JPS6215443B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、屋外用倉庫に関するものである。

従来、各種のスチール製組立式倉庫が製造、販
売され、広く普及している。

しかしながら、斯かる倉庫では、大小多数の物
品を詰め込んで使用するため、奥の方に収納した
物品を取り出すに際して、手前の物品を移動させ
なければならない。内部に棚板を数段に亘つて取
り付けたものであつても、同様である。

以上のように、従来公知の倉庫は、使い勝手が
極めて悪く、物品の充填効率も低い。

本発明は、斯かる問題を解決した屋外用倉庫に
係り、その三面を覆う背板および両側板を備えた
少なくとも一対の固定棚を、屋外に相互に平行な
姿勢で間隔を置いて対向、立設し、該少なくとも
一対の固定棚の頂部に少なくとも二本の支持レー
ル架設体を相互に平行に固定し、作業空間を残し
て自身の間口面に直角な方向へ往復動自在に、前
記支持レール架設体に可動棚を懸吊せしめ、前記
固定棚の少なくとも一側端部に、開閉自在に扉を
設けるとともに、全ての固定棚および可動棚を覆
う屋根を、前記少なくとも一対の固定棚の頂部に
固定し、かつ前記固定棚前面にのみ形成された作
業空間を前記扉を閉じることによつて閉成した
時、前記扉と可動棚の当接関係にて前記可動棚の
移動が制止される構造になしたことを特徴として
いる。

斯かる構成によれば、固定棚および可動棚の全
棚小間内に物品を収納した状態であつても、作業
者は、可動棚を動かして所要の作業空間を形成し
てその内部に入り、奥部（入口から見て奥部）、
上部等、いずれの箇所に収納された物品をも容易
に取り出すことができ、また逆に所望の棚小間内
に容易に物品を収納することができる。それ故、
物品の充填効率を最大限に設定し得るとともに、
物品の整理、保管作業能率が著しく向上する。

また、本発明では、それ自身に物品を収納する
ことが可能な固定棚に屋根を固定したため、別途
支柱等の屋根支持部材を使用する必要がなく、装
置構造の簡略化を計り得るとともに、通常は屋内
で使用されていた可動棚装置を屋外用倉庫として
使用することが可能となつた。しかも、少なくと
も一対の固定棚の頂部に屋根を固定した構造で
は、屋根の荷重がそれ等固定棚に分散されるた
め、屋根の曲げ強度を過度に大きく設定する必要
がなく、製作費の低減化を企図し得る。

さらに、本発明では、固定棚の少なくとも一側
端部に、開閉自在に扉を設け、該固定棚の前面に
のみ形成された作業空間を、扉を閉じることによ
つて閉成した時、扉と可動棚の当接関係にて可動
棚の移動が制止される構造を採用したため、閉成
した扉で可動棚の移動を阻止し、扉と屋根の協働
作用で、作業空間内への風雨、埃の進入を防止し
得るとともに、扉によつて収納物の目隠しをする
ことができ、外観性が良好である。

また、従来の屋外用倉庫と違つて、入口が一箇
所に限定されず、可動棚を動かすことによつて形
成した作業空間に直接出入りすることができ、物
品搬出入作業能率が大幅に向上する。

さらにまた、本発明では、少なくとも一対の固
定棚の頂部に支持レール架設体を固定し、自身の
間口面に直角な方向へ往復動自在に、支持レール
架設体に可動棚を懸吊させる構造を採用したた
め、可動棚の側板自体を倉庫用外板として利用す
ることができ、装置構造の簡略化を計り得るとと
もに、床上走行式可動棚用走行レールと異なり、
支持レール敷設のための特別な整地作業が不要で
あり、装置の設置を簡易に行うことができる。

懸吊方式を採用したことによる利点およびその
他の利点は、下記の通りである。

屋外に床上走行式可動棚装置を設けた場合に
は、床面の雨水、泥等によつて車輪や走行レー
ルが錆び、または汚れる不具合があるが、懸吊
方式では、これ等の不具合を排除でき、屋外用
倉庫に適する。

屋外に床上走行式可動棚装置を設けた場合に
は、床面に支持レールが存在し、床面を歩く際
に躓くおそれがあり、また運搬車等の車輌を走
行させる際の障害になりがちであるが、懸吊方
式によれば、斯様な不具合がなく、屋外用倉庫
としての機能を良く発揮できる。

可動棚を支持レール架設体から懸吊させたた
め、可動棚に寄り掛る物品や地震等による水平
力が作用しても、可動棚は確固と安定して支持
され、転倒する惧れが全くない。

以下、本発明を第１図ないし第１１図に図示さ
れた一実施例について説明する。

地上床面１に所定の間隔を置いて固設された基
台２に、相互に平行な姿勢で対向する一対の固定
棚３の断面溝状をなす側板４が確固と固定され、
各一対の側板４間に底板６、および背板７が架設
されるとともに、複数の棚板８が公知の手段で配
設されている。

また、固定棚３の上部所定位置には、間口面と
平行な水平方向に指向する断面溝状の一対の桁部
材５が、側板４間に架設され（第２，４図参
照）、該桁部材５の上面に、間口幅方向両側端部
において、上方に開放する断面溝状のレール支持
部材９（レール支持部材９の底壁上面には、支持
レール１０が配設されている）が載置固定され、
しかも該一対のレール支持部材９は対向する一対
の固定棚３間に亘つて架設されている（第１図な
いし第３図参照）。

さらに、固定棚３の側板４は、前記桁部材５お
よびレール支持部材９よりも上方に、一方が長
く、他方が短かく形成されており、対向する固定
棚３における長、短それぞれの側板４間には、断
面溝状の屋根用桁部材２２が架設され、一対の屋
根用桁部材２２上に、対向する一対の固定棚３が
占める空間よりも若干広い範囲を覆うように屋根
２３が傾斜して載置、固定されている（屋根２３
の傾斜下方側縁には、樋３２が付設されてい
る）。

一方、対向配置された固定棚３間には、所望数
の可動棚１１が配設されており、可動棚１１は、
固定棚３とほぼ同様に、一対の側板１２（固定棚
３と同様に、一方が長く、他方が短かく形成され
ている）、上部桁部材１３、底板１４、および複
数の棚板１５にて形成されるとともに、桁部材１
３の両側端部には、可動棚１１の奥行方向に指向
する断面溝状のガーダ１６が載置され、一対のガ
ーダ１６の間には、両ガーダ１６に接して幕板２
１が配設され、該幕板２１は桁部材１３に、ガー
ダ１６は側板１２および幕板２１に、それぞれボ
ルト・ナツトで固定されている（第５図、第７図
参照）。

また、ガーダ１６の頂壁下面には、ガーダ１６
の奥行方向二箇所に、それぞれ一対の車輪支持用
ブラケツト１７が垂設され、各ブラケツト１７に
軸１８、軸受け１９を介して車輪２０が回転自在
に支持されている。

しかして、可動棚１１は、車輪２０を介して、
レール支持部材９に固設された支持レール１０に
摺動自在に支持され、側板１２および底板１４
が、床面（床は、地面のまま、あるいは必要に応
じてコンクリート張り、その他の材料で形成され
る）から所定の距離を置くように懸吊されてい
る。

また、前記可動棚１１が複数機懸吊されて、な
お固定棚３との間に所望の空間Ｓが形成されてお
り、該空間Ｓを、一方の固定棚３、および他方の
固定棚３側にまとめて寄せられた可動棚１１と共
に形成するように、塞板２４、扉２９が配設され
ている。

すなわち、塞板２４は、傾斜屋根２３の裾側に
おいて可動棚１１よりも下方に若干長く、かつ可
動棚１１の側板１２を、垂直方向に沿つて一部外
側から蔽うようになされて、固定棚３の側板４お
よび屋根用桁部材２２に固定されており（第３
図、第６図、第９図参照）、塞板２４の可動棚側
の下端隅部には、ローラー支持片２５が内方へ水
平に突設され、支持片２５にガイドローラー２６
が回転自在に支持され、ガイドローラー２６は可
動棚１１の側板１２下端縁に可動棚１１の奥行方
向に指向して配設された断面溝状のガイド２７と
係合している。なお、ガイド２７は、塞板２４の
幅寸法に応じて後記係合関係にある可動棚１１に
は全て配設されている。

しかして、塞板２４は、可動棚１１が固定棚３
側に移動される際に、何等支障とはならず、かつ
可動棚１１が空間Ｓを塞いで完全に固定棚３側へ
寄せられた場合、前記ガイドローラー２６は、対
応する可動棚１１のガイド２７と確実に係合する
ように構成されている（第１０図参照）。

また一方、塞板２４と相対向して、固定棚３の
他側の側板４に、一対の蝶番２８を介して把手３
０付きの扉２９が付設され、扉２９は前記空間Ｓ
が形成された状態で固定棚３と可動棚１１の側板
４，１２間に内接する幅長になされ、垂直方向長
さは可動棚１１とほぼ等しく形成されている（第
１図、第１１図参照）。

さらに、可動棚１１の両側板１２には、棚間口
に面して、側面から所定距離を置き、上下方向に
指向するパツキング３１が付設され、各棚間の目
地合せがなされている（第９図ないし第１１図参
照）。

第１図ないし第１１図に示された実施例は、前
記のように構成されているため、扉２９を開放状
態にして、一ないし複数の可動棚１１を動かせ
ば、可動棚１１は一対の固定棚３間に架設された
支持レール１０に沿つて走行し、所望の棚間通路
（作業空間）が形成される。

その際、可動棚１１には両側部にパツキング３
１が付設されているため、可動棚相互あるいは可
動棚と固定棚が接触しても、衝接が回避される。

所望の棚に対する収納物の出し入れ作業が終了
した後、可動棚１１を全て一方に移動させると、
前記空間Ｓが形成され、空間Ｓに、例えば自転
車、ベビーカー等、比較的出し入れ容易な大型収
納物を収納することができる。

次いで、扉２９を閉じると、該扉２９は可動棚
１１の側板１２に付設されたパツキング３１と接
触して、可動棚１１と扉２９相互間の目地部が密
封されるとともに、可動棚１１は扉２９によつて
移動を制止される。この状態では、接触状態にあ
る棚間は、全てパツキング３１によつて密封され
ているため、風雨の進入が防止される。

また、扉２９に対して反対側の側面は、塞板２
４によつて閉塞されており、前記と同様に、内部
に風雨が進入することはない。なお、倉庫を建物
に近接して設置した場合には、建物によつて空間
Ｓが塞がれるため、塞板２４を省略することがで
きる。

しかも、一対の固定棚３間に架設された桁部材
２２上には、屋根２３が設置されているため、装
置全体を雨水から保護し得るとともに、日除け効
果もあり、本実施例装置は、屋外用倉庫としてこ
れを有効に使用し得る。

さらに、支持レール１０は、一対の固定棚３に
架設されたレール支持部材９に配設されているた
め、支持レール敷設のための特別な整地作業、お
よびレベル調整が不要であり、設置が簡易で、装
置の組立て費用も低廉である。

その他、前記実施例においては、次の様な効果
がある。

物品収納用の棚小間を物品のサイズに応じて
多数設けることができるので、公知のハウス型
物置き（または倉庫）に比して、物品の整理、
保管、出し入れ作業が容易である。

可動棚方式を採用したため、公知のハウス型
物置きに比して、物品の充填効率が高く、装置
の敷き地面積を然程広くする必要がない。ま
た、従来の屋外用倉庫と違つて入口が一箇所に
限定されず、可動棚１１を動かすことによつて
形成した作業空間に直接出入りすることがで
き、物品搬出入効率が大幅に向上する。

可動棚方式であるため、作業空間を利用して
自転車、ベビーカー等を収納することができ
る。

それ自身に物品を収納することが可能な固定
棚３，３に屋根２３を付設したため、別途支柱
等の屋根支持部材を使用する必要がなく、装置
構造が簡略化され、通常は屋内で使用されてい
た可動棚装置を屋外用倉庫として使用すること
が可能となつた。

扉２９を閉じた場合の可動棚１１との当接部
に施錠装置を付すことによつて、収納物品の盗
難を防ぐことができる。

固定棚３の側板４、および可動棚１１の側板
１２が、それ自体倉庫用外板として機能し、装
置全体を別体外板で覆つた構造にする必要がな
く、製作費を低廉に抑えることができる。

固定棚３の側板４、および可動棚１１の側板
１２が上方に十分長く伸長されており、それ等
によつてレール支持部材９が目隠しされるた
め、装置全体の外観性が優れている。また、そ
れ等側板４，１２の上方伸長部は、屋根２３と
協働して装置内への風雨、土埃等の進入を防ぐ
機能を有している。

なお、前記実施例においては、塞板２４の下部
に付したガイドローラー２６を、可動棚１１に設
けたガイド２７に係合させて塞板２４の姿勢を安
定化させたが、塞板２４の下部を床に固定しても
よい。

また、可動棚１１の側板１２にパツキング３１
を付設した結果、各棚間の目地部に若干の隙間が
生じるため、その隙間に指をかけて可動棚を動か
すことができるが、必要に応じて可動棚の側面に
引き手を付設してもよい。

なおまた、前記実施例において、塞板２４の代
りに、扉２９と同様な第二の扉を配設してもよ
い。

以上、本発明を、図面に示された実施例および
図面に示されない実施例について説明したが、本
発明は、このような実施例に限定されることな
く、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、必要に
応じて適宜自由に設計の変更を施しうるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例に係る屋外用倉庫
の正面図、第２図は同側面図、第３図は第１図に
おいて−線で截断した概略平面図、第４図は
同固定棚の正面図、第５図は同可動棚の正面図、
第６図は第５図における要部概略説明図、第７図
は屋外用倉庫における可動棚の要部説明図、第８
図は第７図における−線断面図、第９図は第
３図における要部拡大説明図、第１０図は第９図
に対応する使用態様図、第１１図は第３図におけ
る要部拡大説明図である。 １……地上床面、２……基台、３……固定棚、
４……側板、５……桁部材、６……底板、７……
背板、８……棚板、９……レール支持部材、１０
……支持レール、１１……可動棚、１２……側
板、１３……棚部材、１４……底板、１５……棚
板、１６……ガーダ、１７……ブラケツト、１８
……軸、１９……軸受け、２０……車輪、２１…
…幕板、２２……屋根用桁部材、２３……屋根、
２４……塞板、２５……ローラー支持片、２６…
…ガイドローラー、２７……ガイド、２８……蝶
番、２９……扉、３０……把手、３１……パツキ
ング、３２……樋、Ｓ……空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ その三面を覆う背板および両側板を備えた少
   なくとも一対の固定棚を、屋外に相互に平行な姿
   勢で間隔を置いて対向、立設し、該少なくとも一
   対の固定棚の頂部に少なくとも二本の支持レール
   架設体を相互に平行に固定し、作業空間を残して
   自身の間口面に直角な方向へ往復動自在に、前記
   支持レール架設体に側板を備えた可動棚を懸吊せ
   しめ、前記固定棚の少なくとも一側端部に、開閉
   自在に扉を設けるとともに、全ての固定棚および
   可動棚を覆う屋根を、前記少なくとも一対の固定
   棚の頂部に固定し、かつ前記固定棚前面にのみ形
   成された作業空間を前記扉を閉じることによつて
   閉成した時、前記扉と可動棚の当接関係にて前記
   可動棚の移動が制止される構造になしたことを特
   徴とする屋外用倉庫。