JP2010252869A - 弾性クッション、積層クッション、身体支持装置、椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォータクッションと弾性クッションとを併有した積層クッションにおいて、当たりの柔らかさと姿勢安定性を向上させる。
【解決手段】ウォータクッション18の内部は複数の堰体36,37・・で複数のエリア38,39,40に区分されている。このため袋体26の表面は凹凸になっている。弾性クッション19はスポンジや不織布のような弾性素材からなっており、その裏面にはウォータクッション18の凹部(30,31,32,33,36,37,42)に嵌まる凸部46が形成されている。弾性クッション19は凹部45の箇所で薄くなっているため、ウォータクッション18の凸部38,39,40による突き上げ感を抑制して、身体に対する当たり(反力)を全体にわたって均一化できる。そのため柔らかい当たりを確保できると共に、姿勢安定性にも優れている。
【選択図】図3
【解決手段】ウォータクッション18の内部は複数の堰体36,37・・で複数のエリア38,39,40に区分されている。このため袋体26の表面は凹凸になっている。弾性クッション19はスポンジや不織布のような弾性素材からなっており、その裏面にはウォータクッション18の凹部(30,31,32,33,36,37,42)に嵌まる凸部46が形成されている。弾性クッション19は凹部45の箇所で薄くなっているため、ウォータクッション18の凸部38,39,40による突き上げ感を抑制して、身体に対する当たり(反力)を全体にわたって均一化できる。そのため柔らかい当たりを確保できると共に、姿勢安定性にも優れている。
【選択図】図3
Description
本願発明は、流体クッションとセットで使用される弾性クッション、及び流体クッションと弾性クッションとの組み合わせ、並びに流体クッションと弾性クッションとを有する身体支持装置に関するものである。ここで流体クッション及び弾性クッションの適用対象例として、椅子の座部・背もたれ部・ヘッドレスト・アームレストが挙げられる。また、「身体」は人の身体と動物の身体とを含んでいる。
椅子において座り心地を向上させるための手段として、座部又は背もたれ部にウレタン等の弾性素材から成る弾性クッションを設けることが広く行われている。この弾性クッションは、身体への当たりの柔らかさを確保するという点では優れているが、圧縮によって弾性変形するに過ぎないため、弾性クッションのみでは身体の凹凸へのフィット性は必ずしも十分でない場合がある。
そこで、柔軟な袋体の内部に水を充填したウォータクッションを座や背もたれに適用することが提案されている。水(液体)は自在に形が変化するが体積は変化しない性質があり、ウォータクッションはこの水の性質により、体格や体型・姿勢の違いに関係なく身体に倣って変形するようになっており、このためフィット性に優れている。
しかし、外周を封止しているに過ぎない袋体に水を充填しただけのウォータクッションでは、着座時に水が瞬間的に移動して着座時の緩衝機能が低いのみならず、身体の僅かな動きで水が過敏に動くため着座者の身体がユラユラ動く現象が生じて安定性に欠けるという問題点があった。
そこで、袋体の内部を複数の領域に区分することが提案されており、その例として特許文献1には、袋体の内部をまずセンターの堰体で左右2つの領域に大きく区分し、かつ、左右の領域を、サイドの堰体によって臀部支持領域と大腿部支持領域とに区分し、各領域をオリフィス部で連通させることが開示されている。また、特許文献1には、ウレタン等の弾性材からなる弾性クッションを重ねて使用することも開示されている。
ウォータクッションのような流体クッションを特許文献1の構成にすると、隣り合った領域がオリフィス部を介して連通していることによって着座時の瞬間的な水の移動が規制されるため、着座時の緩衝性(クッション性)を高めて違和感を無くすことができ、更に、臀部支持領域が独立していることで臀部のホールド性が高くなるため、単に周囲のみを溶着したものに比べると姿勢の安定性とフィット性とを向上できる。
他方、ウォータクッションに弾性クッションを重ねて使用すると、ウォータクッションの冷たさを遮断できる利点や、違和感のない感触を得ることができる利点、或いは見た目も良くなるといった利点があるが、全体にわたって等しい厚さの弾性クッションを使用すると、ウォータクッションの凹凸がそのまま弾性クッションに反映されてしまって着座者に違和感(突き上げ感)を与えることがあった。これを回避するには弾性クッションの厚さを厚くしたら良いと考えられるが、弾性クッションを厚くすると身体へのフィット性が低下してウォータクッションの効果が減殺されるのみならず、弾性クッションの使用量が多くなってコストアップを招来する虞もある。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
請求項1の発明は弾性クッションに関するものであり、この弾性クッションは、撓み変形する弾性素材から成っており、変形自在な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が複数の凸部を有する凹凸形状になっている流体クッションの表面に重ねて使用される弾性クッションであって、前記流体クッションの表面と対向した裏面には、前記流体クッションの複数の凹部のうち少なくとも1つの凹部に対応した凸部が形成されており、前記流体クッションと反対側に位置して人の身体が当たる表面は凹部又は凸部が存在しない平滑状に形成されている。
請求項2の発明も弾性クッションに係るもので、この発明は、請求項1において、前記流体クッションの表面と対向した裏面には、前記流体クッションの複数の凹部の各々に対応した凸部が形成されており、各凸部が流体クッションの各凹部に嵌まり合うようになっている。
請求項3の発明は、流体クッションと弾性クッションとからなる積層クッションに係るものである。すなわち、この積層クッションは、柔軟な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が少なくとも1つの凹部を有する凹凸形状になっている流体クッションと、前記流体クッションの表面に重ねて使用される弾性クッションとから成っており、前記弾性クッションが請求項1又は2に記載した構成になっている。
請求項4の発明は身体支持装置に係るもので、この身体支持装置は、柔軟な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が少なくとも1つの凹部を有する凹凸形状になっている流体クッションと、前記流体クッションを体圧がかかる側と反対側の裏面において支持する支持体と、前記流体クッションの表面に重ねられる弾性クッションとから成っており、前記弾性クッションが請求項1又は2に記載した構成になっている。
身体支持装置の代表例として請求項5に記載した椅子が挙げられる。本願発明に係る椅子では、座と背もたれとアームレストとヘッドレストのうち少なくとも1つが請求項4の構成になっている。
さて、例えば椅子の座で見ると、着座者の身体で弾性クッションを押圧する圧力は、逆に見ると身体への反力に他ならない。そして、流体クッションに凹凸があると身体は凸部を強く押圧するため、身体に対する反力も凸部の箇所で強くなる。そして、弾性クッションを全体にわたって等厚に設定すると、流体クッションにおける凸部の箇所の反力が強くなり、凹部の箇所では反力が弱くなる。その結果、身体(椅子の座の場合は特に大腿部)が流体クッションの凸部の箇所で弾性クッションに強く当たるいわば片当たり状態になり、これに起因して着座者に違和感を与えていたと言える。
これに対して本願発明では、弾性クッションに凹部が形成されている箇所では流体クッションからの反力が弱くなっているため、流体クッションから身体に作用する反力が全体にわたって均一化され勝手になっており、その結果、片当たりのような現象(或いは部分的な突き上げ感)を防止又は抑制して、快適な使用感を得ることができる。特に、請求項2のように流体クッションの各凹部に対応して弾性クッションに凸部を形成すると、身体への反力が流体クッションの全体にわたって均一化するように均すことができるため、特に好適である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。本願発明は事務用に多用されている回転椅子に適用している。まず、図1〜図7に示す第1実施形態から説明する。なお、以下の説明で、方向を特定する用語として「前後」「左右」の文言を使用するが、この文言は着座した人を基準にしている。
(1).椅子の概略
まず、図1は椅子のおおまかな側面図であり、先ずこの図1に基づいて椅子の概略を説明する。椅子は、ガスシリンダより成る脚支柱1を有する脚装置2と、脚支柱1の上端に固定されたベース3と、ベース3の上方に配置された座4と座4の後ろに配置された背もたれ5とを備えている。脚装置2は、放射上に延びる複数本の枝足6を有しており、各枝足6の先端にはキャスター7が取り付けられている。
まず、図1は椅子のおおまかな側面図であり、先ずこの図1に基づいて椅子の概略を説明する。椅子は、ガスシリンダより成る脚支柱1を有する脚装置2と、脚支柱1の上端に固定されたベース3と、ベース3の上方に配置された座4と座4の後ろに配置された背もたれ5とを備えている。脚装置2は、放射上に延びる複数本の枝足6を有しており、各枝足6の先端にはキャスター7が取り付けられている。
ベース3は、上向き開口の箱型で前後に長い形状であり、その後部が脚支柱1に嵌着固定されている。ベース3の前部には中間金具8が第1軸9で後傾動可能に連結されており、また、ベース3の後部のうち脚支柱1よりも手前の部位には後ろ向きに延びる左右のスイングアーム10が第2軸11によって後傾動可能に連結されており、スイングアーム10に背もたれ5を取り付けている。ベース3にはロッキングばね内蔵しており、背もたれ5が後傾すると座4は後退しつつ後傾する。
中間金具8の上面には樹脂製のアウターシェル(座受け)13が取り付けられており、座4はアウターシェル13に固定されている。座4は、支持体の一例である樹脂製のインナーシェル(座板)17を備えており、インナーシェル17の上面に、流体クッションの一例としてのウォータクッション18が配置されており、かつ、ウォータクッション18の上面には弾性クッション19が重ね配置されている。弾性クッション19の表面は張り地で覆われている。
図2,図7に示すように、インナーシェル17及びアウターシェル13は、平面視で略四角形の形状になっており、このため、座4は左右2つのフロントコーナ部20と左右二つのリアコーナ部21とを有している。両コーナ部20,21は丸みを帯びている。
例えば図6(B)に示すように、インナーシェル17は人の身体にフィットするように正面視では上向き凹状になっており、かつ、前部は着座者の大腿部を突き上げないように下向きに曲がっている。また、図5に示すように、インナーシェル17の左右中間部と左右前部とにはウォータクッション18を固定するための穴22が空いている。
アウターシェル13も人の身体にフィットするように正面視では上向き凹状になっており、全体的に緩く湾曲している。インナーシェル17はアウターシェル13に位置決めされてからねじ止めされているが、取り付け構造は本願発明と関連がないので説明は省略する。
(2).ウォータクッションの構造
次に、ウォータクッション18の構造を説明する。ウォータクッション18はインナーシェル17とほぼ同じ平面形状であり、このため、丸みを帯びた前後のフロントコーナ部20とリアコーナ部21とを有している。
次に、ウォータクッション18の構造を説明する。ウォータクッション18はインナーシェル17とほぼ同じ平面形状であり、このため、丸みを帯びた前後のフロントコーナ部20とリアコーナ部21とを有している。
図3,4,6に明示するように、ウォータクッション18は上下シート24,25を溶着して構成された袋体26とその内部に充填した水とからなっている(水には符号は付していない。)。上下シート24,25はEVA樹脂のような強靱な不透水性樹脂からなっており、熱盤による溶着や高周波又は超音波を用いた溶着などで周囲をライン状に接合することで袋体26と成されている。なお、袋体26は上下対称及び左右対称の形状になっていて上下の方向性はない。従って、シート24,25に関する上下の区分は説明の便宜のためのものである。
外周の溶着部を図2及び図7において符号27で示している。袋体26のうち左右側部には、外周の溶着部27の外側に広がる余白部28が存在しており、余白部28にもインナーシェル17に固定するための取り付け穴29が空けられている。センター堰体30,31,33や余白部28に蒸れ防止用の通気穴を開けることも可能である(特に、主センター堰体30に開けるのが好ましい。)。敢えて述べるまでもないが、余白部28は必ずしも必要はない。また、余白部28の箇所も溶着することは可能である(この場合は、外周の溶着部27はその巾が袋体26の前後と左右とで相違することになる。)。
袋体26の内部は、上下シート24,25を溶着して形成された複数の堰体によって複数のエリアに区分されている。まず、左右中間部には、前後方向に長く延びる主センター堰体30と、その手前に配置された補助センター堰体31と、袋体26の前部溶着部から後ろ向き突出したフロントセンター堰体32と、袋体26の後部溶着部から前向きに突出したリアセンター堰体33とが配置されており、袋体26の内部はこれら各センター堰体30〜33で左右に区分されている。隣り合ったセンター堰体30〜33で挟まれた部分はセンターオリフィス部34になっている。
主センター堰体30は上下シート24,25を環状に溶着することで形成されており、この溶着部を符号30aで示している。同様に、補助センター堰体31も上下シート24,25を環状に溶着することで形成されており、この溶着部を符号31aで示している。更に、フロントセンター堰体32とリアセンター堰体33とは外周の溶着部27を内側に入り込ませることで形成されている。敢えて述べるまでもないが、各センター堰体30〜33はその全体が溶着された構造であっても良い。フロントセンター堰体32を除いた他のセンター堰体30,31,33には取り付け用の穴29が空けられている。
袋体26における左右2のエリアは、袋体26の手前側寄りに配置した第1サイド堰体36によって前後に区分されており、かつ、第1サイド堰体36の手前には第2サイド堰体37が配置されている。第1サイド堰体36の後ろの部分は着座者の臀部の全体と大腿部の一部とが載るメインエリア38になっており、第1サイド堰体36と第2サイド堰体37とで挟まれた部分は第1フロントエリア39になっており、第2サイド堰体37の手前の部分は第2フロントエリア40になっている。両フロントエリア39,40で大腿部が支持される。
サイド堰体36,37は左右外側に行くに従って後ろにずれるように傾斜しており、かつ、両サイド堰体36,37の間隔は、袋体26の中間部寄りの箇所が狭くて左右外側に行くに従って徐々に広がっている。補助センター堰体31及びフロントセンター堰体32と両サイド堰体36,37との間には、サイドオリフィス部41が空いている。
メインエリア38の後ろ寄り部位には、リアコーナー部21に沿って延びる補助堰体42が配置されている。従って、メインエリア38は補助堰体42によって内外に分離した状態になっており、便宜的に、補助堰体42の外側に位置した部分をアウトサイドガード部と称して符号43を付している。アウトサイドガード部43と袋体26のリアコーナー部21との間には60〜70mm程度の間隔が空いている。補助堰体42とリアセンター堰体33との間もサイドオリフィス部41になっている。
第1サイド堰体36の外端と第2サイド堰体37の外端とは補助堰体42の外端と略同じ程度の左右位置に位置しており、このため、袋体26の左右側部には、補助堰体42とサイド堰体36,37の外側に位置した前後長手のサイドエリア44が構成されているような状態になっている。
ここで、メインエリア38は他の領域に比べて大きな面積に設定されており、着座した人の臀部を確実に保持し得るよう構成されている。また、フロントエリア39,40はメインエリア38よりも小さな面積に設定されており、このため、あまり膨らむことはない。人が着座すると、メインエリア38が強く押圧されるため、メインエリア38が凹んでその水は周囲に逃げ移動する。
各エリア38,39,40とオリフィス部34,41は凸部になっており、各堰体30〜33,36,37,42と偏平な外周部27,28の箇所は凹部になっている。
人が着座するとメインエリア38の水はフロントエリア39,40に流れ移動するが、サイド堰体36,37が傾斜していることにより、水は、補助センター堰体31に近い内側からフロントエリア39,40に流れるようにガイドされると共に、サイド堰体36,37がその外端において間隔が広がっていることにより、外側からもフロントエリア39,40に流れるようにガイドされる。このため、フロントエリア39,40をその全領域に亙って均等な状態で迅速に膨らませることができ、その結果、違和感のない座り心地を得ることができる。
(3).弾性クッションの構造・作用
次に、弾性クッション19の基本構造について説明する。弾性クッション19は例えば発泡性合成樹脂を素材としており、金型を使用した射出成形(発泡成形)によって所定形状に製造されている。弾性クッションを樹脂製とする場合は、スポンジやウレタンなどを使用できる。また、弾性クッション19は、不織布やコルク板、綿などの非樹脂製品とすることも可能である。弾性クッション19の表面は凹凸がない平滑状になっている。このため、身体への当たりの柔らかさが確保される。なお、弾性クッション19はインナーシェル17に倣って全体として上向き凹状に曲がっているが、これは凹凸ではない。
次に、弾性クッション19の基本構造について説明する。弾性クッション19は例えば発泡性合成樹脂を素材としており、金型を使用した射出成形(発泡成形)によって所定形状に製造されている。弾性クッションを樹脂製とする場合は、スポンジやウレタンなどを使用できる。また、弾性クッション19は、不織布やコルク板、綿などの非樹脂製品とすることも可能である。弾性クッション19の表面は凹凸がない平滑状になっている。このため、身体への当たりの柔らかさが確保される。なお、弾性クッション19はインナーシェル17に倣って全体として上向き凹状に曲がっているが、これは凹凸ではない。
弾性クッション19のうちウォータクッション18と対向した裏面には、ウォータクッション18の各エリア38,43,39,40が嵌まる凹部45を形成している。弾性クッション19のうち各堰体30〜33,36,37,42と外周の溶着部27及び余白部28に対応した箇所には、これらに嵌まり込む凸部46が形成されている。従って、弾性クッション19は凸部46の箇所で厚さが厚くなっている。本実施形態では、凹部45はウォータクッション18の各エリア(凸部)にすっぽり嵌まっている。従って、オリフィス部34,41に対応した箇所も凹部45になっている。
さて、着座者の臀部及び大腿部はウォータクッション18の凸部(メインエリア38等)を強く押圧するため、身体に対する反力はメインエリア38やフロントエリア39,40のような凸部の箇所において強くなる。従って、弾性クッション19が等厚であると、身体への反力はメインエリア38とフロントエリア30,31の箇所で強くなり、サイド堰体36,37の箇所では弱くなる。このため特に大腿部に対して片当たりのような状態になり、その結果、着座者が違和感を受けることがあると共に姿勢の安定性も悪くなる。
これに対して本実施形態では、弾性クッション19にはウォータクッション18の凸部に対応して凹部45が形成されているため、換言すると、弾性クッション19はウォータクッション18の凸部に対応した部分が薄くなっているため、弾性クッション19が等厚である場合に比べて、ウォータクッション18の凸部の箇所での突き上げ感を無くして身体への反力を全体にわたって均等化することができる。その結果、違和感のない快適な座り心地を得ることができる。
なお、人が着座することで弾性クッション19が変形するが、ウォータクッション18の各エリアに対応した箇所は凹部45になっていて弾性復元力が小さくなっているため、弾性クッション19は変形した状態に保持され勝手になっている。この点は、身体を安定的に保持することに貢献していると言える。
本実施形態では、ウォータクッション18はビス等のファスナ類でインナーシェル17に取り付けているが、ウォータクッション18は単にインナーシェル17に重ねただけにして、弾性クッション19を覆うクロス(表皮材)をアウターシェルに固定することも可能である。また、ウォータクッション18をインナーシェル17に取り付ける(固定する)方法としては、接着剤や両面テープを使用した接着、面ファスナーを使用した係止、インナーシェル17に形成した係合部への挟み込みなど、様々の方法を採用できる。
(4).他の実施形態
図8では他の実施形態を示している。このうち(A)では弾性クッション19のうちウォータクッション18のメインエリア38に対向した箇所のみに凹部45を形成している。図2に一点鎖線で示すように、座骨の当接部を中心にした狭い領域のみに凹部45を形成することも可能である。第1実施形態と同様に、ウォータクッション18の堰体37,42と対応した部位は当該堰体37,42に嵌まり込む下向き凸部46になっている(参考例としては下向き凸部46をなくすことも可能である。)。なお、本実施形態及び他の実施形態で凹部45は湾曲した断面形状になっているが、角形のような断面形状(例えば長方形や台形)とすることも可能である。
図8では他の実施形態を示している。このうち(A)では弾性クッション19のうちウォータクッション18のメインエリア38に対向した箇所のみに凹部45を形成している。図2に一点鎖線で示すように、座骨の当接部を中心にした狭い領域のみに凹部45を形成することも可能である。第1実施形態と同様に、ウォータクッション18の堰体37,42と対応した部位は当該堰体37,42に嵌まり込む下向き凸部46になっている(参考例としては下向き凸部46をなくすことも可能である。)。なお、本実施形態及び他の実施形態で凹部45は湾曲した断面形状になっているが、角形のような断面形状(例えば長方形や台形)とすることも可能である。
図8(B)に示す例では、弾性クッション19は裏面も基本的には平滑状と成して、この裏面にウォータクッション18のエリア38,43,39,40に対応した凹部45を形成している。従って、この実施形態では弾性クッション19はウォータクッション18には嵌まり込んでいない。
弾性クッション19のうちウォータクッション18のオリフィス部34,41に対応した部分には、凹部45を形成してもよいし形成しなくてもよい。オリフィス部34,41に対応した凹部45を形成する場合、メインエリア38等のエリアに対応した凹部45と連続させても良いし、オリフィス部34,41のみに独立して形成しても良い。
図8(C)に示すのは(B)の実施形態の変形例であり、この実施形態では、弾性クッション19のうちウォータクッション18のメインエリア38に対応した部分に2つの凹部45を形成している。エリアの面積が大きい場合は、このように凹部45を複数形成することも可能である。これらの例から理解できるように、凹部45の形状(平面視形状、断面形状)や位置は、身体の体圧がかかり具合を考慮して任意に設定できる。複数の凹部45を設ける場合、体圧の掛かる強さに応じて深さ(或いは弾性クッション19の厚さ)を異ならせることも可能である。
例えばメインエリア38に対応した凹部45とフロントエリア39,40に対応した凹部45とを一連に延びる形態とするというように、複数のエリアに対応した凹部を連続させることも可能である。この場合は、凹部45は堰部を横切ることになる。
(5).その他
上述した実施形態は座への適用例であったが、本発明を椅子に適用する場合、背もたれ部、アームレスト、ヘッドレスト等の他の身体支持部にも適用可能であることは言うまでもない。椅子に適用する場合、回転椅子のみでなく固定式椅子やパイプ椅子、車椅子等他の形態の椅子に適用できることは勿論である。また、本願発明はベンチやソファー、ベッド、ストレッチャーなど各種の身体支持装置に適用できる。また、流体としては水に限らずオイルのような他の液体や空気、或いはジェル状物など種々のものを使用できる。
上述した実施形態は座への適用例であったが、本発明を椅子に適用する場合、背もたれ部、アームレスト、ヘッドレスト等の他の身体支持部にも適用可能であることは言うまでもない。椅子に適用する場合、回転椅子のみでなく固定式椅子やパイプ椅子、車椅子等他の形態の椅子に適用できることは勿論である。また、本願発明はベンチやソファー、ベッド、ストレッチャーなど各種の身体支持装置に適用できる。また、流体としては水に限らずオイルのような他の液体や空気、或いはジェル状物など種々のものを使用できる。
本願発明は椅子を初めとした各種の身体支持装置に適用してその有用性を向上させることができる。従って、産業上の利用可能性を有している。
4 座
5 背もたれ
17 インナーシェル
18 ウォータクッション
19 弾性クッション
30〜33 センター堰体
34,41 オリフィス部
38 メインエリア(凸部)
39,40 サイドエリア(凸部)
42 補助堰体
43 アウトサイドガード部
44 サイドエリア
45 凹部
5 背もたれ
17 インナーシェル
18 ウォータクッション
19 弾性クッション
30〜33 センター堰体
34,41 オリフィス部
38 メインエリア(凸部)
39,40 サイドエリア(凸部)
42 補助堰体
43 アウトサイドガード部
44 サイドエリア
45 凹部
Claims (5)
- 撓み変形する弾性素材から成っており、変形自在な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が複数の凸部を有する凹凸形状になっている流体クッションの表面に重ねて使用される弾性クッションであって、
前記流体クッションの表面と対向した裏面には、前記流体クッションの複数の凹部のうち少なくとも1つの凹部に対応した凸部が形成されており、前記流体クッションと反対側に位置して人の身体が当たる表面は凹部又は凸部が存在しない平滑状に形成されている、
弾性クッション。 - 前記流体クッションの表面と対向した裏面には、前記流体クッションの複数の凹部の各々に対応した凸部が形成されており、各凸部が流体クッションの各凹部に嵌まり合うようになっている、
請求項1に記載した弾性クッション。 - 柔軟な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が少なくとも1つの凹部を有する凹凸形状になっている流体クッションと、前記流体クッションの表面に重ねて使用される弾性クッションとから成っており、前記弾性クッションが請求項1又は2に記載した構成になっている、
積層クッション。 - 柔軟な袋体の内部に流体を充填していて身体の体圧を受ける表面が少なくとも1つの凹部を有する凹凸形状になっている流体クッションと、前記流体クッションを体圧がかかる側と反対側の裏面において支持する支持体と、前記流体クッションの表面に重ねられる弾性クッションとから成っており、前記弾性クッションが請求項1又は2に記載した構成になっている、
身体支持装置。 - 座と背もたれとアームレストとヘッドレストのうち少なくとも1つが請求項4の構成になっている、
身体支持装置としての椅子。
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