JPS6215069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貨物自動車の後部に取付けて貨物の積
み降しを可能にしたエレベーターゲートに関する
ものである。高所の荷物等を移動する場合、フオ
ークリフトが用いられる。本考案はこのフオーク
リフトと同程度にまで昇降して荷物の積降しがで
きるもので、これを貨物自動車の後部に設置した
ものである。このような構造の貨物自動車によ
り、２階建あるいはそれ以上の倉庫の貨物の積降
しや、引越時に２階又はそれ以上の階から直接家
具類を降して積み込むことがてき或いは運んでき
た家具類を２階又はそれ以上に直接運び込むこと
ができるようにしたものである。

以下添付図面を参照して公知技術の経緯につい
て説明する。第１図Ｖは本考案の基礎となるエレ
ベーターゲートを備えた公知バン型車両である。
Ａはエレベーターゲートで、バン型車両の屋根よ
りも高く（地上より４〜５ｍ）グランドプレート
１が昇降できる。Ｄは観音開き式扉で、車両走行
時は通常のバン型車両と同様に後部を閉鎖でき
る。

第３図〜第４図は車両後部を一部拡大して示し
たものである。荷物を載せるグランドプレート１
はヒンジ２によつてライナー３に支持され、上方
に90゜折たたみ可能である。ライナー３にはガイ
ドローラ４がとりつけられ、該ガイドローラが可
動コラム６の中を案内されて昇降する（第５
図）。５はワイヤロープで、ライナー３の頂部に
固着されており、可動コラム６の上部に取付けた
プーリー７を介して張られ、他端が固定コラム８
に取付けたワイヤハンガー９に固定されている。
可動コラム６には、その下部にガイドローラ１０
が対をなしてとりつれられ、これが固定コラム８
に案内されて転動し、昇降する。可動コラム６の
下端にはワイヤハンガー１１が設けられ、これに
ワイヤロープ１２が固定されている。ワイヤロー
プ１２は固定コラム８の上部に固定したプーリー
１３を介し張られ、固定コラム８の下部で床下に
設けたプーリー１４を経、さらにプーリー１５を
経てシリンダヘツドプーリー１６及びシリンダプ
ーリー１７を通つてワイヤハンガー１８に端が固
定されている。なおシリンダ１９及び上記プーリ
ー１５等は床下に設けられている。さらに固定コ
ラム８、可動コラム６は後部門口部に左右対をな
して設けられているので、上記ワイヤロープやプ
ーリー等も対をなして設けられ、床Ｆの下部に設
けたシリンダ１９によつて駆動される。

２３はリモートコントロールスイツチで、これ
を押すとパワーユニツト２１が作動し、配管２２
を経てシリンダ１９に油圧が掛り、シリンダヘツ
ドプーリー１６を押し出す。すると、ワイヤロー
プ１２が引張られ、可動コラム６が引上げられ
る。可動コラム６が上昇すると、固定コラム８に
固定したワイヤロープ５がライナー３を引き上げ
るので、グランドプレート１も同時に上昇する。

下降動作も以上の逆の動作で容易に行うことが
できる。なお油圧シリンダ１９が好ましいが、こ
れに代えてウインチ装置を床下に設けても同様の
昇降作用を行わせうることは勿論である。

以上の構成により地上より４〜５ｍの高さの位
置まで昇降できるが、最近さらに高所までの昇降
が要求されるようになつた。本考案はこの要求に
応えるものである。

第６図〜第７図を参照して本考案について説明
する。前記第３図〜第４図に示す公知技術におい
ては、グランドプレート１を高く揚げるために固
定コラム８に対しスライドする可動コラムを上昇
させ、固定コラム８に固定したワイヤロープ５が
ライナー３を引上げグランドプレート１も同時に
上昇するようになつていた。

この構成ではグランドプレート１の揚程は車両
の高さに自づと制限され地上４〜５ｍが限度であ
つた。而し実際上は地上７ｍ位の揚程が望まれる
場合がある。このため本考案においてはスライド
コラム方式をとらないで、前記の可動コラムを固
定コラム上部に蝶着し、常時は屋根上に倒して格
納可能な起倒コラムとし、必要時に固定コラム上
に直立させ、固定コラムとその上の起倒コラムに
設けられた案内溝にそつてグランドプレート１を
上下させうるようにしたものである。

さて、第６図において、６ａは前記可動コラム
６に代る起倒コラムで固定コラム８の頂部にヒン
ジ結合されている。起倒コラム６ａの起倒作用は
屋根上に取付けられた起倒シリンダ２４によつて
行う。起立したコラム６ａは屋根上に１端を固定
したワイヤロープ２５と、車両後部から側方に張
出したアウトリガー２６とコラムの側部間に張ら
れたワイヤ２７とで補強する。

前記ワイヤロープ５は１端がグランドプレート
１を支持するライナー３の頂部に固着されている
点は前記第３図に示したエレベータゲートと同じ
である。ワイヤロープ５は屋根上に起倒コラム６
ａが格納されているときは、第８図の如く固定コ
ラム８の頂部付近に設けたプーリー２８、起倒コ
ラム６ａの頂部に設けたプーリー７、固定コラム
８の頂部付近に設けたプーリー２９を経て固定コ
ラム８内を通つて床下の駆動シリンダ１９に継つ
ている。この床下駆動機構は第４図に示した公知
のものと全く同一で、前記可動コラム６の駆動ロ
ープ等が除かれている。

次に作動についてのべると、まずシリンダ２４
で起倒コラム６ａを起し、ワイヤロープ２５及び
２７で補強する。しかして床下のシリンダ１９に
油圧をかけると、シリンダヘツドプーリー１６
（第４図）を押し出す。するとワイヤロープ５が
引張られ、起倒コラム６ａの頂部のプーリー７を
経てライナー３を引き上げ同時にグランドプレー
ト１を上昇させて荷物を持ち上げることができ
る。

なお、起倒コラム６ａを屋根上に倒した状態で
も床面までは公知ゲートと同様に使用できるよう
にすることは容易である。

以上の如く構成されているから、 １ グランドプレート１が地上７ｍにまで昇降で
き、可動範囲が非常に大である。

２ 走行時は一般車両と同じく、車両高を低くで
きるので、一般道路上の走行に何等問題がな
い。

３ 従来のゲートは自車の床面までしか昇降しな
いので、自車の床面より低い床面をもつた車へ
の積替えはできたが、本考案の場合には相手車
両高に関係なく積替えができて便利である。

４ 地上７ｍも昇降可能であるからフオークリフ
トの代用も可能である。

５ 住宅の３階の高さ程度は十分昇降できるの
で、引越用として好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知エレベーターゲート付きのバン型
車両。第２図は第１図の上面図。第３図は第１図
の公知バン型車両の車両後部の詳細図。第４図は
第３図の上面図。第５図はライナー、可動コラ
ム、固定コラムの関係を示す横断面図。第６図は
本考案に係るエレベータゲートを備えた車両後部
の正面図。第７図は第６図の右側面図。第８図は
ライナーを引上げるワイヤロープの張設状態を示
す。 図において；Ａ……エレベーターゲート、Ｄ…
…扉、Ｆ……床、Ｖ……バン型車両、１……グラ
ンドプレート、２……ヒンジ、３……ライナー、
４……ガイドローラ、５……ワイヤロープ、６…
…可動コラム、６ａ……起倒コラム、７，１３，
１４，１５……プーリー、８……固定コラム、
９，１１，１８……ワイヤハンガー、１０……ガ
イドローラ、１２……ワイヤロープ、１６……シ
リンダヘツドプーリー、１７……シリンダプーリ
ー、１９……シリンダ、２１……パワーユニツ
ト、２２……配管、２３……リモートコントロー
ルスイツチ、２４……起倒シリンダ、２５……ワ
イヤロープ、２６……アウトリガー、２７……ワ
イヤロープ、２８……プーリー、２９……プーリ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定コラム８と、該固定コラム８の頂部にヒン
   ジ結合し、屋根上に対し起倒可能にとりつけた起
   倒コラム６ａと、固定コラム８及び起倒コラム６
   ａに案内されて昇降可能で、グランドプレート１
   を下部にヒンジ結合したライナー３と、一端がラ
   イナー３に連結され固定コラム８の頂部に設けた
   プーリー２８、起倒コラム６ａの頂部に設けたプ
   ーリー７、固定コラム８の頂部付近に設けたプー
   リー２９を経て固定コラム８内を通つて床下の駆
   動装置に接続しているワイヤロープ５とからな
   り、固定コラム８と起倒コラム６ａとに案内され
   てライナー３を上下動可能にしたことを特徴とす
   る貨物自動車に於けるエレベーターゲート。