JPS6212354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートのエアサポートマツトに関
し、更に詳細に説明すると、車両等のシートのク
ツシヨン部等に収納されるようになされたシート
のエアサポートマツトに関する。

従来より車両等のシートにおいては着座者のホ
ールド感を向上させ、或いは着座者の体格や好み
等に応じてシートの座感を変更し得るように、更
にはランバーサポート及びサイサポート等を構成
するためにエアサポートマツトが用いられてい
る。

このエアサポートマツトの一例としては、第１
図及び第２図に示す如く、ゴムチユーブ、ゴム成
形品または塩化ビニールシート等によつて環状に
形成されたチユーブ５と、そのチユーブ５の内部
或いは外部に配設された硬質の形状保持用の底板
２とから構成され、チユーブ５の注入口３に連結
されたエアパイプ４を通じてチユーブ５にエアを
注入することによつてチユーブ５の中央部を膨出
させて座感を変更する構成のエアサポートマツト
１が提案されている。

然し乍ら上記の構成においてチユーブ５内にエ
アを注入すると、第２図に示す如く膨出部の形状
が球面状となり、着座者が前記膨出部の球面で支
持される事となり、着座者を安定に保持する事が
出来ない欠点を有していた。

本考案の目的はエアサポートマツトとしての柔
軟性を有し、且つエアサポートマツトのエア注入
時において、その表面が球面状に突出せず着座者
を極めて安定した状態で保持する事が出来るサポ
ート性及び座感の優れたシートのエアサポートマ
ツトを提供するもので、以下図面を参照して詳述
する所より明らかとなるであろう。

第３図には本考案に係るシートのエアサポート
マツトの一実施例の概略が示されており、このエ
アサポートマツト９は、ランバーサポート、サイ
サポート及び座面調節用サポート等に適用し得る
もので、例えばシートバツク１５の緩衝材１６の
後部側に設けた凹部１７に収納され且つ柔軟性及
び伸縮性を有するエア封入主チユーブ１１と、こ
のエア封入主チユーブ１１の両側部に夫々配設さ
れた一対のエア調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂ
とから構成されている。

エア封入主チユーブ１１はゴムチユーブ、ゴム
成形品及び塩化ビニールシート等の柔軟性及び伸
縮性を有する材質により袋状で且つ偏平状に形成
されており、その内側底部には硬質の形状保持用
底板１２が配設される。

エア調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂの夫々
は、袋状で且つ断面三角形状又は楕円状に形成さ
れた柔軟性、伸縮性を有するチユーブ１８を左右
対称となるように配設し、該チユーブ１８の左右
の外側面に形成されたエア注入口１３に連結され
たエアパイプ１４を通じて図示されないエアポン
プからのエアがエア調節用チユーブ１０Ａ及び１
０Ｂに注入される。これらエア調節用チユーブ１
０Ａ及び１０Ｂは、エア封入主チユーブ１１の底
板１２とは反対側の外表面の左右両側に夫々接着
等の固着手段によつて配設されている。

尚、エアパイプ１４或いはエア調節用チユーブ
１０Ａ及び１０Ｂに安全弁等を取付けると、エア
調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂに必要以上のエ
アが注入されないようにする事が出来る。

以上が本考案に係るシートのエアサポートマツ
トの一実施例の構成であるが、次に第３図乃至第
５図を参照してその作用を説明すると、先ずエア
調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂにエアを注入す
る以前の状態では、第３図に示す如くエア調節用
チユーブ１０Ａ及び１０Ｂは、エア封入主チユー
ブ１１の両側部に偏平状態を保つて位置し、従つ
てエア封入主チユーブ１１によつて着座者を保持
する。而してエア調節用チユーブ１０Ａ及び１０
Ｂにエアパイプ１４を介してエアを注入すると第
４図に示す如くエア調節用チユーブ１０Ａ及び１
０Ｂは次第に膨出し、このエア調節用チユーブ１
０Ａ及び１０Ｂとエア封入主チユーブ１１とによ
つて着座者を保持する。この時、エア封入主チユ
ーブ１１を軟質材より構成すると、第５図に示す
如く着座者の重量によりシートバツク１５の表面
が押圧されエア調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂ
が前記エア封入主チユーブ１１の両側部を圧迫す
るのでエア封入主チユーブ１１の中央部が膨出さ
れ、円弧状の膨出部２０が形成される。この膨出
部２０の膨出に応じてエア調節用チユーブ１０Ａ
及び１０Ｂのエア封入主チユーブ１１と固着され
た面２１と対向する面２２が底板１２と略々平行
状態となり、従つて着座者をエア封入主チユーブ
１１の膨出部２０の頂面とエア調節用チユーブ１
０Ａ及び１０Ｂの固着側の対向面２２で保持する
ことになり、着座者に不安定感を与える虞れがな
い。又、着座者の荷重が左右の何れか一方に偏寄
つてもエア調節用チユーブ１０Ａ及び１０Ｂが左
右に分離して配設されているので、着座者を安定
に保持できる。

以上のように本考案に依れば、エアサポートマ
ツトの柔軟性がエア封入主チユーブとエア調節用
チユーブとによつて保持されるので、従来品のよ
うな異物感を着座者に与える事がなく、又エア調
節用チユーブのエア注入前においてはエア封入主
チユーブによつて着座者を保持し、エア注入後は
エア調節用チユーブの膨出量の調節と、エア調節
用チユーブの膨出に基づくエア封入主チユーブの
変形とによりシートの座感を調整するようにした
ので、着座者の体形に応じ所望の表面形状を有す
るシートを得ることができ、着座者に安楽感を与
えることができる。又、着座者の荷重がシートの
左右何れか一方側に偏寄つてもエア調節用チユー
ブが左右に分離配置されているので、この左右何
れか一方のエア調節用チユーブによつて着座者の
身体をサポートするので着座者の姿勢が崩れるの
を防止することができる。又、構成がエア封入主
チユーブと一対のエア調節用チユーブとを有する
だけで良いので極めて簡易であるので、実用上優
れた効果を有する。

尚、上例においてはエア封入主チユーブ１１の
シート表面側にエア調節用チユーブ１０Ａ及び１
０Ｂを配設したが、第６図Ａ及びＢに示す如く、
エア封入主チユーブ３１をシート３５の裏面側に
設けた凹部３７内のシート表面側に配設し、該エ
ア封入主チユーブ３１の背部側に断面三角形状又
は楕円状のチユーブより成るエア調節用チユーブ
３０Ａ及び３０Ｂを位置させ、且つ上記エア封入
主チユーブ３１とエア調節用チユーブ３０Ａ及び
３０Ｂとの当接する表面を接着等の手段により固
着するように構成してもよい。このような構成に
おいて、図示しないエアポンプよりエアパイプ３
４を介してエアを注入するとエア調節用チユーブ
３０Ａ及び３０Ｂが次第に膨出し、エア封入主チ
ユーブ３１を背部側両側部より前部側に押圧する
ので、これによりシートの座感を調整することが
できる。又、エア封入主チユーブ３１のエア調節
用チユーブ３０Ａ及び３０Ｂを固着した面と対向
する面の内表面又は外表面に形状保持板を固着す
ることによりシートの表面側が湾曲状に膨出する
のを防ぐことができる。尚、この形状保持板は偏
平状でも凹面状でもよい。

また、上述においては本考案の一実施例を示し
たに留まり、本考案の精神を脱する事なしに種々
の変形変更をなし得る事明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のシートのエアサポー
トマツトを示す説明図で、第１図はエアチユーブ
の断面図、第２図は従来のエアチユーブをシート
に装着した状態の断面図、第３図乃至第５図は本
考案に係るシートのエアサポートマツトの一実施
例を夫々示すもので、第３図はエア調節用チユー
ブにエアを注入する前のシートの断面図、第４図
は同じくエアを注入した後のシートの断面図、第
５図はエアを注入した後着座者が着座した状態の
シートの断面図、第６図Ａ及びＢは本考案に係る
シートのエアサポートマツトの異なる実施例の概
略を夫々示すもので、第６図Ａはエア調節用チユ
ーブへのエア注入前の断面説明図、第６図Ｂは注
入後のシートの断面図である。 図中、１０Ａ，１０Ｂ，３０Ａ，３０Ｂ……エ
ア調節用チユーブ、１１，３１……エア封入主チ
ユーブ、１２……形状保持板、１３，３３……エ
ア注入口、１４，３４……エアパイプ、１５，３
５……シートバツク、１８……エアチユーブ、２
０……膨出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シートに内装されるシートのエアサポートマ
   ツトにおいて、前記シートの緩衝材に設けられ
   た凹部に収納され且つエアが封入された柔軟生
   を有するエア封入主チユーブと、該エア封入主
   チユーブの両側部に夫々配設され且つエアの注
   入量に基づき膨出量が調節される一対のエア調
   節用チユーブとを有し、前記エア調節用チユー
   ブの膨出量の調節と、該エア調節用チユーブの
   膨出に基づく前記エア封入主チユーブの変形及
   び前記シートの緩衝材とによりシートの座感を
   調整するようにしたことを特徴とするシートの
   エアサポートマツト。 (2) 前記エア調節用チユーブが前記エア封入主チ
   ユーブの上部の両側部に夫々配設されている事
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のシートのエアサポートマツト。 (3) 前記エア調節用チユーブが前記エア封入主チ
   ユーブの下部の両側部に夫々配設されている事
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のシートのエアサポートマツト。