JPS6213032B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明はミシンの押え上げ装置に関する。

従来技術 従来より布押え足の上昇を電磁ソレノイドで行
うものが知られている。

ソレノイドの特性としてストロークが長くなる
と吸引力が低下する性質がある。従つて布押え足
の上昇量を大きくするためストロークの長いソレ
ノイドを設けるとソレノイド自身の容量を大きく
して吸引力の低下しないソレノイドが必要とされ
る。しかしながらソレノイドの容量が大きいとい
レノイド自身が大型となりミシンに組み付け難く
なると共に電流消費量も大きくなるという欠点が
あつた。

発明の目的 この発明はこのような欠点を解消することので
きるミシンの押え上げ装置を提供するにある。

実施例の構成 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図において、１はミシンの主軸で、一端に
はスプロケツト２が固定支持され、タイミングベ
ルト３を介して駆動モータ（図示せず）と連結し
てある。４は機枠に上下動可能に支持し、先端に
針Ｎを固定した針棒で、主軸１の他端とクランク
（図示せず）を介して連結してあり主軸１の回転
に同期して上下動するようになつている。

５はミシン機枠に上下動可能に支持し、先端に
布押え足６を支持した押え棒である。７は押え棒
５の中間部に固定した掛止杆である。

８は中間部を機枠に支持した軸９に回動可能に
支持した作動腕で、一端には前記押え棒５の掛止
杆７下面と係合する係合部８Ａが形成してあり、
他端には複数ののこ歯状の第１つめ係合部９Ａ、
第２つめ係合部９Ｂが設けてある。

従動腕８の他端は更にスプロケツト２方向に延
出してありその自由端には前記スプロケツト２の
回動中心と偏心位置に突設したピン２Ｐと係合離
脱する押圧片８Ｂが形成してある。

１０は一端を機枠に支持した前記軸９に回動可
能に支持し、他端に二叉部１０Ａを形成した駆動
腕である。

１１は機枠に固定した第１電磁ソレノイドで、
そのアマチユア１１ａは前記二叉部１０Ａに嵌合
している。そしてこの第１電磁ソレノイドはびざ
スイツチ（図示せず）をONすることにより３回
の励磁・非励磁をくり返し、アマチユア１１ａが
３回往復動するようになつている。

１２は前記駆動腕１０に中間部を軸１２Ａによ
り回動可能に支持し、先端を第１つめ係合部９Ａ
に係合したつめで、このつめ１２の基端と駆動腕
１０との間はつめ１２を係合部９Ａ方向に回動す
るように作用するバネ１３が介在してある。

１４は基部を軸１４Ａにより回動可能に支持し
先端を第２つめ係合部９Ｂ方向に延出したもどり
止めで、このもどり止め１４の他端には長孔１４
Ａが形成してある。１５はもどり止め１４の長孔
１４Ａにアマチユア部１５Ａが遊嵌した解除ソレ
ノイドで、この解除ソレノイド１５は常には非励
磁状態で、もどり止め１４の先端が第２つめ係合
部１９Ｂと掛止して従動腕８が時計方向へ逆回転
するのを防止し、励磁によりもどり止め１４の先
端が第２つめ係合部１９Ｂから離れ従動腕８の逆
回転を許容するようになつている。

尚、２０は機枠と従動腕８との間に介在し従動
腕８を逆回転（時計方向）するように作用するス
プリングである。

実施例の作用 次にこの発明の一実施例の作用を説明する。

第２図は縫製が終了し、針Ｎが上死点より下つ
た針板NPよりｈの距離に停止した状態を示すも
のである。

この状態から押え足を上昇し被縫布を取り出す
にはまずひざスイツチ（図示せず）をONする。
すると、まず、第１電磁ソレノイド１１の第１回
目の励磁が起こり、第３図に示すようにアマチユ
ア１１ａが所定角度回動する。これによつて駆動
腕１０、軸９を中心に反時計方向に回動するため
つめ１２も軸９を中心に反時計方向に回動する。
つめ１２の回動によつて、つめ１２に係合してい
る第１つめ係合部９Ａを介して従動腕８が軸９を
中心に反時計方向に回動し、従動腕８の先端の係
合部８Ａが押え棒５を掛止杆７と共に引き上げ布
押え足６が若干上昇する。

また、従動腕８の回動によつて自由端の押圧片
８Ｂがスプロケツト２のピン２Ｐを押圧する方向
に下がる。

この時、もどり止め１４の先端に下段の第２つ
め係合部９Ｂが入り込んで従動腕８の時計方向の
逆回動を阻止するため布押え足６は第３図の上昇
位置を保持することになる。

次に第１電磁ソレノイド１１が第１回目の非励
磁状態となると第４図に示すようにアマチユア１
１ａが反時計方向に回動し、駆動腕１０及びつめ
１２のみを軸９を中心に時計方向に回動させ元位
置に復帰させる。このときつめ１２は中段の第１
つめ係合部９Ａに入り込む。

このようにして第１電磁ソレノイド１１の励
磁・非励磁がくり返えされ従動腕８が間欠的に反
時計方向に回動し最終的に第３回目の非励磁状態
となると第５図に示す位置に従動腕８が回動す
る。

従動腕８の左端に形成した押圧片８Ｂがスプロ
ケツト２のピン２Ｐをスプロケツト２が逆回転す
る方向に間欠的に押し下げるため主軸１も間欠的
に逆回転し最終的に針Ｎが最上死点に復帰する位
置まで主軸Ｎが逆回転し、針Ｎは針板よりＨの高
さで停止する。また布押え足６も係合部８Ａによ
つて引き上げられ針板からＬ（Ｌ＜Ｈ）の高さの
最上昇位置で停止することになり布押え足６が最
上昇位置に移動しても布押え足の上昇に連動して
針Ｎが上死点に移動するため布押え足６の下面か
ら針Ｎが突出することはなくなる。

効 果 以上述べたようにこの発明によれば第１電磁ソ
レノイドを複数回往復動させることによつて第１
電磁ソレノイドの移動ストロークを大きくしなく
ても布押え足を上昇することができるので第１電
磁ソレノイドの容量を小さくでき、第１電磁ソレ
ノイドの小型化及び電力消費量の低減が図れると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の一部省略斜視
図、第２−５図は一実施例の動作説明図である。 ５……押え棒、６……布押え足、８……従動
腕、９Ａ，９Ｂ……つめ係合部、１０……駆動
腕、１１……第１電磁ソレノイド、１２……つ
め、１４……もどり止め。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミシン機枠に上下動可能に支持し、先端に布
   押え足を設けた押え棒と、 中間部を機枠に回動可能に支持し、一端に押え
   棒と係合し押え棒を上昇するように作用する係合
   部を設け、他端に複数ののこ歯状のつめ係合部を
   形成した従動腕と、 ひざスイツチのONにより複数回の励磁・非励
   磁をくり返す第１電磁ソレノイドと、 一端を機枠に回動可能に支持し、他端を第１電
   磁ソレノイドと連結した駆動腕と、 駆動腕に基端を回動可能に支持し、先端を従動
   腕のつめ係合部に係合し、第１電磁ソレノイドの
   往復動により従動腕を間欠的に回転するつめと、 基部を機枠に回動可能に支持し、常には一方向
   に回動しつめ係合部と係合して従動腕の逆回転を
   阻止し、逆方向の回動によりつめ係合部との係合
   を解除するもどり止めと、 よりなるミシンの押え上げ装置。