JPS6216312B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一次シールドを行つたトンネル内の拡
大予定区域に対して、一次シールドセグメントの
外周に沿つて推進させながら拡大掘削を行う拡大
シールド機に関するものである。

地下鉄工事や地下ケーブル等の埋設工事のため
のトンネル掘削にはシールド工法が優れた工法と
して多く用いられているが、地下鉄の駅を構築し
たり地下ケーブルの連結作業を行う際にはトンネ
ルの一部を拡大させる必要が生じる。

上記拡大工事を行うための従来工法として、一
般的にはシールド工法で構築されたトンネルの拡
大予定区域に対して地上から立坑を掘り、この立
坑を利用して拡大トンネルの構築が行なわれてい
た。

しかしながらこの中間立坑を設ける方法は近年
市街地においては、地上および地下の各種障害物
の制限を受けてトンネルの構築線路が地中深くな
つている実情に鑑みてその実施が次第に困難とな
つており、又折角掘削した立坑も拡大工事後埋め
戻さねばならない等コスト的に問題があつた。

そこで本願出願人はこれら従来工法の欠点を改
善するトンネル拡大掘削工法を先に特願昭56−
153996号（特開昭58−98595号）で提案した。

この改善された掘削工法は、一次シールドを行
つたトンネル内の拡大予定区域の一方端部に対し
て局部的に拡大掘削を行い、ここに別の拡大シー
ルド機を設置して一次シールドセグメントの外周
に沿つて軸線方向に推進して拡大掘削を行うと共
に、当該拡大掘削部分の一次シールドセグメント
を順次取外しながら拡大掘削部に二次シールドを
施すようにしたものである。

そして本願はこのトンネル拡大掘削工法に使用
する拡大シールド機であつて、拡大シールド機の
内周部には一次シールドセグメントの外周に沿つ
て拡大シールド機を軸線方向へ案内する案内部材
を設けたことを要旨とするものである。

これにより前記従来工法の問題点は改善され、
シールド機の機長が短くても既設の一次シールド
セグメントをガイドとして片寄りがなくカーブず
れにも追従して同心状に施工精度の高い拡大部の
施工が出来ると共に、案内部材の形状を変えるこ
とにより任意の偏心状拡大部を施工したり、一次
トンネルと形状の異なる拡大部を施工することも
可能にした拡大シールド機を提供するものであ
る。

以下に本発明の一実施例を図面により説明す
る。

まず第１図は拡大シールド機１の正面図、第２
図は同側面図を示し、該シールド機は予めいくつ
かに分割された各シールドユニツト２を図示しな
いがボルトおよびナツトを使用して相互に連結す
ることにより一体化されている。

各シールドユニツト２は内側からの組立てを容
易にするために中央上部のユニツトのみが多少他
のユニツトと形状を異にしているが基本的には各
ユニツトは同一構成である。

これら各シールドニツトは先端側に刃口３ａを
形成したスキンプレート３と、該スキンプレート
に装着された後方にシリンダー４ａを突出させた
シールドジヤツキ４を備え、前記スキンプレート
３の内側には同じく先端側に刃口５ａを形成した
ガイドプレート５が設けられている。

各シールドユニツト２は一体に組着され同心状
ドーナツ形をなしスキンプレート３が連結された
シールド機の外周は拡大部分の内径に一致すると
共に、各ガイドプレート５が連結された案内部材
としてのガイドリングの内周は一次シールドセグ
メントの外周より大径になるよう設定されてい
る。

又ガイドリングの内面には一次シールドセグメ
ントとの間隙をシールするためのゴムパツキング
６と摺動を良好にするためのローラー７が各々装
着されている。

前記シールドジヤツキ４やローラー７は各シー
ルドユニツト２毎に一個づつ必要なものではな
く、等角度で最低３個以上あれば良く、ローラー
７に代わる摺動部材としてソリを用いたりゴムパ
ツキング６に代わるシール部材として任意に空気
量を調整できる空気袋を用いるようにしても良
い。

尚スキンプレート３の後端部内面にも必要に応
じて適宜シール部材を装着する。又本願のシール
ド機は前記ガイドリングを設けることらよりシー
ルド機の機長は短くても片寄ることもなく、機長
が短く出来ることはコストおよびシールド機を設
置させるための掘削が少くてすむ利点がある。こ
の実施例ではシールド機の機長を出来るだけ短く
すめために、従来のシールド機ではリングガーダ
内に装着されていたシールドジヤツキを肉厚のパ
イプ内に収納してフード内に装着すると共に、こ
の分ジヤツキを２段伸長形のストロークの長いも
のにして二次シールドセグメントの装着に支障を
おこさないようにしている。

更に各スキンプレート３とガイドプレート５と
の間に形成された掘削部８には図示しないがスク
リユーオーガー等の掘削手段を土質に応じて適宜
装着される。

しかしてぼりの場合は特別な装置を必要とせ
ず、又土砂や軟弱地盤の場合は所定の排土口が形
成されれば良い。

上記構成による本願の拡大シールド機１は第３
図に示すように、通常のシールド機により一次シ
ールドセグメント９を施された１次トンネル１０
の拡大予定区域１１の一方端部を局部的に拡大
し、ここに前記拡大シールド機１を組立て設置し
て拡大掘削を行いながら拡大部１２を造成するも
のである。

すなわち拡大シールド機１のガイドリングが一
次シールドセグメント９の外周に位置し、局部的
に拡大した拡大予定区域１１の一方端部に設けた
土留板１３を反力受としてシールドジヤツキ４を
伸長させると、ガイドリングに装着されたローラ
ー７が一次シールドセグメント９上を摺動してシ
ールド機１がセグメント分前進して前方刃口３
ａ，５ａは地山にくい込むと共に、シールド機に
装着した掘削手段で掘削排土される。

そこで一次シールドセグメント９を１個分取外
し、拡大部に２次シールドセグメント１４を１個
分装着して次にはこの装着した拡大シールドセグ
メント１４をシールドジヤツキ４の反力受として
再びシールド機１を前進させ、以下同様のくり返
しにより拡大予定区域１１全域に亘つて拡大部１
２が造成される。拡大部造成後の拡大シールド機
は解体して再使用することが出来ると共に、この
拡大掘削作業は前方の一次シールド作業と並行し
て行うことができる。

このようにして造成された拡大部はシールド機
とガイドリングとを同心状のドーナツ形にしたの
で第４図Ａの如く一次トンネル１０Ａと同心状に
相似する円形の拡大部１２Ａが得られ、たとえ一
次シールドがカーブしていてもこれに追従して常
に精度の高い拡大シールドを得ることができる。

又拡大シールド機およびガイドリングの取付位
置や形状を任意に設定することにより、第４図Ｂ
のように一次トンネル１０Ｂと偏心した円形の拡
大部１２Ｂや、第４図Ｃのように円形の一次トン
ネル１０Ｃに対して馬てい形の拡大部１２Ｃある
いは、第４図Ｄのように角形の１次トンネル１０
Ｄに対して円形の拡大部１２Ｄ等の掘削がなされ
拡大シールドを行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願拡大シールド機の正面図、第２図
は同側面図、第３図は本願拡大シールド機を使用
して拡大掘削を行う状況を説明する縦断面図、第
４図は本願拡大シールド機で拡大掘削される各種
トンネルの断面形状図である。 ［符号の説明］、１……拡大シールド機、２…
…拡大シールドユニツト、３……スキンプレー
ト、３ａ，５ａ……刃口、４……シールドジヤツ
キ、４ａ……シリンダー、５……ガイドプレー
ト、６……ゴムパツキング、７……ローラ、８…
…掘削部、９……１次シールドセグメント、１
０，１０Ａ〜１０Ｄ……一次トンネル、１１……
拡大掘削予定区域、１２，１２Ａ〜１２Ｄ……拡
大部、１３……土留板、１４……拡大シールドセ
グメント。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一次シールドを行つたトンネル内の拡大予定
   区域に対して、一次シールドセグメントの外周に
   沿つて軸線方向に推進させて拡大を行う拡大シー
   ルド機であつて、前記拡大シールド機の内周部に
   は一次シールドセグメントに沿つて拡大シールド
   機を案内する案内部材を設けたことを特徴とする
   拡大シールド機。 ２ 前記案内部材の先端に刃口が形成された請求
   の範囲第１項記載の拡大シールド機。