JPS6210223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動二輪車、自動三輪車等の鞍乗り
型車輌に適用される座席錠止装置に関するもので
ある。

従来技術およびその問題点 鞍乗り型車輌における着脱自在式、あるいは開
閉自在式の座席では、駐車の間の座席自体の盗
難、または座席下に設けた小物入れ箱中の物品の
盗難等を防止するべく、座席錠止装置を設けるこ
とが多い。

ところで、従来の座席錠止装置では、座席を規
定位置に載置したにもかかわらず、錠止体勢にあ
る錠止装置による施錠が行われず、そのまま乗員
が乗車時等に着座した際、座席錠止装置に過大な
力が加わることがあり得るという問題に対処すべ
く、座席錠止装置における車体側への取付部の肉
厚を厚くする等の工夫がなされ、その肉厚分だけ
重量増となつていた。

問題点を解決するための手段 本考案は、斯かる事情を考慮して、座席錠止装
置を改良したものであり、その目的とする処は、
座席を規定位置に載置して、座席に対して所定の
下向き荷重を加えるだけで、簡単に施錠が行わ
れ、しかも座席錠止装置の誤操作があつたとして
も、該装置の構成部材に無理な力が加わらず、車
体側に対する錠止装置の取付け部の剛性を確保す
るために、肉厚等を必要以上に大きくしなくても
よく、構造簡単で、軽量化され、製作費が安く、
しかも取付け部分の耐久性も良好な座席錠止装置
を提供する点にある。

実施例 以下、第１図ないし第４図に示した実施例につ
いて説明する。

自動二輪車の車体フレーム１には、燃料タンク
６を固定するための保持片４、座席用緩衝ゴム
３、およびリヤカウル５が付設され、さらに燃料
タンク６の後方に位置して、座席１０が載置され
ている（第１図参照）。

座席１０は、その底板１１の前部に突設された
突片１２が保持片４に係合され、同じく底板１１
の底面に付設された緩衝ゴム２と前記座席用緩衝
ゴム３を介して車体フレーム１上に載置されると
ともに、座席錠止装置１４によつて施錠されてい
る。

この座席錠止装置１４は、リヤカウル５に固設
された鍵回転操作式錠止具１５と、軸１７および
ストツパー片１６ａを有するとともに鍵操作で揺
動される第一腕片１６と、軸１７に揺動自在に支
持された係止第二腕片１９と、軸１７に嵌装され
るとともに、その両端が各々第一腕片１６、第二
腕片１９に係止され、第二腕片１９を付勢してス
トツパー片１６ａに押し付ける捩りコイルスプリ
ング１８とで構成されている（第２図参照）。

第二腕片１９には所定位置に凹状係止部２０が
切欠き形成され、該凹状係止部２０より先端側に
は後記係止突片１３を誘導する傾斜側面２１が形
成されている。

また、第二腕片１９は、凹状係止部２０におい
て、座席１０の底板１１に突設された係合片たる
係止突片１３に係合して、座席１０が錠止状態に
なされている（以上、第２図、第３図参照）。

本実施例は前記のように構成されており、次に
座席１０の脱着方法について説明する。

まず、錠止具１５の鍵孔１５ａに対して鍵を差
し込んで鍵操作を行い、第一腕片１６を時計回り
方向に回転させると、第二腕片１９も一体的に揺
動され、凹状係止部２０と係止突片１３との係合
が解除される。

この状態で座席１０を自由に上方へ持ち上げる
ことができ、小物入れ空間９に対して、物品の出
し入れを行うことが可能である。

また、開放された座席１０を閉成して車体フレ
ーム１上に載置し錠止する場合には、保持片４に
突片１２を係合させ、座席１０の後部を車体フレ
ーム１上に載置し、鍵操作によつて第二腕片１９
を施錠位置に復帰させれば、凹状係止部２０と座
席１０の係止突片１３とが係合し、座席１０は錠
止される。この状態では、座席１０を車体フレー
ム１から取外すことはできない。

ところで、前記鍵操作の誤りで、座席１０の係
止突片１３が未だ錠止位置に無い状態において、
第二腕片１９を施錠位置に復帰させ、その結果係
止突片１３が第二腕片１９の傾斜側面２１に当接
した状態で座席１０が閉成され、しかも乗員がそ
の事に気付かなかつたとしても、乗車時等に乗員
が座席１０に着座すると同時に、座席１０が押し
下げられ、係止突片１３によつて第二腕片１９の
傾斜側面２１が押され、第二腕片１９は捩りコイ
ルスプリング１８の付勢力に抗して軸１７を中心
として時計回り方向へ揺動回転され、傾斜側面２
１に誘導された係止突片１３と凹状係止部２０と
が合致し、第二腕片１９は捩りコイルスプリング
１８の付勢力によつて、ストツパー片１６ａに当
接する施錠位置に回転復帰する。

考案の効果 以上の説明から明らかな様に、本考案によれ
ば、第一腕片と共に係止第二腕片が錠止位置にあ
る状態で座席を閉成しても、座席に所定の下向き
荷重を加えるだけで、係止第二腕片が座席の係止
突片によつて施錠位置から動かされ、係止突片が
傾斜面に誘導されて凹状係止部に係合するや、係
止第二腕片が施錠位置に復帰して座席の錠止が行
われる。

このような構造では、誤操作によつても座席錠
止装置の構成部材に無理な力が加わることがない
ため、取付部材の耐久性が向上し、部材の薄肉化
によつて軽量化も達成される。

また、本考案の錠止装置においては、係止第二
腕片を錠止位置に向けて付勢するスプリング部材
を係止第二腕片と第一腕片の間に介装したため、
第一腕片を揺動させる際、スプリング部材の付勢
力に逆らわずとも良く、錠操作を小さな力で行う
ことができる。さらに、第一腕片を解錠位置に動
かしたまま放置することができ、その状態で鍵か
ら手を離し、両手で座席を掴んで最適姿勢で座席
を開放させることができる利点もある。この事は
また、片手が塞がつていたとしても、他方の手の
みで錠止装置の解錠を行い、次いでその手で座席
を開放させ得ることを意味している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る座席錠止装置
を備えた自動二輪車の要部概略説明図、第２図は
その要部拡大斜視図、第３図、第４図は前記座席
錠止装置の動作態様図である。 １……車体フレーム、２……緩衝ゴム、３……
座席用緩衝ゴム、４……保持片、５……リヤカウ
ル、６……燃料タンク、７……突片、８……尾灯
組立体、９……小物入れ空間、１０……座席、１
１…底板、１２……突片、１３……係止突片、１
４……座席錠止装置、１５……錠止具、１６……
第一腕片、１６ａ……ストツパー片、１７……
軸、１８……捩りコイルスプリング、１９……第
二腕片、２０……凹状係止部、２１……傾斜側
面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に対して着脱自在または開閉自在に装着さ
   れた座席の係止突片に係合し、解放不能に座席を
   錠止する錠止装置において、 車体側部材に固設された鍵回転操作式錠止具
   と、該錠止具に付されるとともに、ストツパー片
   を備え、鍵操作で揺動される第一腕片と、該第一
   腕片に揺動自在に付設され、その施錠位置にて座
   席の係止突片と係合する凹状係止部を有するとと
   もに、該凹状係止部よりも先端側に位置して前記
   係止突片を誘導する傾斜面が形成された係止第二
   腕片と、第一腕片と係止第二腕片の間に介装され
   るとともに、係止第二腕片を付勢してストツパー
   片に押し付け、凹状係止部と係止突片の係合関係
   を維持するスプリング部材とで構成される鞍乗り
   型車輌の座席錠止装置。