JPS62158847A - 高耐食性Ni基合金 - Google Patents

高耐食性Ni基合金

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JPS62158847A
JPS62158847A JP120286A JP120286A JPS62158847A JP S62158847 A JPS62158847 A JP S62158847A JP 120286 A JP120286 A JP 120286A JP 120286 A JP120286 A JP 120286A JP S62158847 A JPS62158847 A JP S62158847A
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Shiro Mukai
向井 史朗
Akio Ikeda
昭夫 池田
Yasutaka Okada
康孝 岡田
Masaaki Igarashi
正晃 五十嵐
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、腐食環境下、特に従来から注目されていた
所謂サワーガス環境(H2S −Co2− CA’−環
境)よりも更に腐食性が苛酷な、イオウ(S)がFeS
やNiS等の硫化物としてではなく単体として混入する
サワーガス環境下においても良好な、fd応力腐食割れ
性及び耐水素割れ注を有する油井管用Ni基合金に関す
るものである。
〔従来技術並びにその問題点〕
近年のエネルギー事情は、油井の深井戸化やサワーガス
環境下での掘井が余儀な(されろところまできており、
高価ではあるが、上記苛酷な環境に十分耐えられるよう
な油井管用高強度・高1討性Ni基合金が開発され、適
用されるようになってきた(例えば、特開昭54−10
7828号公報や特開昭54−127831号公報参照
)。
ところが、最近の油井情報によれば、腐食性が苛酷であ
るとさ°れてきた上記サワーガス環境とは別に、該サワ
ーガス環境に更にイオウ(S)が単体として混入してい
る環境が見出され、このような環境においては、これま
でに提案された如き耐サワーガス用Ni基合金をもって
しても耐食性の点で十分に満足できるものでないことが
明らかとなった。
この点について更に詳述すると、先にも説明した如く、
近年の新しい油井やガス井では油や天然ガスのほか、水
や塩類(C1−、Br−等)と−緒にH2SやCO2の
腐食性ガスの混在した環境が多くなる傾向にあったが、
地上にて冥施されるこれら環境成分の分析結果によると
、最近、上記腐食性ガスや、水、塩類等にまじってイオ
ウ(S)が単体(FeSやNiS等の硫化物形態をとっ
ていない)で認められるような新たな環境に属する油井
の存在も確認されるようになったのである。このような
環境に存在するイオウ(S)は、地中深くにおいてH2
Sx=H2S+5x−0 なる式で示される如く、ポリサルファイド(H2SX 
)になるとも、S単体のまま存在するとも言われている
が、温度や圧力(%にH2S分圧)の状態によっては、 4S+4H20′:3H2S+H2sO4なる式の如く
にS或いはH2S04等の形態となっていることも否定
できない。
このうち、H2SxはH2Sガスのりザーパ−(貯蔵役
)としてH2S濃度を増大させる働きがあり、一方、H
2SO4はpHを低下させる働きがある。
ところで、これらの現象を確認するため1本発明者等も
H2S−C0□−CI!−環境下とH2S−CO2−C
J”−−8環境下でのNi基合金(含オーステナイト系
合金)に及ぼす耐食性の差異に関する調査実験を行った
が、その結果、イオウ(S)添加の有無によってNi基
合金の耐食性に及ぼす影響が異なり、イオウ(S)の存
在がNi基合金の耐食性を著しく劣化すると言う事実の
確認はなされたが、イオウ(S)が共存した場合の腐食
機構についてはEiA斬な解明がなされず、大別して 
 。
■ H2Sx[相]H2Sのリザーバー説式「H2S+
5X−0:!H2SX」に従ってポリサルファイド(H
2Sx)が高温環境で発生し、H2Sのリザーバーとし
て働(ので、H2Sxが材料に接すると高H2S環境と
同様の作用をする。
■ H2SO4による低pH化説 H2Sが存在しない単体Sのみの環境下でも。
水があれば「4S+4H20=3H2s+H2so4」
なる式に従ってH2Sが発生すると同時にH2S04も
生成、され、これがpHを低下させる、と言う2つの説
のいずれかが有力であるとの推測の域を脱することはで
きなかった。
〔問題点な解決するための手段〕
本発明者等は、上述のような観点から1通常のサワーガ
ス環境(H2S −Co2− CJ−環境)のみならず
、これにイオウ(S)が単体で混入している環境におい
ても十分に満足し得る耐食性を有した合金を提供すべく
更に研究を続けた結果、以下に示される知見を得るに至
ったのである。即ち、(al  サワーガス環境に更に
イオウ(S)の単体が混入する環境においては、間違い
な〈従来のサワーガス環境におけるNi基合金の腐食機
構と異なった腐食形態が存在し、単体Sは温度及び圧力
(tffにH2S分圧)に依存して「5x−0+H2S
=H2Sx」の反応に従い3態(S、1. H2S及び
H2Sx)に変化することとなり、Sx−□とじて遊離
したイオウ(S)若しくはH2Sxが存在すると、これ
が油井管部材に局所的に付着し、その部分において著し
い孔食が発生し、3力腐食割れを引き起すこと、(b)
  従来のサワーガス環境においては上記灰石式に示さ
れるようなイオウ(S)の形態変化がほとんど認められ
ず、従って5x−1或いはH2Sxによる特異な腐食形
態は生じないが、イオウ(S)の単体が混入するサワー
ガス環境で上記のような特異な腐食形態が起きる理由は
、このような環境中においては「4S+4H20=3H
2S+H2SO4」なる灰石もなされて、H2Sが発生
すると同時にH2SO4も生じることとなり、該環境の
pHを低下させるためと考えられること。
(q このような特異な腐食形態を呈する環境において
油井管用材料に十分な耐食性を発揮させるためには、従
来の耐サワーガス用Ni基合金において形成される1耐
食性皮膜よりも更に強硬で、かつ修復性の良好な保護皮
膜を形成させることが不可欠であり、一方では、合金部
オの破壊特性を向上させて孔食の進展を阻止し、3力腐
食割れを未然に防ぐ平文てを講じる必要があること、(
dl  サワーガス環境における従来のNi基油井管用
材料の保護皮膜強度やその修復能は、概ねCr。
Mo、Wの含有量に比例して向上するが、単体Sを含む
環境では、これらに加えてCuの役割が極めて重要であ
り、0.30%(以下、成分割合を示す%はM量%とす
る)以上のCuを含有させた上で、環境温度が250℃
以下の場合には Cr(%)+10Mo(%)+5W(%) ≧140を
確保し、また環境温度がより高い300℃以下の場合に
は Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180を確
保しなければ、十分に強硬でしかも修復性の良好な保腰
皮膜が形成されないこと、 (el  更に、前記(c)項でも述べたように、特異
な腐食形態を緩和し合金部材の耐食性を向上させるには
保護皮膜強化策のみでは不十分であり、孔食の進展を阻
止する内質的改善が不可欠であるが、このためには前記
(dl項で示した成分調整に加えてNbの添加をも実捲
し、これらによってMo −W −Cr−C系炭化物の
析出及びそのクラスター化を抑制することが極めて有効
であること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 Ni基合金を、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%。
Mn : 2.0%以下、   P:0.030%以下
s:o、ooso%以下、 Ni : 50〜60%。
Cr:15〜25%。
Mo及びWの1種以上: Moは20%以下、Wは5.0%以下であって、力)つ を満足する量、 Cu: 0.30〜3.0%、  Cu:0%以下。
Nb : 0.30〜3.0%、A7:1.0%以下。
N:0.050%以下 を含有し、必要により、更に Co : 5.0%以下。
V、 Ta、 Zr及びHfの1種以上:各々i、o%
以下。
希止類元素:0.10%以下。
Mg:0.10%以下。
Ca : 0.10%以下。
Y : 0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可透的不純*:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180なる
式を満足する成分組成に構成することにより、最近見出
された油井やガス井における如き、イオウ(S)を単体
として含むところの300 ℃以下程度のサワーガス環
境下においても極めて擾れた耐応力腐食割れ性及び1耐
水素割れ性を発揮せしめろようにした点、 に特徴を有するものである。
次いで、この発明において、Ni基合金の成分組成を前
述のように数値限定した理由を説明する。
ア)  C 合金中のC含有量が0.10%を超えるとM6Cタイプ
の炭化物量(但し、MはMo、 Ni 、 Cr、 W
等である)が著しく増加し1合金の延性並びに靭性を劣
化することから、C含有量は0.10%以下と定めた。
なお、好ましくはC含有量を0.020%以下にまで低
減することが推奨されるが、特にその含有量をo、oi
o%以下に抑制すると延性、靭性並びに耐食性はより一
層顕著に改善される。
イ)Si Siは、脱酸剤として有効な成分であるために添加され
るものであるが、多量に添加するとσ9PILaves
相等の延性の靭性に対して好貞しくない金属間化合物(
以下、@TCP相”と略称する)を生放しやすくなる。
その上、Si含有量が特に0.30%を超えると、凝固
時のミクロ偏析が助長され、前記M6C及びP相の形成
が著しく促進される傾向がみられる。このような理由で
、Si含有量の上限&0.30%と定めたが、その含有
量を0.10%以下にまで低減すれば、炭化物の粒界析
出抑制効果も加わって延性、靭性並びに耐食性が更に向
上する。一方、Si含有量を0.05%以下にまで低減
することは合金製造上面倒な操業な強いられることから
、Si含有量は0.05%を超える範囲と定めた。
つ)Mn 崗は、通常、脱硫剤として添加される成分であるが、そ
の含有量が2.0%な超えるとTCP相生成を促進する
場合があることから、この発明の合金では鳩舎有量を2
.0%以下と定めた。
工)P、及びS P及びSは不可避的に混入してくる不純物であり、合金
中に多量に存在すると粒界偏析により熱間加工性な低下
させ、また耐食性をも劣化させることから、P含有量は
0.030%以下、S含有量は0.0050%以下とそ
れぞれ定めた。
しかしながら、S含有量を特に0.0007%以下に抑
制すると合金の熱間加工性が飛躍的に向上し、またP含
有量を0.0030%に抑制することで合金の耐水素割
れ性が著しく改善されるので、好ましくはP及びSの含
有量なこのようなレベルにまで低減するのが良い。
なお、第1図は、この発明で規定される成分内にてP量
のみ変化させた合金を調整し、30%程度の冷間加工に
よって高強度としたものより、平行部が40y+xφで
GLが30m5の試験片な採取し、これに対して10気
圧でH2Sを飽和させたところのH2S−5%NaC1
#H(25℃)中にて5 mA/−の陰極電流な付加し
た状態でI X 10 1/secの定歪速度での引張
試験を行い、その耐水素割れ性な評価したものである。
また、第2図は、この発明で規定される成分内にてS量
のみ変化させた合金を調整し% 1150℃にて高温延
性試験(試験片10y+zφ、歪み速度: 117se
c )を行って熱間加工性に及ぼす影響を示したもので
ある。
この第1図及び第2図からも、P及びS含有量は、でき
れば極低域にまで低減するのが好ましいことが明らかで
ある。
オ)Ni この発明の合金は、Niマトリックスに固溶強化及び加
工硬化能の良好な元素たるMo、 Cr、 W、 Nb
等を添加して強化することを基本としているが。
上記元素の多量添加はオーステナイトの不安定化を招く
ため、オーステナイト基地を安定化するに足るNi量で
ある50%をその含有量の下限と定めた。一方、Niは
それ自身加工硬化能を向上させる元素であるが、60%
を超えて含有させると耐水素割れ性が劣化することから
、Ni含有量の上限を60%と定めた。
力)  Cr Crは1Moと共に合金の耐食性及び強度を向上させる
成分であるが、この効果は15%以上の割合で含有させ
ることにより顕著する。一方、25%を超えてCrを含
有させると合金の熱間加工性が低下し、更にTCP相が
生広しやすくなることから、Cr含有量は15〜25%
と定めた。
キ)Mo、及びW これらの成分は、Crとの共存下で合金の強度と耐食性
、特に耐孔食性を著しく向上させる作用な有しているの
で1種以上添加含有せしめられるもの値で16未満であ
ると上記作用に所望の効果が得られず、他方、Mo含含
有鉛20%を超えたり、W含有量が5.0%を超えたり
、或いは(Mo(%)+當添加の場合にみられるような
オーステナイト基地の不安定化を招く。従って、Moと
Wの添加においては、Moは20%以下、Wは5.0%
以下であって、かつ を満足する値にその含有量を定めた。
り)  Cu イオウ(S)が単体で認められるサワーガス環境下では
、 Cr、 Mo、 Wと共にCuは耐食性向上に極め
て有効な成分であるが、 Cu含有量が0,30%未満
では所望の耐食性が得られず、一方、3.0%を超えて
Cut7!:含有させてもその効果が飽和してしまうこ
とから、Co含有量は0.30〜3.0%と定めた。
ケ)Ti Tiは、合金中の微量Cの安定化に有効であるが、その
含有量が2.0%を超えるとTCP相が生成し易くなる
ことから、Ti含有量は2.0%以下と定めた。なお、
7必NTi JtはC含有量に応じて定まるものであり
、特にその下限値が定まるものではない。
コ)  Nb Nbは、イオウ(S)が単体で認められるサワーガス環
境下での合金の耐食性能を著しく向上させる成分であり
、その上Tiと同様にCの安定化作用を有し、また強度
上昇にも寄与するものであるが、その含有量が0.30
%未満では上記作用に所望の効果が得られず、一方、3
.0%を超えて含有させろとTCP相が生成しやすくな
ることから、Nb含有量は0.30〜3.0%と定めた
なお、第3図は、この発明で規定される成分内にてNb
iのみを変化させ、耐応力腐食割れに及ぼすNbの効果
をみたものである。供試材は、強度(0,2%耐力)?
80〜85kgf/−にほぼ一定としたものを用い、4
. Omφ、GL:30+mの試験片を作成した後、2
0%NaC1−0,5%CH3CO0H−11/ l 
S −10a tm H2S −20atm  CO2
の溶液(300℃)中にてI X 10  i/sec
の定歪速度引張試験な行って伸びを測定し、これを大気
中での伸びと比較して耐応力腐食割れ性を評価した。
この第3図からも、Nb含有量が0.30%?超えた場
合に優れた耐応力腐食割れ性が得られることは明らかで
ある。
す)  Al Alは有効な脱酸剤として添加されるものであるが、そ
の含有量が1.0%を超えるとTCP相が生成しやすく
なることから、Al含有量は1.0%以下と定めた。
シ)  N 合金中のN含有量が0.050%を超えると粗大な窒化
物が形成されて延性並びに靭性が劣化するようになるこ
とから、N含有量は0.050%以下と定めた。
ス)  Co、 V、 Ta、 Zr、及びHfこれら
の成分には1合金の延性−靭性を改善するとともに耐食
性をも改善する作用があるので、必要により1種以上含
有せしめられるものである。。
が、以下、個々の元素について含有割合を限定した理由
な特徴的な作用とともに説明する。
+)C。
Co成分は1%に合金の耐水素割れ性の向上に何効なも
のであるが、その含有量が5.0%?超えるとTCP相
が生成しやすくなることから。
Co含有量は5.0%以下と定めた。
+i)  V、 Ta、 Zr、及びF(fこれらの成
分はCの安定化に有効なものであるが、それぞれ1%を
超えて含有させるとTCP相が生成しやすくなることか
ら、V、 Ta、 Zr及びHfのうちの1種以上の含
有量は1.0%以下と定めた。
セ)希土類元素(REM ) 、 Mg、 Ca、及び
Yこれらの成分は、少なくとも1種の微量添加により合
金の熱間加工性な向上させる作用を存しているので、必
要により1 a以上含胃せしめられるものであるが、希
土類元素含有量が0.10%な、Mg含有量が0.10
%を、Ca含有量が0.10%を、モしてY含有量が0
.20%をそれぞれ超えた場合には、低融点化合物を生
成しやすくなって逆に熱間加工性を劣化するようになる
ことから、希土類元素含有量は0,10%以下と一、 
Mg含有量は0.10%以下と、Ca含有量は0.10
%以下と、そしてY含atは0.20%以下とそれぞれ
定めた。
力Fe Feには、合金の強度を確保するとともに、Ni&有量
を低減ならしめて合金価格を引き下げる効果があるので
、残部成分は実質的にFeとした。
jりCr、Mo及びWの含有量バランスH5−Co2−
Cz−−8環jlt、 テノNi 合金ノM 出(腐食
)は、 Cr、 Ni 、 Mo、 W、並びKCu及
びNbK依存する。即ち、耐食性はこれらの元素から成
る表面皮膜によって確保されるものであり、この表面皮
膜中のこれらの元素の含有バランスが耐食性を左右する
上で最も重要な因子となる。上記油井環境下での応力腐
食割れに対しては、MoはCrの10倍の効果があり、
またWはCrの5倍の効果をもっており、このCr、M
o及びWが、式 %式%) をそれぞれ満たすとともに、 Crが15〜25%。
Cuが0.30〜3.0%、 Nbが0.30〜3.0
%、 Niが50%以上であれば、単体イオウ(S)を
含んだ環境においても6力腐食割れに対して優れた抵抗
性を有する耐食性皮膜を得ることができる。
つまり、Cr、Mo及びWの含有量バランスがCr(%
)+10Mo(%)+5W(%)<180の範囲では、
300℃以下程度のH2S −C02−CJ” −S環
境において十分な耐食性能を示さなくなる。
なお、その他のB、 Sn、 Zn、 Pb等の元素は
、微量ではこの発明の合金の特性に何ら悪影響を与える
ことがないので、不純物としてそれぞれ0.10%まで
許容されるが、この上限値を超えると加工性や耐食性に
悪影響を与えることになるので注意を要する。
続いて、この発明を、実施例によって比較例と対比しな
がら説明する。
〔実施例〕
まず、第1表に示される化学成分組成の各合金を溶層し
た後、熱間加工によって板材とし、これに15%糧度の
冷間加工tlr:翔して所望の強度(室温での0.2%
耐力にて70〜110ゆf/−)な得た。この板材から
、引張試験、衝撃試験及び腐食試験に供する各試験片を
採取し、下記要領にて各種試験を実権した。
なお、耐水素割れ試験に供した材料は、300℃にて1
000 hrの長時間加熱処理を施した後試験片とした
囚 引張試験 試験温度:室温、 試験片:4.0龍φで、GLが20朋。
■) シャルピー衝撃試験 試験温度二〇℃− 試験片:10mtX10朋×55朋の2 rtyxVノ
ツチ付、 (C1耐応力腐食割れ試験 腐食溶液:20%NaC1−111/l S −(0−
1y  1 e  10 ) atm H2S−20a
lm CO2、 試験温度:300℃。
浸漬時間: 500 hr、 付加応カニ1σy、 試験片=10u幅X2y+m厚×75u長のRo、25
Uノツチ付、 (至)耐水素割れ試験 NACE条件=5%NaC1−0,5%CH3CO0H
−1atm H2S。
試験温度:25℃、 浸漬時間: 720 hr、 付加厄カニ1σy、 試験片:10龍幅X2mm厚×75朋畏のRo、25U
ノツチ付。
このようにして得られた試験結果な、第1表に併せて示
−す。
なお、腐食試験の結果は、′割れ又は孔食のみられなか
ったもの”をrOJ、”試験後に割れ又は孔食の発生し
たもの1を「X」で示した。
第1表に示される結果からも、本発明合金は苛酷な腐食
環境下であっても優れた耐食性を示すことが明らかであ
るのに対して、合金の成分組成が本発明で規定する条件
から外れた比較合金では、いずれも十分な耐食性を示さ
ないことがわかる。
なお、第4図は、これらの結果を、合金の−Ni含有量
”とw″Cr(%) + 10 Mo(%)+5W(%
)”との関係で整理したグラフである。この第4図から
も、@Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)#の値
が180以上でないと十分な耐食性を示さないことが明
瞭である。
〔総括的な効果〕
以上に説明した如く、この発明によれば、イオウ(S)
が単体として存在するサワーガス環境下においても抜群
に優れた耐食性、特に耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ
性す仔する油井管用として好適な高強度Ni基合金が得
られるなど、産業上極めて宵月な効果が得られるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明合金におけるP含有量と耐水素割れ性
(腐食性溶液中での伸び/大気中での伸び)との関係を
示すグラフ、 第2図は、本発明合金におけるS含有量と熱間加工性(
1150℃における絞り率)との関係?示すグラフ、 第3図は、Nbを除いては本発明と同様組成の合金にお
けるNb含有量と耐応力腐食割れ性(腐食性溶液中での
伸び/大気中での伸び)との関係を示すグラフ。 第4図は、本発明の実施例における腐食試験結果を”N
i含有量“と”Cr(%)+10Mo(%)+5W(%
)″との関係で整理したグラフである。 出願人  住友金属工業株式会社 代理人  冨 1) 和 夫 ほか1名羊1m り2図 S4’肩f(’if%) Ni含有量(重量%)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:50〜60%、Cr:15〜2
    5%、 Mo及びWの1種以上: Moは20%以下、Wは5.0%以下であつて、かつ 16≦Mo(%)+1/2W(%)≦20 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
  2. (2)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:50〜60%、Cr:15〜2
    5%、 Mo及びWの1種以上: Moは20%以下、Wは5.0%以下であつて、かつ 16≦Mo(%)+1/2W(%)≦20 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Cl:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に Co:5.0%以下、 V、Ta、Zr及びHfの1種以上:各々1.0%以下
    のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
  3. (3)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:50〜60%、Cr:15〜2
    5%、 Mo及びWの1種以上: Moは20%以下、Wは5.0%以下であつて、かつ 16≦Mo(%)+1/2W(%)≦20 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に 希土類元素:0.10%以下、 Mg:0.10%以下、 Ca:0.10%以下、 Y:0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
  4. (4)重量割合にて、 C:0.10%以下、Si:0.05超〜0.30%、
    Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.
    0050%以下、Ni:50〜60%、Cr:15〜2
    5%、 Mo及びWの1種以上: Moは20%以下、Wは5.0%以下であつて、かつ 16≦Mo(%)+1/2W(%)≦20 を満足する量、 Cu:0.30〜3.0%、Ti:2.0%以下、Nb
    :0.30〜3.0%、Al:1.0%以下、N:0.
    050%以下 を含有し、更に Co:5.0%以下、 V、Ta、Zr及びHfの1種以上:各々1.0%以下
    のうちの1種以上、並びに 希土類元素:0.10%以下、 Mg:0.10%以下、 Ca:0.10%以下、 Y:0.20%以下 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び他の不可避的不純物:残り から成るとともに、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧180なる
    式を満足する成分組成に構成されたことを特徴とする、
    耐応力腐食割れ性及び耐水素割れ性に優れた高耐食性N
    i基合金。
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