JPS621034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車の車体前部上部を覆う如く
設けられるフエアリング装置の改良に関するもの
である。

自動二輪車の車体前部に風防、整流の目的でフ
エアリングが付設される。フエアリングの前端に
前照灯を、ハンドル前方にスピードメータ、回転
計、その他の計器や表示部を設け、これら計器ユ
ニツトをフエアリングの一部で周囲を覆つた場
合、これら計器や前照灯等のメンテナンスを行う
にはフエアリングを取り外したにする必要があ
り、メンテナンス作業がしにくい。。又組立後の
微調整等を行う上で作業がしにくい。

本考案はフエアリングを付設した場合における
以上の如き不都合を改善すべくなされたもので、
その目的とする処は、フエアリング前部上に開閉
自在なる如く蓋体を設け、蓋体でヘツドライト上
部及びメータユニツト等の裏側を覆い、蓋体を開
いてヘツドライト、メータユニツト等のメンテナ
ンスを行うとともに、蓋体とフエアリングの合せ
面にこれらと一体的なる如くウインカーユニツト
を設け、合せ面の長さを可及的に短かくなるよう
にして合せ面等の成形を容易化し、製作容易に、
機能性に優れ、外観性極めて良好なるフエアリン
グ装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車１の概略側面図を、第２図
は同正面図を示し、フレーム２の前端部のヘツド
チユーブ３に上下に配設したブリツジ４，４を介
して前輪６を支持するフロントフオーク５を操向
自在に枢着し、トツプブリツジ上にはハンドル７
が、又第１図で表わしたようにこれの後方に燃料
タンク８を、これの下にエンジン９を、又燃料タ
ンク８の後方にはシート１０を、更にシート１０
の両側下部から後方にリヤカウル１１を各付設す
る。エンジン９後方のフレーム下部から後方に後
輪１３を支持するリヤフオーク１２を揺動自在に
延設し、リヤフオーク１２とフレーム間には図で
は表れないがリヤクツシヨンユニツトが介設され
ている。そして前輪６上部及び後上部を覆う如く
フロントフエンダ１４が設けられ、フエンダ１４
はフロントフオークのボトムケース５ａ上部に取
付支持され、フエンダ１４の少くとも一側には前
輪のブレーキ装置６ａへの制動油圧を供給する配
管６ｂの位置を決めるカバー部１４ａが一体に設
けられ、カバー部１４ａの前端上下でボトムケー
スにフエンダは取付支持され、配管６ｂは前面を
ボトムケース後面で、外側面及び後面をカバー部
で位置決される。

自動二輪車１のフロントフオーク前方上部から
燃料タンク８の中間部両側、更にはエンジン９の
前部両側を覆う如くフエアリング１５が付設さ
れ、フエアリング１５は合成樹脂等の板状体で形
成されている。フエアリング１５は実施例ではフ
エアリングボデイ即ち本体１６、本体１６の前部
上部を即ちアツパ部材を構成する蓋体２６、前部
上方に傾斜立設されたウインドスクリーン２５か
らなる。

フエアリング本体１６はハンドル７の前方でフ
ロントフオーク５上部前方に延出された前部１６
ａ、燃料タンク８の中間部両側に延出された中間
部１６ｂ、前部の後部及び中間部からエンジン前
部両側に垂下された部分１６ｃを備え、整流を企
図すべく外形は流線形をなす。これら本体１６の
各部はフレーム前部に装架したフエアリングステ
ー１７で内側を取付支持され、本体１６の前部１
６ａは上方に開放され本体１６の前端にヘツドラ
イト１８を設け、実施例ではフエアリングが本体
と蓋体とで上下に分けて形成されているため、前
部１６ａの正面前端に設けた凹部１６ｄにヘツド
ライト１８の下及び両側を臨ませる如く配設し、
ヘツドライト１８は前部下部を第５図に示される
如く凹部１６ｄの下縁１６ｅに、又上部を本体の
ステー１６ｆに各ボルト１８ｃ等で結着され、ヘ
ツドライト１８は前部１８ａが本体前面に露出
し、後部１８ｂは本体１６ａの空間Ｓ内に収納さ
れる。ハンドル７の前方には速度計、回転計等の
メータユニツト１９及び各種の運転状況等の表示
部２０、更にはターンシグナル２１等が第６図に
示される如く設けられ、これらはハンドル前面と
フエアリング前部の既述の空間Ｓとを区画するメ
ータパネル２２の正面からハンドル後方に、即ち
運転者前方にこれと向い合うように各表示面が表
れ、裏側は空間Ｓ内に突出し、メータパネル２２
上部はメータバイザ２３で、又下部はインナパネ
ル２４で覆われている。

フエアリングステー１７の上後方への彎曲起立
部１７ａ上部前方に取付部１７ｂを設け、この部
分に本体前部上方に傾斜立設せる平面Ｕ型のウイ
ンドスクリーン２５の下部をボルト２５ａ等で取
付支持せしめるとともに、ウインドスクリーン２
５下部と本体１６の前部上部との間には蓋体２６
を配設し、空間Ｓを上前方から覆う。蓋体２６は
下端縁２６ａでヘツドライト１８の前部１８ａ上
部を覆い、従つてヘツドライト１８はフエアリン
グ前端に設けた前後方向の窓部に収納され、下端
でヒンジ２７により揺動自在に上記ステー１６ｆ
に枢着され、ヒンジ２７を支点として前後方向に
揺動自在とし、空間Ｓを開閉する。蓋体２６は上
端部２６ｂがこれを閉じた状態で既述のウインド
スクリーン２５下端部の取付ボルト２５ａ前面を
覆う如く形成され、閉じた状態でスクリーン２５
下端部前面周を覆つてボルト２５ａを隠し、外観
性を向上させる。

蓋体２６は正断面略逆Ｕ字型をなし、両側部２
６ｃの上端部に取付孔２６ｄを設け、第３図、第
４図に示される如く両側部上端の取付孔２６ｄを
介して例えばメータバイザ２３両側端部２３ａの
インサートナツト２３ｂにボルト２８を介して結
着され、実施例ではウインドスクリーン２５の後
端下部２５ｂをこの間に挾入し、三者を結着する
如くし、ボルト２８を外して蓋体２６上部を自由
とし、蓋体２６を前端をヒンジとして前倒しし、
空間Ｓを開いてヘツドライト、メータユニツト等
のメンテナンスを行う。

本体１６の前部両側上端縁の合せ面１６ｇと蓋
体２６前下部両側の合せ面２６ｅとの後部にはこ
れらと一体の感を呈する如くフロントウインカー
ユニツト２９，２９を設け、該ウインカーユニツ
ト２９は前記ヘツドライト１８の後方で且つハン
ドル７のグリツプの前方に位置し、又該ウインカ
ーユニツト２９は第１図、第２図及び第３図に示
される如く略三角錐型をなし、ウインカーユニツ
ト２９は下半部が合せ面１６ｇ後部にかかり、又
上半部が合せ面２６ｅにかかり、従つて蓋体２６
の前部の直線的な合せ面２６ｅに対し後部の合せ
面２６ｆはウインカーユニツト上半部の形状に沿
う如く斜め上後方にカツトされている。従つて本
体１６と蓋体２６の直線的な合せ面１６ｇ，２６
ｅは前後方向長さが短かく、成形が容易となる。

以上で明らかな如く本考案によれば、蓋体をフ
エアリングの一部として外観性向上を図り、これ
を開くことによりヘツドライトのバルブ交換やメ
ータユニツト、表示部のメンテナンスを行え、メ
ンテナンス性の点で好ましい。特に本考案はフエ
アリングの上部をなす蓋体とフエアリング下部と
の間の両側に一体の感を呈する如くウインカーユ
ニツトを設け、これの前方に夫々の合せ面を設
け、これが短かいため合せ面の処理がし易く、成
形が容易となり、更にはこれにより蓋体で開けら
れる開口面積も最大に採れ、メンテナンス作業が
し易い等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は正面図、第３図
はフエアリング前部の斜視図、第４図は蓋体結着
部の縦断面図、第５図はフエアリング前部の縦断
面図、第６図はフエアリング内側の図である。 尚図面中１は自動二輪車、１５はフエリング、
１６は本体、１８はヘツドライト、１９はメータ
ユニツト、２６は蓋体、２７はヒンジ、２９はウ
インカーユニツト、１６ｇ，２６ｅは合せ面であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハンドルバー前方にヘツドライトを配設した自
   動二輪車のフレームに取付けられて、該自動二輪
   車の前部を覆うとともに、ヘツドライトを内部に
   配設する開口部を前端部に有し、左右の縁部にウ
   インカーユニツトを設けた自動二輪車のフエアリ
   ング装置に於て、 前記フエアリング装置は該フエアリング装置の
   下部を構成するフエアリングボデイと、このフエ
   アリングボデイに組合わされ、該フエアリングボ
   デイの上方に配設されるアツパ部材と、該アツパ
   部材後方に設けられるウインドスクリーンとから
   なり、 前記アツパ部材の前端を前記フエアリングボデ
   イにヒンジを介して取付けて該アツパ部材をフエ
   アリングボデイの開閉自在な蓋体として構成し、 前記フエアリングボデイ前端と前記アツパ部材
   前端との間に前記開口部を形成し、 前記フエアリングボデイと前記アツパ部材の合
   せ部を前記開口部から後方へ延出させ、 前記ウインカユニツトをフエアリング装置の外
   形とほぼ連続する流線形に形成し、 該ウインカユニツトを前記合せ部の後部で、前
   記ヘツドライトの後方且つハンドルバーのグリツ
   プの前方に位置させてフエアリング装置に取付け
   たことを特徴とする自動二輪車のフエアリング装
   置。