JPS6215144B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、報知音として用いる楽曲の音階を
表示する機能を備えた音階表示機能付電子時計に
関する。

一般に、電子時計においては、多機能化が進
み、その本来の機能である計時計数機能以外に、
ストツプウオツチ、アラーム、タイマー等の他機
能を複数備えたものがある。

また、上記アラーム機能においては、その報知
にメロデイ音を用いているものがある。すなわ
ち、特定の楽曲の音階、音長、音量の各コード
を、例えばROM（リードオンメモリ）等にあら
かじめ記憶しておき、そしてこれらのコードを
ROMから読み出し、これに基づいてスピーカ、
ブザー等を駆動することにより、楽音を発生させ
るものである。

ところで、このように楽曲を発生する電子時計
において、楽曲を編成する楽譜を表示するものと
すれば、使用者の意を満足させることができると
共に、意匠的にも優れたものとなり、極めて効果
的ではある。しかしながら、小型の時計、特に腕
時計のように、表示面積がかなり制約されている
ものにおいては、その表示部に楽譜表示体を備え
るだけで残りの表示スペースは小さくなり、時刻
表示体を小さくしなければならない。更に、多機
能を備えた電子時計においては夫々の機能の状態
を表示するための機能表示体をも設ける必要があ
るが、現実としてそれだけのスペースをとること
ができなかつた。

この発明の目的は、夫々の機能の状態を専用の
機能表示体を設けなくても表示出来、表示面積を
小さくすることが出来る音階表示機能付電子時計
を提供することにある。

以下、この発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。第１図は腕時計の回路構成図
で、図において符号１は基準周波数信号を発生す
る発振器であり、上記基準周波数信号は計時計数
回路２に与えられる。この計時計数回路２では基
準周波数信号をカウントして“時”、“分”、“秒”
の時刻情報を得る。この時刻情報は他機能回路３
及び切換制御回路４にそれぞれ供給される。他機
能回路３には、図示しないが時刻アラーム１回
路、時刻アラーム２回路、別時計回路、ストツプ
ウオツチ回路、タイマー回路がそれぞれ組み込ま
れ、各回路の機能情報は上記切換制御回路４にそ
れぞれ供給される。この切換制御回路４は機能選
択回路５からの出力内容に応じて計時計数回路２
からの時刻情報及び他機能回路３から入力される
情報を選択的に出力し、後述する液晶表示装置６
に供給する。上記機能選択回路５は、例えば６進
のカウンタによつて構成されていて、機能選択ス
イツチＳの操作信号に従つて歩進され、この内容
を機能選択信号として上記切換制御回路４に与え
る。

上記液晶表示装置６には、時刻表示部７及び楽
譜表示部８が並設されており、時刻表示部７では
切換制御回路４から送られてくる情報をデイジタ
ル的に表示する。上記楽譜表示部８は、例えば液
晶表示装置６の上部基板表面に五線符、ト音記号
が印刷等により形成され、そして五線符の線上あ
るいは線間などに対応して基板内面に音階を表示
するための10個の円形電極８ａ〜８ｊが形成され
ていると共に、この円形電極８ａ〜８ｊのうちの
２個を用いて連符を表示するための５個の線形電
極８a′〜８e′が形成されている。従つて、楽譜表
示部８では５種類の連符が表示でき、この連符の
夫々に対応して楽譜表示部８の下方の文字板等に
他機能の設定状態を明示する記号、例えば「AL1
（時刻アラーム１）」、「AL2（時刻アラーム２）」、
「DUL（別時計）」、「STO（ストツプウオツ
チ）」、「TIM（タイマー）」が印刷等の手段で設
けられている。

上記他機能回路３からは、時刻アラーム１、あ
るいは時刻アラーム２のセツト時刻を検出した
時、ワンシヨツトパルスの検出信号ｆが出力され
る。この検出信号ｆは、フリツプフロツプ９のセ
ツト側入力端子Ｓに与えられる。またこの検出信
号ｆはバツフア１０に与えられると共に、楽曲コ
ード記憶部１１のアドレスを指定するアドレス部
１２に与えられる。上記楽曲コード記憶部１１
は、例えばROMによつて構成されており、ここ
には楽曲を編成する各種のコードがストアされて
いてアドレス部１２からのアドレス指定を受け
て、音長コードＡ、音階コードＢ、音量コードＣ
及び自己の次アドレスを指定する信号Ｄを並列的
に出力する。そしてこの楽曲コード記憶部１１は
楽曲を構成する各楽音のコードを全て出力し終つ
た時、終了信号ｇを上記フリツプフロツプ９のリ
セツト側入力端子Ｒに与える。なお、フリツプフ
ロツプ９は、リセツト状態では側出力端子から
“１”の信号を出力している。

上記音長コードＡは音長制御回路１３に供給さ
れ、この音長制御回路１３は音長コードＡに応じ
た所定の時間が経過した時、出力信号を上記バツ
フア１０に与えると共にアンド回路１４の一方の
入力端子に、ゲート制御信号として与える。上記
バツフア１０は上記検出信号ｆで最初の音階コー
ドを読み込み、その後は音長制御回路１３からの
出力信号に従つて上記音階コードＢを読み込む。
このバツフア１０から出力される音階コードＢは
デコーダ１５に供給され、また上記音量コードＣ
はデコーダ１６に供給される。また次アドレス指
定信号Ｄはバツフア１７に一旦貯えられた後、上
記アンド回路１４の他方の入力端子に供給され
る。

一方、上記発振器１からの基準周波数信号は、
音階周波数信号発生回路１８にも与えられる。こ
の信号発生回路１８は基準周波数信号を分周して
「ド」、「レ」、「ミ」……等の音階に対応する周波
数をもつたクロツク信号群を発生させ、このクロ
ツク信号群を音階周波数選択回路１９に供給す
る。この音階周波数選択回路１９は上記デコーダ
１５によつて解読された内容に従つてクロツク信
号群のうち音階に対応するクロツク信号を選択的
に出力し、音量制御回路２０に与える。この音量
制御回路２０は上記デコーダ１６によつて解読さ
れた内容に従つて音階周波数選択回路１９から出
力されるクロツク信号の音量制御を行うものであ
る。この音量制御回路２０から出力された信号に
基づいて発音体、例えばスピーカ２１は音声出力
する。また、上記機能選択回路５の内容は、アン
ド回路２２の一方の入力端子に供給され、また上
記バツフア１０の内容はアンド回路２３の一方の
入力端子に供給されている。アンド回路２２の他
方の入力端子には、上記フリツプフロツプの側
出力がゲート制御信号として与えられ、またアン
ド回路２３の他方の入力端子には、上記フリツプ
フロツプのＱ側出力ゲート信号として与えられて
いる。そして上記アンド回路２２の出力内容はデ
コーダ２４に、またアンド回路２３の出力内容は
デコーダ２５にそれぞれ供給され、上記デコーダ
２４によつて解読された内容は、直接及びオア回
路２６を介して上記楽譜表示部８に供給される。
またデコーダ２５によつて解読された内容は、上
記オア回路２６を介して楽譜表示部８に供給され
る。そして楽譜表示部８において、デコーダ２４
から直接出力される内容に従つて所定の線形電極
８a′〜８e′が駆動され、またオア回路２６から出
力される内容に従つて所定の円形電極８ａ〜８ｊ
が駆動される。

次に、上記のように構成された電子時計の動作
について第２図及び第３図に示す表示例を参照し
て説明する。しかして、第２図は、機能選択回路
５のセツト状態に応じて液晶表示部６の表示状態
が切り換えられる状態を示したものである。ま
ず、機能選択回路５の内容が“０”にある時、時
刻表示部７には、計時計数回路２から出力される
時刻情報が切換制御回路４を介して供給され、第
２図Ａに示すように、通常の時刻が表示される。
この時、楽譜表示部８においては、何んの表示も
なされない。

次に、機能選択スイツチＳを操作して機能選択
回路５の内容を“１”にした時には、切換制御回
路４は時刻アラーム１モードを指定し、時刻表示
部８においては、第２図Ｂに示すように、アラー
ム１の設定時刻が表示される。この時、アンド回
路２２には通常フリツプフロツプ９から“１”の
信号がＱ側出力から与えられているので開放状態
となつており、従つて機能選択回路５の内容がア
ンド回路２２を経由してデコーダ２４で解読さ
れ、この解読結果が直接及びオア回路２６を介し
て楽譜表示部８に供給される。このため、楽譜表
示部８においては、機能表示記号「AL1」に対応
する一番目の連符が表示され、これによりアラー
ム１機能モードを表示していることを示すことが
できる。

同様にして機能選択スイツチＳを操作して機能
選択回路５の内容を歩進し、その内容を“２”と
した時には、時刻アラーム２モードが指定され、
第２図Ｃに示すように、時刻表示部７には設定時
刻が表示されると共に、楽譜表示部８には表示記
号「AL2」に対応する二番目の連符が表示され、
これにより、アラーム２機能モードを表示してい
ることを示すことができる。また機能選択回路５
の内容を“３”とした時には、第２図Ｄに示すよ
うに別時計モード、“４”とした時には、第２図
Ｅに示すように、ストツプウオツチモード、
“５”とした時には、第２図Ｆに示すように、タ
イマモードにそれぞれ表示状態を切り換えること
ができる。

しかして、通常時刻が表示されている時、他機
能回路３において、アラーム回路或はアラーム２
回路で所定の設定時刻が検出されると、検出信号
ｆが出力され、これにより、通常時刻を表示して
いる液晶表示装置６は第３図に示すような状態に
切り換わる。すなわち、検出信号ｆに従つてフリ
ツプフロツプ９は、そのＱ側出力から“１”の信
号を出力し、今度はアンド回路２３を開放させ
る。この状態において、アドレス部１２は検出信
号ｆに従つて楽曲コード記憶部１１のアドレスを
指定する。これによりコード記憶部１１からは最
初に発生する楽音例えば「ミ」に関する音長コー
ドＡ、音階コードＢ、音量コードＣを出力すると
共に、自己の次アドレス指定信号Ｄをそれぞれ出
力するようになる。そしてバツフア１０は検出信
号ｆに従つて「ミ」の音階コードＢを読み込む。
このバツフア１０の内容は、デコーダ１５に、ま
た音量コードＣはデコーダ１６に供給される。こ
のため、周波数選択回路１９は周波数発生回路１
８からのクロツク信号群のうち、「ミ」の周波数
のクロツク信号を選択的に出力し、これを音量制
御回路２０に与える。そして音量制御回路２０は
デコーダ１６の内容に応じた音量制御を行い、こ
の出力をスピーカ２１に与える。従つて最初の楽
音である「ミ」が音声出力されるのである。一
方、バツフア１０の内容は、アンド回路２３を経
由してデコーダ２５をデコードされ、オア回路２
６を介して楽譜表示部に供給される。この楽譜表
示部８においては、複数の円形電極８ａ〜８ｊの
中から「ミ」の位置にある電極８ｃが駆動され、
第３図Ａに示すように、スピーカ２１にて発音さ
れている音階、例えば「ミ」が表示される。この
表示状態は、音長制御回路１３において、音長コ
ードＣに応じた時間が経過するまでの間、保持さ
れるのである。

そして、音長制御回路１３から出力が得られる
と、楽曲コード記憶部１１はアドレス部１２から
のアドレス指定を受けて次アドレスに変換され
る。従つて楽曲コード記憶部１１からは、二番目
の楽音例えば「ソ」に関する音長コードＡ、音階
コードＢ、音量コードＣ及び次アドレス指定回路
Ｄが出力される。これにより、スピーカ２１で
は、「ソ」の音階を所定の音量で音声出力すると
共に、楽譜表示部８では、発音されている音の音
階、「ソ」が第３図Ｂに示すように表示されるの
である。以下、同様の動作が繰り返し実行される
ことにより、発音される音「ラ」、「フア」、「シ」
の音階は、第３図Ｃ，Ｄ，Ｅに示すように順次表
示出力される。

そして楽曲の演奏が終り、楽曲コード記憶部１
１から終了信号ｇがフリツプフロツプ９に与えら
れると、再びアンド回路２２はフリツプフロツプ
９のＱ出力により開放状態となるため、楽譜表示
部８において、第２図に示したような機能表示が
可能となるのである。

従つて、楽譜表示部８では音階表示のほかに、
どの機能の表示モードであるかを明示することが
できる。

次に、この発明の第２の実施例について第４図
ないし第７図を参照して説明する。第４図は上記
第１実施例と同様、腕時計の回路構成図を示し、
第１図のものと同一のものは同一符号をもつて示
し、その説明を省略する。しかしてS′は時刻設定
スイツチであり、このスイツチS′の操作信号は、
設定回路３０を介して計時計数回路２に与えら
れ、時刻修正を行う。また上記操作信号は設定回
路３０を介して時刻アラーム１回路３１、時刻ア
ラーム２回路３２及び時報回路３３にそれぞれ与
えられ、アラーム時刻の設定及び時報のON、
OFFの設定を行う。そして上記時刻アラーム１
回路３１、アラーム時刻２回路３２、時報回路３
３は、夫々アラーム設定、時報設定がなされてい
る時のみ、設定信号ｍ，ｎ，ｌを出力する。また
上記時刻アラーム１回路３１、時刻アラーム２回
路３２、時報回路３３には、計時計数回路２から
それぞれ時刻情報が供給されており、そしてこれ
らは時刻情報が設定時刻になつた時、これを検出
してワンシヨツトパルスの検出信号f₁，f₂，f₃を
出力する。この検出信号f₁及びf₂はオア回路３４
を介してアドレス部１２に与えられる。また上記
オア回路の出力は検出信号f₃と共にオア回路３５
を介してフリツプフロツプ９のセツト側入力端子
Ｓ及びバツフア１０に与えられる。また時刻アラ
ーム１回路３１及び時刻アラーム２回路３２の設
定時刻は、切換制御回路４に供給される。一方、
上記設定信号ｍ，ｎ，ｌは、対応するアンド回路
３６〜３８の一方の入力端子に与えられる。これ
らアンド回路３６〜３８の他方の入力端子には、
フリツプフロツプ９の側出力信号がゲート制御
信号として与えられている。上記各アンド回路３
６〜３８の出力信号はデコーダ２４にそれぞれ与
えられる。

しかして、通常、フリツプフロツプ９は、
“１”の信号と側出力から各アンド回路３６〜
３８に与えられている状態にある。この状態にお
いて、例えば、時刻アラーム１回路３１にアラー
ム時刻がセツトされている時には、設定信号ｍの
出力によりアンド回路３６の出力が得られる。こ
のアンド回路３６の出力信号はデコードされた
後、楽譜表示部８に対して直接及びオア回路２６
を介して供給される。従つて楽譜表示部８では、
時刻表示状態において第５図に示すように、表示
記号「AL1」に対応する連符が表示され、これに
よつて時刻アラーム１がセツトされていることが
示される。同様にして、第６図は時刻アラーム２
がセツトされていることを示し、また第７図は時
刻アラーム１・２及び時報がセツトされているこ
とを示す。

このようにして、楽譜表示部８で他機能のセツ
ト状態を明示することができる。

次に、この発明の第３及び第４実施例について
第８図及び第９図を参照して説明する。この第３
及び第４実施例においては、第２実施例と同様、
他機能のセツト状態を楽譜表示部８を併用して表
示するようにしたものである。そしてこれら各実
施例においては、各音階表示体を円形電極をマト
リツクス状に配列して構成し、そしてこれら各音
階表示体は五線符に対応するように並設されてな
るものである。また上記第３実施例は、第８図に
示すように、五線符の延長線上に、他機能を識別
する表示記号「AL1」、「AL2」、「DUL」等が印刷
等の手段で表示したものである。そして五線符の
うち何れか一つの線において、その線に対応する
各円形電極が表示駆動されることにより、例え
ば、第８図に示すように、ストツプウオツチモー
ド表示になつていることを明示できる。一方、第
４実施例は、第９図に示すように、各音階表示体
に対応する位置に表示記号が印刷等の手段で表示
したものである。そして各音階表示体を構成する
複数の円形電極のうち何れか一つが選択的に表示
駆動されることにより、今どの機能が表示されて
いるかを明示できる。

この発明は、以上詳細に説明したように、音階
を表示する楽譜表示部を併用して他機能の機能状
態を表示するようにしたから、小型の時計、例え
ば腕時計のように、表示面積がかなり制約されて
いるものにおいても、音階表示以外に機能表示が
可能となり、このため電子時計の表示面積を極め
て有効に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの発明の第１実施例を
示し、第１図は電子時計の回路構成図、第２図は
機能のモード切換えに応じた表示状態を示す図、
第３図は音階の表示状態を示した図、第４図ない
し第７図はこの発明の第２実施例を示し、第４図
は電子時計の回路構成図、第５図ないし第７図は
他機能のセツト状態を示した表示状態図、第８図
はこの発明の第３実施例を示し、楽譜表示部の構
造を示した図、第９図はこの発明の第４の実施例
を示し、楽譜表示部の構造を示した図である。 ２……計時計数回路、３……他機能回路、４…
…切換制御回路、５……機能選択回路、６……液
晶表示装置、７……時刻表示部、８……楽譜表示
部、９……フリツプフロツプ、１１……楽曲コー
ド記憶部、１８……音階周波数発生回路、１９…
…音階周波数選択回路、２０……音量制御回路、
２１……スピーカ、２３……時刻アラーム１回
路、３２……時刻アラーム２回路、３３……時報
回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基準信号を計数して時刻情報を得る時刻計数
   手段と、この時刻計数手段とは異なる機能動作を
   なす他機能手段とを備えた電子時計において、少
   なくともメロデイ音の音階情報を記憶するメロデ
   イ音記憶回路と、前記時刻計数手段からの前記時
   刻情報がアラーム時刻になつたことを検出するア
   ラーム時刻検出手段と、このアラーム時刻検出手
   段からの前記アラーム時刻になつたことの信号に
   応答して前記メロデイ音記憶回路から前記音階情
   報を読み出してメロデイ音を発生させるメロデイ
   音発生手段と、五線符上の各音階位置に光学的音
   符表示体が配置された楽符表示部と、前記メロデ
   イ音記憶手段から読み出しその読み出した前記音
   階情報に応じて前記楽符表示部の対応する前記光
   学的音符表示体に駆動信号を供給して音階表示を
   行なわせる音階表示制御手段と、前記他機能手段
   からの機能状態データを受けてこの機能状態デー
   タに対応した前記楽符表示部の前記光学的音符表
   示体に駆動信号を供給して機能表示を行なわせる
   機能表示制御手段とを具備したことを特徴とする
   音階表示機能付電子時計。