JPS6215858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープに対する磁気ヘツドの対接
取付角度を調整する磁気ヘツド取付位置調整装置
に関する。

磁気テープの走行方向をｘ軸、磁気ヘツドの磁
気テープに対する相対的前進又は後退方向をｚ
軸、磁気ヘツドの磁気テープに対する上昇方向又
は下降方向をｙ軸とする３次元座標をとり、座標
軸の原点に磁気ヘツドの磁気ギヤツプをとると、
ｘ軸方向に走行する磁気テープに対し、磁気ヘツ
ドで正常な録音、再生等の磁気記録再生を行うに
は該磁気ヘツドの磁気ギヤツプを中心とするｙ−
ｚ平面内、ｘ−ｙ平面内の傾斜角度を「０」に設
定し、且つ、ｙ軸上の位置、即ち、磁気ヘツドの
高さ位置を磁気テープ上の所定の磁気記録再生箇
所に磁気ヘツドが適正に対接し得るよう調整する
必要がある。

ここで説明の便宜上、磁気ギヤツプを中心とす
る磁気ヘツドの、ｙ−ｚ平面内の傾斜角度の調整
をテイルト調整、ｘ−ｙ平面内の傾斜角度の調整
をアデイマス調整、ｙ軸上の高さ位置調整をエレ
ヴエーシヨン調整と定義する。

従来の磁気ヘツド取付位置調整ではこれらの各
調整操作が相互に関連しあつているため、それぞ
れ独立して磁気ヘツドの取付位置を迅速かつ、正
確に調整することが非常に難しい。

なお、磁気テープ面に対し、磁気ヘツド、及び
磁気ヘツドのギヤツプの前記ｘ−ｚ面における傾
斜角度を「０」にする必要があるが、通常、磁気
ヘツド取付用のビス、磁気ヘツド載置摺動板を適
宜調整することにより実用上傾斜角度を「０」に
し得る。

本考案はテイルト調整、アデイマス調整、エレ
ヴエーシヨン調整をそれぞれ相互に独立して行い
得るようにした磁気ヘツドの取付位置調整装置を
提供することを目的としたものであつて、摺動基
板に一端を係合すると共に他端に螺合された第１
のビスの下端を上記摺動基板上に回転可能に嵌合
し、上記第１のビスを回転することにより上記一
端を支点として回動可能なテイルト調整用基板
と、上面に磁気ヘツドを載置すると共に両端に螺
合された第２、第３のビスの各々の下端を上記テ
イルト調整用基板の上面に回転可能に嵌合したヘ
ツド基板と、上記摺動基板の前進により上記磁気
ヘツドの接触する磁気テープとより成り、上記第
１のビスを回転して上記テイルト調整用基板を回
動することにより上記磁気ヘツドの上記磁気テー
プに対するテイルト調整をし得ると共に、上記第
２のビスを回転することにより上記磁気ヘツドの
上記磁気テープに対するアデイマス調整を、上記
第２、第３のビスを回転することにより上記磁気
ヘツドの上記テイルト調整用基板に対する高さを
調整し得るようにしたものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に
説明する。

第１図は本考案に係る磁気ヘツド取付位置調整
装置（本考案装置という）の外観斜視図であつ
て、同図につき説明すると、１は磁気ヘツドであ
り、該磁気ヘツド１は既述のような座標系のxy
面内に対し後述のアデイマス調整、又はエレヴエ
ーシヨン調整により上昇、下降又は左右回動をし
得る基板２（ヘツド基板）上の略中央部近傍に固
設されており、該基板２は磁気ヘツド１を前記の
ように載置し且つ各端部に設けた螺孔にビス３
（第３のビス）及びビス３′（第２のビス）を該基
板の上方より螺合している。

一方のビス３の基板２の背面から下方にいたる
部分は部分的にスリーブ４で被装されており、こ
のスリーブ４に被装されないそのビス３の残り部
分に圧縮スプリング５が外嵌されている。６はテ
ープレコーダの早送り、巻戻し等の各操作に応じ
て矢符Ａ方向に走行する磁気テープ７に対し、前
進（矢符Ｂ方向）又は後退動作（矢符Ｃ方向）を
する摺動基板であり、該摺動基板６に基板８（テ
イルト調整用基板）がビス９（第１のビス）及び
該基板８の折曲端部１０を介して支持されてい
る。

すなわち、基板８の折曲端部１０は摺動基板６
に設けた穴１１に挿嵌されており（第１図を矢符
Ｄ方向よりみた本考案装置の側面図である第２図
参照。）、基板８はこの折曲端部１０で一端を摺動
基板６に支持されている。ビス９は基板８に螺合
されるとともにその下端部を摺動基板６に回動し
得るように嵌合されており、基板８の他端を支持
している。なお、ビス１２は基板８に貫挿され、
かつ、摺動基板６にビス下端を螺合されるととも
にビス頭部と基板８間であつて基板８より鋭直上
方に突出した部分に圧縮スプリング１３が外嵌さ
れており、この圧縮スプリング１３は基板８を一
端を中心にして回動させる方向に該基板８を摺動
基板６側に付勢している。

そして、この基板８にビス３の下端が回動し得
るよう嵌合されており、またビス３′も基板２に
螺合されるとともにその垂直に延びた下端を基板
８に回動し得るよう嵌合されている。このビス
３′の基板２と８との間にある部分に圧縮スプリ
ング１４が外嵌されている。

次に、かかる構成を備える本考案装置による磁
気ヘツド取付位置調整について説明する。

〔エレヴエーシヨン調整〕

この調整は、まず、ビス３の螺進による基板２
の一方の端部２１のｙ軸方向の上昇又は下降運動
によりなされる。

ビス３のみの螺進時は、基板２の他端部２２は
基板２の回動中心となり、ビス３を圧縮スプリン
グ５の付勢方向、即ち矢符Ｅ方向に螺退させてい
くと、磁気ヘツド１の左側は磁気テープ７面の上
部に向かい上昇させられる。

また、ビス３を矢符Ｆ方向に螺進させていく
と、磁気ヘツド１の左側は磁気テープ７面の下部
に向かい下降させられる。この場合、ビス３のみ
の調整は磁気ヘツド１をxy面内に傾斜させるに
すぎないから、ビス３の調整終了後、他方のビス
３′を螺進又は螺退させ、磁気ヘツド１のxy面内
の傾斜角度を「０」になるように設定する。

エレヴエーシヨン調整は磁気ヘツド全体をｙ軸
方向、即ち、鉛直方向に上昇又は下降させるもの
であり、ビス３，３′の両方を螺進又は螺退させ
る必要があるが、磁気ヘツドに取り付けたテープ
ガイド１５，１５がビス３側にあるためビス３を
先ず調整した後、ビス３′を調整するものが最適
なエレヴエーシヨン調整によい。

〔アデイマス調整〕

この調整はビス３′を螺進又は螺退させて基板
２の他端部２２をｙ軸に対して上昇又は下降させ
ることにより行われる。

アデイマス調整は磁気ヘツドのxy面内の傾斜
を補償するためビス３，３′のいずれか一方の調
整により行われ得るが、テープガイド１５，１５
がビス３側にあるためビス３′で主にこの調整を
行う方がよい。

このアデイマス調整をすることによつて、磁気
ギヤツプを中心とする磁気ヘツド１のｘ−ｙ平面
内の傾斜角度の調整をすることができる。

〔テイルド調整〕

テイルド調整は通常上述の各調整に先立つて行
われるものであり、第２図に従つて説明すると、
基板８は摺動基板６にその折曲端部１０を介して
一端を支持されており、ビス９を螺進又は螺退さ
せると、基板８は矢符Ｇ又はＨ方向に該一端を中
心に回動される。

ここで、ビス１２は基板８に対して貫挿されて
いるのみであるが、これは圧縮スプリング１３で
基板８を矢符Ｇ方向に常時押圧させておくことに
より、基板８の緩みによる変動（例えばガタツ
キ）を吸収している。

このテイルド調整をすることによつて、磁気ギ
ヤツプを中心とする磁気ヘツド１のｙ−ｚ平面内
の傾斜角度の調整をすることができる。

以上のように、本考案によると、各調整を相互
に独立して行うことができ、テイルト調整を最初
に行なえば、その後、エレヴエーシヨン、アデイ
マス調整を行なつても、磁気ヘツドのテイルト位
置に全く影響がない。

従つて、各調整を迅速、かつ正確に行うことが
できるとの効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の外観図、第２図は第１図
の装置を矢符Ｄ方向よりみたときの側面図であ
る。 １……磁気ヘツド、２，８……基板、３，
３′，９……ビス、６……摺動基板、７……磁気
テープ、１０……折曲端部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 摺動基板に一端を係合すると共に他端に螺合さ
   れた第１のビスの下端を上記摺動基板上に回転可
   能に嵌合し、上記第１のビスを回転することによ
   り上記一端を支点として回動可能なテイルト調整
   用基板と、 上面に磁気ヘツドを載置すると共に両端に螺合
   された第２、第３のビスの各々の下端を上記テイ
   ルト調整用基板の上面に回転可能に嵌合したヘツ
   ド基板と、 上記摺動基板の前進により上記磁気ヘツドの接
   触する磁気テープとより成り、 上記第１のビスを回転して上記テイルト調整用
   基板を回動することにより上記磁気ヘツドの上記
   磁気テープに対するテイルト調整をし得ると共
   に、 上記第２のビスを回転することにより上記磁気
   ヘツドの上記磁気テープに対するアデイマス調整
   を、上記第２、第３のビスを回転することにより
   上記磁気ヘツドの上記テイルト調整用基板に対す
   る高さを調整し得るようにした事を特徴とする磁
   気ヘツド取付位置調整装置。