JPS6158738B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は空気調和装置等の主として効率改善
に関するものである。

第１図は従来の空気調和装置の冷媒回路を示す
図で、図において１は冷媒圧縮機、２は凝縮器、
３はキヤピラリ、４は蒸発器、５はアキユームレ
ータである。

以下蒸発器４を熱利用側（室内側）熱交換器と
する冷房時について説明する。

蒸発器４に吸込まれた室内空気は蒸発器４で冷
却されて室内に吹出される。吸込空気温度が第１
の所定温度を下廻ると圧縮機１は一旦停止し、暫
くして吸込空気温度が上昇して第２の所定温度を
上廻ると圧縮機１は運転を再開し、再び吸込空気
を冷却して、平均的に室内空気温度を設定温度に
維持する。

しかし第１図に示したような従来のものにおい
ては、上記のように圧縮機１が停止している間
に、凝縮器２中にある高温高圧の冷媒液がキヤピ
ラリ３を介して、低圧である蒸発器４内に流入
し、下記のような好ましくない結果を生ずる。

(イ) 蒸発器４中の低温冷媒と混合して熱損失を生
ずる。

(ロ) 低温の蒸発器４を加熱して熱損失を生ずる。

(ハ) 蒸発器４に溜つた冷媒液が圧縮機１の起動時
に圧縮機１に入ると、 (a) 圧縮機１の故障の原因となる。

(b) 圧縮機１の入力が増加する。

(ニ) (ハ)の現象を軽減するには大形のアキユームレ
ータ５を必要とする。

(ホ) 圧縮機１が運転を再開してから、蒸発器４が
冷却を始めるまでに時間がかゝる。

この発明は上記(イ)〜(ホ)の欠点、特に(ホ)の欠点を
改善することを目的とするものである。

第２図はこの発明の一実施例を示す冷媒回路及
び簡略化した電気回路の図で、第１図と同一符号
は同一または相当部分を示す。図において６は弁
である電磁弁で、減圧機構であるキヤピラリ３の
冷媒出口３ｂと蒸発器４の冷媒入口４ａとの間の
冷媒路７に設けられている。８は凝縮器２の冷媒
出口２ｂとキヤピラリ３の冷媒入口３ａとを接続
する冷媒路、２ａ及び４ｂは凝縮器４の冷媒入口
及び蒸発器４の冷媒出口である。なおこの実施例
では蒸発器４が利用側熱交換器とされている。

９は蒸発器４の室内空気吸入側に取付けられた
検知手段としてのサーモスタツトで、電磁弁６の
励磁コイル６ａには直接、また圧縮機１のオン・
オフ装置１ａには圧縮機１が停止するときにのみ
動作する遅延装置１０を介して接続されている。

第１図に示した構成のものにおいては、圧縮機
１の停止中に凝縮器２の冷媒液が蒸発器４に流入
し、吸込空気温度が上昇して圧縮機１が運転を再
開するときには、全冷媒の約80％が冷媒液として
蒸発器４中に溜つている。従つて圧縮機１が運転
を開始しても、蒸発器４中の冷媒液量が約40〜50
％程度に減ずるまでの約１分間位は、蒸発器４は
あまり冷却されず、その後次第に冷却されて、定
常的な冷却状態になるには約５分を要する。

それに対し第２図のような構成のものにおいて
は、吸込空気温度が第１の所定温度に達すると、
サーモスタツト９がそれを感知し、先ず励磁コイ
ル６ａを消勢して、電磁弁６が冷媒路７を閉路す
る。そのときには蒸発器４中の冷媒量は約30〜40
％位である。この状態において蒸発器４への冷媒
の流入は電磁弁６により阻止されている一方、圧
縮機１はまだ回転しているので蒸発器４中の冷媒
量を更に減ずることができ、遅延装置１０が例え
ば５秒後に動作して圧縮機１を停止するようにし
て置くと、圧縮機１が停止したときの蒸発器４中
の冷媒量は約20〜30％になる。圧縮機１の停止中
次第に室内温度が上つて、蒸発器４の吸込空気温
度が第２の所定温度に達するまでは励磁コイル６
ａは消勢したままで、上記所定温度に達すると、
サーモスタツト９が動作して、電磁弁６が開き、
同時に圧縮機１が運転を再開する。すなわち上記
実施例では電磁弁６は圧縮機１の停止５秒前か
ら、停止の全期間中にわたつて冷媒路７を閉路し
ていることになる。

従つて圧縮機１が運転を再開するときまで蒸発
器４内の冷媒量は約20〜30％に保たれ、運転再開
とほとんど同時に蒸発器４は定常的な冷却状態と
なるため、前記(ホ)の欠点が大巾に改善されるとと
もに、冷房開始時の室内温度の低下速度も早くな
る。

また圧縮機１の停止期間中、電磁弁６により冷
媒路７は閉路されているので、前記(イ)〜(ニ)の欠点
も解消する。

また上記実施例では電磁弁６を冷媒路７に設け
たが、凝縮器２の冷媒出口２ｂと蒸発器４の冷媒
入口４ａとの間なら何処に設けてもよく、冷媒路
８に設ける場合は、凝縮器２と共に室外配置部に
電磁弁６を配置することができるので、電磁弁６
の動作音が室内に聞えないという利点がある。た
だその場合電磁弁６が閉じた後、キヤピラリ３中
の冷媒液が蒸発器４中に流入するので、上記実施
例で圧縮機１の停止を電磁弁６の閉路に対し５秒
遅らせたのに対し、例えば10秒程度遅らせる必要
がある。

またこの発明はヒートポンプの暖房時の蒸発器
４の動作を早めるにも有効である。

この発明は以上説明したとおり、圧縮機の停止
を、弁が閉じた後蒸発器内の冷媒が全体の20〜30
％になるまで遅延させることにより、前記(イ)〜(ニ)
の欠点を解消できるばかりでなく、蒸発器の冷却
開始を大巾に早めることができ、装置の効率を向
上するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷媒回路図、第２図はこの発明
の一実施例を示す冷媒及び電気の回路図である。 図において１は圧縮機、２は凝縮器、２ｂは冷
媒出口、３，７，８は冷媒路、４は蒸発器、４ａ
は冷媒入口、６は弁である。なお、各図中同一符
号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 運転・停止を繰返す冷媒圧縮機をもつた冷凍
   サイクル装置において、凝縮器または蒸発器の何
   れか利用側熱交換器への吸込空気温度を検出し、
   上記冷媒圧縮機への運転・停止信号を発生する検
   知手段と、上記凝縮器の冷媒出口と上記蒸発器の
   冷媒入口との間の冷媒路に設けられ、この検知手
   段からの運転・停止信号により直ちに開閉する弁
   と、上記検知手段からの停止信号によりこの弁が
   閉路後、上記蒸発器内の冷媒量が全体の20〜30％
   になる５〜10秒程度の後、上記冷媒圧縮機を停止
   させ、上記検知手段からの運転信号により直ちに
   上記冷媒圧縮機を駆動する遅延装置とを備えたこ
   とを特徴とする冷凍サイクル装置。