JPS6213126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は走間剪断機に係り、特に通板ローラを
備えたペンジユラム型走間剪断機に関する。

従来、走間剪断機の通板ローラは、走間剪断機
の上下刃物の水平方向ストロークが一定であり、
またその振巾も小さいので、固定式のものが多用
されている。

しかしながらペンジユラム型走間剪断機におい
ては、上下刃物の水平方向ストロークが被剪断材
のライン速度により変化し、また他の型式の走間
剪断機に比較してその振巾も大きい。このため、
通板ローラが固定式ローラではローラ間隔が大き
くなり、特に薄板長尺材の通板が困難である等の
難点がある。

また特開昭52―97490号公報に記載のペンジユ
ラム型走間剪断機に備えられた通板ローラにおい
ては、この通板ローラを上刃物台に係合支持させ
るようにして被剪断材の搬送を円滑に行うものが
開示されている。しかしながら、この様な通板ロ
ーラでは上刃物台のストロークによつて該通板ロ
ーラの位置調節量が制限されてしまうことから、
被剪断材のライン速度に対してペンジユラム型走
間剪断機であるフレームの揺動振幅が大きくなる
と、この通板ローラの位置調節量が不足して対処
出来ず、よつて被剪断材を剪断機に搬送すること
が困難になるという問題がある。

本発明の目的は、ペンジユラム型走間剪断機に
おいて被剪断材のライン速度変化に基づく揺動フ
レームの揺動振幅の変化に拘わらずに被剪断材の
通板ローラの上下方向位置変動を抑制可能にして
被剪断材の搬送を円滑に行い得るペンジユラム型
走間剪断機を提供することにある。

本発明は、駆動装置で回転される主クランク軸
と、該主クランク軸の偏心部に回転自在に懸下さ
れた一対のフレームと、前記フレーム間に位置
し、該主クランク軸の他の偏心部に回転自在に懸
下されたコネクテイングロツドと、該コネクテイ
ングロツドに取付けられると共に前記フレーム内
を摺動可能に配設され、被剪断材を剪断する上刃
物を備えた上刃物台と、該フレームの下部に取付
けられた該被剪断材を剪断する下刃物を備えた下
刃物台と、該主クランク軸と偏心クランク及びア
ームを介して連接され、この主クランク軸の駆動
トルクを伝達するトルク伝達軸と、該トルク伝達
軸に取付けた第１の回転アームと前記フレームと
を連結するロツドを配設して、該トルク伝達軸か
ら作用する駆動トルクを前記フレームの揺動運動
に利用する構成のペンジユラム型走間剪断機にお
いて、前記フレームの被剪断材入側に通板ローラ
を配置し、この通板ローラを支持する部材は回動
可能な第２のアーム部材を介して該フレームに係
合され、架台に支持された部材に回動可能な第３
のアーム部材を取付けると共に、この第３のアー
ム部材と第２のアーム部材とを連接する第１の連
接部材を設け、更に前記トルク伝達軸に取付けた
第２の回動アームと前記第３のアーム部材とを連
接する第２の連接部材を設けた構成を採用するこ
とによつて、上記した目的を達成するものであ
る。

以下本発明を図示する一実施例であるペンジユ
ラム型走間剪断機を説明する。

第１図はペンジユラム型走間剪断機を示すもの
で、図において１０は回転数一定に保持された直
流電動機であり、この直流電動機１０は、減速機
２０を介して剪断機本体３０を駆動するように構
成されている。

すなわち、減速機２０によつて一定の速度に減
速された電動機１０の回転力は、主クランク軸３
３を介して駆動側および操作側フレーム３１，３
１に伝達され、このフレーム３１は、主クランク
軸３３の偏心部に回転自在に懸架されている。ま
た、駆動側および操作側フレーム３１，３１間に
は、主クランク軸３３の他の偏心部があり、コネ
クテイングロツド３４がフレーム３１と同様に回
転自在に懸架されている。

コネクテイングロツド３４の下部には、上刃物
３６が取付けられた上刃物台３５が連結され、フ
レーム３１内を上下に摺動可能に構成されてい
る。フレーム３１の下部には、下刃物３８が取付
けられた下刃物台３７が設けられている。

減速機の他の軸心からは、図示しない速度同調
機構を介して偏心クランク４１を回転させる回転
力が伝達され、この偏心クランク４１の回転力
は、アーム４２、回転アーム４３、トルク伝達軸
４４、回転アーム４５およびロツド４６を介して
フレーム３１に伝達され、フレーム３１は、主ク
ランク軸３３の偏心部を偏心軸として、第１図に
矢印で示すように揺動運動するように構成されて
いる。この揺動は、被剪断材１の走行速度に同期
するようになされている。

このように構成された走間剪断機には、第２図
に示すように通板ローラが取付けられている。

すなわち、トルク伝達軸４４には、回転アーム
４５と同心で回転アーム５１が取付けられ、トル
ク伝達軸４４と同一に回転するように構成されて
いる。そして、この回転アーム５１の回転力は、
ピン５２、アーム５３およびピン５４を介して回
転アーム５５に伝達されるようになされている。

回転アーム５５は、ピン５６および支柱５７を
介して架台６４に回転自在に取付けられており、
この回転アーム５５に伝達された回転力は、アー
ム５８およびピン５９を介してアーム６０に伝達
されるように構成されている。

アーム６０の一方側の支点であるピン６１は、
フレーム３１に取付けられ、フレーム３１の揺動
運動とともに運動するように構成されている。そ
して、このアーム６０には、ローラ６２およびガ
イド６３がそれぞれ設けられている。

以上の構成において、待機位置、すなわち第２
図に示す状態では、フレーム３１に下刃物台３７
を介して取付けられた下刃物３８はパスラインよ
り下に位置し、通板のためのローラ６２は、パス
ライン上に位置している。

この位置関係では、被剪断材１は下刃物３８に
接しないで容易に通板可能となる。

次に剪断する状態では、アレーム３１は、矢印
のように揺動し、シヤースタート時は、矢印の図
中反時計方向に揺動する。この際、揺動運動を与
えるトルク伝達軸４４は、矢印の図中反時計方向
に回転し、回転アーム５１も同方向に移動する。

この回転アーム５１の運動により回転アーム５
４の矢印の時計方向に回動し、これにつれてアー
ム６０も時計方向に回動する。

いま、フレーム３１に直接ローラを取付けたと
すれば、フレーム３１は揺動運動により次第に傾
くため、ローラはパスラインよりはるかに上方に
位置し、被剪断材の通板の妨げとなる。

しかしながら、前記するように回転運動を与え
ることにより、ローラ６２には下方向の運動が与
えられ、各アームの長さを調整することにより、
ローラ６２が略パスライン上に移動するように構
成することができ、容易に通板させることができ
る。

また、ライン速度が変化した場合には、ペンジ
ユラム型走間剪断機の特性により、フレーム３１
はその傾きが変化する。すなわち、ライン速度が
高速になるとフレーム３１の傾きは大きくなり、
ライン速度が遅くなるとフレーム３１の傾きは小
さくなる。このような特性を持つシヤーに対し、
画一的に上下方向の補正を行なうと、あるライン
速度に対しては使用に満足するローラ軌跡が得ら
れても、他のライン速度に対してはローラが上が
り過ぎたり下がり過ぎたりする。

しかしながら、前記するようにフレーム３１の
傾きと関係のあるトルク伝達軸４４の回転により
上下方向の移動量を補正するようにすれば、被剪
断材１のライン速度が変化しても、それにつれて
ローラ６２の移動量も変化できるので、ローラ６
２が常にパスライン上に維持されるように構成す
ることができる。

第３図および第４図は、下刃物３８の刃先軌跡
Ａとローラ６２の上面軌跡Ｂとを示すもので、両
図において縦軸は垂直方向位置、横軸は主クラン
ク軸３３の回転角、Ｏ点はパスラインをそれぞれ
示し、刃先軌跡Ｂ上の区間Ｃは剪断位置を、また
両軌跡Ａ，Ｂの矢印は進行方向をそれぞれ示すも
のである。

第３図はライン速度が高速の場合の両軌跡の関
係を示すもので、図より、刃先の変化量に比較
し、ローラ６２上面の変化量は少なく、しかも上
刃物３６と下刃物３８とにより被剪断材１を剪断
する際は、下刃物３８の方がローラ６２より上方
に位置するため、剪断時ローラ６２を押え付ける
ことが避けられ、下刃物３８の刃先が低い場合に
は、ロール６２上面が高く位置することにより、
通板が容易になることが容易に理解される。

一方、第４図はライン速度が低速の場合の両軌
跡の関係を示すもので、図より、低速時において
も、ライン速度が高速の場合と同様、通板におけ
る条件を満たすことが容易に理解される。

以上説明したように、本実施例のペンジユラム
型走間剪断機によれば、トルク伝達軸４４の回転
によりローラ６２の上下方向移動量を補正するの
で、ローラ上面の位置を略一定に保持することが
でき、ペンジユラム型走間剪断機に対して満足す
る通板ローラを提供することができる。

なお、前記実施例では、回転アーム５１の回転
力をアーム５３を介して回転アーム５５に伝達さ
せるものについて説明したが、これに限らず、ア
ーム５３に代えてシリンダ２本を用い、一方は回
転アーム５１に、また他方は回転アーム５５にそ
れぞれ取付け、両シリンダの油を封じ込めるよう
にしても、同様の効果が期待できる。

本発明によれば、被剪断材のライン速度変化に
応じた揺動フレームの摺動振幅の変化に拘わらず
に被剪断材の通板ローラの上下方向位置変動を抑
制して、被剪断材の搬送を円滑に行い得るペンジ
ユラム型走間剪断機を実現すると云う効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の対象となるペンジユラム型走
間剪断機を示す斜視図、第２図は本発明の一実施
例であるペンジユラム型走間剪断機を示す断面
図、第３図および第４図は夫々第２図に表わした
ペンジユラム型走間剪断機における通板ローラの
上面軌跡と刃先軌跡との関係を示すグラフであ
る。 １０…電動機、３３…主クランク軸、３４…コ
ネクテイングロツド、３１…フレーム、３６…上
刃物、３８…下刃物、３５…上刃物台、３７…下
刃物台、４４…トルク伝達軸、５８，６０…アー
ム、６２…ローラ、４１…偏心クランク、４２…
アーム、４３，４５，５１…回転アーム、５４，
５６，５９…ピン、４６…ロツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動装置で回転される主クランク軸と、該主
   クランク軸の偏心部に回転自在に懸下された一対
   のフレームと、前記フレーム間に位置し、該主ク
   ランク軸の他の偏心部に回転自在に懸下されたコ
   ネクテイングロツドと、該コネクテイングロツド
   に取付けられると共に前記フレーム内を摺動可能
   に配設され、被剪断材を剪断する上刃物を備えた
   上刃物台と、該フレームの下部に取付けられ該被
   剪断材を剪断する下刃物を備えた下刃物台と、該
   主クランク軸と偏心クランク及びアームを介して
   連接され、この主クランク軸の駆動トルクを伝達
   するトルク伝達軸と、該トルク伝達軸に取付けた
   第１の回転アームと前記フレームとを連結するロ
   ツドを配設して、該トルク伝達軸から作用する駆
   動トルクを前記フレームの揺動運動に利用する構
   成のペンジユラム型走間剪断機において、 前記フレームの被剪断材入側に通板ローラを配
   置し、この通板ローラを支持する部材は回動可能
   な第２のアーム部材を介して該フレームに係合さ
   れ、架台に支持された部材に回動可能な第３のア
   ーム部材を取付けると共に、この第３のアーム部
   材と第２のアーム部材とを連接する第１の連接部
   材を設け、更に前記トルク伝達軸に取付けた第２
   の回転アームと前記第３のアーム部材とを連接す
   る第２の連接部材を設けたことを特徴とするペン
   ジユラム型走間剪断機。