JPS6210509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、二輪車の車輪に付設されている油圧
緩衝器のシリンダ外周に張架されているコイルば
ねのばね荷重を容易に調整することのできる油圧
緩衝器のばね荷重調整装置に関する。

二輪車の車輪を支持するクツシヨンに用いられ
る油圧緩衝器は、道路状況あるいは運転者の好み
に応じて緩衝器の減衰力及びばね荷重を調整し得
ることが好ましい。しかして、緩衝器の外周に張
架されたコイルばね荷重を調整する手段としては
幾多の提案がなされているが、それらの多くは、
シリンダ外周に嵌装されたばね受の位置をカム手
段を介して複数段に調整するようにされている。
しかし、二輪車の後部車輪に使用されるリヤーク
ツシヨンにおいては、設置位置の関係から調整が
面倒で多くの労力を要するなどの問題があり、し
かも近年、二輪車のリヤークツシヨンが座席下側
に位置して後輪を懸架するいわゆる１本ダンパー
が開発され、従来の調整装置では調整がほとんど
不可能となつているといつた問題がある。

本考案者は、容易にばね荷重を調整し得る装置
を得べく種々工夫を重ねた結果、互いに対称な傾
斜面をもつたアジヤスタと、これに嵌合する面を
もつたばね受を設け、歯車を利用した駆動力伝達
手段により遠隔的に操作することによつて問題を
解決し得ることを認めて本考案をなしたものであ
る。

次に、本考案の一実施例を添付の図面に基づい
て説明する。第１図は、本考案装置の一実施例を
一部断面で示す要部側面図、第２図は、本考案装
置を歯車部側よりみた要部側面図、第３図は、本
考案装置に使用するアジヤスタの一実施例を示す
斜視図、第４図は、同じくばね受の一実施例を示
す斜視図である。

１は、油圧緩衝器のシリンダ、２は、リング状
のストツパ部材であつて、シリンダ１の外周に嵌
装され溶接などで固着されている。４は、アジヤ
スタであつて、上面に互いに対称な傾斜面５が削
切され、第１アジヤスタ６と第２アジヤスタ７と
に軸方向に二等分されシリンダ１の外周に嵌装さ
れガイド板３に当接して摺動する。８は、ばね受
であつて、アジヤスタ４の傾斜面５に嵌合する傾
斜面胴部９を有しシリンダ１の外周に軸方向に摺
動自在に嵌装されシリンダ１の外周に張架されて
いるコイルばね１０の一端を係止している。１１
は、調整ボルトであつて、つば１２で第２アジヤ
スタ７に当接し第２アジヤスタ７の貫通孔１３を
貫通し第１アジヤスタ６にたとえば逆ネジで螺合
し、つば１２に接して第１の平歯車１４が固設さ
れ先端部はスペーサ１５を介して第２アジヤスタ
７にたとえば螺着され固着されている歯車取付板
１６に取付けられている。しかして、同様に構成
した調整ボルト１１を一対にして装着するもので
あつて、一対の第１の平歯車１４，１４に噛み合
う第２の小歯車１７が一対の第１の平歯車１４，
１４の中間に歯車取付板１６に取付けられ、第２
の小歯車１７に、たとえば、牽引索機構あるいは
ハンドル機構によるような適宜な駆動力伝達手段
１８（図示せず）が取付けられている。

本考案装置はこのように構成されているので、
駆動力伝達手段１８の牽引索を作動させ、たとえ
ば、第２の小歯車１７を右回転すると第１の平歯
車１４，１４は左回転し、第１図において調整ボ
ルト１１は左方向へ動く、これにつれて第２アジ
ヤスタ７は歯車取付板１６に固着されているので
第２アジヤスタ７も左方向へ摺動し第１アジヤス
タ６と離間する。すると、アジヤスタ４に嵌合し
ているばね受８は、くさび作用及びコイルばね１
０の反発力によつてアジヤスタの傾斜面５に沿つ
て摺動降下し、第１アジヤスタ６と第２アジヤス
タ７に均等に嵌合するようになる。この結果、コ
イルばね１０の張架間隔が広げられるのでばね荷
重を弱める効果をもたらすことになる。逆に第２
の小歯車１７を左方向に回転すれば上述とは反対
にばね荷重を強めるように作用させることができ
る。

本考案は、互いに対称な傾斜面を有するアジヤ
スタを軸方向に二等分し、これに嵌合する傾斜面
胴部をもつたばね受を設け、アジヤスタを駆動力
伝達手段によつて操作し得るようにしたので緩衝
器の設置位置に関係なく小さな力で任意のばね荷
重に容易に調整することができるものであつて大
きな効果が認められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の一実施例を一部断面で
示す側面図、第２図は、本考案装置を歯車部側か
らみた一実施例を示す側面図、第３図は、本考案
装置のアジヤスタの一実施例を示す斜視図であ
り、第４図は、本考案装置のばね受の一実施例を
示す斜視図である。 １……シリンダ、２……ストツパ部材、３……
ガイド板、４……アジヤスタ、５……傾斜面、６
……第１アジヤスタ、７……第２アジヤスタ、８
……ばね受、９……傾斜面胴部、１０……コイル
ばね、１１……調整ボルト、１２……つば、１３
……貫通孔、１４……第１の平歯車、１５……ス
ペーサ、１６……歯車取付板、１７……第２の小
歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダの外周にコイルばねを張架し該コイル
   バネの一端を係止するばね受をシリンダ外周に配
   設してなる油圧緩衝器において、シリンダ１、シ
   リンダ１の外周に固着されたストツパ部材２、ス
   トツパ部材２に当接しシリンダ１の外周に嵌装さ
   れたガイド板３、互いに対称な傾斜面５を削切し
   第１アジヤスタ６と第２アジヤスタ７とに軸方向
   に二等分されガイド板３に当接してシリンダ１の
   外周に嵌装されたアジヤスタ４、アジヤスタ４の
   傾斜面５に嵌合する傾斜面胴部９を有しアジヤス
   タ４に嵌合してシリンダ１の外周に軸方向に摺動
   自在に嵌装されシリンダ１の外周に張架されたコ
   イルばね１０の一端を係止するばね受８、第１ア
   ジヤスタ６と螺合し第２アジヤスタ７の貫通孔１
   ３を貫通し第１の平歯車１４を固着しスペーサ１
   ５を介して第２アジヤスタ７に固着されている歯
   車取付板１６に取付けられた一対の調整ボルト１
   １，１１、一対の第１の平歯車１４，１４とそれ
   ぞれ噛み合つて一対の第１の平歯車１４，１４の
   中間に設けられた第２の小歯車１７、第２の小歯
   車１７を駆動するために第２の小歯車に取付けら
   れた駆動力伝達手段１８とよりなる油圧緩衝器の
   ばね荷重調整装置。