JPS6212839Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はアクセルレバーを操作ワイヤを介し
て操作ハンドルによつて操作するデイーゼル機関
に関し、アクセルレバーの変位を一定範囲内に制
限するストツパ片を設けることによつて操作ハン
ドルの誤操作によつて機関が停止するのを防止し
た機関停止防止装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のアクセルハンドルによつてデイーゼル機
関のアクセルレバーを操作する装置は第１図に示
すように機関本体１に揺動可能に軸支されたアク
セルレバー２の先端に係合片３がピン結合され、
またアクセルレバー２は機関本体１との間に張設
されたスプリング４によつて機関が停止の位置に
保持されている。前記係合片３には作動インナワ
イヤ５の一端が係止され、この作動インナワイヤ
５の他端はアクセルハンドル６に係止されてい
る。そしてアクセルハンドル６をアイドリング及
び高速の位置に切換えると、作動インナワイヤ５
を介してアクセルレバー２はスプリング４に抗し
てそれぞれアイドリング及び高速の位置に揺動
し、機関もそれに応じた回転数となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしデイーゼル機関の種類又は各メーカーに
よつてアクセルレバー２の停止、アイドリング及
び高速の位置の揺動角度にかなりの差がある。そ
のために別に市販のアクセルハンドル６を装着し
て操作をする場合、アイドリング位置の選定操作
がむずかしく、誤操作によつて機関を停止してし
まうという問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は以上に述べた事情に鑑みなされたも
ので、揺動可能なアクセルレバーと、このアクセ
ルレバーの揺動を制限するストツパ片と、前記ア
クセルレバーを作動ワイヤを介して操作するアク
セルハンドルとを備えたデイーゼル機関におい
て、前記ストツパ片は三角形状に形成され、この
ストツパ片の底部とされる側縁を前記アクセルレ
バーの一側縁に接離可能かつ回動自在に軸支され
るとともに、一方の斜面近傍に穿設された通孔と
機関本体とにスプリングを張設し、他方の斜面一
端にワイヤを介して停止ノブを可動自在に係止
し、この停止ノブの操作により前記アクセルレバ
ーの揺動を制限解除状態とする一方、前記アクセ
ルハンドルの操作によつて前記ストツパ片をスプ
リングの付勢により制限状態へ復帰可能とするこ
とによつて種類又はメーカーの異なるデイーゼル
機関に別に市販のアクセルハンドルを装着して使
用する場合でもアイドリングの操作を容易にする
ことができ、また誤つてアクセルハンドルを停止
の位置に操作しても機関の停止を防止することが
でき、そして機関を停止させる場合は停止ノブの
操作によつて容易にすることができる機関停止防
止装置を提供することにある。

〔作用〕

以下、図面に基づいてこの考案の詳細を説明す
る。

第２図はこの考案による機関停止防止装置を施
こしたデイーゼル機関の一部を示す配置図で、図
中、１０はデイーゼル機関本体の一部を示してお
り、このデイーゼル機関本体１０にはアクセルレ
バー１１がその基部を揺動可能に軸支され、この
アクセルレバー１１の揺動によつてデイーゼル機
関１０の出力軸（図示せず）の回転数を変えるこ
とができる。アクセルレバー１１の先端には係合
片１２がピン結合され、この係合片１２には作動
インナワイヤ１３の一端が係止され、この作動イ
ンナワイヤ１３の他端はアクセルハンドル１４に
係止される。そしてこのアクセルハンドル１４は
高速、アイドリング、停止の位置にそれぞれ切換
可能である。このアクセルハンドル１４の切換
に、伴つて前記アクセルレバー１１がスプリング
１５に抗してアイドリング位置及び高速位置に揺
動する。

前記アクセルレバー１１の側部に当接するとと
もにアクセルレバー１１の揺動範囲の一方の限界
をアイドリング位置に制限する三角形のストツパ
片１６がピン１７によつてデイーゼル機関本体１
０に回動自在にピン結合される。このストツパ片
１６の底辺がアクセルレバー１１の側部に当接
し、ストツパ片１６の底辺に対峙する頂点付近を
ピン１７によつてピン結合され、またストツパ片
１６の一方の斜辺はスプリング１８によつて図面
上でほぼ上方に牽引され、そして固定ピン１９に
よつてアクセルレバー１１の揺動をアイドリング
位置に制限する位置に保持される。またストツパ
片１６の他方の斜辺には操作インナワイヤ２０の
一端が係合片２１を介してピン結合され、この操
作インナワイヤ２０の他端は停止ノブ２２に固定
される。

したがつて、第２図に示す状態ではアクセルハ
ンドル１４を停止位置に切換えてもアクセルレバ
ー１１はストツパ片１６に制限されるので停止位
置には揺動しないので、デイーゼル機関は停止し
ない。

またデイーゼル機関を停止させる場合には、第
３図に示すように停止ノブ２２を引くことによつ
て操作インナワイヤ２０を介してストツパ片１６
がスプリング１８に抗して回動し、前記アクセル
レバー１１の制限を解除するので、アクセルハン
ドル１４を停止の位置に切換えることによつてア
クセルレバー１１を停止の位置に揺動することが
可能となり、デイーゼル機関は停止される。そし
てアクセルハンドル１４をアイドリング位置に切
換えることによつてストツパ片１６はスプリング
１８の付勢によつて第２図に示す状態に回動して
復帰される。

なお、図に示す実施例においてはスプリング１
８によつてストツパ片１６を制限位置に保持する
構成を示したが、逆にスプリング１８によつてス
トツパ片１６を解除位置に保持し、停止ノブ２２
によつて制限位置に回動させる構成を採ることも
可能である。

〔考案の効果〕

この考案は以上に述べたような構成からなるた
め次のような効果を奏するものである。すなわち 三角形状のストツパ片の一方の斜面近傍にス
プリングを張設し、他方の斜面一端にワイヤを
介在させて停止ノブを連結していることによ
り、停止ノブの引張り操作によつて、スプリン
グの付勢に抗してストツパ片が回動され、アク
セルレバーはストツパ片から離隔されて揺動制
限状態を解除し、エンジンは停止可能となる一
方アクセルハンドルの操作によつてアクセルレ
バーを揺動させれば、それにともなつてスプリ
ングの付勢によりストツパ片はピンの回りに回
動され、アクセルレバーの揺動制限位置へ自動
的に復帰されるため、デイーゼル機関の再始動
する際に、停止ノブをわざわざ確認・操作の必
要がなく、通常のガソリン機関と同様にアクセ
ルハンドルの操作のみで始動が可能であるとと
もに、アイドリング時の停止や誤操作を防止す
ることが可能となる。

ストツパ片の他方の斜面一端にワイヤを介在
させて停止ノブを可動自在に連結していること
により、ストツパ片と停止ノブとは自在に連結
されるため、異なるデイーゼル機関の形状や形
式、枠体へ設定する位置や方向及び作業機を制
限することもなく、可撓性の有るワイヤの配線
が極めて容易となり、常に最適とされる場所や
位置への停止ノブの誘導・配設が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のデイーゼル機関のアクセルレバ
ー及びアクセルハンドルの構成を示す配置図、第
２図はこの考案による機関停止防止装置を施こし
たデイーゼル機関のアクセルレバー及びアクセル
ハンドルの構成を示す配置図、第３図は第２図に
示す装置のデイーゼル機関の停止状態を示す配置
図である。 なお図において、１０……デイーゼル機関本
体、１１……アクセルレバー、１３……作動イン
ナワイヤ、１４……アクセルハンドル、１６……
ストツパ片、１８……スプリング、２０……操作
ワイヤ、２２……停止ノブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 揺動可能なアクセルレバーと、このアクセルレ
   バーの揺動を制限するストツパ片と、前記アクセ
   ルレバーを作動ワイヤを介して操作するアクセル
   ハンドルとを備えたデイーゼル機関において、前
   記ストツパ片は三角形状に形成され、このストツ
   パ片の底部とされる側縁を前記アクセルレバーの
   一側縁に接離可能かつ回動自在に軸支されるとと
   もに、一方の斜面近傍に穿設された通孔と機関本
   体とにスプリングを張設し、他方の斜面一端にワ
   イヤを介して停止ノブを可動自在に係止し、この
   停止ノブの操作により前記アクセルレバーの揺動
   を制限解除状態とする一方、前記アクセルハンド
   ルの操作によつて前記ストツパ片をスプリングの
   付勢により制限状態へ復帰可能とするデイーゼル
   機関の機関停止防止装置。