JPS6213527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料を収納する容器本体に、その上
部において開閉する蓋体とその下部において開閉
するパフ皿とをそれぞれの後端縁部において枢着
してなるコンパクト容器に関するものである。

上記のタイプのコンパクト容器では、蓋体とパ
フ皿の前端縁にそれぞれ設けた係合突片を容器本
体の前端縁上下部に形成した係合突片に各々係合
して、蓋体及びパフ皿を別個の開放可能と構成す
るのが一般的に考えられる。しかしながら、この
ような構成とした場合、各々の係合は一方の突片
が他方の突片を乗り越えることによつて行なわれ
るため、成形時に各突片の厳格な寸法精度が要求
されるだけでなく、蓋体及びパフ皿の開放のため
にはこれらを別々にこじ開けるような力を加えな
ければならないため、使用上不便である。

上記のような問題を解決するために本願出願人
は、先に実願昭56−173331（実開昭58−77609号
公報）で、容器本体の前端縁に形成した上下の係
合突片の間にスライド部材を配設し、このスライ
ド部材を内方に押圧することによつて、蓋体とパ
フ容器とを同時に開放するコンパクト容器を提供
したのである。

しかしながら、実願昭56−173331（実開昭58−
77609号公報）に係るコンパクト容器では開放時
に蓋体とパフ皿とが同時に開くので、例えば鏡を
見るだけのために蓋体を開けたい場合にもパフ皿
が開いてしまうため使用上不便をきたす場合があ
つた。

本考案は上記の問題を解決するためになされた
もので、その目的は一対のプツシユピースを容器
本体に都合よく設けて蓋体とパフ皿とを別個に開
放することのできるコンパクト容器を提供するに
ある。

以下に本考案の好適な実施例を示す添付図面を
参照にして詳述する。

図において、１は容器本体を示し、この容器本
体１の上部中央には化粧料を収納するための凹所
２が形成されている。容器本体１の後端縁には蓋
体３の後端縁とパフ皿４の後端縁とがそれぞれ枢
着され、蓋体３は容器本体１の上面側において開
閉し、一方パフ皿４は容器本体１の下面側におい
て開放するように枢着されている。蓋体３の内面
には鏡５が接着され、蓋体３の前端縁からは第１
の爪片６が垂下形成され、この爪片６の内面には
第１の係合突片７が一体形成されている。この蓋
体３の爪片６に対向して容器本体１の前端縁部に
は切欠凹部８が上下に貫通して形成され、この凹
部８の奥面上方には第２の係合突片９が一体成形
されている。従つて蓋体３を閉じると、その爪片
６が切欠凹部８内に入り、第１の係合突片７が第
２の係合突片９を乗り越えてこれと係合し、蓋体
３は閉止位置を占めることになる。

パフ皿４はその内部にパフ１０を収納するため
のもので、底部に多数の小孔１１が穿設されてい
る。パフ皿４の前端縁には第２の爪片１２が立設
され、この爪片１２の内側には第３の係合突片１
３が形成されている。前記容器本体１の前端縁部
に形成された切欠凹部８は、この第２の爪片１２
にも対向しており、この凹部８の奥面下方には第
４の係合突片１４が一体成型されている。従つ
て、パフ皿４を開放位置から上方に持ち上げてや
ると、第２の爪片１２が切欠凹部８内に入つて第
３の係合突片１３が第４の係合突片１４を乗り越
えてこれと係合し、パフ皿４は容器本体１の底面
側にて閉止位置を占めることになる。

容器本体１の両側縁部には第１及び第２の凹状
切欠部１５，１６が、好ましくは、容器本体１の
前後に延長する中心線に対して非対称形位置に形
成されている。第１図乃至第５図に示した本考案
の第１実施例では、第１の凹状切欠部１５内に上
方部が垂直方向に延長して下方部が内側に湾曲し
た第１のプツシユピース１７の下方端部を枢着し
て、その上方自由端を蓋体３の下周面部に近設し
てなる。一方、第２の凹状切欠部１６内には、下
方部が垂直方向に延長して上方部が内側に湾曲し
た第２のプツシユピース１８の上方端部を枢着し
て、その下方自由端をパフ皿４の上周面部に近設
してなる。好ましくは、プツシユピース１７，１
８が近設する蓋体の下周面部及びパフ皿の上周面
部にはテーパー面を形成し、プツシユピース１
７，１８を内方に押圧した時にその自由端がそれ
ぞれのテーパー面に作用して蓋体３及びパフ皿４
を容器本体１から分離させる垂直方向の力として
効果的に変換されるようにすることである。

本考案の第１実施例に係るコンパクト容器は上
記のように構成されているので、第４図のように
蓋体３及びパフ皿４を閉止した位置から、第１の
プツシユピース１７を内方へ押圧すると、その上
方自由端が下方枢着部を中心として回転移動する
時に該蓋体３の下周面部に作用してこれを上方に
押し上げるため、蓋体３と容器本体１の前端縁部
における第１の係合突片７と第２の係合突片９と
の係合が解除され第５図のように蓋体３の止錠が
解かれるので、以後は第１図のように蓋体３を所
望の角度に自由に開けることができる。一方、第
２のプツシユピース１８を内方へ押圧すると、そ
の下方自由端が上方枢着部を中心として回転移動
する時にパフ皿４の上周面部に作用してこれを下
方に押し下げるため、パフ皿４と容器本体１の前
端縁部における第３の係合突片１３と第４の係合
突片１４との係合が解除され、第５図のようにパ
フ皿４の止錠が解かれるので、以後は、その自重
によつて第２図のように開放し、内部のパフ１０
を取り出して化粧することができる。尚、使用後
に蓋体３及びパフ皿４を容器本体１に対して閉じ
ると、それぞれの係合突片７，１３が容器本体１
の前端縁に形成した係合突片９，１４と係合して
閉止し、この時プツシユピース１７，１８の自由
端はこれに当接する蓋体の下周面部とパフ皿の上
周面部によつて外方へ回転移動して上記第４図の
状態を占めるのである。

第６図及び第７図は本考案の第２実施例に係る
コンパクト容器を示し、この実施例では第１実施
例の場合と比較してプツシユピースの形状が相違
するだけである。即ち、この第２の実施例では、
第１及び第２プツシユピース１７ａ，１８ａとし
て略Ｌ字形のアングル部材を用い、この各アング
ル部材の角部を容器本体１の凹状切欠部１５，１
６内に枢着している。第１のプツシユピース１７
ａはその水平な上方自由端片を蓋体３の下周面部
に近設させ、第２のプツシユピース１８ａの水平
な下方自由端片をパフ皿４の上周面部に近設させ
ている。従つて、第７図に示すように、第１のプ
ツシユピース１７ａの垂直な下方自由端片を内方
に押圧すると、その水平な上方自由端片が回動し
て蓋体３を押し上げて容器本体１との係合を解除
して開放し、一方、第２のプツシユピース１８ａ
の垂直な上方自由端片を内方に押圧すると、その
水平な下方自由端片が回動してパフ皿４を押し下
げて容器本体１との係合を解除して開放するので
ある。その他の構成及び作用効果は第１実施例の
場合と同様であるため詳述するのを省略する。

第８図及び第９図は本考案の第３実施例に係る
コンパクト容器を示し、この実施例も第１及び第
２実施例と比較して主にプツシユピースの形状が
相違するだけである。即ち、この実施例では第１
及び第２のプツシユピース１７ｂ，１８ｂとして
スライド部材が容器本体１の凹状切欠部１５，１
６に内方に向けて形成された案内孔内に摺動自在
に嵌合されている。第１のプツシユピース１７ｂ
はその上方テーパー面を蓋体３側に向けて配設す
るとともに蓋体の下方周面にはこのテーパー面に
近設する凸部１９が垂設されている。一方、第２
のプツシユピース１８ｂはその下方テーパー面を
パフ皿４側に向けて配設するとともにパフ皿の上
方周面にはこのテーパー面に近設する突部２０が
立設されている。従つて、第９図に示すように、
第１のプツシユピース１７ｂを内方に押圧すると
その上方テーパー面が蓋体３の突部１９に作用し
てこれを押し上げるため容器本体１との係合を解
除してこれを開放し、一方、第２のプツシユピー
ス１８ｂを内方に押圧すると、その下方テーパー
面がパフ皿４の突部２０に作用してこれを押し下
げるため容器本体１との係合を解除してこれを開
放するのである。その他の構成及び作用効果は第
１実施例の場合と同様であるため詳述するのを省
略する。

以上のように本考案のコンパクト容器では、容
器本体の両側縁部に設けた一対のプツシユピース
の何れか一方を内方に押圧することによつて蓋体
を開放することができ、他方のプツシユピースを
内方に押圧することによつてパフ皿を開放するこ
とができるため、必要に応じて選択的に蓋体のみ
またはパフ皿のみを開放でき、また所望の場合に
は両プツシユピースを同時に押圧して蓋体とパフ
皿を同時に開けることができ、使用上極めて便利
である。

また、好ましくは、両プツシユピースを容器本
体の前後に延長する中心線に対して非対称形に配
設した場合には、蓋体開放用プツシユピースとパ
フ皿開放用プツシユピースとの判別及び記憶が容
易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の第１実施例に係る
コンパクト容器を示し、第１図は蓋体のみを開放
した状態を示す斜視図、第２図は蓋体並びにパフ
皿を開放した状態を示す斜視図、第３図は蓋体及
びパフ皿を閉止した状態における前後方向中央線
に沿つた断面図、第４図は第３図の−線断面
図、第５図は第４図の状態から両プツシユピース
を押圧した状態の断面図、第６図及び第７図は本
考案の第２実施例に係るコンパクト容器を示し、
それぞれ第１実施例の第４図及び第５図に対応す
る断面図、第８図及び第９図は本考案の第３実施
例に係るコンパクト容器を示し、それぞれ第１実
施例の第４図及び第５図に対応する断面図であ
る。 １……容器本体、３……蓋体、４……パフ皿、
１７，１７ａ，１７ｂ……第１のプツシユピー
ス、１８，１８ａ，１８ｂ……第２のプツシユピ
ース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収納する凹所を有する容器本体の後端
   縁部に該容器本体の上部において開閉する蓋体と
   該容器本体の下部において開閉するパフ皿とを枢
   着してなるコンパクト容器において、該容器本体
   の一方の側縁部に第１のプツシユピースをそして
   他方の側縁部に第２のプツシユピースを内方へ移
   動可能に装着し、該第１のプツシユピースの上端
   部は該蓋体の下周面部に近設して配設するととも
   に該第２のプツシユピースの下端部は該パフ皿の
   上周面部に近接して配設し、該蓋体及び該パフ皿
   が該容器本体に対して閉止した状態において該第
   １のプツシユピースを内方に押圧した時に該蓋体
   が開放し該第２のプツシユピースを内方に押圧し
   た時に該パフ皿が開放してなることを特徴とする
   パフ収納皿を備えたコンパクト容器。