JPS6212942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案はバタフライ弁のシール機構、とくに
その弁軸の軸線方向のシール機構に関するもので
ある。

（従来技術と解決すべき課題） ほぼ中空短円筒状に形成された弁本体の内面
に、ゴムなどの弾性材料からなるシートリングを
展張し、その内部に円盤状の弁板を回動開閉自在
に配設するとともに、該弁板の直径方向に延在固
定した弁軸を前記シートリングの対応個所に設け
た孔に嵌挿し、さらに前記弁本体の弁軸孔に枢着
してなるバタフライ弁は、いわゆる中芯型バタフ
ライ弁として、従来から周知である。

この種の弁にあつては、通常金属などの剛性材
料からなる弁本体の、弁軸枢着支持部分にはＯ−
リングなどのシール手段が配されて、流体の外部
への漏出を阻止しているが、弁軸がシートリング
の孔を貫通して両者が直接当接している部分は、
シートリング自体の弾性に依存しているものが多
い。

このような構成では、管内流体の圧力が高い場
合には、内部流体が外部には漏出することはなく
とも、弁軸外周面とこれに圧接するシートリング
の孔内周面との間から漏れ、外部へは漏出できな
いので、この高圧流体がシートリング外周面弁本
体内周面との間に至り、シートリングを内方に膨
隆させる、いわゆるブーミング現象を発生するこ
とがある。

このような事態が生ずると、弁板の回動が困難
になつて回動トルクが増大し、無理な開閉操作に
よつてシートリングを損傷するような不都合を生
ずるおそれがあつた。

勿論、ブーミング現象に対処するために、たと
えば、第４図に示すように、弁本体１０内周面に
配設されたたシートリング２０と、これに当接す
る弁軸３０とを有するものにおいて、シートリン
グ内周面にＯ−リングを配して当該部分における
流体の漏出を阻止するように構成したものが提案
されている。しかしながら、よく知られているよ
うに、Ｏ−リングは、通常、その周辺が、金属な
どの剛性材料からなる半径方向断面コの字状の支
持部材に囲繞されていて、弾性リング部材と該支
持部材とが協働してシール作用を行なうようにな
つているから、前記第４図々示のように、柔軟な
シートリング内に、剛性が大で、シートリング材
は異質のＯ−リングを用いたシール機構を配する
ことは、シートリング内に正確な位置にこれをモ
ールド配置することが困難であり、またシートリ
ングとＯ−リングの剛性支持部材とが剥離しやす
く、長期の使用に耐え得るものは得難かつたので
ある。

本考案はこのような事態に対処すべくなされた
ものであつて、前述のような中芯タイプのバタフ
ライ弁のシートリングにおいて、これに何等の付
帯機構付加することなく、ブーミング現象を確実
に阻止し得るとともに、長期にわたつて安定した
シール作用を奏し得るシール機構を提供すること
を目的とするものである。

(2) 考案の構成 （課題を解決する技術手段） 前記の目的を達成するために、本考案において
は、前述のような中芯型バタフライ弁において、
シートリングの弁軸貫通孔の外側周縁、剛性弁本
体内周面に当接する部分において、弁軸軸線方向
に平行方向に外方へ、ならびに同軸線方向に直交
する方向に内方にそれぞれシートリングと一体に
膨隆部２３，２２を形成したことを特徴とするも
のである。

このように構成することによつて、前記膨隆部
が、剛性材料からなる弁軸と弁本体との接合隅部
においてＯ−リングのように作用して高圧流体が
シートリングの外側面に漏出するのを確実に阻止
できる。

（実施例の説明） 第１図は本考案の実施例を示す中心型バタフラ
イ弁の要部を示す断面図であつて、短円筒状に形
成された弁本体１の内面にゴムなどの弾性材料か
らなるシートリング２が展張配置してあり、不図
示の弁板に取着した弁軸３が、該シートリングに
設けた孔を貫通し、さらに、弁本体の弁軸支持孔
をとおつて外方に延びている。

なお、弁軸は、不図示の弁板の、直径方向対向
位置においても、同図に示すと同様にシートリン
グを貫通しており、その部分においても、後述す
る第１図の場合と同様の構成を具有しているが、
それについての説明は省略する。

シートリング２の弁軸３が貫通している孔２４
の内面で、該リングの半径方向外方の周縁には、
図示のように、弁軸軸線方向に平行に外方に延び
る膨隆部２３と、該軸線に直交する方向に孔２４
の内側方向にのびる膨隆部２２とが形成してあ
る。

シートリングがこのように形成してあるから、
第１図に示すように、これをバタフライ弁に組み
込んで弁を閉成した場合、管内高圧流体が弁軸外
周面とシートリングの孔２４内周面の間に侵入す
ると、前記膨隆部２２，２３が、弁軸と、これが
弁本体の弁軸支持孔端部で形成される環状の隅部
に押圧される。

このため、周知のＯ−リングが、これを囲繞す
る剛性支持部材との協働作用で、Ｏ−リングが、
これを支持する支持部材と、被シール材とで形成
される隅部に押圧されてシール作用が行なわれる
のと同様に、前記膨隆部がシール作用を奏して流
体の、シートリング外側への漏出を阻止する。

このさいのシール作用は管内流体の圧力が高い
ほど大きくなることは容易に理解できるところで
あろう。

第２図、第３図は、本考案の他の実施例を示す
シートリングの一部の断面図であつて、第２図々
示のものは、前記膨隆部２２，２３（同図ではこ
れらを符号２５で示してある）から適宜の距離は
なれたところに、孔２４と同心状に金属その他の
剛性材料からなるリング５を配してなるもので、
第３図のものは、これにさらにＯ−リング４を配
設したものである。

このように、リング５を配設することにより、
弁にシートリングを組み込んだ場合、前記膨隆部
にかかる圧力によるシートリングの弾性変形がシ
ートリング全体に分散して所定の被シール部分に
おけるシール作用が弱化するのを阻止することが
できる。

(3) 考案の効果 本考案は以上説明した構成を具備しているか
ら、シートリングに特段の付加機構を加えること
なく、ブーミング現象を確実に阻止し、長期にわ
たつて安定したシール作用を奏し得る効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すバタフライ弁の
要部断面図、第２、第３図は本考案の他の実施例
を示す要部断面図、第４図は公知のパタフライ弁
の構成を示す要部の一部断面図である。 １……弁本体、２……シートリング、３……弁
軸、５……剛性リング、２２，２３……膨隆部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 弁本体１の内周面に弾性シートリング２を配設
   し、このシートリングの直径方向対向位置に夫々
   形成した弁軸貫通孔２４を貫通して、前記弁本体
   に弁軸３を枢着してなるバタアライ弁において、 前記シートリングの、前記弁軸を貫通する貫通
   孔２４の、該リングの半径方向にみて外側の周縁
   に、弁軸をかこむように、弁軸軸線に平行に外方
   にのびる膨隆部２３と、弁軸軸線に直交して前記
   弁軸貫通孔の内側にのびる膨隆部２２とを夫々形
   成してなるバタフライ弁の弁軸シール機構。