JPS6210926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はハロゲンシールドビームランプに関す
る。特に、反射鏡体が合成樹脂からなるハロゲン
シールドビームランプに関するものである。

従来、この種のハロゲンシールドビームランプ
は、第１図に示す如く、内面が略回転放物面状に
形成され、かつアルミ蒸着が施されて反射面とな
されたガラス製の反射鏡体ａの後部の筒状の開口
部ｂにガラス製の底部ｃが一体に設けられ、ま
た、反射鏡体ａの前面開口にはガラス製のレンズ
（図示せず）が封着されている。そして、反射鏡
体ａ内に位置するハロゲンバルブｄは２つの金属
製インナーサポートｅによつて支持され、該イン
ナーサポートｅは底部ｃに気密に固定してある。
詳しく説明すると、底部の下面にハトメｆによつ
て固定された２つの金属製の端子ｇと電気的に接
続させるためにインナーサポートｅを底部ｃに穿
設した２つの透孔ｈに挿通し、端子ｇとインナー
サポートｅとをハンダｉにて気密に固定し、さら
に、透孔ｈとハトメｆとの間をシール剤ｊにて封
止しているものである。このように構成されたハ
ロゲンシールドビームランプは、一般に使用され
てきた白熱タイプのシールドビームランプよりも
高照度であるため、交通の安全を高めることがで
きるとされており、またシールドビームランプ内
部と外部とが遮断されているので反射鏡体ａの反
射面が水、ほこり等に侵されず、性能劣化を生じ
ないとされている。

しかしながら、近年自動車の軽量化に伴ない前
照灯に使用するハロゲンシールドビームランプ、
特に反射鏡体ａ等を合成樹脂にて製作することが
要望されているものであるが、前述した従来のガ
ラス製でのハロゲンシールドビームランプの製造
技術では、インナーサポートｅと端子ｇとを固定
するためにハンダｉを使用しているため、反射鏡
体が合成樹脂であると熱により材料に変質をきた
し、所期の性能を維持することができなくなると
いう欠点を有している。また、かかる従来の構成
であると、ハロゲンバルブｄを支持し、かつ点灯
させるためにインナーサポートｅ、ハトメｆ、端
子ｇ等の別々に製造された部品を組立てるため、
組立工数を多く必要とし、また種々の部品の管理
工数なども増加し、ハロゲンシールドビームラン
プが高価なものとなるという欠点も有している。

上記事情に鑑み、本考案は反射鏡体が合成樹脂
からなる場合に、ハンダ付け等を使用せずに、ハ
ロゲンバルブを確実に支持し得、しかも部品点数
が少なく、簡単に組立てられ、安価なハロゲンシ
ールドビームランプを提供せんとするもので、ハ
ロゲンバルブを支持する機能と、自動車の電源に
導通されたコネクターに接続する端子機能とを兼
ねたラグ端子の端子部に係止爪を設け、この係止
爪を合成樹脂製の底部外面に係合させ、ラグ端子
の基部を底部の内面に固定し、端子部を挿通せし
めた底部の透孔をシール剤にて封止してなること
を特徴とするものである。

以下、図面を参照して本考案にかかる実施例を
説明する。本例のいくつかの実施例は、自動車用
前照灯に適用するタイプである場合のシールド
ビームランプである。

第２図及び第３図は本考案のシールドビームラ
ンプの第１の実施例である。合成樹脂製の反射鏡
体１は、内面が略回転放物反射面状に形成してあ
り、後部に底部１２を有し、前面開口にはレンズ
２が封着してある。そして、反射鏡体１内にはハ
ロゲンバルブ３が支持機能と端子機能を兼ねた少
なくとも２以上の金属性のラグ端子４にて支持さ
れており、該各ラグ端子４は底部１２に固定され
ているものである。

詳しく説明すると、反射鏡体１は150℃以上の
耐熱性をもつ合成樹脂、例えばポリブチレンテレ
フタレート（PBT）樹脂を使用して内面を略回
転放物面状に形成し、アルミ蒸着を施して反射面
としてあり、後部に筒状の開口部１１が設けてあ
る。この開口部１１には底部１２が一体に形成し
てある。即ち、反射鏡体１と底部１２とは合成樹
脂にて一体に形成されているものであつて、上記
の底部１２は、図示の如く平面状に形成され、２
つの透孔１３が穿設してあると共に、内面の２個
所に突起１４が突設してある。また、底部１２の
外面（図において下方）には各透孔１３を包囲す
る如く互いに独立した周囲壁１５が一体に突設し
てある。レンズ２はガラスあるいは透明合成樹
脂、例えばポリカーボネート（PC）樹脂からな
り、反射鏡体１の前面開口周縁に形成された環状
の溝部１６内に注入された接着剤５にてレンズ２
の周縁部２１が封着されているものである。

前述した支持機能と端子機能を兼ねた各ラグ端
子４は、第３図に示す如く、基部４１とこの基部
４１から互いに相反して一体に突出する端子部４
２と支持部４３とにより構成され、端子部４２の
側縁には係止爪４４が切り起こされているもので
ある。詳しくは、黄銅材質の平板を折曲せしめて
構成するものであつて、基部４１の一端を略90゜
折曲せしめて端子部４２となすと共に、基部４１
の略中央を端子部４２と反対方向に直角に切り起
して支持部４３となしたものであり、しかも図示
の如く、端子部４２の面と支持部４３の面とが平
行となるように切り起こされたものである。ま
た、基部４１を切り起こして支持部４３を設けた
ことにより基部４１には開孔４５が形成される。
第２図に示す如く、底部１２の各透孔１３内に前
記ラグ端子の端子部４２を挿通し、底部１２の外
面に係止爪４４を係合させて抜け止めを施す。即
ち、各ラグ端子４は、係止爪４４と基部４１とで
底部１２を挟持しているものである。その際、基
部４１は、その略中央に形成された開孔４５を底
部１２の内面の突起１４が貫通することになるの
で、該突起１４を加熱溶融あるいは加熱カシメ付
けして膨出せしめて基部４１を底部１２の内面に
固定する。そして、底部１２の外面に形成した各
周囲壁１５内にシール剤６を充填し、各透孔１３
を封止してある。この操作において合成樹脂製部
材に熱を加えるが、合成樹脂の軟化温度はハンダ
の溶解温度に比して格段に低いので突起１４に与
えた局部的な加熱によつて反射鏡本体に歪みや変
質を生じる虞れは無い。

支持部４３にはバルブ３のピンチシール部から
導出された導出線３１が溶接してあり、しかも、
該導出線３１は、かかる例ではバルブ自体を支持
し得る太さを有しているので、支持部４３が直接
バルブ３を支持するものとなる。

従つて、この実施例における本考案のハロゲン
シールドビームランプは、合成樹脂製の反射鏡体
１及び底部１２であつても、従来の如くハンダを
使用せずに機械的にラグ端子４を固定できるもの
であるから、熱変形及び変質することがなく、所
期の性能を維持することができる。また、ラグ端
子４は、基部４１が固定されていると共に、端子
部４２の係止爪が底部１２に係合しているので固
定強度が増加し、コネクターの着脱によるラグ端
子４のガタつきを生じることがない。しかもラグ
端子４は支持機能と端子機能とを兼ねた単一部品
であるので、底部１２への組立てが簡単であり、
しかも管理工数を低減することができる。

第４図乃至第６図は本考案にかかる第２の実施
例を示したものである。この実施例のラグ端子４
は、第５図に示す如く、黄銅材質の平板を折曲せ
しめて構成するものであつて、基部４１の一端を
略90゜折曲せしめて端子部４２となすと共に、基
部４１の側端を端子部４２と反対方向に直角に切
り起こして支持部４３となしたものであり、しか
も図示の如く、端子部４２の面に対して支持部４
３の面が垂直となるように切り起こされたもので
ある。また、端子部４２には、その一方の側縁を
切り起こして形成した係止爪４４が設けてあると
共に、該係止爪４４を設けた縁の反対側の側縁に
は底部１２の肉厚と同一幅を有する切欠き部４６
が設けてあり、基部４１には開孔４５が穿設して
ある。

このように構成されたラグ端子４は、底部に形
成された透孔１３内に端子部４２を挿通し、矢印
方向にスライドせしめる。即ち、スライドせしめ
られた端子部４２は、第６図に示す如く、底部１
２が切欠き部４６内に位置して挟持されると共
に、係止爪４４が底部１２の外面に係合し、係止
爪４４と基部４１とで底部１２を挟持することに
なる。そして、スライド後の基部４１の開孔４５
と対応する位置に形成された貫通孔１７（第５
図）及び開孔４５にリベツト７を挿通し、リベツ
トかしめを行ない基部４１を底部１２の内面に固
定する。その後、第５図に示す如く、底部１２の
外面に形成された唯一の外囲壁１５内にシール剤
６を充填（第４図）し、各透孔１３及び貫通孔１
７を封止しているものである。

このように構成した結果、ラグ端子４の支持部
４３は導出線３１との溶接範囲が大きいので、よ
り確実かつ強固に溶接固定することができる。ま
た、ラグ端子４にはさらに切欠き部４６が設けて
あるので、より強固に底部１２に固定できるもの
である。

尚、上記の各実施例でのハロゲンシールドビー
ムランプは、２つのラグ端子４を用いて説明した
が、２本のフイラメントを内蔵したバルブ３を使
用する場合には、３つのラグ端子を用いた、いわ
ゆるタイプのハロゲンシールドビームランプに
変形することも可能であり、また、バルブ３を間
接的にラグ端子４の支持部４３に支持せしめても
良いなど、本考案のハロゲンシールドビームラン
プは、これらを全て包含するものである。

上記実施例から明らかなように、本考案のハロ
ゲンシールドビームランプは、合成樹脂製の底部
を有しかつ内面が略回転放物反射面状に形成され
た合成樹脂製の反射鏡体と、この反射鏡体の前面
開口に封着されるレンズと、ハロゲンバルブと、
該バルブを支持する少なくとも２個の金属製のラ
グ端子とを備え、前記各ラグ端子は基部と該基部
から互いに相反して一体に突出する支持部と端子
部とから成ると共に、該端子部に係止爪を設け、
前記底部に穿設した透孔に前記各端子部を挿通し
て底部外面に係止爪を係合せしめ、かつ前記各基
部を底部内面に固定し、さらに各透孔をシール剤
にて封止してなることを特徴とするものであるか
ら、ハンダなどを使用せずに、ラグ端子を機械的
に固定することができるので、熱変形及び変質を
生じることがなく、所期の性能を維持することが
できる。また、ラグ端子は単一部品であるので底
部への組立ても簡単であり、しかも部品管理工数
を低減することができ、さらに、バルブを確実に
支持し得るなど、安価で品質に優れた有利なハロ
ゲンシールドビームランプを提供できるという特
有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部断面図、第２図及び
第３図は本考案のハロゲンシールドビームランプ
の第１の実施例を示し、第２図は断面図、第３図
はラグ端子を示し、イは平面図、ロは正面図、ハ
は側面図である。第４図乃至第６図は本考案の第
２の実施例を示し、第４図は要部断面図、第５図
は要部分解斜視図、第６図はラグ端子の組立状態
を示す断面図である。 １……反射鏡体、１２……底部、１３……透
孔、２……レンズ、３……ハロゲンバルブ、４…
…ラグ端子、４１……基部、４２……端子部、４
３……支持部、４４……係止爪、６……シール
剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の底部を有しかつ内面が略回転放物
   反射面状に形成された合成樹脂製の反射鏡体と、
   該反射鏡体の前面開口に封着されるレンズと、ハ
   ロゲンバルブと、該バルブを支持する少なくとも
   ２個の金属製のラグ端子とを備え、前記各ラグ端
   子は基部と該基部から互いに相反して一体に突出
   する支持部と端子部とから成ると共に、該端子部
   に抜け止め用の係止爪を設け、前記底部に穿設し
   たラグ端子取付用の透孔に前記各端子部を挿通し
   て底部外面に係止爪を係合せしめ、かつ前記各ラ
   グ端子の基部をそれぞれ反射鏡体の底部内面に固
   定し、さらに前記ラグ端子取付用の各透孔をシー
   ル剤にて封止してなることを特徴とするハロゲン
   シールドビームランプ。