JPS6210892B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋼板の表面処理ラインにおいて該鋼板
に付着した表面処理液の脱液と該鋼板の蛇行の修
正とを共に絞りロールによつて処理するようにし
た鋼板の表面処理方法に関する。

従来、絞りロールを配設した鋼板の表面処理ラ
インは種々知られている。例えばカラー塗装鋼板
製造用の塗装ラインがそれである。即ち、このラ
インでは材料鋼板を一定距離離間した１対のコイ
ル間に巻移すようにしながら、つまりアンコイラ
からリコイラに走行させながら、その走行途中で
塗料吹付け、焼付け及び水冷却等の加工を順次施
し、しかる後ゴムロール等の上下１対の脱水用絞
りロールで鋼板を加圧して冷却水を絞りとるよう
にしている。

ところが、このような鋼板の走行ラインでは走
行基台の水平レベルや鋼板厚みのアンバランスそ
の他の原因によつて走行時に、該鋼板が蛇行し、
ことに絞りロールを用いた場合、鋼板の巾方向に
おける左右両端に対する加圧力のアンバランス等
も原因となつて走行する鋼板に蛇行が生じてい
た。そして、これがためその後の加工工程に支障
をきたし、例えばリコイラに巻移した鋼板の耳揃
い、つまり両端縁の揃いが悪くなり、エツジの品
質特性が不均一となつて製品価値を低下する等の
問題が生じていた。又、前記問題を解消するため
に、絞りロールの下流側に新たに蛇行修正装置を
設けることが考えられるが、このようにすると設
備費、管理費が増加すると共に、ラインの設置ス
ペースが大きくなるという欠点を有している。

本発明はそのような問題を解決した鋼板の表面
処理方法を提供するものである。

本発明は、上記問題を解決するために、処理液
を使用して鋼板の表面処理をする工程を備えた連
続走行ラインにおいて、前記表面処理工程から出
て走行する鋼板の両側面を、ロール表面をゴム等
の軟質材で形成した上下一対の絞りロールでその
絞りロールの両端部を個別に加圧することにより
鋼板全巾にわたつて加圧して、鋼板表面に付着し
た前記処理液を常時脱液するようにとするととも
に、前記絞りロールの上流側又は下流側の近傍に
設けた蛇行量検出手段で前記鋼板の蛇行量を検出
し、この検出値に応じて前記絞りロールの両端部
の加圧度合を個別に調整して前記鋼板の蛇行も修
正するようにしたものである。

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

なお、実施例はカラー塗装鋼板製造用の塗装ラ
インに本発明の方法を適用したものである。

まず、本発明の方法を実施するための装置を第
１図および第２図で説明すると、１はアンコイ
ラ、２はアンコイラ１から順次繰出す亜鉛メツキ
鋼板、３はアンコイラ１から所定距離離間した位
置で鋼板２の繰出し端部を巻移すようにしたリコ
イラである。鋼板２の走行途中にはピンチロール
４、ベルトコンベア５、デイスクロール６及び回
転ロール６′等の送り機構を適宜配置で設けてい
る。また、ベルトコンベア５の上流側に塗装装
置、例えば塗料吹付け装置、或いは塗着用コータ
ーロール等７を設けると共に、その下流側に塗料
の焼付乾燥装置８、冷却水噴射ノズルを有する水
冷却装置９を順次設けて、鋼板２の表面処理工程
を構成している。そして、この表面処理工程の下
流側に、その表面処理工程から出て走行する鋼板
２の両側面をその鋼板２全巾にわたつて加圧する
上下一対の絞りロール１０，１０を配設してい
る。これら絞りロール１０，１０のロール表面は
ゴム等の軟質材で形成し、そのロール表面が鋼板
２の両側面に押圧転接されることによつて鋼板２
の表面に付着する処理液（この実施例では冷却
水）を鋼板全巾にわたつて常時脱液するのであ
る。そして、上部絞りロール１０の両端部を夫々
加圧シリンダ１１，１１の駆動ロツド１２，１２
に連結することによつて鋼板２への加圧力を両端
縁で個別に調整できるように印加している。ま
た、絞りロール１０の上流側又は下流側（図面で
は下流側）の近傍に鋼板２の蛇行量を検出するた
めの蛇行検出装置１３を設けている。この蛇行検
出装置１３は、例えば光量感度計からなるもの
で、上下方向に沿わせて投光部１３ａ及び受光部
１３ｂを鋼板２の両端位置に１対づつ配設してい
る。そして、この蛇行検出装置１３を所定の加圧
力調整装置１４の圧力変換器１５に連結すると共
に、そこから前記加圧シリンダ１１に連結し、光
量感度に応じて加圧シリンダ１１に所定の力を加
える、即ち、絞りロール１０の両端部の鋼板２に
対する加圧力を絞りロール１０が鋼板２に常時加
圧されて密着した状態で調整するようにしてい
る。

しかして、鋼板２の走行制御方法は次のように
して行う。即ち、第３図に示すように蛇行検出装
置１３では発光部１３ａから受光部１３ｂに常時
所定量の光量が感受されている。そこで走行中の
鋼板２が例えば一側方（Ｘ方向）に蛇行すると、
一側方の受光部１３b₁での受光量が減少し、これ
に比して他側方の受光部１３b₂での受光量が増大
すると、その受光部１３b₂側の加圧シリンダ１１
の加圧力が増大し、また他側方（Ｙ方向）に蛇行
すると上記とは逆の動作をする。このように各受
光量に応じた電気信号で圧力調整装置１４が駆動
され、各加圧シリンダ１１が個別になる作動をし
て第４図に仮想線で示すように、上部絞りロール
１０の両端部による加圧力が鋼板２の両側縁に
種々に作用して、その加圧力の差によつて蛇行し
た鋼板２がその蛇行量を修正する方向つまり加圧
力の大きい側へ移動するようになるものである。

このような本発明方法によると、一般に加圧力
に差を生じて蛇行の原因となり易い絞りロールに
あつて、該絞りロールを、その両端部から個別に
加圧調整でき、このため、鋼板の脱液ができると
共に、鋼板表面の脱液を損なわない範囲で、すな
わち鋼板表面全巾の脱液を保持した状態で、絞り
ロールの両端部の加圧度合に差をつけて、鋼板の
蛇行修正も達成できるものである。しかも、修正
動作が機敏である。そして、絞りロールの上流側
又は下流側の近傍に設けた蛇行検出手段で蛇行量
を検出してすぐに修正するので対応も早く、また
確実である。しかも、絞りロールが蛇行修正機能
を有しているので、改めて蛇行修正用としての加
圧ロールを含む大掛りな装置構成が必要なく、設
置スペースの確保及び構成のコンパクト化が図
れ、既存のラインにも容易に適用できる。さら
に、絞りロール表面が軟質材で形成されているの
で、蛇行修正時、鋼板を押圧することによつて鋼
板表面が傷つけられることがない。

なお、前記実施例ではカラー塗装鋼板製造用の
塗装ラインに本発明を適用したものについて設明
したが、本発明にこれに限らず、鋼板の各種表面
処理工程を備えた連続走行ラインにおいて、鋼板
の表面に付着する処理液を脱液する絞りロールを
有するものに広く適用できることは勿論である。

また、前記実施例では蛇行検出手段として光量
感度計からなるものを用いたが、静電気或いは磁
気等を利用したものでもよい。

さらに、前記実施例では蛇行検出を鋼板の両端
縁で行うようにしたが、これは高信頼性を得るた
めであつて、要すれば一端縁のみで行うようにし
てもよい。

なお、前記実施例では述べなかつたが、常時鋼
板に所定の加圧力（つまり鋼板表面に付着した処
理液を鋼板全巾にわたつて脱液できるような加圧
力）を作用させる絞りロールを鋼板の厚さに対応
して自動的に所定の加圧度合を変化し得るように
する制御機構を設ける等の応用例が可能なことは
勿論である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
概略工程図、第２図は要部斜視図、第３図及び第
４図は作用説明図である。 ２……鋼板、１０……絞りロール、１３（１３
ａ，１３ｂ）……蛇行量検出手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 処理液を使用して鋼板の表面処理をする工程
   を備えた連続走行ラインにおいて、前記表面処理
   工程から出て走行する鋼板の両側面を、ロール表
   面をゴム等の軟質材で形成した上下一対の絞りロ
   ールでその絞りロールの両端部を個別に加圧する
   ことにより鋼板全巾にわたつて加圧して、鋼板表
   面に付着した前記処理液を常時脱液するようにす
   るとともに、前記絞りロールの上流側又は下流側
   の近傍に設けた蛇行量検出手段で前記鋼板の蛇行
   量を検出し、この検出値に応じて前記絞りロール
   の両端部の加圧度合を個別に調整して前記鋼板の
   蛇行も修正するようにしていることを特徴とする
   鋼板の表面処理方法。