JPS6122510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートのエアサポートマツトに関し、
更に詳細に説明すると車両等のシートのクツシヨ
ン部等に内装され外力に応じて支持面積を変化さ
せるエアサポートマツトに関する。

従来より、車両等のシートにおいては着座者の
ホールド感を向上させ、或いは着座者の体格や好
み等に応じてシートの座感を変更し得るように、
更にはランバーサポート及びサイサポート等を構
成するためにエアサポートマツトが用いられてい
る。

このエアサポートマツトとして従来第１図に示
す如く、ゴムチユーブ、ゴム成型品又は塩化ビニ
ールシート等によつて環状に形成されたチユーブ
１と、そのチユーブ１の内部或いは外部に配設さ
れた硬質の形状保持用の底板２とから構成され、
チユーブ１にエアを注入口３に連結されたエアパ
イプ４を通じて注入することによつてチユーブ１
の中央部を膨出させる型式のエアサポートマツト
が提案されている。

然し乍ら、この構成によるとチユーブ１内にエ
アを注入すると膨出部の形状が球面状となり着座
者の接触面積が少なくなつて着座者を安定に支持
する事が出来ず、又エアを注入するためのポンプ
等のエア源を必要とし構成が複雑化する等の欠点
を有するものであつた。

本考案の目的は、簡単な構成でエアサポートマ
ツトとしての柔軟性を有し且つ外力即ち着座者の
体格及び姿勢によつてシートに与えられる荷重に
応じてその荷重に対して最適な接触面積を得るこ
とが出来るサポート性及び座感の優れたシートの
エアサポートマツトを提供するもので、以下図面
を参照して詳述する所より明らかとなるであろ
う。

第２図には本考案に係るエアサポートマツトを
内装したリクライニングシートの外観が示されて
おり、１０はリクライニングシート、１１はシー
トバツク、１２はシートバツクのリクライニング
機構である。シートバツク１１は下部のクツシヨ
ンパツド１１ａの裏面側にエアサポートマツト１
３が内装されている。

エアサポートマツト１３は、第３図ＡおよびＢ
に示す如く、所要間隔を保つて配設された左右側
部支持部材１４ａ，１４ｂと、これら支持部材１
４ａ，１４ｂの間その裏面側に連接して配設され
たエア封入チユーブ１５とから構成されている。

左右側部支持部材１４ａ，１４ｂの一例は、断
面略々三角形状に形成された柔軟性を有するチユ
ーブ１７内にエアを注入して密封して構成され、
それらが底辺を外側として対称となるようにエア
封入チユーブ１５の表面側に夫々接着等の固着手
段によつて配設されている。

エア封入チユーブ１５はゴムチユーブ、ゴム成
型品及び塩化ビニールシート等の柔軟性及び収縮
性を有する材質で偏平袋状に形成されており、そ
の内面裏面側には硬質の形状保持用平板１６が配
設され、表面部のみが変形し得るように構成され
ている。

而して斯る構成を有するエアマツト１３がその
外周縁の形状と略々等しい空洞１１a′を形成した
シートバツク１１のパツド材１１ａに内装されて
いる。

以上が本考案に係るシートのエアサポートマツ
トの一実施例の構成であるが、次にその作用を説
明すると、先ず着座者が着座する前の状態即ち外
力がない状態では第３図Ａに示す如く、シートバ
ツク１１の中央部が凹んだ状態を維持するもので
あるが、この状態から着座者が着座するとその背
中が先ず左右側部支持部材１４ａ，１４ｂ位置に
接触し、これらを裏面側に押圧することなる。従
つてその押圧力に応じて支持部材１４ａ，１４ｂ
が後退するのでエア封入チユーブ１５に左右両側
部が圧迫され、この部分のエアが中央部に移動
し、このため第３図Ｂに示す如く、エア封入チユ
ーブ１５の裏面が形状保持用平板１６によつて規
制されているのでこれとは反対側の中央部が表面
側に膨出し、膨出部１８が形成され、この膨出部
１８及び左右側部支持部材１４ａ，１４ｂの表面
が平面的となり、着座者を支持する支持面が拡大
し、着座者に不安定感を与える虞れがない。又、
着座者の荷重が左右何れか一方に偏寄つてもその
位置の支持部材１４ａ又は１４ｂが押圧されるの
でこの分エア封入チユーブ１５の中央部が膨出し
着座者が安定して保持し得る。

更に、第４図Ａ，Ｂ及びＣに夫々示す如く、シ
ートバツク１１の角度を徐々に平担面となるよう
に変更すると、これに応じてシートに対する着座
者による荷重が増加するから、エア封入チユーブ
１５の膨出部１８の表面積が徐々に広くなるの
で、第５図Ａ，Ｂ及びＣに概略的に示すように左
右側部支持部材１４ａ，１４ｂの支持面１９が水
平となり、第４図Ｃに示すフルフラツト状態では
第５図Ｃに示す如く略々平担面となり、シート全
面で着座者を保持する。

本考案の上記実施例に依れば、エアの注入を調
節することによつて着座者の支持面積を変更する
ものではなく、着座者の荷重による外力に応じて
支持面積が変更されるので、一々着座者の体格に
応じてエア注入量を調節する操作を行なう必要が
なく、着座者の体格に応じて安定した座感を与え
ることがでる上そのための構成が左右側部支持部
材及びエア封入チユーブだけで良いので極めて簡
易であり、その製作が容易となる等の実用上優れ
た効果を有する。

尚、上例に於いてはエア封入チユーブ１５の内
面に形状保持用平板１６を配設したが、これを外
面に配設するようにしても良く。又形状保持用平
板の各片にチユーブ材を接着してエア封入チユー
ブを形成するようにしても良い。

又、左右側部支持部材１４ａ，１４ｂは中空の
エア封入型チユーブに限定されるものではなく、
ある程度の柔軟性を有するものであれば中実型と
することも可能である。

第６図及び第７図には本考案の係るシートのエ
アサポートマツトの異なる実施例が夫々示されて
おり、前述せる実施例と対応する部分には同一符
号を付してこれ以上の詳細説明はこれを省略す
る。第６図に示す実施例は、前記エア封入チユー
ブ１５にエアの流れを規制する規制部２１が本実
施例では一対形成され、この一対の規制部２１は
エア封入チユーブ１５の前面側より背面側に向つ
て突出状態に形成され、エア封入チユーブ１５が
規制部２１により複数の小室１５ａ，１５ｂ，１
５ｃに分断形成され、各小室１５ａ，１５ｂ，１
５ｃが連通部２２を介して連通し、左右の小室１
５ａ及び１５ｃの前面側に前記左右側部支持部材
１４ａ及び１４ｂが配設されている。従つて、エ
ア封入チユーブ１５が外力を受けた場合に各小室
１５ａ，１５ｂ，１５ｃ内のエアの移動が緩慢に
行なわれ、エア封入チユーブ１５の変形が徐々に
行なわれるようになされている。

尚、前記規制部２１は一対に限定されるもので
はなく、形状も図示のものに限定されるものでは
ない。

また、第７図に示す実施例は、第６図に示す前
記エア封入チユーブ１５の中央の小室１５ｃの前
面側の部分２３を塩化ビニル、ゴム材等の伸縮性
を有する材質により形成し、他の部分２４を伸縮
性の少ない例えば合成樹脂シートに布地等の裏打
材を接合たものにより形成し、エア封入チユーブ
１５が外力を受けた場合に中央の小室１５ｃの前
面側が特に膨出し易くなされているものである。

斯る構成に依れば、着座者の荷重による外力に
応じて、エア封入チユーブが徐々に変形し、或い
は中央部の前面側への膨出が更に容易に行なえる
シートのエアサポートマツトを得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートのエアサポートマツトを
示す概略断面図、第２図は本考案に係るシートの
エアサポートマツトを内装したリクライニングシ
ートを示す斜視図、第３図Ａ及びＢは本考案の一
実施例を示すもので、着座前及び着座後の状態を
夫々示す断面図、第４図Ａ，Ｂ及びＣはリクライ
ニングシートの使用状態で且つ異なる傾斜状態を
夫々示す概略説明図、第５図Ａ，Ｂ及びＣは第４
図Ａ，Ｂ及びＣに夫々対応するシートバツクの上
方より見た概略説明図、第６図は本考案に係るシ
ートのエアサポートマツトの異なる実施例を示す
概略断面図、第７図はエア封入チユーブの異なる
実施例を示す概略断面図である。 図中、１０……リクライニングシート、１３…
…エアサポートマツト、１４ａ，１４ｂ……左右
側部支持部材、１５……エア封入チユーブ、１６
……形状保持用平板、１８……膨出部、２１……
規制部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シートに内装され、外力に応じて支持面積を
   変化させるシートのエアサポートマツトにおい
   て、所要間隔を保つて設けられた左右側部支持
   部材と、該左右側部支持部材間にその裏面側に
   おいて連接し且つ柔軟性を有するエア封入チユ
   ーブとを有し、前記エア封入チユーブは表面側
   からの外力によつて中央部が表面側に膨出する
   ように構成されてなるシートのエアサポートマ
   ツト。 (2) 前記エア封入チユーブにはエア流れ規制部が
   形成され、エア封入チユーブの外力による変形
   が徐々に行なわれるようになされている事を特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   シートのエアサポートマツト。