JPS62109983A - ブラスメツキ極細鋼線及びその製造方法 - Google Patents

ブラスメツキ極細鋼線及びその製造方法

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JPS62109983A
JPS62109983A JP24956085A JP24956085A JPS62109983A JP S62109983 A JPS62109983 A JP S62109983A JP 24956085 A JP24956085 A JP 24956085A JP 24956085 A JP24956085 A JP 24956085A JP S62109983 A JPS62109983 A JP S62109983A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプラスメッキ極細鋼線及びその製造方法に関す
る。
(従来の技術) 本発明において、プラスメッキ極細鋼線とは線径が概ね
1龍以下乃至数十μmであって、且つ、表面にプラスメ
ッキ層を有する鋼線をいい、タイヤコード用ワイヤ、高
圧ホース用ワイヤ等として使用されている。これらのプ
ラスメッキ極細鋼線は、従来は、伸線加工ごとに伸線材
の靭性が低下するので、通常、高炭素鋼5.5 mm径
圧延線材から中途に散度のパテンティング処理を行ない
つつ、数次にわたる冷間伸線加工によって、所定径の極
細鋼線を製造した後、これにプラスメッキを施して製造
されているので、多くの製造工程数を必要とすると共に
、製造費用が高くならざるを得ない。
他方、線材からの極細鋼線への強加工冷間伸線のみにつ
いてみれば、これが可能である純鉄や軟鋼線材もあるが
、伸線加工による強度の上昇が少ないので、最終製品と
しての瓶細鋼線における強度が低い。即ち、95〜99
%強加工伸線の場合でも、その強度は70〜130 k
gf/mm”であり、170kgf/mm2以上の強度
を達成することはできない。また、加工率99%以上の
伸線加工によっても、強度は190kgf/mm2以下
である。
本発明者らは、前記高炭素鋼線材や軟鋼線材に代えて、
強加工性にすぐれる低炭素鋼線材を得るべく鋭意研究し
た結果、既に特開昭60−152655公報に記載され
ているように、冷間伸線用の低炭素鋼線材の組織を予め
残留オーステナイトを含有していてもよいベイナイト、
マルテンサイト又はこれらの微細混合Mi織(前組織)
とし、次いで、これより逆変態させたオーステナイトを
所定の冷却条件下に変態させることによって、最終組織
として、一部残留オーステナイトを含有していてもよい
針状のへイナイト、マルテンサイト又はこれらの混合組
織からなる微細な低温変態生成相がフェライト相中に均
一に分散されてなる複合組織とするとき、かかる複合組
織線材はすぐれた強加工性を有し、合計減面率90%以
上の連続冷間伸線加工によって、径が11■乃至数十μ
mの高強度極細鋼線を得ることができることを見出して
いる。
しかしながら、上記線材の連続冷間伸線加工においては
、従来のリン酸塩被覆による潤滑処理によれば、冷間加
工のための潤滑が加工度の増加につれて困難となり、加
工減面率90%以上、好ましくは98%以上にて連続冷
間伸線加工する場合、潤滑不足のために均一な表面性状
を有する極細鋼線を得ることができない。即ち、連続伸
線加工時に伸線とダイスとが接触する伸線の最表面に不
均一な変形層が生成されることを見出した。このような
不均一な変形層はダイスごとに成長拡大するので、強加
工するほど著しくなり、伸線の延性を害する程度に不均
一な変形層が拡大する。従来の高炭素鋼線材においては
、線材自体に強加工性が欠けるので、途中にパテンティ
ング処理を施すことから、上記不均一な変形層の蓄積拡
大に至らない。
より詳細には、伸線加工時に潤滑性が悪化すると、伸線
材とダイスとが金属接触するために、伸線材は表面が平
滑となって、粉末状の潤滑剤が伸線材に付着し難くなり
、ダイスへの導入量が減少する。伸線材の潤滑剤付着量
は上記潤滑性を表わす指標であって、この量はダイス角
を大きく、また、伸線速度を速くするほど小さくなる。
また、ダイス枚数、即ち、操り返しバス数の増加につれ
て、潤滑剤付着量は著しく減少する。
第4図は、従来の高炭素鋼鉛パテンテイング(L P)
処理線材と、前述した強加工性を有する複合組織を有す
る線材についての伸線バス回数の増加に伴う潤滑剤付着
量の変化を示す。■及び■にて示すように、前記複合組
織線材を合計減面率90%以上にて連続冷間伸線加工に
供する場合、バス回数が多く、このバス回数と共に潤滑
剤付着量が著しく減少するので、潤滑性の悪い冷間伸線
加工を避けることができず、その結果、伸線材は延性が
劣化する。
(発明の目的) そこで、本発明者らは、前述した強加工性を有する複合
組織線材を用いて、表面プラスメッキ極細鋼線を製造す
る方法について、更に研究を重ねた結果、上記複合組織
線材の連続冷間伸線加工の前に又は途中でプラスメッキ
処理を施し、そのメッキ層の潤滑作用を利用することに
よって、伸線途中にパテンティング処理等の熱処理を要
せずして、直ちに高強度高延性のプラスメッキ極細鋼線
を得ることができることを見出した。
他の側面からみれば、従来は、表面プラスメッキ極細鋼
線を製造するには、線材の伸線加工途中のパテンティン
グ又は伸線後の伸線にプラスメッキが施されるが、本発
明によれば、伸線加工の前にプラスメッキを施すことに
よって、又は伸線加工の途中でプラスメッキを施すこと
によって、このメッキの潤滑作用にて減面率98%以上
、好ましい態様によれば99%以上にて、容易に連続伸
線加工することができ、且つ、パテンティング処理等を
要せずして、プラスメッキ極細鋼線を得ることができる
のである。しかも、かかる方法によって得られるプラス
メッキ極細鋼線は、延性が改善されると共に、メッキ後
の強加工によってメッキ層の均質化が助長される結果、
ゴムとの密着性が著しく改善される。
従って、本発明は、−i的には、プラスメッキ極細鋼線
及びその製造方法を提供することを目的とし、特に、所
定の複合組織を有する低炭素鋼線材をプラスメッキした
後に連続冷間伸線加工することによって、延性が改善さ
れ、且つ、メッキ層が均一化均質化されているためにゴ
ムとの密着性に格段にすぐれるプラスメッキ極細鋼線を
提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明によるプラスメッキ極細鋼線は、重量%で C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn   0.3〜2.5%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる化学組成を有し、且
つ、 Cu 40〜65%及び Zn 35〜60% 残部不可避的不純物よりなるプラスメッキ層を有するこ
とを特徴とする。
また、本発明によるプラスメッキ極細鋼線の製造方法は
、重量%で C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn  0.3〜2.5%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、針状マルテンサイ
ト、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態
生成相が体積率15〜40%にてフェライト相中に均一
に分散されてなる複合組織を有する線材を減面率98%
以上にて連続冷間伸線加工するに際して、この伸線の前
に又は途中でCu 40〜65%及び Zn 35〜40% 残部不可避的不純物よりなるプラスメッキ層を有せしめ
ることを特徴とする。
先ず、本発明の方法において用いる複合組織線材の化学
成分及びその製造について説明する。尚、以下において
、組織が針状(e longa ted又はaci−c
ular)とは組に1銭粒子が方向性を有することをい
い、塊状(globular)とは粒子が方向性を有し
ないことをいう。また、針状粒子の換算粒子径とは、針
状粒子の面積を円に換算したときの直径を意味する。
Cは、鋼片からの熱間圧延線材を後述する所定の熱処理
によって所定の複合組織を有する線材とするために、0
.01%以上を添加することが必要であるが、0.30
%を越えて過多に添加するときは、針状のマルテンサイ
ト、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態
生成相(以下、単に第2相ということがある。)の延性
が劣化するようになる。従って、本発明においては、C
添加量は0.01〜0.30%の範囲とする。
Siは、フェライト相の強化元素として有効であるが、
2.0%を越えて過多に添加するときは、変B温度を著
しく高温側にずらせ、また、線材の表面の脱炭を起こし
やすくするので、添加量は2゜0%を上限とする。
Mnは、線材を強化すると共に、第2相の焼入れ性を高
め、また、その形態をiJ状化するために0.3%以上
を添加することが必要であるが、2.5%を越えて条里
に添加しても、その効果が飽和するので、Mn添加量は
0.3〜2.5%とする。
本発明においては、線材の金属Mi織を微細化するため
に、Nb、■及びTiから選ばれる少なくとも1種の元
素を更に添加することができる。この組織の微細化のた
めには、いずれの元素についても0.005%以上の添
加を必要とするが、しかし、過多に添加してもその効果
が飽和し、また、経済的にも不利であるので、その上限
は、Nbについては0.2%、■及びTiについてはそ
れぞれ0.3%とする。
更に、本発明における線材に不可避的に含まれる元素又
は含まれてもよい元素について説明する。
Sは線材中のMnS量を少なくするために、0.005
%以下とするのがよく、これにより線材の延性が向上す
る。また、酸洗時やメッキ処理時の水素による延性劣化
を防止するためには0.003%以下とするのが好まし
い。
Pは粒界偏析の著しい元素であるので、その含有量を0
.01%以下とするのが好ましい。
Nは固溶状態で存在すると、最も時効しやすい元素であ
る。従って、加工中に時効して加工性を阻害し、或いは
加工後にも時効して、伸線により得られる極細線の延性
を劣化させるので、0.003%以下とするのが好まし
い。
/lは酸化物系介在物を形成し、この酸化物系介在物は
変形し難いために、線材の加工性を阻害する場合があり
、線材を伸線する間にこの介在物を起点として破断が生
じやすい。従って、A1の含有量は、通常、0.01%
以下とするのが好ましい。特に、好ましくは0.005
%以下とする。
また、線材におけるS i / A l比が大きくなる
とき、シリケート系介在物が増大し、特に、Al量が少
ないときには、急激にシリケート系介在物が増大して、
線材の伸線性を劣化させるのみならず、伸線して得られ
る伸線材の疲労特性が劣化する。従って、本発明におい
ては、好ましくはSi/Al比を500以下とする。更
に、本発明によれば、Si/Mn比を0.7以下とする
ことが好ましい。S i/ M n比が0.7を越える
ときは、介在物の組成や形態等が変化し、介在物の分散
や分布が原因となって、線材の伸線性を劣化させること
があるからである。
一方、CaやCe等の希土類元素を添加することによっ
て、MnS介在物の形状を調整することも好ましい。
また、前記したNb、■及びTiを含めて、Aff等を
添加することにより、固溶CやNを固定することもでき
る。更に、本発明による極細fA線の用途に応じて、用
いる線材にはCr、Cu及び/又はMoをそれぞれ1.
0%以下、Niを6%以下、Al及び/又はPをそれぞ
れ011%以下、Bを0.02%以下適宜に添加するこ
ともできる。
本発明における複合組織線材は、前記所定の化学成分を
有する熱間圧延線材を所定の条件にてオーステナイト化
して、所定の前[iを有せしめ、次いで、この線材につ
いて更に熱処理を行なって、所定の複合組織を存せしめ
ることによって得ることができる。
即ち、上述した化学成分を有する鋼片に所要の熱間加工
及び熱処理を施して、その81 ’IIAを旧オーステ
ナイト粒径が35μ以下のベイナイト、マルテンサイト
又はこれらの混合Mi織とした後、これをAc、〜A 
C:l ?M度域に加熱して、オーステナイト化分率が
約20%以上となるようにオーステナイト化を進行させ
、次いで、このようにして得た線材を平均冷却速度40
〜b 至500°Cまで冷却することによって、上記強加工性
にすぐれた複合組織線材を得ることができる。
本発明によるプラスメッキ極細鋼線は、かかる複合化*
線材からの極細鋼線がCu40〜65%及びZn35〜
60%、残部不可避的不純物よりなるプラスメッキ層を
有する。
また、本発明によるかかる表面プラスメッキ極細鋼線線
の製造方法は、前記複合m織線材を合計減面率98%以
上にて冷間伸線加工するに際して、伸線前又は伸線途中
にてCu40〜65%及びZn35〜60%、残部不可
避的不純物よりなるプラスメッキを施し、その後に伸線
するものである。
先ず、第2相が微細な針状組織である複合組織線材を得
るために、前記所定の化学成分組成を有する熱間圧延線
材をAc+−Ac3温度域に加熱する前に、所定の条件
での熱処理を施こすことにより、その組織を、一部残留
オーステナイトを含有していてもよい旧オーステナイト
粒径が35μ以下、好ましくは20μ以下のベイナイト
、マルテンサイト又はこれらの微細混合組織(以下、こ
れらを単に前組織ということがある。)とする。前組織
をこのように微細化することにより、最終組織を微細化
して複合Mi織綿線材延性及び靭性を向上させ、かくし
て所要の強度を付与することができる。
旧オーステナイト粒径を35μ以下に調整するには、造
塊又は連続鋳造により得られた鋼片を熱間加工するに際
して、オーステナイトの再結晶や粒成長の進行が著しく
遅い温度域、即ち、980℃以下であって、且つ、Ar
3点以上の温度範囲において減面率30%以上で熱間加
工することが必要である。熱間加工温度が980℃を越
える温度であるときは、オーステナイトが再結晶や粒成
長しやすく、また、加工減面率が30%よりも少ないと
きは、オーステナイト粒径を細粒化することができない
からである。更に、10〜20μ程度のオーステナイト
細粒を得るには、上記加工条件に加えて、最終加工パス
を900℃以下とする必要があり、5〜10μ程度の極
細粒を得るためには、上記最終加工を歪速度3007秒
以上とする必要がある。
尚、旧オーステナイト粒径を調整するための上記熱間加
工後に冷間加工を加えて所望の形状とすることもできる
が、この場合、冷間加工の加工率は40%までとする。
上記前組織に40%よりも大きい冷間加工を加えたとき
は、後述するAc、〜Ac、温度域への加熱時にマルテ
ンサイトの再結晶が起こり、目的とする最終組織を得る
ことができない。
次に、前組織をベイナイト、マルテンサイト又はこれら
の混合組織とするためには、次の方法によることができ
る。
その第1は、圧延工程中に所要の前組織を得る方法であ
って、鋼片を制御圧延するか、又は熱間圧延した後に加
速冷却する。その冷却速度は5℃/秒以上とすることが
必要である。これよりも小さい冷却速度では、通常のフ
ェライト・パーライト組織となるからである。
前組織を得るための第2の方法は、圧延した鋼材を改め
て熱処理する方法であり、鋼をAcz点以上のオーステ
ナイト域に加熱した後に調整冷却する。この方法による
場合も、加熱温度は、第1の方法について説明したと同
様に、AC1〜AC3+1o o ”cの範囲であるこ
とが望ましい。
このようにAc+〜Ac3域に加熱する前の組織を、従
来のフェライト・パーライト組織に替えて、残留オース
テナイトを含有していてもよいマルテンサイト、ベイナ
イト又はこれらの混合組織からなる低温変態生成相とし
た圧延鋼材をAc+〜Ac3域に加熱することにより、
低温変態生成相のラス境界に存在している残留オーステ
ナイト若しくはセメンタイトを優先核として、初期オー
ステナイト粒が多数生成し、上記ラス境界に沿って成長
する。
次いで、所定の条件下での冷却によってこのオーステナ
イトから変態するマルテンサイト又はへイナイトを針状
にして、周囲のフェライト相に対して整合性のよいもの
とし、か(して、従来のフェライト・パーライト前組織
に比較して、第2相粒子を格段に微細化する。従って、
AC1〜Ac3域への加熱及び冷却の条件が重要である
。即ち、条件によっては、第2相が塊状化し、或いは第
2相に塊状の粒子が混在して、強加工性を損なうことと
なるからである。
より詳細に説明すれば、微細なベイナイト、マルテンサ
イト又はこれらの混合組織からなる前組織をオーステナ
イト域に加熱する際の逆変態は、オーステナイト分率が
約20%までは旧オーステナイト粒界から塊状オーステ
ナイトが生成し、また、粒内からは針状オーステナイト
が生成することにより開始されるので、この状態から、
例えば150〜200°C/秒以上の冷却速度で急冷す
ることにより、針状と塊状の低温変態生成相がフエライ
ト中に分散した組織を得る。従って、旧オーステナイト
が細粒であるほど、塊状オーステナイトの生成頻度が高
い・オーステナイト化が約20%以上進行すると、針状
オーステナイト粒子相互が合体して塊状オーステナイト
へと変化するので、この状態から急冷すると、フェライ
トと粗大な塊状の低温変態生成相との混合組織を形成す
る。更にオーステナイト化が約20%以上進行すれば、
塊状オーステナイト相互が合体成長してオーステナイト
化が完了するので、この状態から急冷すれば、低温変態
生成相が主体の組織となる。
そこで、本発明においては、前記前組織に調整した鋼を
A c 1−A (:l域に加熱するに際して、そのオ
ーステナイト化をオーステナイト化分率が約20%以上
とし、この状態から平均冷却速度40〜150″C/秒
にて常温乃至500℃の温度まで冷却することにより、
冷却中の変態過程において塊状オーステナイトからフェ
ライトと針状オーステナイトとを分離させ、この針状オ
ーステナイトを低温変態生成相に変態させることにより
、一部残留オーステナイトを含有していてもよい針状ベ
イナイト、マルテンサイト又はこれらの混合組織からな
る微細な低温変態生成相がフェライト相中に均一に分散
された最終金属組織を得るのである。
線材をAc、〜Ac=域への加熱後の平均冷却速度は上
記のように限定される。冷却速度が40℃/秒よりも遅
い場合には、塊状オーステナイトからポリゴナルフエラ
イトが生成し、残留する塊状オーステナイト粒子は塊状
第2相に変態し、一方、冷却速度が150℃/秒よりも
速い場合にも、上述したように塊状第2相が生成するか
らである。
また、本発明においては、フェライト相中における第2
相の体積分率は15〜40%の範囲とする。
第2相の体積分率がこの範囲にあるとき、第2相粒子は
針状であり、且つ、その平均換算粒子径が3μ以下とな
り、かくして、得られる線材は、従来にない独特の複合
組織を有するために、すぐれた強加工性を有する。第2
相の体積分率が上記範囲をはずれるときは、上記条件下
での冷却によっても、最終Mi繊織中塊状第2相が混入
しやすい。
冷却停止温度は常温乃至500℃である。これは、低温
変態生成相としてベイナイト、マルテンサイト又はこれ
らの混合組織を得るためであると共に、ごの温度範囲内
で冷却速度を遅くし、又は停止することによって、生成
した第2相の焼戻しを兼ねさせることもできるからであ
る。
本発明の方法によれば、かかる線材に伸線前に又は途中
で所定の組成のプラスメッキ処理した後、98%以上の
加工率による連続冷間伸線によって、メッキ層の良好な
潤滑性を得て、高強度高延性のプラスメッキ極細鋼線を
得ることができる。
本発明の方法において、プラスメッキ処理とは、展゛伸
性に冨むプラスメッキ層を電気的メッキ、化学的メッキ
又は溶融メッキ等の方法で線材に付着させることをいう
。本発明において、このプラスメッキ組成は、Cu 4
0〜65%、Zn60〜35%の範囲である。従来のよ
うに、線材を伸線後にメッキして、表面メッキ極細鋼線
を製造する方法においては、プラスメッキ組成は、通常
、Cu60〜70%、Zn40〜30%であり、Znを
これよりも多量にすることは、プラスメッキ層が展伸性
に乏しいために、プラスメッキ極細鋼線の品質を劣化さ
せるとされている。しかし、本発明の方法によれば、上
記のようにZnlを増大させても、このプラスメッキ層
を潤滑剤として強加工することによって、その理由は必
ずしも明らかではないが、プラスメッキ層が線材の伸線
時に良好な潤滑効果を発揮し、伸線時に伸線の表面に不
均一層の生成を防止して、すくれた連続冷間伸線性を確
保することができるのみならず、予期しないことに、得
られる伸線の延性が改善され、更に、均一均質なプラス
メッキ層を有する表面ブラスメ・ンキ極細鋼線を得るこ
とができる。特に、かかる表面プラスメッキ極細鋼線は
、従来の方法による通常の表面メッキ極細鋼線に比較し
て、ゴムとの密着性が格段に改善される。
本発明においては、プラスメッキ付着量は、強加工後に
も均一なプラスメッキ厚さを得るための量が必要であり
、極細畑線の径にもよるが、線材1 kg当り大略1〜
15gが好ましい。特に、ブラスメッキ層を最終的に得
られる極細鋼線に対して重量にて0.2〜1.0%の範
囲で保持させることによって、プラスメッキ層自体の性
質、例えば、均一性や均質性を極めて高めることができ
る。
本発明においては、プラスメッキした後の線材の伸線加
工においては、伸線加工用のダイスのアプローチ角度を
4〜156とするのが好ましく、メッキ後の合計加工度
は約80%、伸線強度として120 kgf/mm2以
下の伸線前半においては上記アプローチ角度を4〜86
とするのが好ましい。
この方法によって、メッキ層の均一加工が容易となり、
メッキ層の不均一化を防止することができる。
以上のように、本発明において用いる線材は、低炭素鋼
の組織を予めベイナイト、マルテンサイト又はこれらの
微細混合組織とし、これより逆変態した塊状オーステナ
イトを所定の冷却条件下に変態させて、微細な針状の低
温変態生成相が15〜40%の体積分率にてフェライト
相中に均一に分散されてなる従来にない特異な微細複合
組織を有し、プラスメッキ層の良好な潤滑性を得て、9
8%以上の加工率による連続冷間伸線によって高強度高
延性のプラスメッキ極細鋼線を得ることができる。
更に、本発明の方法によれば、上記した複合組織線材を
合計減面率98%以上にて冷間伸線加工して、極細li
!線を製造するに際して、伸線途中で再結晶温度以下の
温度に加熱した後、冷却する熱処理を施すことによって
、かかる熱処理をしない線材に比較して、減面率に対す
る強度の上昇が大きいので、最終的に強度がより高い極
細鋼線を得ることができる。
尚、本発明の方法においては、前記メッキ処理に際して
、溶融メッキを用いる場合は、メッキ組成を調整して、
その融点を望ましい温度とし、上記熱処理を同時に行な
うことができる。即ち、熱処理工程における加熱浴及び
冷却浴として、メッキ浴を利用することができる。
本発明の方法において、上記熱処理とは、加工方向に伸
長したフェライトとマルテンサイトの2相が形成する組
織フローを破壊しない程度の温度及び時間にて加熱する
ことを意味し、加熱温度は、加熱時間にもよるが、通常
、200〜700°Cの範囲であり、好ましくは300
〜600°Cの範囲である。
−4に、線材は、伸線加工によって、組織中の各相が加
工方向に伸長して、所謂組織フローを形成し、また、ミ
クロ的には各相内に転位等による下部U織が生じ、これ
らの変化に伴って伸線材の強度が上昇する。本発明の方
法によれば、伸線加工の途中でこの組織フローを破壊し
ない程度に加熱することによって、下部Mi織が一部回
復すると共に、C,N等の元素の微細析出が各相内に起
こる。そこで、かかる熱処理を施された伸線材を更に冷
間伸線加工するとき、下部組織中に存在する上記析出物
を核として新たな下部組織が形成されて発達し、他方、
組織フローはその前の伸線加工に引き続いて、各伸線工
程ごとに発達していくので、この結果として、線材の加
工限界が改善され、また、伸線材の強度も高められると
みられる。
従って、熱処理前の伸線加工によって組織フローと下部
組織とを形成させ、発達させるために、最小の伸線加工
度が規定され、また、熱処理後の伸線加工においては、
新たな下部組織を形成させ、発達させるために、最小の
伸線加工度が規定されることとな゛るが、本発明者らの
研究によれば、上記した最小加工度はいずれも、大略5
0〜80%程度である。また、加熱処理時の下部組織の
回復の度合や、C,N等の元素の析出状態によって、加
熱処理後の強度や、その後の加工による加工硬化率が変
化するので、熱処理の温度及び時間は、目的に応じて最
適に設定されるのが好ましい。
尚、従来、加工限界近くまで加工した伸線を再結晶温度
以上に加熱し、加工組織を消却させて、加工前の状態に
戻し、再度、加工する方法が知られている。しかし、こ
の場合の加熱処理は、所謂焼なまし処理であり、他方、
本発明の方法における熱処理は、再結晶温度以下への加
熱であるので、従来の焼なまし処理とは異なる。本発明
の方法において、熱処理温度を再結晶温度以上とすると
きは、熱処理後の強度が低下すると共に、その後に再度
、冷間加工を行なっても、強度は向上せずに、単に加工
のみが可能となるにすぎない。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、所定の複合組織を有する線材を
冷間強加工して極細鋼線を製造するに際して、伸線前又
は途中で所定のプラスメッキ処理を施し、このメッキ層
の潤滑作用によって、良好な冷間伸線性を確保しつつ、
線材を冷間伸線することができ、且つ、このようにして
、均一均質なプラスメッキを有すると共に、延性が改善
された極111fl線を得ることができる。
特に、本発明による表面プラスメッキ穫細鋼線は、従来
にない多量のZnを含有するプラスメッキが線材の強加
工によって均一化均質化されているために、ゴムとの密
着性に格段にすぐれる。
また、上記伸線加工の途中で再結晶温度以下の温度以下
に加熱、冷却する熱処理を施すことによって、最終的に
得られる極細鋼線の強度を向上させることができる。
(実施例) 以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
参考例1 (複合Mi織綿線材製造及び性質) 第1表及び第2表に示すように、本発明で規定する化学
組成を有する鋼A及びBを圧延後に水冷して、前組織を
微細なマルテンサイト組織としたものをそれぞれA1及
びB1とし、比較鋼として、鋼A及びBを圧延後空冷し
て、前組織をフェライト・パーライト組織としたものを
それぞれA2及びB2とする。旧オーステナイト粒径は
いずれも20μ以下である。
次に、上記A1及びBlを異なるオーステナイト分率を
有するようにAc、〜Act域に3分間加熱保持し、種
々の平均冷却速度にて常温まで冷却した。加熱温度及び
冷却速度に対する第2相粒子の形態とその体積分率を第
1図に示す。実線はフェライトと針状第2相との均一な
混合組織を示し、破線はフェライトと塊状第2相、又は
フェライトと針状若しくは塊状第2相との混合組織を示
す。
Al及びB1をAc、〜Ac3域への加熱保持後、平均
冷却速度125℃/秒又は80℃/秒で冷却したとき、
得られる圧延線材の第2相形態は針状であって、u織は
この第2相がフェライト相中に均一に分散して形成され
ており、また、第2相の体積分率は加熱温度にかかわら
ずにほぼ一定である。これに対して、前組織が同じであ
っても、平均冷却速度が170℃/秒以上のときは、第
2相形態は塊状、又は塊状と針状の混合物となり、更に
第2相分率は加熱温度が高いほど多くなる。
第2図は、最終組織に含まれる第2相体積分率と第2相
粒子の形態及び平均換算粒子径の関係をマルテンサイト
前組織のA1及びB1、並びにフェライト・パーライト
前組織のA2及びB2についてそれぞれ示す。ここで、
平均換算粒子径は、いずれの形態についても、前記した
ように面積を円に換算したときの平均直径を意味する。
いずれの線材についても、第2相粒子の粒子径は、第2
相体積分率の増加に伴って大きくなるが、第2相分率が
同一である場合は、マルテンサイト前組織から得られる
粒子の粒子径は、フェライト・パーライト前組織から得
られる粒子の粒子径に比べて著しく小さい。即ち、同一
の組成を有する鋼であっても、前組織をフェライト・パ
ーライトからマルテンサイト組織に調整することにより
、第2相粒子を格段に微細化できる。この第2相粒子の
微細化によって、線材の延性は大幅に改善されるが、し
かし、必ずしも強加工性に富むとは限らない。即ち、第
2相の体積分率を15〜40%の範囲とすることによっ
て、第2相の形態は針状が主体となり、且つ、第2相が
平均換算粒子径3μ以下の微細な針状粒子からなり、更
に、このような微細な針状第2相がフェライト中に均一
に分散分布されるために強加工性にすぐれるのである。
勿論、上記は第2相が針状ベイナイト又はこれとマルテ
ンサイトとの混合組織の場合にも当てはまる。
次に、前m織として微細なマルテンサイトを有する前記
圧延線材A1及びA2を第2表に示す条件にて熱処理し
た。この熱処理における加熱及び冷却条件と、これによ
って得られた複合組織線材の最終組織並びに機械的性質
を第2表に示す。前組織が微細なマルテンサイトである
A1をオーステナイト化分率が20%以上となるように
Ac、〜Ac3域に加熱した後、125℃/秒で冷却し
て得られた綱番号3.4.5及び6の線材は、フェライ
ト相中に微細な針状マルテンサイト(第2相)が体積分
率15〜40%の範囲内で均一に混合分散されてなる複
合組織を有し、強度・延性バランスに格段にすぐれてい
ることが明らかである。
これに対して、前組織がフェライト・パーライトである
圧延線材A2は、加熱及び冷却条件にかかわらずに、第
2相の形態が塊状である鋼番号10.11又は12を与
え、これらはいずれも強度・延性バランスに劣っている
一方において、前組織はマルテンサイトであるが(Al
)、鋼番号1はAc、〜Ac3域に加熱後の冷却速度が
遅すぎるために、また、鋼番号2は、Ac+〜Ac3域
に加熱した際のオーステナイト化分率が16%であるた
めに、いずれもそのMi織がフェライトと塊状及び針状
マルテンサイトとの微細な混合組織であり、上記鋼番号
10〜12よりは強度・延性バランスにすぐれているが
、鋼番号3.4.5及び6に比べて劣る。また、鋼番号
7〜9の線材は、いずれもフェライトと塊状マルテンサ
イトの混合組織であって、強度・延性バランスに劣るこ
とが明らかである。
次に、以上のようにして得られた異なる第2相形態を有
する6、 4 mm径線材に冷間伸線による強加工を加
えた。この加工後の性質を第3表に示す。
鋼番号1の線材は、フェライト中に微細な針状マルテン
サイトが均一に分散されてなる複合組織を有し、この線
材によれば、伸線加工率90%にて引張強度90kgf
/…II+2、破断絞り58%である2酊径線材を得る
ことができ、伸線加工率99%によって、一層高強度の
0.7鶴径線材を得ることができる。一方、塊状の第2
相を有する鋼番号2の比較鋼線材によれば、加工度の増
大につれて急激に延性が劣化し、約90%の加工度にお
いて断線が生じた。鋼番号3の比較鋼線材は、鋼番号2
の鋼よりも微細な組織を有して、強加工性は綱番号2の
線材よりもすぐれるものの、鋼番号1に比較すれば、加
工後の性質が劣る。
また、第1表に示すように、本発明で規定する化学組成
を有する鋼B及びCを本発明に従ってフェライトと針状
マルテンサイトの均一な微細複合組織を有する5、5鶴
線径の線材とした。これらをそれぞれB1及びCIとす
る。B1及びC1は共に高延性を有し、99.9%の強
加工が可能であり、このようにして得られる極細鋼線も
また高強度及び高延性を有する。線材B1及びC1の機
械的性質と、これら線材を線径1. Ow以下に伸線し
て得た極細鋼線の機械的性質を第4表に示す。
また、鋼記号CIの線材を加工率97.0%で伸線しく
線径0.95龍)、これを300〜400℃の温度で低
温熱処理(以下、低温焼鈍ということがある。)した。
これら低温焼鈍伸線の機械的性質をも第4表に示すよう
に、低温焼鈍によって伸線の延性が改善されていること
が明らかである。
強度低下は認められない。一般に、伸線を低温焼鈍する
ことによって、伸線加工によって生じる残留応力の除去
と降伏点の上昇が認められるが、本発明に従って、複合
組織線材から製造される伸線では延性も改善される。従
って、低温焼鈍によって、線材の延性改善を図ることが
でき、また、線材の伸線途中工程に低温焼鈍を組み合わ
せることによって、得られる線材の延性を一層増すこと
もできる。
実施例1 第5表に示す鋼記号A及びBを5.5鶴径線材に熱間圧
延後、水冷して、それぞれの組織をマルテンサイト主体
とし、次いで、820℃に加熱後、80℃/秒の速度に
て冷却して、フェライトと針状マルテンサイトの混合組
織とし、これらを鋼記号A及びBについて、それぞれA
2及びB2とする。他方、上記熱処理の加熱後の冷却速
度を15℃/秒とした綱記号AをA1とする。このよう
な熱処理後の複合)1111線材A1、A2及びB2の
第2相体積分率、粒子径及び形態、並びに引張特性を第
6表に示す。線材A1は針状第2相を主体とし、一部に
塊状第2相を含む複合組織線材であるので、線材A2及
びB2に比較して、延性がやや劣る。B2はA2よりも
AI量が低く、延性が高い。
次に、上記5.5 mm径線材A2を酸洗し、Cu65
%−Zn35%のプラスメッキ処理した後、97%の合
計減面率にて連続冷間伸線して得た伸線の機械的性質を
第7表に示す。第7表には、比較のために、同じ線材A
2を酸洗し、通常のリン酸塩被覆潤滑処理を施して、連
続冷間伸線して得た伸線の機械的性質をも併せて示す。
伸線前処理として、通常のリン酸塩被覆による潤滑処理
を施した線材は、潤滑剤の付着量が少なく、潤滑不良を
生じている。これに対して、伸線前にプラスメッキ処理
を施した場合は、伸線加工時の粉末状の潤滑剤の導入量
が不足しても、伸線表面のメッキ潤滑の存在によって、
伸線への悪影響が回避される。
即ち、伸線前のプラスメッキによって、伸線加工時の潤
滑性が良好となる。また、延性が改善されることが明ら
かである。
また、強加工性にすぐれる5、5N径複合組織線材A2
を酸洗した後、通常のリン酸塩処理を施し、メッキ処理
なしに0.29 **径(加工度99.7%)に伸線し
て得た伸線(比較例)と共に、伸線途中の1.5 mm
径、引張強さ179kgf/mm”の伸線にプラスメッ
キした後に0.29 **径に伸線して得た伸線(本発
明)、及び酸洗した後の5.5mm径線材にプラスメッ
キした後に0.29 **径に伸線して得た伸線(本発
明伸線)について、伸線特性及びゴムとの密着性を評価
した。結果を第8表に示す。尚、上記のプラスメッキの
組成は、線材A2についてはCu64%−Zn36%で
あり、線材B2についてはCu64%−Zn36%又は
Cu55%−Zn45%である。本発明による伸線は延
性にすぐれるのみならず、ゴムとの密着性に著しくすぐ
れることが明らかである。
次に、強加工性にすぐれる複合組織線材B2も、同様に
、伸線前の5.5龍径線材にプラスメッキして伸線した
。この伸線(本発明)についても、伸線特性及びゴムと
の密着性を第8表に示す。プラスメッキのZ n ’4
度にかかわらず、いずれもすぐれた伸線性を得ることが
でき、伸線特性がすぐれる。また、Zn94度の高いプ
ラスメッキを施した線材は、ゴムとの密着性に一層すぐ
れることが明らかである。このように、高濃度Znのプ
ラスメッキを施した線材であっても、良好な伸線性を確
保し得ることが本発明における重要な特徴の一つである
実施例3 (極細鋼線の製造) 第9表に示す化学成分を有する鋼記号Aを5.5n径線
材に熱間圧延し、圧延後、水冷した。この圧延線材を8
10℃まで加熱した後、油冷してマルテンサイト化して
、第9表に示すように、針状マルテンサイトからなる第
2相とフェライトとからなる混合組織を有する線材Aを
製造した。
上記線材Aを酸洗し、組成Cu45%−Zn55%のプ
ラスメッキ処理した後、0.96m径に伸線し、所定の
温度にて加熱処理を施した後、更に、0.30 as径
まで伸線した。比較のために、上記線′材Aについて、
酸洗し、プラスメッキ処理した後、伸線途中での加熱処
理なしに、0.30m■径まで伸線した。
第3図に熱処理後の伸線束と得られた極細鋼線の引張強
度を示す。熱処理後に伸線することによって、強度が著
しく上昇することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で規定する組成を有する鋼をA (1
〜A(3域に加熱し、冷却したときの加熱温度と平均冷
却速度とに対する低温変態生成相の形態とそのフェライ
ト相中における体積分率の関係を示すグラフ、第2図は
、前組織としてフェライト・パーライト組織を有する比
較鋼線材とフェライト・マルテンサイト組織を有する本
発明鋼線材とについて、第2相の体積分率と、第2相の
形態及び粒子の平均換算粒子径との関係を示すグラフ、
第3図は、本発明の方法に従って、複合組織線材又はこ
れからの伸線材を熱処理したときの伸線束、熱処理温度
及び得られる伸線材の引張強度の関係を示すグラフ、第
4図は従来の高炭素鋼線材と、本発明において用いる複
合組織線材とをそれぞれ乾式連続伸線した場合の減面率
と潤滑剤付着量との関係を示すグラフである。 第1図 にOillθ     g50 力口 走と 5星K(°C) 第2図 漆2 相 イ1m’;r卑 (’/、)第3図 碌杖(泄1 λ中(幣l ε・2 !!n (Q )(反。6<申傘
諏鉛1騒呵f、、(:<中性′1支旙怪ン第4図 0          夕0    70  1?0 
   ’?0  ’lf   デ2.rデフ     
100 ;/に向専(Z)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn0.3〜2.5%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる化学組成を有し、且
    つ、 Cu40〜65%及び Zn35〜60% 残部不可避的不純物よりなるプラスメッキ層を有するこ
    とを特徴とするプラスメッキ極細鋼線。
  2. (2)鋼線が0.005%以下のAlを含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラスメッキ極
    細鋼線。
  3. (3)重量%で C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn0.3〜2.5%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、針状マルテンサイ
    ト、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態
    生成相が体積率15〜40%にてフェライト相中に均一
    に分散されてなる複合組織を有する線材を減面率98%
    以上にて連続冷間伸線加工するに際して、この伸線の前
    に又は途中で Cu40〜60%及び Zn35〜50% 残部不可避的不純物よりなるプラスメッキ層を有せしめ
    ることを特徴とするプラスメッキ極細鋼線の製造方法。
  4. (4)線材が0.005%以下のAlを含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第3項記載のプラスメッキ極
    細鋼線の製造方法。
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