JPS62158844A - 高耐食性Ni基合金 - Google Patents

高耐食性Ni基合金

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JPS62158844A
JPS62158844A JP119986A JP119986A JPS62158844A JP S62158844 A JPS62158844 A JP S62158844A JP 119986 A JP119986 A JP 119986A JP 119986 A JP119986 A JP 119986A JP S62158844 A JPS62158844 A JP S62158844A
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Masaaki Igarashi
正晃 五十嵐
Yasutaka Okada
康孝 岡田
Akio Ikeda
昭夫 池田
Shiro Mukai
向井 史朗
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、腐食環境下、特に従来から注目されていた
所謂サワーガス環境(H2S −CO2−C1−環境)
よりも更に腐食性が苛酷な、イオウ(S)がFeS ’
p NiS等の硫化物としてではなく単体として混入す
るサワーガス環境下においても良好な耐応力腐食割れ性
及び耐水素割れ性を有する油井管用Ni基合金に関する
ものである。
〈従来技術並びにその問題点〉 近年のエネルギー事情は、油井の深井戸化やサワーガス
環境下での掘井が余儀なくされるところまできており、
高価ではあるが、上記苛酷な環境に十分耐えられるよう
な油井管用高強度・高耐性Ni基合金が開発され、適用
されるようになってきた(例えば、特開昭54−107
828号公報や特開昭54−127831号公報参照)
ところが、最近の油井情報によれば、腐食性が苛酷であ
るとされてきた上記サワーガス環境とは別に、該サワー
ガス環境に更にイオウ(S)が単体として混入している
環境が見出され、このような環境においては、これまで
に提案された如き耐サワーガス用Ni基合金をもってし
ても耐食性の点で十分に満足できるものでないことが明
らかとなった。
この点について更に詳述すると、先にも説明した如く、
近年の新しい油井やガス井では油や天然ガスのほか、水
や塩類(Ct″−1Br−等)と−緒にH2S +Co
2等の腐食性ガスの混在した環境が多くなる傾向にあっ
たが、地上にて実施されるこれら環境成分の分析結果に
よると、最近、上記腐食性ガスや、水、塩類等にまじっ
てイオウ(S)が単体(FeSやNiS等の硫化物形態
をとっていない)で認められるような新たな環境に属す
る油井の存在も確認されるようになったのである。この
ような環境に存在するイオウ(S)は、地中深くにおい
てN2SX  : N2S十5X−0 なる式で示される如く、ポリサルファイド(N28M)
になるとも、S単体の1ま存在するとも言われているが
、温度や圧力(特にH2S分圧)の状態によっては、 4 S + 4 N20 + 3 H2S +H2So
なる式の如くにS或いはH,So、等の形態となってい
ることも否定できない。
このうち、H2SxはH2Sガスのりザーバー(貯蔵役
)としてH2S濃度を増大させる働きがちシ、一方、H
2SO4はpHを低下させる働きがある。
ところで、これらの現象を確認するため、本発明者等も
H2S −Co2− C1−環境下とH2S −Co2
−Ct−−S環境下でのNi基合金(含オーステナイト
系合金)に及ぼす耐食性の差異に関する調査実験を行っ
たが、その結果、イオウ(S)添加の有無によってNi
基合金の耐食性に及ぼす影響が異なシ、イオウ(S)の
存在がNi基合金の耐食性を著しく劣化すると言う事実
の確認はなされたが、イオウ(S)が共存した場合の腐
食機構については明断な解明がなされず、大別して ■ N2 S z 0H2Sのリザーバー説式r H2
S +5x−1; N2SxJに従ってポリサルファイ
ド(N2SX)が高温環境で発生し、N2sのリザーバ
ーとして働くので、N2SXが材料に接すると高H2S
環境と同様の作用をする、■ N2So、による低pH
化説 H2Sが存在しない単体Sのみの環境下でも、水があれ
ばr 4 S + 4 N20 、! 3 H2S +
H2S04Jなる式に従ってH2Sが発生すると同時に
N2So。
も生成され、これがpHを低下させる、と言う2つの説
のいずれかが有力であるとの推測の域を脱することはで
きなかった。
く問題点を解決するだめの手段〉 本発明者等は、上述のような観点から、通常のサワーガ
ス環境(H2S −Co2− C1−環境)のみならず
、これにイオウ(S)が単体で混入している環境におい
ても十分に満足し得る耐食性を有した合金を提供すべく
更に研究を続けた結果、以下に示される知見を得るに至
ったのである。即ち、(aJ  サワーガス環境に更に
イオウ(S)の単体が混入する環境においては、間違い
な〈従来のサワーガス環境におけるNi基合金の腐食機
構と異なった腐食形態が存在し、単体Sは温度及び圧力
(特にH2S分圧)に依存して「5x−1+H2S+!
H2Sx」の反応に従い3態(Sx−x、H2S及びN
2SX)に変化することとな!’ 、5X−1として遊
離したイオウ(S)若しくはH2Sxが存在すると、こ
れが油井管部材に局所的に付着し、その部分において著
しい孔食が発生し、応力腐食割れを引き起すこと、(b
)  従来のサワーガス環境においては上記反応式に示
されるようなイオウ(S)の形態変化がほとんど認めら
れず、従って5x−1或いはN3SXによる特異な腐食
形態は生じないが、イオウ(S)の単体が混入するサワ
ーガス環境で上記のような特異な腐食形態が起きる理由
は、このような環境中においてはr 4 S + 4 
N20 ;: 3H2S + N2So、 Jなる反応
もなされて、H2Sが発生すると同時にH2SO4も生
じることとなシ、該環境のpHを低下させるためと考え
られること、 (C)  このような特異な腐食形態を呈する環境にお
いて油井管用材料に十分な耐食性を発揮させるためには
、従来の耐サワーガス用Ni基合金において形成される
耐食性皮膜よりも更に強硬で、かつ修復性の良好な保護
皮膜を形成させることが不可欠であり、一方では、合金
部材の破壊特性を向上させて孔食の進展を阻止し、応力
腐食割れを未然に防ぐ平文てを講じる必要があること、
(d)  サワーガス環境における従来のNi基油井管
用材料の保護皮膜強度やその修復能は、概ねCr、Mo
、 Wの含有量に比例して向上するが、単体Sを含む環
境では、これらに加えてCuの役割が極めて重要であり
、0.30%(以下、成分割合を示すチは重量%とする
)以上のCuを含有させた上で、環境温度が250℃以
下の場合には Cr(%)+1 oMo(%)+ 5 wt%)≧14
0を確保し、また環境温度がよシ高い300℃以下の場
合には Cr(%)+ 10M0(%)+ 5 W(%)≧18
0を確保しなければ、十分に強硬でしかも修復性の良好
な保護皮膜が形成されないこと、 (e)  更に、前記(C1項でも述べたように、特異
な腐食形態を緩和し合金部材の耐食性を向上させるには
保護皮膜強化策のみでは不十分であり、孔食の進展を阻
止する内質的改善が不可欠であるが、このためには前記
(d)項で示した成分調整に加えてNbの添加をも実施
し、これらによってMo−W−Cr−C系炭化物の析出
及びそのクラスター化を抑制することが極めて有効であ
ること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 Ni基合金を、 C:0.10%以下、Si二〇、05超〜0.30%、
Mn:2.0%以下、 P:0.030%以下、S:0
.0050%以下、Ni:45〜60%、Cr:15〜
3C)%、 Mo及びWの1 &以上: Moは16チ未満、Wは5.0%以下であって、かつ 12≦Mo(%)+1/2W(%)〈 16を満足する量、 Cu: 0.30〜3.0%、 Ti:2.0%以下、
Nb:0130〜3.0%、 Au:1.Oチ以下、N
:0.050%以下 を含有し、必要により、更に Ca:5.0係以下、 V、Ta、Zr及びHfの1種以上:各々1.0%以下
、 希土類元素二〇10%以下、 Mg: 0.10%以下、 Ca:0.10%以下、 Y:0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%) + 10Mo (%) + 5 w (%
)≧140なる式を満足する成分組成に構成することに
より、最近見出された油井やガス井における如き、イオ
ウ(S)を単体として含むところの250℃以下程度の
サワーガス環境下においても極めて浸れた耐応力腐食割
れ性及び耐水素割れ性を発揮せしめるようにした点、 に特徴を有するものである。
次いで、この発明において、Ni基合金の成分組成を前
述のように数値限定した理由を説明する。
ア)  C 合金中のC含有量がO,l O%を超えるとM60タイ
プの炭化物量(但し、MはMo、 Ni、Cr、 W等
である)が著しく増加し、合金の延性並びに靭性を劣化
することから、C含有量は0.10%以下と定めた。な
お、好ましくはC含有量を0.020%以下にまで低減
することが推奨されるが、特にその含有量を0.010
%以下に抑制すると延性、靭性並びに耐食性はよシ一層
顕著に改善される。
イ)  5i Slは、脱酸剤として有効な成分であるために添加され
るものであるが、多量に添加するとσ、P1Laves
相等の延性・靭性に対して好ましくない金属間化合物(
以下、“TCP相″と略称する)を生成しやすくなる。
その上、S1含有量が特に0.30係を超えると、凝固
時のミクロ偏析が助長され、前記M6C及びP相の形成
が著しく促進される傾向がみられる。このような理由で
、Sl含有量の上限を0.30 %と定めだが、その含
有量を0.10 %以下にまで低減すれば、炭化物の粒
界析出抑制効果も加わって延性、靭性並びに耐食性が更
に向上する。一方、Si含有量を0.05 %以下にま
で低減することは合金製造上面倒な操業を強いられるこ
とから、S1含有量は0.05%を超える範囲と定めた
つ)  Mn Mnは、通常、脱硫剤として添加される成分であるが、
その含有量が2.0%を超えるとTCP相生成を促進す
る場合があることから、この発明の合金ではMn含有量
を2.0%以下と定めた。
工)P量及びS P及びSは不可避的に混入してくる不純物であり、合金
中に多量に存在すると粒界偏析によυ熱間加工性を低下
させ、また耐食性をも劣化させることから、P含有量は
0.030%以下、S含有量はO,OO50%以下とそ
れぞれ定めた。
しかしながら、S含有量を特にO,0O07%以下に抑
制すると合金の熱間加工性が飛躍的に向上し、またP含
有量をO,OO30%に抑制することで合金の耐水素割
れ性が著しく改善されるので、好ましくはP及びSの含
有量をこのようなレベルにまで低減するのが良い。
なお、第1図は、この発明で規定される成分内にてP量
のみ変化させた合金を調整し、30%程度の冷間加工に
よって高強度としたものより、平行部が4.0BφでG
Lが30+o+の試験片を採取し、これに対して10気
圧でH2Sを飽和させたところのH2S −5% Na
C2溶液(25℃)中にて5 mA/cm”−フ  l
/ の陰極電流を付加した状態でlXl0   seeの定
歪速度での引張試験を行い、その耐水素割れ性を評価し
たものである。
また、第2図は、この発明で規定される成分内にてS量
のみ変化させた合金を調整し、1150℃にて高温延性
試験(試験片10頷φ、歪み速度:11/□□□)を行
って熱間加工性に及ぼす影響を示したものである。
この第1図及び第2図からも、P及びS含有量は、でき
れば極低域にまで低減するのが好ましいことが明らかで
ある。
オ)  Ni この発明の合金は、Niマトリックスに固溶強化及び加
工硬化能の良好な元素たるMo、 Cr、 W%Nb等
を添加して強化することを基本としているが、上記元素
の多量添加はオーステナイトの不安定化ヲ招りため、オ
ーステナイト基地を安定化するに足るNl量である45
チをその含有量の下限と定めた。一方、 Niはそれ自
身加工硬化能を向上させる元素であるが、60%を超え
て含有させると耐水素割れ性が劣化することから、Ni
含有量の上限を60%と定めた。
力)  Cr crは、Moと共に合金の耐食性及び強度を向上させる
成分であるが、この効果は15%以上の割合で含有させ
ることによシ顕著である。一方、30%を超えてcrを
含有させると合金の熱間加工性が低下し、更にTCP相
が生成しやすくなることから、Cr含有量は15〜30
%と定めた。
キ) Mo、及びW これらの成分は、Crとの共存下で合金の強度と耐食性
、特に耐孔食性を著しく向上させる作用を有しているの
で1種以上添加含有せしめられるものであるが、その含
有量が(Mo(%)+ +W (%)〕の値で12未満
であると上記作用に所望の効果が得られず、他方、 M
o含有量が16チ以上であったり、W含有量が5.0%
を超えたシ、或いは(Mo (%) + 1/2W(%
)〕の値が16以上の場合には、Crの多量添加の場合
にみられるようなオーステナイト基地の不安定化を招く
。従って、MoとWの添加においては、Moは16%未
満、Wは5.0%以下であって、かつ12≦Mo(%+
十+w(チ)<16 を満足する値にその含有量を定めた。
り)  Cu イオウ(S)が単独で認められるサワーガス環境下では
、Cr、Mo、Wと共にCuは耐食性向上に極めて有効
な成分であるが、Cu含有量が0.30%未満では所望
の耐食性が得られず、一方、3.0%を趨えてCuを含
有させてもその効果が飽和してしまうことから、Cu含
有量は0.30〜3.0%と定めた。
ケ)  Ti T1は、合金中の微量Cの安定化に有効であるが、その
含有量が2.0%を超えるとTCP相が生成し易くなる
ことから、T1含有量は2.0%以下と定めた。なお、
必要Tl量はC含有量に応じて定まるものであり、特に
その下限値が定まるものではない。
コ)Nb Nbは、イオウ(S)が単体で認められるサワーガス環
境下での合金の耐食性能を著しく向上させる成分であり
、その上Tiと同様にCの安定化作用を有し、また強度
上昇にも寄与するものであるが、その含有量が0,30
%未満では上記作用に所望の効果が得られず、一方、3
.0%を超えて含有させるとTCP相が生成しやすくな
ることがら、Nb含有量は0.30〜3.0%を定めた
なお、第3図は、この発明で規定される成分内にて1.
ybiのみを変化させ、耐応力腐食割れに及はすNbの
効果をみたものである。供試材は、強度(0,2%i力
)を80〜85kgf/TuL2にほぼ一定としたもの
を用い、4.OBφ、GL:30mjnの試験片を作成
した後、20 % NaC2−0,5%C’H3COO
H−I E//4 S −10atmH2S −20a
tmco2の溶液(250℃)中にてIXI○  /s
eeの定歪速度引張試験を行って伸びを測定し、これを
大気中での伸びと比較して耐応力腐食割れ性を評価した
この第3図からも、Nb含有量が0.30 %を越えた
場合に優れた耐応力腐食割れ性が得られることは明らか
である。
す) M Mは有効な脱酸剤として添加されるものであるが、その
含有量が1.0%を越えるとTCP相が生成しや子くな
ることから、M含有量は1.0%以下と定めた。
シ) N 合金中のN含有量が0.050%を超えると粗大な窒化
物が形成されて延性並びに靭性が劣化するようになるこ
とから、N含有量は0.050%以下と定めた。
ス) Co、 V 、 Ta、 Zr、及びHfこれら
の成分には、合金の延性・靭性を改善するとともに耐食
性をも改善する作用があるので、必要により1種以上含
有せしめられるものであるが、以下、個々の元素につい
て含有割合を限定した理由を特徴的な作用とともに説明
する。
1)CO Co成分は、特に合金の耐水素割れ性の向上に有効なも
のであるが、その含有量が5.0%を超えるとTCP相
が生成しやすくなることから、Co含有量は5.0%以
下と定めた。
ii)  V 、 Ta、 Zr、及びHfこれらの成
分はCの安定化に有効なものであるが、それぞれ1%を
超えて含有させるとTCP(目が生成しやすくなること
から、V、 Ta、 Zr及びHfのうちの1種以上の
含有量は1.0%以下と定めた。
セ)希土類元素(REM ) 、Mg、 Ca、及びY
これらの成分は、少なくとも1種の微量添加により合金
の熱間加工性を向上させる作用を有しているので、必要
により1種以上含有せしめられるものであるが、希土類
元素含有量が0.10 %を、Mg含有量が0.10俤
を、Ca含有景が0.10%を、そしてY含有量が0.
20%をそれぞれ越えた場合には、低融点化合物を生成
しやすくなって逆に熱間加工性を劣化するようになるこ
とから、希土類元素含有量は0.10%以下と、Mg含
有量は0.10%以下と、Ca含有量は0.10%以下
と、そしてY含有量は0.20%以下とそれぞれ定めた
ソ)  Fe Feには、合金の強度を確保するとともに、Ni含有量
を低減ならしめて合金価格を引き下げる効果があるので
、残部成分は実質的にFeとした。
り)Cr、Mo及びWの含有量バランスH2S −Co
2− C1−−3環境でのN工合金の溶出(腐食)は、
Cr、Ni、Mo、W、並びにCu及びNbに依存する
。即ち、耐食性はこれらの元素から成る表面皮膜によっ
て確保されるものであり、この表面皮膜中のこれらの元
素の含有バランスが耐食性を左右する上で最も重要な因
子となる。上記油井環境下での応力腐食割れに対しては
、MoはCrの10倍の効果があシ、またWはCrの5
倍の効果をもっておシ、このCr、Mo及びWが、式 1式%) をそれぞれ満たすとともに、Crが15〜30%、Cu
が0.30〜3. O% 、Nl:+が0.30〜3.
0 To、Niが45%以上であれば、単体イオウ(S
)を含んだ環境においても応力腐食割れに対して優れた
抵抗性を有する耐食性皮膜を得ることができる。
つまり 、Cr、 Mo及びWの含有量バランスがCr
 (%) + 10Mo(%i+ 5 W(@< 14
0の範囲では、250℃以下程度のH2S −Co□−
ct−−S環境において十分な耐食性能を示さなくなる
なお、その他のB 、 Sn、 Zn; Pb等の元素
は、微量ではこの発明の合金の特性に何ら悪影響を与え
ることがないので、不純物としてそれぞれ0.10%ま
で許容されるが、この上限値を越えると加工性や耐食性
に悪影響を与えることになるので注意を要する。
続いて、この発明を、実施例によって比較例と対比しな
がら説明する。
〈実施例〉 まず、第1表に示される化学成分組成の各合金を溶製し
た後、熱間加工によって板材とし、これに20%程度の
冷間加工を施して所望の強度(室温での0.2チ耐力に
て70〜l OOkgf /M”)を得た。この板材か
ら、引張試験、衝撃試験及び腐食試験に供する各試験片
を採取し、下記要領にて各種試験を実施した。
なお、耐水素割れ試験に供した材料は、300℃にて1
000 hrの長時間加熱処理を施した後試験片とした
(A)  引張試験 試験温度:室温、 試験片:4.OMφで、GLが20朋、(B)  シャ
ルピー衝撃試験 試験温度二〇℃、 試験片: 10tmX 10mxX 55mynの2u
Vノツチ付、 (C)  耐応力腐食割れ試験 腐食溶液: 20 % NaC4−I E/L S −
(0,1% 1,10 )atmH2s−20atmc
O2x 試験温度:250℃、 浸漬時間:500hr。
付加芯カニ1σア、 試験片=10間幅x2mm厚×75u長のR0,25U
ノツチ付、 (DJ  耐水素割れ試験  ′ NACE条件二5 %NaCL−0,5%CH3CO0
H−1atmH2S 。
試験温度=25℃、 浸漬時間ニア20hr。
付加芯カニ1σ7、 試験片:10u幅X2M厚×75鰭長のRo、25Uノ
ツチ付。
このようにして得られた試験結果を、第1表に併せて示
す。
なお、腐食試験の結果は、“割れ又は孔食のみられなか
ったもの″を「O」、“試験後に割れ又は孔食の発生し
たもの″を「×」で示した。
第1表に示される結果からも、本発明合金は苛酷な腐食
環境下であっても優れた耐食性を示すことが明らかであ
るのに対して、合金の成分組成が本発明で規定する条件
から外れた比較合金では、いずれも十分な耐食性を示さ
ないことがわかる。
なお、第4図は、これらの結果を、合金の”Ni含有量
”と” cr (%) + 1 OMo(%) +5 
W (%) ”との関係で整理したグラフである。この
第4図からも、” Cr(%)+l OMo(%)+ 
5 w(%ビ′の値が140以上でないと十分な耐食性
を示さないことが明瞭である。
〈総括的な効果〉 以上に説明した如く、この発明によれば、イオウ(S)
が単体として存在するサワーガス環境下においても抜群
に優れた耐食性、特に耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ
性を有する油井管用として好適な高強度Ni基合金が得
られるなど、産業上極めて有用な効果が得られるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明合金におけるP含有量と耐水素割れ性
(腐食性溶液中での伸び/大気中での伸び)との関係を
示すグラフ、 第2図は、本発明合金におけるS含有量と熱間加工性(
1150℃における絞シ率)との関係を示すグラフ、 第3図は、Nbを除いては本発明と同様組成の合金にお
けるNb含有量と耐応力腐食割れ性(腐食性溶液中での
伸び/大気中での伸び)との関係を示すグラフ、 第4図は、本発明の実施例における腐食試験結果を” 
Ni含有量″と” Cr(%) + l OMo(%)
+5W(%ビ′との関係で整理したグラフである。 出願人  住友金為工業株式会社 代理人  富  1) 和  夫ほか1名パリ市(%) ノ容腋すて・°/′)神び°/太久中で“Q神さNi含
肩t(重量%]

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:45〜60%、Cr:15〜3
    0%、 Mo及びWの1種以上: Moは16%未満、Wは5.0%以下であつて、かつ 12≦Mo(%)+1/2W(%)<16 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧140なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
  2. (2)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:45〜60%、Cr:15〜3
    0%、 Mo及びWの1種以上: Moは16%未満、Wは5.0%以下であつて、かつ 12≦Mo(%)+1/2W(%)<16 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に Co:5.0%以下、 V、Ta、Zr及びHfの1種以上:各々1.0%以下
    のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 (%)+10Mo(%)+5W(%)≧140なる式を
    満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、耐応
    力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性Ni基
    合金。
  3. (3)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:45〜60%、Cr:15〜3
    0%、 Mo及びWの1種以上: Moは16%未満、Wは5.0%以下であつて、かつ 12≦Mo(%)+1/2W(%)<16 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に 希土類元素:0.10%以下、 Mg:0.10%以下、 Ca:0.10%以下、 Y:0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧140なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
  4. (4)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:45〜60%、Cr:15〜3
    0%、 Mo及びWの1種以上: Moは16%未満、Wは5.0%以下であつて、かつ 12≦Mo(%)+1/2W(%)<16 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に Co:5.0%以下、 V、Ta、Zr及びHfの1種以上:各々1.0%以下
    のうちの1種以上、並びに 希土類元素:0.10%以下、 Mg:0.10%以下、 Ca:0.10%以下、 Y:0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧140なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
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