JPS6160201A - 高融点金属焼結体の圧延加工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は高融点金属焼結体の圧延加工法に関し、更に詳
しくは三方ロールを用いた圧延加工法に関する。

［声明の技術的背景とその問題点］ タングステンあるいはモリブデンのような高融点金属の
線材は通常法のようにして製造される。

まず、所定粒径の上記金属の粉末を型の中に充填したの
ち所定の圧力で加圧成形して圧粉体とし、更にこの圧粉
体を水素雰囲気中で仮焼する。その後、この仮焼体に水
素雰囲気中で直接通電し、所定の温度で焼結し、焼結体
を得る。得られた焼結体は通常断面が四角形の棒状体で
ある。

こ、の焼結体において、タングステンもしくはモリブデ
ンの組織構造は未だ団塊状の結晶粒として存在するため
靭性はなく、その機械的強度は小さい。

そのため、焼結体に機械的外力を加えてその結晶粒を繊
維状に引き延ばして線材の長手方向に配列し、靭性を付
与する加工が行なわれる。

このときには１通常、転打加工が行なわれる。

この方法はまず焼結体を所定温度に加熱した後、これを
中心部に向かって槌打ち運動する２個のハフ　−２７ダ
イ７を備えた′”−′７′′″に導入して転打し団塊状
の結晶粒を押しつぶして偏平にし順次繊維状にして所定
の減面率に加工する。

加工後の焼結体を再び加熱して再びスウェージングマシ
ンに導入して所定の減面率に加工する。この転打−加熱
のサイクルを１０回程度反復して、最後は所定の減面率
に加工された断面はぼ円形の棒材又は線材にする。

転打加工後の棒材又は線材は次の伸線工程に移送されて
細線に引き延ばされる。

しかしながら、この転打加工には、転打−加熱のサイク
ルを反復するので焼結体から線材に加工するまでの時間
が比較的長くなるとともに、加熱に要する熱エネルギー
が大きなものになり、更に、得られる線材にはねじれ現
象が多発するので、これを防ぐためには加工線材の長さ
を限定せざるを得ないなどの問題があった。

そのため、加工時間が短く、１度の加熱で焼結体を棒材
に加工できる圧延加工が近時注目を集めている。

この方法は、焼結体を所定温度に加熱した後、これを、
三方ロールを１単位とし、この単位が直列に複数個連続
して配置されている圧延加工機に導入する方法である。

導入された焼結体は、ロールで順次圧縮されるとともに
引張り応力を受けて加工機の出口に向け、いわば、引き
抜かれていく。このとき、各ロール単位を通過する焼結
体にはその都度所定の減面率の加工が加算されて、最終
的には目的の減面率（通常約４０〜８０％）に加工され
た棒材又は線材となる。線材の最終断面形状はほぼ六角
形となるように３個のロールによって構成される三角形
の上下を交互にするとねじれも少なく好ましい。

ところで、この三方ロール圧延加工において、最初に位
置する三方ロールに導入された焼結体の加工は第１図、
第２図に示したように進められていく。第１図は三方ロ
ールの圧延単位を焼結体の送り方向から見た場合の模式
図であって、１１が矢印の向きに高速回転するロールで
それぞれの囲む空間に焼結体ｌが導入される。導入され
た焼結体の状態は点線で示すとおりである。ここで、焼
結体は所定の減面率（通常約１５％）で加工されるから
四角形ＡＢＣＤの断面の焼結体は、このロール゛圧延単
位から導出された時点で、その端面が第２図に示したよ
うな六角形に変形する。

ロール圧延加工においては、このようにして各ロール圧
延単位で焼結体は順次その断面が小さくなっていき加工
が進んでいくのである。

ところが、焼結体はそのままでは前述したように構成金
属の組織構造は団塊状の結晶粒から成り、靭性が付与さ
れていないので機械的強度が小さく、とくにその角部は
焼結−Ｌがりの状態では結晶粒の結合力が弱いため組織
がバラバラになりやすく、かつ、密度が不充分であるた
め、上記のような三方ロール加工機に導入したとき、最
初にロールが噛み込んで圧延する角部、即ち第１図にお
けるＡ、Ｂ、Ｃ或いはＤの部分にクラック、ワレ、ハガ
レなどの組織欠陥が発生する場合がある。

このように、焼結体のロール圧延加工は、加工時間、省
エネルギーの点では転打加工に勝るものであるが、この
加工法を焼結あがりのままの状態にある焼結体に適用す
ると、焼結体の表面、とりわけその角部の密度の小さい
部分で組織欠陥を生じる場合があり、その結果、製造歩
留まりが低下しやすいという問題がある。

［発明の目的１ 本発明は、高融点金属焼結体を三方ロール圧延加工する
際に、上記のような組織欠陥の発生を抑制しうる方法の
提供を目的とする。

［発明の概要］ 本発明は高融点金属焼結体の圧延加工法において、該焼
結体表面の少なくとも一部分に加工組織を形成したのち
に該焼結体を圧延加工することを特徴とするものである
。

本発明はとくに断面が四角形のタングステンもしくはモ
リブデン焼結体に適用して極めて有用であり、その工程
としては、まず、この焼結体に例えば転打加工を施して
とくに焼結体の角部表面に加工組織を形成する０本発明
でいう加工組織とは団塊状の結晶粒が繊維状に引き延ば
されて棒状あるいは線状の焼結体の長手方向に配列され
ている状態をいい、この加工組織が形成されることによ
リ、その形成領域での長さ方向の引張り強度が増大し、
また、密度も向上する。

従って、加工組織は焼結体の表面に形成されることが重
要であり、少なくとも表面の一部、具体的にはとりわけ
組織欠陥を生じやすい焼結体の角部に加工組織が形成さ
□れていれば足りるが、焼結体の全表面に亘って加工組
織を形成すれば、内部に団塊状の結晶粒が存在しても、
その結晶粒が該組織で完全に覆われることになるため一
層効果的である。

上記の転打加工は、例えば焼結体を□通常のスウェージ
ングマシンに導入して行なわれるが、この場合、前述の
加工組織の形成による充分な圧延性を実現するためには
該焼結体を少なくとも１０％の減面率に加工することが
望ましく、そのためのパス回数は４〜５回である。この
段階では、断面が四角形の焼結体の角部が丸味を帯びる
とともに、その丸味を帯びた角部表面に加工組織が形成
された状態となる。しかるのち、表面に加工組織が形成
された焼結体を三方ロールに導入して圧延加工を行なえ
ばよい。

本発明方法にあっては、タングステンもしくはモリブデ
ン焼結体のとくに角部に、ある程度の転打加工を施し、
該焼結体表面に加工組織を形成することにより、焼結体
表面の延性を向上させ、圧延加工性を向上させることが
できる。

［発明の実施例］ １．０％のＴｈ０２を含むトリエーテッドタングステン
の粉末を所定の型に充填して圧粉体を製造したのち、こ
の圧粉体を焼結し、断面が１辺約１２■■の正方形で長
さ約５５０肩薦の焼結体を製造した。

この焼結体に５パスの転打加工を行ない断面が直径１２
．８■層φの円形になるようにした。しかるのち、これ
を８段の圧延加工機に導入した。各圧延単位の減面率は
それぞれ約１５％であり、最終的に約６０％となる。

比較例として、転打加工を施していない点を除いては上
記実施例と全く同様のトリエーテッドタングステン焼結
体を使用して上記と同様にして圧延加工を行なった。

実施例、比較例の焼結体それぞれ１０本について上記の
ロール圧延加工を施し、各々について製造歩留まりを調
べたところ、実施例では８５％、比較例では５０％であ
り、本発明方法により歩留まりが著しく向上することが
確認された。このトリエーテッドタングステンは、ｔｈ
ｏ２を含む為、従来は特に歩留まりが悪かったが、本発
明により、それが改善された。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明方法によれば、
高融点金属焼結体表面の少なくとも一部に加工組織を形
成したのちに三方ロール圧延加工を行なうようにしたの
で、焼結体の圧延加工性が向上し、圧延加工時の歩留ま
りが良好となる。従って、その工業的価値は極めて大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は三方ロールを用いた断面が四角形の
焼結体の圧延加工を説明するための図である。 ｌ・・・焼結体、　１１・・・ロール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、焼結体表面の少なくとも一部分に加工組織を形成し
   たのち、該焼結体を圧延加工することを特徴とする高融
   点金属焼結体の圧延加工法。 ２、高融点金属がタングステン又はタングステン合金で
   ある特許請求の範囲第１項に記載の高融点金属焼結体の
   圧延加工法。 ３、高融点金属がモリブデン又はモリブデン合金である
   特許請求の範囲第１項に記載の高融点金属焼結体の圧延
   加工法。