JPS621210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 産業上の利用分野 本考案はガラス器成形用金型、特にガラス器周
面上部はなめらかな肌を成形する回し吹き成形に
より、ガラス器周面下部側面と底部は模様を成形
する吹き込み成形によるガラス器成形用金型に関
する。

従来の技術 従来外周面の一部に模様を有する吹き込み成形
による中空ガラス器は製造されていたが、この場
合パリソンを回転させずに吹き込み成形を行なわ
なければならない。したがつて、製品の無地部分
にも型の割目跡が残り、その商品価値を減じてい
た。そこで、従来は回し吹き成形において回し吹
き用成形型の下部に独立した回転自在の、すなわ
ち、パリソンと共に回転する底型を組み合わせ、
これにより製品の底面や外周面下部にも模様を付
けていた。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の回し吹き用成形型の下部に独立した
回転自在の底型を組み合わせたガラス器成形用金
型にあつては、ガラス器成形後底型を下方向に抜
く成形方法となるため、製品は形状的に大きく制
約を受け、許容されるデザインの範囲は狭いもの
であつた。

考案の構成 問題点を解決するための手段 本考案は上記従来の問題点を解決し、連続自動
成形のガラス器成形機においてデザイン的な制約
の少ない成形を可能とする金型を提供するもので
ある。すなわち、本考案は、上部の任意のホルダ
ーに支持された割型たる回し吹き用成形型と下部
の内面に凹凸による模様を有する回転可能な吹き
込み用成形型とからなるガラス器成形用金型にお
いて、下部の吹き込み用成形型は複数に縦方向に
分割され、外周面には常時収縮するよう付勢され
たスプリングを鉢巻状に捲回され、分割型の各片
はシリンダーのインナーチユーブ上端に取り付け
られた型受けに回転自在に支持されたコラムの上
部傘状部斜面上に放射方向に滑動可能に位置し、
その下部に設けられたスリツトの両壁間に架設さ
れたガイドピンは、該コラムの上部傘状部下部に
設けられたスリツトの両壁間に架設されたヒンジ
ピンに中央部を枢支されたヒンジアームの一端の
溝に滑動自在に係合しており、シリンダーの前記
インナーチユーブに対して上昇するピストン上端
に取付けられた押し上げリングが前記ヒンジアー
ムの他端の下方に位置し、ピストンの上昇により
ヒンジアームの該他端を押し上げ、前記ガイドピ
ンを介して分割型の各片を前記スプリングの収縮
力に抗してコラムの傘状部斜面を放射方向に滑降
移動させることにより型割れ拡開させることを特
徴とするガラス器成形用金型に係る。

作 用 本考案にあつては、シリンダーＣのピストンの
上方向作動により押し上げリングがヒンジアーム
およびヒンジアームの溝に係合しているガイドピ
ンを介して分割型閉じ用スプリングにより絶えず
閉じる方向に付勢されている分割型各片をコラム
傘状部に沿つて放射方向、かつ、斜め下方向へ型
割れ拡開させるものであるから底部はもちろん外
周面の広い範囲に模様を成形することが可能であ
り、しかも成形ガラス器は水平方向に取り出すも
のであるから現行の連続自動成形機に直ちに適用
し得るものである。

実施例 図面の実施例により本考案を詳細に説明する。

第１図は本考案ガラス器成形用金型のガラス器
成形終期における縦断面図、第２図は下部吹き込
み用金型の拡大上面図、第３図は同じく該金型の
スリツトを中央にした側面図、第４図は第２図の
−線断面図である。これらの図において、Ａ
は上部型たる回し吹き用成形型、すなわち、非回
転成形型であり、ホルダー２に支持されており、
通常使用されている左右に、かつ、水平に開閉可
能な金型である。Ｂは下部型、すなわち回転可能
な吹き込み用成形型である。型Ｂは本実施例にお
いては縦に分割された３個の分割型３を有し、こ
れらの分割型３は内面に模様を有し、外周面には
常時型を閉じるごとく付勢された分割型閉じ用ス
プリング４を捲回されている。分割型３はシリン
ダーＣのインナーチユーブ１４に保持されたコラ
ム受け１１にボール９および回転軸１０を介して
回転自在に支持されたコラム５の上部傘状部斜面
状に滑動可能に位置している。分割型３の裾部３
ａに設けられた縦方向のスリツト１６の両壁１
８，１８間にはガイドピン７が架設されている。
また、コラム５の上部傘状部の裾部５ａに設けら
れた縦方向のスリツト１７の両壁１９，１９間に
はヒンジピン８が架設されている。しかして、ヒ
ンジアーム６はその中央部においてヒンジピン８
に枢着されており、ヒンジアーム６の一端の溝６
ａには前記ガイドピン７が滑動自在に係合してい
る。ピストン１５の上端にはリングホルダー１３
を介して押し上げリング１２が取付けられ、押し
上げリング１２の上端１２ａは前記ヒンジアーム
６の他端６ｂの下方に位置しており、押し上げリ
ング１２の上昇はヒンジアーム６の該他端６ｂを
押し上げる位置関係にある。また、ヒンジアーム
６の該他端の上昇は該アームの前記溝に係合して
いるガイドピン７を放射方向、かつ、斜め下方向
に押し下げる関係にある。すなわち、押し上げリ
ング１２の上昇は、分割型３をして放射方向、か
つ、斜め下方向へ該斜面状を移動させることとな
り、分割型３は型割れ拡開する。シリンダーＣは
押し上げリング１２の上向作動を目的として回転
軸１０の中心垂直下方向に設置され、ボトムアー
ムＤによつて保持される。

次に本考案金型の作動について述べる。第５図
はガラス器成形の初期における。第６図はその中
間期における、第７図は下部吹き込み用成形型の
拡開時における、第８図は成形完了、取出し時に
おける、それぞれ本考案金型の略縦断面図であ
る。

まず、通常の方法で外部で予備成形されたパリ
ソンＥがネツクリングホルダー１により回転させ
られ、上部型Ａ内に導入されると該型は閉じ、ボ
トムアームＤの駆動（第１図Ｇ方向）により下部
型Ｂが上部型Ａ下面に、水平に、かつ、若干の隙
間を存するごとく移動する。このとき、下部型Ｂ
の拡開作動を目的とするシリンダーＣ、したがつ
て、ピストン１５はインナーチユーブ１４に対し
て第４図に示すごとく下がつた状態である。

この状態で本成形が開始される。パリソンＥは
ネツクリングホルダー１により回転が与えられる
と同時にパリソンＥ上部よりパリソンＥ内に空気
が吹き込まれる。このとき上部回し吹き用成形型
Ａは、ホルダー２に保持され、パリソンＥは回し
吹き成形されており、徐々に下方へ吹膨されて分
割型３内面に接触すると共に該面に施された模様
にくい込み、回転自在に枢支された分割型３はパ
リソンＥの回転に従つてパリソンＥと共に回転す
る。この時期の状態を第６図に示す。パリソンＥ
が下部吹き込み用成形型Ｂに接触した後に上部成
形型Ａ内面に接触するまで吹膨され、成形が完了
する。第１図はこの状態を示す。成形が完了する
とネツクリングホルダー１の回転は停止し、すな
わち、成形製品Ｆの回転が停止し、ついで分割型
３の拡開作動を目的としたシリンダーＣのピスト
ン１５の上方向作動により押し上げリング１２が
ヒンジアーム６の他端６ｂを押し上げる。これに
よりガイドピン７と係合しているヒンジアーム６
の溝６ａ側はヒンジピン８を中心として斜め下方
へ移動し、分割型３は第７図に示すごとく拡開さ
れる。その後上部回し吹き用成形型Ａは左右に水
平に開き、下部吹き込み用成形型Ｂはボトムアー
ムＤの駆動（第１図G′方向）により第８図に示
すごとく下方へ下がり、成形製品Ｆは水平方向に
取り出され、通常方法で最終製品に仕上げられ
る。ボトムアームＤが下方へ下がり作動が完了し
た状態でボトムシリンダーＣのピストン１５は下
方向に作動し、押し上げリング１２がヒンジアー
ム６から離れ、分割型３は分割型閉じ用スプリン
グ４の復原力により閉じる。このような作動を繰
り返して次々と成形が行なわれる。

考案の効果 本考案ガラス器成形用金型によれば、上部に回
し吹き成形の特徴である滑らかな肌を、下部に吹
き込み成形の特徴である模様を、それぞれ有する
第９図イ、ロに示すような形状のデザインのもの
を容易に成形し得るのであり、その許容されるデ
ザインの範囲が著しく拡がるのである。また、ガ
ラス器の水平方向への取り出しが可能であるた
め、これを直ちに既知の連続自動成形機へ適用し
得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示し、第１図は本考案ガラス器
成形用金型のガラス器成形終期における縦断面
図、第２図は下部吹吹き込み用成形型の拡大上面
図、第３図は同じく該金型のスリツトを中央にし
た側面図、第４図は第２図の−線断面図、第
５図はガラス器成形初期における、第６図はその
中間期における、第７図は下部吹き込み用成形型
の拡開時における、第８図は成形完了、取り出し
時における、それぞれ第４図と同様の略縦断面
図、第９図は本考案によるタンブラーの２例を示
す略側面図である。 Ａ……上部回し吹き用成形型、Ｂ……下部吹き
込み用成形型、Ｃ……シリンダー、Ｄ……ボトム
アーム、Ｅ……パリソン、Ｆ……成形製品、Ｇ，
G′……ボトムアームの軌道、１……ネツクリン
グホルダー、２……上部回し吹き用成形型ホルダ
ー、３……分割型、４……分割型閉じ用スプリン
グ、５……コラム、６……ヒンジアーム、７……
ガイドピン、８……ヒンジピン、９……ベアラリ
ングボール、１０……回転軸、１１……コラム受
け、１２……押し上げリング、１３……リングホ
ルダー、１４……インナーチユーブ、１５……ピ
ストン、１６……分割型スリツト、１７……コラ
ム傘状部スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部の任意のホルダーに支持された割型たる回
   し吹き用成形型と下部の内面に凹凸による模様を
   有する回転可能な吹き込み用成形型とからなるガ
   ラス器成形用金型において、下部の吹き込み用成
   形型は複数に縦方向に分割され、外周面には常時
   収縮するよう付勢されたスプリングを鉢巻状に捲
   回され、分割型の各片はシリンダーのインナーチ
   ユーブ上端に取り付けられた型受けに回転自在に
   支持されたコラムの上部傘状部斜面上に放射方向
   に滑動可能に位置し、その下部に設けられたスリ
   ツトの両壁間に架設されたガイドピンは、該コラ
   ムの上部傘状部下部に設けられたスリツトの両壁
   間に架設されたヒンジピンに中央部を枢支された
   ヒンジアームの一端の溝に滑動自在に係合してお
   り、シリンダーの前記インナーチユーブに対して
   上昇するピストン上端に取付けられた押し上げリ
   ングが前記ヒンジアームの他端の下方に位置し、
   ピストンの上昇によりヒンジアームの該他端を押
   し上げ、前記ガイドピンを介して分割型の各片を
   前記スプリングの収縮力に抗してコラムの傘状部
   斜面を放射方向に滑降移動させることにより型割
   れ拡開させることを特徴とするガラス器成形用金
   型。