JPS6214148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、横編機の選針装置に関するもので
ある。

柄編のために、例えば第１・２図に示す如く、
針溝２内に、バツトをもたない編針３と、該編針
３に連結された、バツト４を有するニードルジヤ
ツク５であつてその上面を押すと針床１の上面に
突出している前記バツト４をして針溝２内に没入
せしめうるよう可撓性に作られたニードルジヤツ
ク５とを植設すると共に、上記ニードルジヤツク
５の上位の、前記バツト４の背後の針溝２内に位
置せしめて、その後端部を針溝２の長手方向に沿
つた少くとも２以上の位置で選択的に枢支６でき
るプレツサージヤツク７であつて、その自由端側
である前部の上面にバツト８を有し、該前部の下
面を前記ニードルジヤツク５の上面に押し下げ作
用せしめうる、プレツサージヤツク７を配設し、
キヤリツジ１０の上に、前記ニードルジヤツク５
のバツト４に作用するニツテイングロツク１１
と、前記プレツサージヤツク７のバツト８に作用
するプレツサーカム１２・１３等を配設してなる
横編機の選針装置は、すでに公知である。

そして、上記のような構成の選針装置は、キヤ
リツジ１０の走行に先だち、手動的な操作によつ
てプレツサージヤツク７を２以上の所望位置に選
択して位置せしめておくか（図示せず）、又は図
に示してあるような電気機械的な選針機構１４
と、カム１５・１６によつて制御されるセレタジ
ヤツク１７でもつて（このような選針装置もすで
に特開昭54−68440号によつて公知である）、プレ
ツサージヤツク７を２以上の位置に選択せしめる
ならば、例えば第１図に示す如く、プレツサージ
ヤツク７のバツト８の位置を、針溝２の長手方向
に沿つた前後の２位置（・）に選択した場合
であれば、キヤリツジ１０の走行時に、レイジン
グカム２１のレイジング作用領域Ｌをカバーして
いる前記プレツサーカム１２をして、位置に選
針されたプレツサージヤツク７のバツト８に作用
させ、該プレツサージヤツク７を介し、ニードル
ジヤツク５のバツト４をして針溝２内の没位置に
制御せしめるならば、この没位置に制御されたニ
ードルジヤツク５のバツト４には、レイジングカ
ム２１がレイジング作用しないため、該ニードル
ジヤツク２１が連結された編針３は、ミスし、
位置に選針されたプレツサージヤツク７が植設さ
れた針溝２内の編針３のみが、ニツトする。

上記休止作用を行わせるため、プレツサーカム
１２は、ニツテイングブロツク１１におけるレイ
ジングカム２１の両側のレイジング作用領域Ｌ
を、キヤリツジ１０の走行方向においてカバーし
ており、ニードルジヤツク２のバツト４をして、
それがレイジングカム２１のレイジング作用領域
Ｌに入る前に、レイジングカム２１が作用し得な
い針溝２内の没位置に押し込むためのカム斜面１
２ａ・１２ａを有している。

したがつて、従来装置における上記プレツサー
カム１２は、上記目的を達しうる領域Ｌ以上には
両側に拡大されておらず、キヤリツジ１０の走行
時に、前記プレツサーカム１２の作用により、プ
レツサージヤツク７を介して、針溝２内の没位置
に制御されたニードルジヤツク５のバツト４は、
その上を、レイジングカム２１が通り過ぎると、
プレツサーカム１２の前記カム斜面１２ａを利用
して誘導し、レイジングカム２１と後行側の度山
２２間の軌道２３内へと、たたきつけることなく
緩やかに突出せしめていた。

したがつて、先行側の度山２２は、編目に無理
な張力をかけないようにするために、これを上昇
させておくことができても、後行側の度山２２
は、編目に所望の度目を与えるため、これを下げ
ておかなければならないため、上記のようにして
休止軌道を通過したニードルジヤツク５のバツ
ト４も、この後行側の度山の作用は、これを受け
ざるを得ないようになつていた。

したがつて従来装置では、休止位置に選択され
た編針３にかかつている編目にも、キヤリツジ１
０がその上方を通過する都度、ニードルジヤツク
５のバツト４が上記度山２２の作用軌道２３に入
るため、該編目を不必要に引張られるといつた欠
点があつたのである。

この考案の目的は、上記の欠点を除去すること
にあり、それを、他のトラブルを伴うことなく解
決することにある。

上記した課題は、この考案にしたがつて、上記
したような選針機構を有する横編機における前記
プレツサーカムに、少くとも、ニツテイングロツ
クにおける度山の作用領域をカバーしてニードル
ジヤツクのバツトを度山に当接せしめないカム面
を与えればよい。

一実施例を図について説明すると、第２図に鎖
線で示したニードルジヤツク５の位置およびプレ
ツサージヤツク７の位置は、第３図の−線断
面に相当するので、以下においては、第２〜５図
を参照して実施例を説明する。なお、第３図以下
にも、第１・２図を参照して説明した従来装置と
同一の構成部分には同一の参照符号を付してあ
る。

以上の通りであつて、この実施例の選針機構
は、キヤリツジ１０の走行時（第３図上左行時）
に、キヤリツジ１０上の電気機械的な選針機構１
４によつて、針溝２内のセレクタジヤツク７を選
択して、それを前進作用カム１５の作用領域と不
作領域に選択し、作用領域に選択されたセレクタ
ジヤツク１７_１のみを前進作用カム１５の作用に
よつて前進作用させることにより、選択された針
溝２内のプレツサージヤツク７を前進せしめ、も
つて各プレツサージヤツク７のバツト８位置を、
第３図に示す如く、位置（前進せしめられたも
の８_１）と位置（そのままの位置に保たれたも
の８_２）とに選針し、位置に選針されたプレツ
サージヤツク７と同一針溝内のニードルジヤツク
５を、休止位置に保ち、位置に選針されたプレ
ツサージヤツク７と同一針溝内のニードルジヤツ
ク５のみを、レイジングカム２１の作用軌道に乗
せるため、従来装置同様に、位置のプレツサー
ジヤツク７のバツト８_２に作用して、プレツサー
ジヤツク７を介して、ニードルジヤツク５のバツ
ト４_２を、レイジングカム２１の作用領域で針溝
２内の没位置に保つためのプレツサーカム１２
を、キヤリツジ１０上に設けてあるのであるが、
この考案にしたがつた実施例のプレツサーカム１
２には、ニツテイングロツク１１における度山２
２のニツテイング作用領域をカバーしてその外側
まで、その間ｗニードルジヤツク５のバツト４_２
を針溝２内に保持できる平坦なカム面１２ｂを挟
んで、その両側に、前記バツト４_２を先行側では
針溝２内に誘導し、後行側では針溝２外に誘導す
る、カム斜面１２ａ・１２ａを形成してあるので
あるが、この実施例では、このプレツサーカム１
２のキヤリツジの走行方向における作用領域Ｗ
を、相対的に小さくしながら、なおかつ、該プレ
ツサーカム１２の作用によつて没位置に保たれた
ニードルジヤツク５のバツト４_２が、度山２３に
当接しないようにするために、度山２２のニツテ
イング作用領域の後方位の下面を、一部を抉つ
て、そこを第４図に示したような斜面２２ａに形
成してある。

この考案にしたがつた選針装置では、上記せる
如く、プレツサーカム１２の、休止位置に選択さ
れたプレツサージヤツク７のバツト８_２に対する
作用領域Ｗが、ニツテイングロツクにおける度山
２２の作用領域を越えて、キヤリツジ１０の進行
方向におけるその後方まで延びており、そのカム
面１２ａ・１２ｂ・１２ａによつて、休止位置の
ニードルジヤツク５のバツト４_２が、度山２２に
全く接触することなく、度山２２が通過した後の
針床１の上面へと突出せしめられるようになつて
いるので、このニードルジヤツク５が連結された
編針３にかかつている編目は、キヤリツジ１０が
その上方を通過しても、バツト４_２が度山２２の
作用を全く受けないから、該編目を静止状態に保
たれ、天歯９によつてしごかれることがないもの
である。

このように、この考案の選針装置によれば、休
止位置（ミス位置）に選針された編針が、度山の
作用を全く受けないので、この考案の選針装置
は、編針を休止位置に選針して、多数回、その上
でキヤリツジを走行させなければならない、ジヤ
カード柄編成とが、成形編成に適し、強度が比較
的に弱い毛糸特に高級毛糸による上記の編成時に
は、糸切れを生じない、といつた優れた効果を奏
することができるものである。

なお、上記実施例においては、プレツサーカム
のキヤリツジの走行方向に沿つた長さを相対的に
短くなすため、度山を一部抉つてある例を示した
が、プレツサーカムを上記実施例よりも若干長く
すれば、度山を抉る必要は必づしもないのであつ
て、本考案は上記実施例の構成に限定されるもの
ではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示したキヤリツジ上のカム
の平面図、第２図は針床の断面図、第３図はこの
考案の一実施例を示したキヤリツジ上のカムの平
面図、第４図は度山の縦断面図（断面は第３図の
−線に沿う）、第５図−１はニツテイングロ
ツクに対するニードルジヤツクのバツトの突出状
態を示した模式図、第５図−２は第５図−１に対
応するプレツサーカムの作用を示した模式図であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 針溝内に、バツトをもたない編針と、該編針
   に連結された、バツトを有するニードルジヤツ
   クであつてその上面を押すと針床の上面に突出
   している前記バツトをして針溝内に没入せしめ
   うるよう可撓性に作られたニードルジヤツクと
   を、植設すると共に、上記ニードルジヤツクの
   上位の、前記バツトの背後の針溝内に位置せし
   めて、その後端部を針溝の長手方向に沿つた前
   後の２以上の位置で選択的に枢支できるプレツ
   サージヤツクであつてその前部の上面にバツト
   を有し該前部の下面を前記ニードルジヤツクの
   上面に押下げ作用せしめうる、プレツサージヤ
   ツクを、配設し、キヤリツジ上に、前記ニード
   ルジヤツクのバツトに作用するニツテングロツ
   クと、前記プレツサージヤツクのバツトに作用
   するプレツサーカムとを配設してある、横編機
   において、キヤリツジの走行時に休止位置に選
   択されたプレツサージヤツクのバツトに作用し
   てプレツサージヤツクを介し前記ニードルジヤ
   ツクのバツトをレイジングカムのレイジング作
   用領域で針溝内の没位置に保つためのプレツサ
   ーカムが、少くとも、ニツテイングロツクにお
   ける度山の作用領域をカバーしてニードルジヤ
   ツクのバツトを度山に当接せしめないカム面を
   有していること、を特徴とする横編機の選針装
   置。 ２ 前記度山が、ニードルジヤツクのバツトに対
   するニツテイング作用領域の後方位の下面を、
   前記プレツサーカムの作用領域をキヤリツジの
   走行方向において相対的に短縮するために抉ら
   れている、実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の横編機における選針装置。