JPS6210460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願はパージコントロールバルブを有するカー
ボンキヤニスタの改良に関する。

従来のカーボンキヤニスタは、第１図によう
に、カーボン１を内蔵するケーシング２上方にパ
ージコントロールバルブ３を設けたものである。
パージコントロールバルブ３は、バルブ室内をダ
イアフラム４によつて上下室５，６に区画し、機
関の負圧源に連絡する上室５の圧力変動に応じて
バルブ７を開弁させるようになつている。また、
下室６は、ケーシング２内とオリフイス８を介し
て連通している。これと同様なものが、たとえば
実開昭54−182727号公報に示されている。

このように、パージ流量を一定にするため、バ
ルブ室の上流側にオリフイス８を設けた構造のも
のにあつては、一旦、バルブ室の下室６内に負圧
が生じた後閉弁すると、下室６内は密閉状態に近
くなり、空気の流入による負圧補償が遅れ、直ち
に大気圧に戻らないという状態が生じる。そうす
ると、パージコントロールバルブ３の開閉弁圧
は、大気圧を基準にして所定の値に設定されるの
で、吸気管の負圧に応じた正確なバルブ動作が得
られないという欠点が生じることになる。

本願は上記に鑑み、安定に作動するパージコン
トロールバルブを備えたカーボンキヤニスタを提
供するものである。

実施例により説明すると、第２図は本考案のカ
ーボンキヤニスタ１０であつて、キヤニスタ本体
１１およびパージコントロールバルブ１２から成
る。キヤニスタ本体１１は、一方に開放端３３
を、他方の閉塞端の中央部に環状壁１３を有する
筒状のもので、内部にカーボン１４が内蔵され
る。カーボン１４は、上下多孔板１５，１６によ
り保持される。閉塞端と上多孔板１５との間に
は、室１７が形成され、該室はパージコントロー
ルバルブ１２に連通する。また、環状壁１３内方
に形成される室１８は、連通パイプ１９を介して
燃料溜（図示せず）に連通する。

パージコントロールバルブ１２は、連通パイプ
２０を有するカバ２１とボデイ２２とで形成され
るバルブ室をダイアフラム２３によつて負圧室２
４とパージ室２５とに区画し、ダイアフラム２３
と、内部に流路２６を設けた中央筒壁２７との間
でバルブを形成させて成る。中央筒壁２７内の流
路２６は、前記室１７に連通しており、流路２６
の中間部には、連通パイプ２８が接続される。ま
た、中央筒壁２７内の流路２６の両端部付近に
は、第１、第２オリフイス２９，３０が設けられ
る。負圧室２４内には、スプリング３１が配設さ
れダイアフラム２３を中央筒壁２７上面に向け押
圧する。パージ室２５は、開口３２によつてキヤ
ニスタ本体１１の室１７に連通する。パージコン
トロールバルブ１２の連通パイプ２０は、吸気管
のスロツトルバルブ閉止位置直上部（図示せず）
に連絡され、連通パイプ２８は、吸気管のさらに
下流部（図示せず）に連絡される。

燃料溜からの蒸発燃料は、連通パイプ１９から
キヤニスタ本体１１内に流入しカーボン１４によ
り保持される。機関作動中において、吸気管の負
圧がパージコントロールバルブ１２の開弁設定値
以下の場合、バルブは閉止状態となるが、吸気管
とキヤニスタ本体１１内とは連通パイプ２８、中
央筒壁２７内の流路２６を経て連通する。この結
果、キヤニスタ本体１１内は負圧となり、キヤニ
スタの開放端３３から空気が導入され保持されて
いた蒸発燃料を脱離させて吸気管内にパージさせ
る。この際のパージ量は、第２オリフイス３０に
よつて少量に制限される。吸気管内の負圧が上昇
すると、これに連通する負圧室２４の負圧値も上
昇し、ダイアフラム２３をスプリング３１の弾力
に抗し移動させ、バルブを開弁させる。これによ
り、カーボン１４に保持された蒸発燃料は、開口
３２を経てパージ室２５内に至り、中央筒壁２７
内流路２６の第１オリフイス２９を通つて連通パ
イプ２８から吸気管内にパージされる。この場
合、蒸発燃料は、中央筒壁２７内の流路２６の第
１、第２オリフイス２９，３０の双方からパージ
されることになる。さらに吸気管内の負圧が減少
（大気圧に接近する）すると、バルブは閉止し、
パージ室２５内の負圧は、キヤニスタの開放端３
３からの空気により、解消に向う。したがつて、
バルブ閉止中は、パージ室２５内は、たえずほぼ
大気圧となる。

以上のように、本考案のカーボンキヤニスタ
は、パージ室とキヤニスタ内部とを径の小さいオ
リフイスでなくこれより径が大なる開口により連
通させ、オリフイスをパージ流路のバルブ閉止位
置より下流側に設けたものであるから、バルブ閉
止中、パージ室内は、ほぼ大気圧に維持され、閉
弁中もパージ室の負圧は些少に保たれるので所定
の負圧設定値で安定にバルブを開弁作動させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のパージコントロールバルブを
有するカーボンキヤニスタの断面図、第２図は、
本考案のカーボンキヤニスタ断面図を示す。 １０……カーボンキヤニスタ、１１……キヤニ
スタ本体、１２……パージコントロールバルブ、
２４……負圧室、２５……パージ室、２６……流
路、２７……中央筒壁、２９……オリフイス、３
２……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方に開放端を有し内部にカーボンを保持させ
   たキヤニスタ本体に、負圧源に連絡する連通パイ
   プを有するカバとボデイとで形成されるバルブ室
   をダイヤフラムで負圧室とパージ室とに区画しパ
   ージ室内に内部に流路を備えた中央筒壁を設け、
   該中央筒壁とスプリングにより押圧された前記ダ
   イアフラムとの間でバルブを形成し中央筒壁の流
   路の両端部付近に第１、第２オリフイスを設ける
   とともにこれらのオリフイスの間に負圧源に連絡
   する連通パイプを設けたパージコントロールバル
   ブを配設し、該バルブのパージ室と前記キヤニス
   タ本体内とを上記オリフイスより大径の開口によ
   り連通させたカーボンキヤニスタ。