JPS6210038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械の加工物並びにテーブル上の
切屑を清掃する装置に関する。

従来は別置の切屑吸引装置の吸引ノズルを人手
によつて加工物上或いは穴、更にテーブル上と必
要個所の清掃を行ない、仲々面倒で大形機械では
清掃面積も大きく作業者の好まない仕事であつ
た。それで主軸先端にエアノズルを取付け主軸後
部より供給される圧力空気により加工中に同時に
切屑を吹き飛ばすか、若しくは別置のロボツトに
エアノズルを保持させ同じように切屑を吹き飛ば
していた。このようなものは特別の装置を必要と
し吹き飛ばした切屑を集める処理をともないまた
は自動化に対して好適なものではなかつた。

目 的 従つて本考案は人手を要することなく能率的で
自動化に好適な切屑清掃装置を提供しようとする
ものである。

解決手段 自動工具交換機能を有するNC工作機械の主軸
に交換可能に装着されるホルダにばね力で把持す
るグリツパをホルダ軸方向を把持軸とする２組を
設け主軸等の位置制御される範囲内に設けられ吸
引ホースを支持するためのばね力で把持するグリ
ツパを主軸方向を把持軸とする２組を横向きに設
けてなり主軸等のNC制御の動きによつて必要個
所の切屑を清掃させるものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。NCによつて主軸、テーブル等が位置制御さ
れる図示しないNC工作機械を横型のマシニング
センタとし、その主軸１に図示しない自動工具交
換装置（以下ATCと称す）によつて貯蔵マガジ
ンの貯蔵位置から主軸へ自動交換されるホルダ２
は、テーパシヤンク部２ａ、グリツパ把持溝２ｂ
は通常工具ホルダと同形状をしており、ホルダ部
２ｃに把持中心が同一の２組のグリツパ３ａ，３
ｂが設けられている。このグリツパ３ａ，３ｂは
各爪が枢軸ピン４を旋回中心として枢着され、把
持しない側の腕の間に圧縮ばね５が介装されてい
て常に把持方向に付勢され、各外側ストツパ６に
よつて爪の閉度が規制されている。そしてこのホ
ルダ２が主軸に装着されるときはグリツパ３ａ，
３ｂの把持中心線は下側になるように位置決めさ
れる。一方テーブル１０の側面に設けた支持台１
１上面に把持中心か同心且主軸１と平行な水平の
２組のグリツパ１２ａ，１２ｂを有する取付台１
３、及び同じく２組のグリツパ１４ａ，１４ｂを
有する取付台１５が把持中心を平行にし、把持す
る後述の吸引筒１８を取り出す距離をあけて設置
されている。これ等のグリツパはグリツパ３ａ，
３ｂと同じ機構を有しており、それぞれ爪はばね
１６，１７で把持する方向に付勢されている。こ
のグリツパに把持される吸引筒１８は２組のグリ
ツパ１２ａ，１２ｂ又は１４ａ，１４ｂが把持
し、且受渡しできる把持長さを有し、フレキシブ
ルホース１９等を介して集塵ライン或いは吸込装
置に接続されている。そして吸引筒１８の吸込口
の形状は例えば穴の奥の方、或いは溝内の切屑の
吸込に適する形状につくられているが、必要によ
り適宜変更することが可能であり、数種類を選択
できるようにホース付で併設しておくことも自由
である。

今工作物Ｗの穴Wa，Wbの加工が終了して穴の
自動計測を行なうための清掃指令がNCから発せ
られると、工具貯蔵マガジンはホルダ２を交換位
置に割出し、ATCはホルダ２を把持して交換位
置の主軸１の工具と自動交換する。主軸１にホル
ダ２が装着されると主軸１及びテーブル１０は
NCにより必要なる位置決めが行なわれて、第６
図のようにホルダ２の把持中心が取付台１３のグ
リツパ１２ａ，１２ｂで把持された吸引筒１８の
真上に位置する。主軸１が水平状態で下降してグ
リツパ３ａ，３ｂが吸引筒１８に当接されると爪
がばね５の力に抗して開けられ爪の把持部が吸引
筒１８を乗り越えて把持すると、主軸１は水平方
向に変位して爪との干渉をさけたあと上昇し、工
作物Ｗの穴Waと吸引筒１８の軸心が一致するよ
うに位置決めされる。そして穴Waの軸方向に移
動して穴Wb迄切屑をすべて吸引する。またテー
ブル１０上を清掃するには主軸及びテーブルを
Ｘ，Ｙの位置制御して吸引口がテーブル上を移動
されることによつて、テーブル上及び溝の切屑は
能率よく吸込まれ清掃される。清掃が終れば主軸
１は吸引筒１８を保持させる支持台１１上のグリ
ツパ１２ａ，１２ｂ又は１４ａ，１４ｂの爪先と
干渉しない位置の上方に水平に位置決めされ主軸
１を下降してグリツパと同じ水平位置で水平移動
してグリツパに吸引筒１８を押し込み把持させ
る。把持後主軸１が上昇すると爪はばね５に抗し
て開き吸引筒１８を残して工具交換位置に戻り、
ホルダ２はATCにより自動計測器と交換され、
主軸１が穴と同軸に位置決めされ工作物Ｗの穴
Wa，Wbを計測する。ATCはホルダ２を貯蔵マ
ガジンに搬送する。なおATCをもたないで主軸
自体が工具を取りに行くようにした自動工具交換
機能を有するNC工作機械においても使用できる
ことは勿論である。また吸引筒は必ずしもテーブ
ルに設ける必要はなく主軸又は主軸とテーブルの
位置決め範囲内において、操作に支障をきたさな
い任意の位置に設置できるものである。

効 果 以上詳述したように本考案は、主軸にATCで
適宜に装着されるグリツパ付ホルダが、設置され
た吸引筒を把持してNCのＸ，Ｙ，Ｚ軸制御の動
きにより加工物及びテーブルの必要個所の切屑を
清掃するようになし、ホルダのグリツパをばね力
で把持するようにし、固定側のグリツパもばねで
把持するようにして横向きに設けたので、清掃が
自動で能率よく且隅々まで行なうことができ、機
械の完全無人化、全自動化に大きく寄与すること
ができる。また機械のNC制御による主軸の上
下、主軸またはテーブルの水平の動きにより吸引
ホースの着脱ができるので操作が容易になりロボ
ツトのような特別な複雑な装置が不必要であり、
装置が簡単で製作コストも安く且分割配置ができ
操作上の障害を少くすることができる。更に吸込
口の選択も可能となるために清掃部位に適した吸
込口によつて完全な切屑の除去がなしうる特徴を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はグリツパ付ホルダの側面図、第２図は
同正面図、第３図は吸引筒を支持した状態の正面
図、第４図は同平面図、第５図は吸引筒設置状態
図、第６図は主軸装着ホルダが吸引筒を把持する
動作系路を示す図である。 １……主軸、２……ホルダ、３ａ，３ｂ：１２
ａ，１２ｂ：１４ａ，１４ｂ……グリツパ、１０
……テーブル、１１……支持台、１８……吸引
筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動工具交換機能を持つNC工作機械におい
   て、前記工具交換機能によつて主軸に適宜装着さ
   れるホルダにばね力で把持する形のグリツパがホ
   ルダ軸方向を把持軸とする２組でなりホルダの位
   置決めキー溝と所定関係に設けられ、前記主軸の
   位置決め範囲内に設けられた吸引ホースの支持部
   材にばね力で把持する形のグリツパが前記主軸方
   向を把持軸とする２組でなり前記主軸が該吸引ホ
   ースを把持するために移動する方向と直角方向を
   向くように設けられていて、主軸等のNC制御に
   よる働きを利用して加工物並びにテーブル上の切
   屑を清掃することを特徴とする切屑清掃装置。