JPS6210927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はハロゲンシールドビームランプに関す
る。特に、反射鏡体が合成樹脂からなるハロゲン
シールドビームランプに関するものである。

従来、この種のハロゲンシールドビームランプ
は、第１図に示す如く、内面が略回転放物面状に
形成され、かつアルミ蒸着が施されて反射面とな
されたガラス製の反射鏡体ａの後部の筒状の開口
部ｂにガラス製の底部ｃが一体に設けられ、ま
た、反射鏡体ａの前面開口にはガラス製のレンズ
（図示せず）が封着されている。そして、反射鏡
体ａ内に位置するハロゲンバルブｄは２つの金属
製インナーサポートｅによつて支持され、該イン
ナーサポートｅは底部ｃに気密に固定してある。
詳しく説明すると、底部の下面にハトメｆによつ
て固定された２つの金属製の端子ｇと電気的に接
続させるためにインナーサポートｅを底部ｃに穿
設した２つの透孔ｈに挿通し、端子ｇとインナー
サポートｅとをハンダｉにて気密に固定し、さら
に、透孔ｈとハトメｆとの間をシール剤ｊにて封
止しているものである。このように構成されたハ
ロゲンシールドビームランプは、一般に使用され
てきた白熱タイプのシールドビームランプよりも
高照度であるため、交通の安全を高めることがで
きるとされており、またシールドビームランプ内
部と外部とが遮断されているので反射鏡体ａの反
射面が水、ほこり等に侵されず、性能劣化を生じ
ないとされている。

しかしながら、近年自動車の軽量化に伴ない前
照灯に使用するハロゲンシールドビームランプ、
特に反射鏡体ａ等を合成樹脂にて製作することが
要望されているものであるが、前述した従来のガ
ラス製でのハロゲンシールドビームランプの製造
技術しでは、インナーサポートｅと端子ｇとを固
定するためにハンダｉを使用しているため、反射
鏡体が合成樹脂であると熱により材料に変質をき
たし、所期の性能を維持することができなくなる
という欠点を有している。また、かかる従来の構
成であると、ハロゲンバルブｄを支持し、かつ点
灯させるためにインナーサポートｅ、ハトメｆ、
端子ｇ等の別々に製造された部品を組立てるた
め、組立工数を多く必要とし、また種々の部品の
管理工数なども増加し、ハロゲンシールドビーム
ランプが高価なものとなるという欠点も有してい
る。

上記事情に鑑み、本考案は反射鏡体が合成樹脂
からなる場合に、ハンダ付け等を使用せずにハロ
ゲンバルブを確実に支持し得、しかも部品点数が
少なく簡単に組立てられ、安価なハロゲンシール
ドビームランプを提供せんとするもので、ハロゲ
ンバルブを支持する機能と、自動車の電源に導通
されたコネクターに接続する端子機能とを兼ねた
ラグ端子を構成し、このラグ端子の基部を合成樹
脂製の底板に埋設固定し、さらに底板の外面にシ
ール剤を施して、底板と端子片とを封止してなる
ことを特徴とするものである。

以下、図面を参照して本考案にかかる実施の例
を説明する。本例は、自動車用前照灯に適用する
タイプである場合のハロゲンシールドビームラ
ンプである。

第２図及び第３図は、本考案のハロゲンシール
ドビームランプの第一の実施例であつて、合成樹
脂製の反射鏡体１は、内面が略回転放物反射面状
に形成してあり、この反射鏡体１と別体に構成さ
れた合成樹脂製の底板１２を反射鏡体１の後部開
口に取り付け、該反射鏡体１の前面開口にはレン
ズ２が封着してある。そして、反射鏡体１内には
ハロゲンバルブ３が支持機能と端子機能を兼ねた
３つの金属製のラグ端子４にて支持されており、
該各ラグ端子４は底板１２にその先端４２ｂがわ
が外方に突出すべく一体的に埋設固定されている
ものである。

詳しく説明すると、反射鏡体１は150℃以上の
耐熱性をもつ合成樹脂、例えばポリブチレンテレ
フタレート（PBT）樹脂を使用して内面を略回
転放物面状に形成し、アルミ蒸着を施して反射面
としたもので、後部に筒状の開口部１１が設けて
ある。この開口部１１には図示の如く内面に環状
の立上り壁１１ａが一体に設けてあり、該立上り
壁１１ａに反射鏡体１と相溶性のある合成樹脂、
例えばポリブチレンテレフタレート（PBT）樹
脂にて予め成形しておいた底板１２（第３図参
照）が封着してある。本例の底板１２は、コネク
ターと当接する突起１２ａを外面の３個所に設け
てある。レンズ２はガラスあるいは透明合成樹
脂、例えばポリカーボネート（PC）樹脂からな
り、反射鏡体１の前面開口の周縁に形成された環
状の溝部１３内に全周にわたつて注入された接着
剤５にてレンズ２の周縁部２１が封着され、気密
に固定されているものである。

前述した支持機能と端子機能を兼ねた各ラグ端
子４は、第３図に示す如く、基部４１とこの基部
４１の両端がわより互いに相反して一体に突出す
る端子片４２と支持片４３とにより構成されてい
る。本例においては端子片４２の基端４２ａには
埋設固定を強固ならしめるための凹凸４４が設け
られている。詳しくは、黄銅材質の平板を折曲せ
しめて構成するものであつて、基部４１の一端を
略90゜折曲せしめて端子片４２となすと共に、基
部４１の他端がわを端子片４２と反対方向に略90
゜端子片４２の面と垂直となるように切り起して
支持片４３となしたものである。

本例における固定用の凹凸４４は、端子片４２
の両側縁に突設せしめた突起である。このように
構成したラグ端子４は、底板１２成形用の金型内
に略三角形状にセツトし、底板１２の成形と同時
に各端子片４２の先端４２ｂがわが外方に突出す
べく基端４２ａを底板１２に一体に埋設固定し、
かかる底板１２は、第２図に示す如く、開口部１
１の立上り壁１１ａに超音波溶着法等により封着
せしめて固定し、しかる後、底板１２の外面にシ
ール剤６を施して端子片４２と底板１２との間及
び底板１２と開口部１１との間に生じるわずかな
隙間を封止したものである。尚、各支持片４３に
はハロゲンバルブ３のピンチシール部から導出さ
れた４本の導出線３１が各々溶接してある。本実
施例のバルブ３の導出線３１は、バルブ３自体を
支持し得る太さを有しているので、支持片４３が
直接ハロゲンバルブ３を支持するものとなる。

従つて、本考案のハロゲンシールドビームラン
プは、合成樹脂製の反射鏡１及び合成樹脂製の底
板１２を用いたものであつても、従来の如くハン
ダを使用せずにラグ端子４を固定することができ
るので、熱変形及び変質することなく所期の性能
を維持することができる。また、各ラグ端子４
は、端子片４２の基端４２ａが底部１２に一体に
埋設固定されているので、強固であり、コネクタ
ーの着脱によるラグ端子４のガタつきを生じるこ
とがない。さらに、ラグ端子４は支持機能と端子
機能を兼ねた単一部品であるのでハロゲンバルブ
３とコネクターとの電気的接続を良好なものと
し、しかも支持片４３は、導出線３１との溶接範
囲が大きくなるように折曲せしめてあるので、強
固な溶接固定ができ、また構成部品点数が少ない
ので管理工数を低減するこができる。そして、底
板１２の外面にシール剤６を施してあるので、底
板１２とラグ端子４との材質の異なりによつて生
じるわずかな隙間を封止できるので反射鏡体１内
に水などの侵入を阻止し、反射面の精度低下を防
止できる。

第４図乃び第５図は、本考案の第２の実施例を
示した断面図であり、図中第一実施例と同一ある
いは均等部材は同一符号で示し、詳細な説明は省
略する。

この実施例における合成樹脂製の反射鏡体１の
開口部１１に形成した立上り壁１１ａには環状の
凸部１１ｂが形成してある。一方、合成樹脂製の
底板１２の内面がわ周縁には環状の段部１２ｂが
形成してあり、また凸部１１ｂと対応する位置に
環状の凹部１２ｃが形成してある。ハロゲンバル
ブ３を支持する各ラグ端子４は、第５図に示す如
く、基部４１の一端には略90゜折曲せしめて形成
した端子片４２が設けてあり、他端には端子片４
２と同一方向に略90゜折曲せしめて形成したわず
かに垂下する垂下片４５が設けてある。本例にお
ける垂下片４５には埋設固定を強固ならしめるた
めの凹凸４４として透孔を設けてある。また、基
部４１には端子片４２と反対方向に略90゜端子片
４２の面と垂直となるように垂下片４５寄りを切
り起して形成した支持片４３が設けてある。この
ように構成したラグ端子４は、前述した実施例と
同様に底板１２成形金型内にセツトし、底板１２
の成形と同時に各端子片４２の基端４２ａ及び垂
下片４５を底板１２に一体に埋設固定する。そし
て、ラグ端子４を埋設固定した底板１２の凹部１
２ｃを凸部１１ｂに嵌合し段部１２ａの全周にわ
たつて注入された接着剤５にて封着され、気密に
固定されるものである。その後、底板１２の外面
にシール剤６を施して端子片４２と底板１２との
間に生じるわずかな隙間を封止する。

従つて、かかる実施例においては、端子片４２
及び垂下片４５の埋設固定用凹凸４４たる透孔内
に底板１２の成形時に樹脂材がまわり込むので、
強固にラグ端子４を固定でき、しかも垂下片４５
も埋設されるので、埋設部分が多くなつて確実に
固定できるという効果を得ることができる。

尚、上記の各実施例のハロゲンシールドビーム
ランプは、３つのラグ端子４を用いて説明した
が、タイプのハロゲンシールドビームランプの
場合は２つのラグ端子４を用いればよく、また、
ハロゲンバルブ３を間接的に支持片４３に支持せ
しめてもよいなど、本考案のハロゲンシールドビ
ームランプは、これらを全て包含するものであ
る。

上記の実施例から明らかなように、本考案のハ
ロゲンシールドビームランプを適用すると、ハン
ダ付などの高熱を加える作業を行わないので反射
鏡本体部分を合成樹脂で構成しても該合成樹脂製
部分に熱変形や熱変質を生じることなく所期の性
能を維持でき、また、端子用部材の一部が底板内
に埋設されているので、コネクター等の着脱によ
るラグ端子のガタつきを生じることがない。しか
もラグ端子４は、支持機能と端子機能とを兼ねた
単一部品であるので電気的接続を良好なものと
し、また、管理工数の低減によりランプを安価に
提供なし得、更にシール剤により底部とラグ端子
の材質の異なりによつて生じるわずかな隙間を封
止しているので反射鏡体の反射精度低下を防止で
きるなど、優れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部断面図、第２図及び
第３図は本考案のハロゲンシールドビームランプ
の第一の実施例を示し、第２図は横断面図、第３
図はラグ端子の固定状態を示し、同図イは平面
図、同図ロは図イの−線断面図、同図ハは図
イの−線断面図、第４図乃び第５図は本考案
の第２の実施例を示し、第４図は要部断面図、第
５図はラグ端子の斜視図である。 １……反射鏡体、１２……底板、２……レン
ズ、３……ハロゲンバルブ、４……ラグ端子、４
１……基部、４２……端子片、４３……支持片、
４４……係止部、６……シール剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に開口を有しかつ内面が略回転放物反射面
   状に形成された合成樹脂製の反射鏡体と、上記反
   射鏡体と別体に構成されて前記の開口に取り付け
   られる合成樹脂製の底板と、該反射鏡体の前面開
   口に封着されるレンズと、ハロゲンバルブと、該
   ハロゲンバルブを支持する少なくとも２個の金属
   製のラグ端子とを備え、前記各ラグ端子は基部
   と、該基部から互いに反対方向に突出する支持片
   と端子片とから成り、前記基部を前記合成樹脂製
   の底板に埋設して端子片を底板の後方に突出せし
   めるとともに支持片を底板の前方に突出せしめ、
   さらに前記底板の外面にシール剤を施して該底板
   と前記端子片とを封止したことを特徴とするハロ
   ゲンシールドビームランプ。