JPS6211554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はビーフステーキ、ハンバーグステーキな
どの焼物あるいは焼きそば、野菜いため等の調理
に使用するグリドルなどの調理用プレートに関す
るものである。例えば業務用グリドルは器体上に
設置された一枚のトツププレートと、その下方に
設置されたガスバーナとからなつている。

業務用グリドルでは一度に多数の焼物が調理さ
れることが多いため、調理面の均熱、蓄熱などの
本来の機能が特に要求されるほか、外観が美麗で
衛生感を有することが望ましい。

然るに従来の業務用グリドルにあつては、トツ
ププレートを直接バーナで加熱する構造のため、
蓄熱、均熱効果を得る必要から厚肉の鋳鉄製プレ
ートが主として用いられており、専ら調理機能の
みに注目が払われ、美感、衛生感については殆ん
ど無視されていたのが実情であつた。また、業務
用グリドルではトツププレートを２本以上のバー
ナで加熱し、燃焼ガスを強制排気する場合が多
く、各バーナの設置位置や排気口の位置によつて
調理面の各部で加熱温度に不同が生じるにもかか
わらず従来同一肉厚のトツププレートを用いてい
たため、十分な均熱、蓄熱効果を得ることができ
なかつた。

本案は上記問題点を一挙に解決するもので、本
案は 上下段違いとした一定の肉厚の取付縁と、中央下
面に突設され、表面積を燃焼ガスの流動方向に沿
つて変化させた突条とからなる２以上の蓄熱プレ
ートを備え、隣接相互の各蓄熱プレートの取付縁
を上下に組合せてトツププレートの裏面に取付け
たことを特徴とする加熱調理用プレートである。

以下にグリドルについて本案の実施例を図によ
つて説明する。

第１図〜第３図において、グリドルの器体１内
に一定間隔を置いて複数のバーナ２，２，……が
設置され、器体１上に調理器を形成するトツププ
レート３が搭載されている。また、器体１の後部
には器体１内の燃焼室４と連通させた排気口５が
開口してある。

トツププレート３はステンレスその他の材質か
らなり、四周に立上り部３ａが設けられている。
本案はこのトツププレート３の下面に鋳鉄その他
の材質からなる蓄熱プレート６を取付けたもので
ある。蓄熱プレート６は第４図に示すように上下
段違いとした一定の肉厚の取付縁６ａ，６ｂと、
中央下面に突設された突条６ｃとからなり、突条
６ｃの表面積をその長手方向に沿つて変化させた
ものである。この蓄熱プレート６，６，……の各
取付縁６ａ，６ｂを上下に組み合せ、第２図に示
すようにスタツドウエルドボルト７を各取付縁６
ａ，６ｂの重合部分に挿通してトツププレート３
の裏面全体に２以上の蓄熱プレート６，６，……
を取付ける。なお、蓄熱プレート６の取付けに際
しては、グリドルの正面側より背面側に向けて突
条６ｃの表面積が次第に減少するように取付方向
を設定し、且つ各突条６ｃ，６ｃ，……の位置を
各バーナ２，２，……の直上よりずらせて配列さ
せる。以上実施例では器体１の正面から背面に向
けてその燃焼室４内にバーナ２，２，……を平行
に挿入し、器体１の後部に排気口５を開口した型
式のグリドルに適用したものであるが、各蓄熱プ
レート６の突条６ｃの位置、形状などは図示のも
のに限定されるものではなく、要はバーナと排気
口との関係において、蓄熱プレート６の厚みを部
分的に変化させ、且つ厚肉部分を形成する突条の
表面積を燃焼ガスの流動方向に沿つて変化させれ
ばよいものである。

実施例において、ビーフステーキ、ハンバーグ
ステーキなどの焼物を調理する場合において、バ
ーナ２，２，……に点火すると、各バーナ２，
２，……の直上および、燃焼室４内に生ずる燃焼
ガスの流れによつて排気口５の近傍の蓄熱プレー
ト６の部分が特に加熱されることになるが、一定
時間加熱することによつて熱が分散し、トツププ
レート１の各部は均等に加熱される。バーナ２の
火炎を弱めたときにはバーナ２，２，……間や、
排気口５より最も離れた器体１の手前のトツププ
レート３の部分が早く冷やされることになるが、
実施例の場合にはバーナ２，２，……間に厚肉の
突条６ｃを位置させ、且つ突条６ｃの表面積を排
気口５側に向けて減少させたため、各バーナ２，
２，……間や手前のトツププレート３の部分に対
応する蓄熱プレート６の熱容量が大きく、したが
つて突条６ｃに蓄熱された熱によつてトツププレ
ート１の冷やされやすい部分が保温され、トツプ
プレート１の全面を均一な温度に保つことができ
る。

本案は以上のように、ステンレス材などを用い
て作られたトツププレートの裏面に、鋳鉄製など
の蓄熱プレートを取付け、この蓄熱プレートの肉
厚をバーナの位置に応じて変化させると共に、厚
肉部に形成される突条の表面積を排気口の位置に
応じて変化させたため、バーナの位置や、燃焼ガ
スの流れによつて生ずる温度分布の不同が調整さ
れトツププレートの調理面の全面を均等に加熱
し、ビーフステーキ、ハンバーグステーキなどの
焼物に、焼きむらを生じさせず、２以上並べて焼
く場合にも均一に調理できる。また、保温中にお
いてもトツププレートの各部に温度むらが生ぜ
ず、熱効率の向上を図ることができる。なお、ト
ツププレートの下面全面に対し、２以上に分割さ
れた蓄熱プレートを組合せて適用することによつ
て、加熱調理用プレートを用いる調理器につい
て、その機種が異なる場合や、トツププレートの
大小にも容易に応ずることができ、さらに蓄熱プ
レートは中実のものに限らず、適宜中空部分を有
するものなどを用いることにより断熱作用をもた
せて局部的な過熱を抑えることもできる。

また、本案によれば、トツププレートと、蓄熱
プレートとを別体に作り、両者を組合せるもので
あるため、両部材の材質や加工上に制約を受ける
ことがなく、したがつてトツププレートの材質を
自由に選定できるが、これにステンレス材を用い
ることによつて、美麗で衛生的なグリドルが得ら
れ、グリドルの調理面側と、加熱面側とに、それ
ぞれ望ましい機能を与えることができる。

したがつて本案によれば、調理機能に優れ、衛
生的で美麗なグリドル、特に一度に多くの焼物を
調理する場合に好適な業務用グリドルを提供でき
る効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例を示す平面図、第２図
は同一部断面正面図、第３図は同断面側面図、第
４図は蓄熱プレートの一実施例を示す要部拡大斜
視図である。 ３……トツププレート、６……蓄熱プレート、
６ａ，６ｂ……取付縁、６ｃ……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下段違いとした一定の肉厚の取付縁と、中央
   下面に突設され、表面積を燃焼ガスの流動方向に
   沿つて変化させた突条とからなる２以上の蓄熱プ
   レートを備え、隣接相互の各蓄熱プレートの取付
   縁を上下に組合せてトツププレートの裏面に取付
   けたことを特徴とする加熱調理用プレート。