JPS6214984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧力調理器に於ける圧力調整弁の構成
に関する。

従来の圧力調理器に使用されている圧力調整弁
として容体へ冠着させる蓋体に、煮沸時、所定蒸
気圧に達すると蒸気を放出する圧力調整弁を附設
した圧力調理器の圧力調整弁に於ける係止座付き
の弁孔体の元端部を蓋体へ貫通させて、この蓋体
の裏側に突出した元端部の突出部を固定させる圧
力調整弁に於いて、弁孔体の下端に、多数の孔を
穿設してなる遮蔽帽体を螺着させたものと、前記
と同構成で弁孔体の下端に、弁孔の軸線と直交す
る方向で、周壁に蒸気孔を穿設したキヤツプを螺
合させて、弁孔体を固定させるものとがあつた。
しかし前者のものは、弁孔体を蓋体へ止める場
合、遮蔽帽体で固着するものではなく、別のナツ
トを用意して、之れを固定するので、ナツトの下
に遮蔽帽体を連設するから、弁孔体に取付けた遮
蔽帽体は蓋体の裏側へ突出する為、蓋体を洗うと
き指先とか布巾等を引つ掛けて負傷したり、或い
は破損させてその取扱いに不便を来し、又、弁孔
体の緊締用のナツトも別材のものを必要とするも
のであり、更に又、後者のものは、弁孔体に螺合
させたキヤツプに弁孔の軸線と直交する方向で周
壁に蒸気孔を穿設したものであるから、キヤツプ
はフイルタの作用はせず、只単に蒸気を通すに過
ぎないので、蒸気のよる水滴内に含まれる小さな
調理滓を濾過することはできなく、使用時、容易
に目詰まりを起すもので、蒸気の圧力調整を困難
とすることがあつて危険性を伴うものであつた。

又実開昭53−65353号公報に示すように圧力調
整弁の弁座の一部を蓋の貫通穴部から圧力容器内
に突出させ、この突出部に蒸気連通口に連通する
複数個の切り溝を設けた圧力調理器も考案されて
が、この種のものも弁孔体を止めるナツトに突出
部を形成して、これに切り溝のみを設けた構成で
あるから、蓋体を洗うとき指先とか布巾等を引つ
掛けて負傷したり、或いは破損させる問題点を有
するものであつた。

本考案は圧力調理器に於ける蓋体へ貫通させた
弁孔体の元端突出部に、弁孔体の結合部材を兼ね
たフイルタ体を螺合し、該フイルタ体の弁孔体下
端対応部に複数の孔とし、その一つは弁孔の軸線
と同一位置とした連通口と、放射状に設けた複数
の切り溝とを有し、且つフイルタ体は弁孔体を蓋
体へ固着入る結合部材を兼ねた構成として、前記
した従来の欠点及び問題点を解消することを目的
とした圧力調理器に於ける不釣り欲調整弁に関す
るもので、これを図面に基づいて説明すれば下記
の通りである。

図中１は金属性の容体で、高圧に耐え得る構成
となつている。

２は容体１の上端開口部へ冠着する金属性の蓋
体で、蓋主体３の中央部に突設した螺杆４へ加圧
摘み５を螺合させ、この加圧摘み５へ弓形状の昇
降杆６を遊嵌させると共に、蓋主体３の下端周溝
にパツキング７を圧嵌させてある。

８は蓋体２の上面適所に突設した圧力調整弁
で、蓋主体３の上面に突設、且つ煮沸時圧力蒸気
を外部に放出する係止座９付きの弁孔体１０に於
ける弁孔１１の上端開口部に、下向きの排気用凹
部１２を設けた規定重量の荷重体１３のピボツト
部１４を係合させて、容体１内が所定蒸気圧（通
常1.8気圧以上）に達すると蒸気圧により荷重体
１３が持ち上げられて、弁孔体１０の弁孔１１を
開き放気させる。

１５は前記弁孔体１０に於ける元端部１６へ螺
合する弁孔体１０の結合部材を兼ねたフイルタ体
で、底部１７付き六角ナツトを用い螺合周壁を肉
厚とし、且つ底部１７は肉薄とした構成であつ
て、蓋主体３を貫通する弁孔体１０に於ける蓋主
体３の裏側突出部の元端部１６に刻設した雄螺子
１８へ螺合させて、前記弁孔体１０を蓋体２へ固
着させ、且つ弁孔体１０の元端部１６を被覆す
る。

１９はフイルタ体１５の弁孔体１０の下端対応
部に設けた連通口で、複数の孔とすると共に、そ
のうちの一つは前記弁孔１１の軸線と同一位置に
穿設し、これを中央孔２１としてある。

２２はフイルタ体１５と弁孔体１０の下端との
間に形成された蒸気室で、連通口１９を通過した
蒸気が弁孔体１０に於ける下端の蒸気緩衝面２３
に当つて、一旦この蒸気室２２内にこもり、均一
化した蒸気となつてこれより弁孔１１へ移る。

２４は弁孔体１０の係止座９と蓋主体３との間
に介在した気密部材。

２５は蓋体２に設けた別の圧力調整弁で、蓋主
体３に取付けた係止座２６付きの弁孔体２７内
に、弁２８とスプリング２９とを内装し、且つ弁
孔体２７の上端にスプリング２９の弾力調整を行
なう螺子蓋３０を螺着し、煮沸時2.3気圧までの
蒸気圧を調整できるようにし、且つ弁孔体２７の
蓋主体３裏側に突出した元端部３１に、前記圧力
調整弁８に使用した同構成のフイルタ体３２を取
付けてある。

Ａは容体１及び蓋体２からなる圧力調理器で蓋
体２の昇降杆６の両端を容体１の左右両端に設け
た鉤状の受部３３，３３へ遊合係止し、加圧摘み
５の回動締めにより蓋体２を容体１へ圧着させ
る。

３４，３４は容体１の左右へ前記受部３３，３
３とともに取付けた把手である。

３５はフイルタ体１５に於ける肉厚の螺合周壁
に設けた複数条の切り溝で、螺合周壁の下端に賦
射状に間隔を隔てて形成してある。

尚本考案は弁孔体１０の下端対応部を別構成と
して、これを穿孔板３６として弁孔体１０へ対設
するものである。

本考案に係る圧力調理器に於ける圧力調整弁は
前記のように構成されているから、この圧力調整
弁を例えば重錘式の圧力調整弁８としてこれを蓋
体２へ取付ける場合は、先ず蓋主体３の上面適所
に弁孔体１０の挿入孔をあけ、この挿入孔に弁孔
体１０の元端部１６を差し通して弁孔体１０に形
成した係止座９を挿入孔の上端孔端部へ支持させ
た後、蓋主体３の裏側に突出した元端部１６の雄
螺子１８部へフイルタ体１５を螺合させてこれを
緊締し、フイルタ体１５の螺合と、前記係止座９
の係止とにより弁孔体１０を固着させてから弁孔
体１０の上端部に荷重体１３を冠せて、そのピポ
ツト部１４を係合させるものである。

このときフイルタ体１５の底部１７には、複数
の孔２０からなる連通口１９が形成され、又肉厚
の螺合周壁の下端に切り溝３５を放射状に設け
て、之等がフイルタの作用をし、更に複数の孔２
０のうち一つば弁孔１１の軸線と同一位置に穿設
したので、フイルタ体１５内の蒸気をこの中央孔
２１を通過した蒸気により弁孔１１へ誘導し、弁
孔体１０の目詰まりを防止するものである。

又他の例としてスプリング２９の弾力を調整し
て所定の圧力調整をする別の圧力調整弁８の場合
は、前記と同様蓋主体３に穿設した挿入孔へ弁孔
体２７を差し込み、更に蓋主体３の裏側に突出し
た元端部３１へフイルタ体３２を螺着して弁孔体
２７を取付けた後、弁孔体２７内へ弁２８とスプ
リング２９とを収容してから、弁孔体２７の上端
へ螺子蓋３０を螺着させて、これを回動させスプ
リング２９の弾力調整を行なつて、所定蒸気圧に
耐え得る様にするもので、この場合のフイルタ体
３２も底部には複数の孔からなる連通口が形成さ
れて、これがフイルタの作用をし、又複数の孔の
うち一つは弁孔１１の軸線と同一位置に穿設され
て、フイルタ体３２内の蒸気をこの中央孔を通過
した蒸気により弁孔１１へ誘導し、弁孔体２７の
目詰まりを防止するものである。

前記のように本考案に係る圧力調理器に於ける
圧力調整弁は、容体の上端開口部へ冠着させる蓋
体に煮沸時、所定蒸気圧に達すると蒸気を放出す
る圧力調整弁を附設した圧力調理器で、圧力調整
弁に於ける係止座と蓋主体との間に気密部材を介
在した弁孔体の元端部が蓋体を貫通して蓋体の裏
側に突出し、該元端部の突出部を固定する圧力調
理器に於ける圧力調整弁に於て前記突出部へフイ
ルタ体の締結緩み防止用のワツシヤを挾んでフイ
ルタ体を螺合して弁孔体を蓋体へ固定し、該フイ
ルタ体は弁孔体の突出部を被覆する底部付き六角
ナツト状で螺合周壁を肉厚とし、且つこの結合部
材を兼ねたフイルタ体の弁孔体下端対応部に連通
口を設け、該連通口は肉薄底部に穿設した複数の
孔とし、且つ前記螺合周壁の肉厚部には複数条の
切り溝を放射状に設けると共に、連通口のうち一
つは弁孔の軸線と同一位置に穿設した構成である
から、弁孔体の元端部はフイルタ体が螺着できる
長さであつて、フイルタ体により被覆されてこの
フイルタ体も下方へ突出しないので、使用時蓋体
を洗うときでも指先とか布巾等を引つ掛けて負傷
したり、破損させたりすることはなく、又フイル
タ体は弁孔体の結合部材を兼ねている為、フイル
タ体の螺着により弁孔体の固着も同時に行え得る
ので、別のナツト等の結合部材を必要とすること
はなく、その取付け作業を円滑、迅速に行なえる
し、フイルタ体の装着に付属部品を必要としない
から、安価に製作することもできるし、更に又フ
イルタ体には複数の孔からなる連通口と、切り溝
を放射状に複数設けた構成であるから、蒸気の通
過が確実で円滑なフイルタ作用をするし、然も前
記連通口の一つは弁孔の軸線と同一位置に穿設し
てあるから、この中央孔を通過する蒸気によりフ
イルタ体内に入つた蒸気は弁孔へ誘導されて弁孔
体の目詰まりを確実に防止し、常時適格な圧力調
整を可能とし安全性は極めて高くなる特有の効果
を有し、更に又フイルタ体の螺合周壁を肉厚と
し、更に底部を肉薄とした構成によるものである
から、このフイルタ体を量産する場合、穿孔作業
等の加工性は良好で、然も肉厚の螺合周壁により
強固で堅牢な緊締を得ることが出来る（煮沸時蓋
体の振動により前記螺合部の緩みを生ずる）か
ら、フイルタ体の緩みのない安全性を重視した圧
力調整弁を形成する特有の効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る圧力調理器に於ける圧力調
整弁の実施例を示すもので、第１図は使用状態の
拡大縦断正面図、第２図は構成を示す説明図、第
３図はフイルタ体の底面図、第４図は仝上組立て
を示す説明図、第５図は断面状態の斜視図、第６
図はフイルタ体の他の例を示す組立て状態の説明
図、第７図は仝上断面状態の斜視図、第８図は他
の圧力調整弁を示す拡大縦断面図、第９図は本考
案の圧力調整弁を使用した圧力調理器の一部を縦
断した正面図、第１０図は仝上平面図である。 尚図中１は容体、２は蓋体、８は圧力調整弁、
１０は弁孔体、１１は弁孔、１５はフイルタ体、
１６は元端部、１９は連通口、２０は孔、３５は
切り溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容体の上端開口部へ冠着させる蓋体に、煮沸時
   所定蒸気圧に達すると蒸気を放出する圧力調整弁
   を附設した圧力調理器で、圧力調整弁に於ける係
   止座と蓋主体との間に気密部材を介在した弁孔体
   の元端部が蓋体を貫通して蓋体の裏側に突出し、
   該元端部の突出部を固定する圧力調理器に於ける
   圧力調整弁に於て、前記突出部へフイルタ体の締
   結緩み防止用のワツシヤを挾んでフイルタを螺合
   して弁孔体を蓋体へ固定し該フイルタ体は弁孔体
   の突出部を被覆する底部付き六角ナツト状で螺合
   周壁を肉厚とし、且つこの結合部材を兼ねたフイ
   ルタ体の弁孔体下端対応部に連通口を設け、該連
   通口は肉薄底部に穿設した複数の孔とし、且つ前
   記螺合周壁の肉厚部には複数条の切り溝を放射状
   に設けると共に、連通口のうち一つは弁孔の軸線
   と同一位置に穿設したことを特徴とする圧力調理
   器に於ける圧力調整弁。