルダ、２５はブラシ台、２６は水
抜孔、２７は覆い材、２７Ａはラビリンスシール
機構である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電機子回転軸に取付けられた整流子、前記整
   流子に摺接するブラシを支持するブラシ台、前
   記回転子回転軸を回転可能に支承しかつ前記ブ
   ラシ台を支持する機枠及び前記機枠の下方部に
   穿設された水抜孔と、前記ブラシ台より下方に
   おいて前記機枠の内側から前記水抜孔を微少間
   〓を介して覆う覆い材とで構成されたラビリン
   スシール機構を備えた回転電機。 (2) 覆い材は、ブラシ台と一体に構成されている
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の回転電
   機。