JPS6154021B2 - - Google Patents
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- JPS6154021B2 JPS6154021B2 JP54036577A JP3657779A JPS6154021B2 JP S6154021 B2 JPS6154021 B2 JP S6154021B2 JP 54036577 A JP54036577 A JP 54036577A JP 3657779 A JP3657779 A JP 3657779A JP S6154021 B2 JPS6154021 B2 JP S6154021B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、シアン化水素含有アセトニトリルか
らシアン化水素を簡単に除去すると同時に、アセ
トニトリルを濃縮する方法に関するものである。 例えば、アンモオキシデーシヨン法によるアク
リロニトリルの製造の際に副生するアセトニトリ
ルは、不純分としてシアン化水素を含有する上
に、濃度が低く、そのままでは工業用原料として
用いることができないため、シアン化水素の除去
及び濃縮を行う必要がある。 これまで、このような粗アセトニトリルからシ
アン化水素を除去する方法としては、その中に存
在するシアン化水素とシアンヒドリンを水酸化ナ
トリウムによりシアン化ナトリウムに変換し、次
いで硫酸第一鉄を反応させてフエロシアン化ナト
リウムを形成させて除去する方法(特公昭47−
35416号公報、特公昭45−36490号公報)、シアン
化水素及びシアンヒドリンと等モル量のアルカリ
とホルマリンで処理して除去する方法(特開昭48
−81816号公報、特開昭50−25527号公報)などが
知られている。しかしながら、前者の方法は、ア
ルカリ処理と硫酸第一鉄処理を行わなければなら
ないため、処理工程が複雑になり、設備費、労力
費がかさむ上に、さらに処理に際して高温を必要
とするのでいつたん生成したアセトニトリルが加
水分解し、回収率が低下するという欠点がある。
また、後者の方法は、工程数が多く、設備費、労
力費がかさむ上に、アルカリをシアン化水素、シ
アンヒドリンの全量に対し、少なくとも等モル量
添加しなければならないため、生成したアセトニ
トリルの加水分解をひき起しやすいという欠点が
ある。 本発明者らは、このような従来方法のもつ欠点
を克服し、できるだけ少ないアルカリ使用量でい
つたん生成したシアンヒドリン、シアン化ナトリ
ウム、アセトニトリルの分解を抑制しながら、効
率よく簡単な操作で粗アセトニトリル中のシアン
化水素を除去する方法を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、粗アセトニトリル中の遊離シアン
化水素に対して等モル量のアルカリを添加して反
応させたのち、減圧蒸留すれば、シアン化水素の
除去とアセトニトリルの濃縮が同時に行われ効率
よく精製しうることを見出し、この知見に基づい
て本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、シアン化水素含有アセト
ニトリルに、その中に存在する遊離シアン化水素
をシアン化アルカリに変換するのに十分な量のア
ルカリを加えて反応させたのち、40〜70℃におい
て減圧蒸留することを特徴とするアセトニトリル
の精製方法を提供するものである。 本発明方法において原液として用いられる粗ア
セトニトリルとしては、例えばアンモオキシデー
シヨン法によりアクリロニトリルを製造する際に
回収された粗アセトニトリルをあげることができ
る。これはシアン化水素のほかに、アセトン、ア
クリロニトリル、オキサゾールなどを含んでいる
が、そのまま本発明方法で処理することができ
る。 本発明方法において遊離シアン化水素をシアン
化アルカリに変換するために用いられるアルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの
水溶液が好適である。このアルカリは、従来方法
の場合と異なり、シアンヒドリンを形成している
ものは除いた遊離シアン化水素だけに作用させる
ものであり、したがつて、遊離シアン化水素をシ
アン化アルカリに変換するのに十分な量で用いれ
ば足りる。通常、この量は遊離シアン化水素1モ
ル当り1.0〜2.0モルの範囲で選ばれる。この量が
1.0モル未満では、シアン化水素の除去が不十分
であるし、また2.0モルを越えると、過剰のアル
カリにより、アセトニトリルが加水分解するので
好ましくない。 このアルカリ処理は、20℃〜80℃好ましくは60
〜75℃において、2〜10時間好ましくは5〜6時
間、所望に応じかきまぜながら行われる。 このようにして処理した反応混合物は、次いで
シアンヒドリン型シアン化水素やシアン化アルカ
リの分解を抑制するために、できるだけ低い温度
で蒸留する必要がある。そのため、これを減圧に
もたらし、反応混合物の沸点を低下させて蒸留を
行う。 この際の蒸留条件としては、70℃を越えない温
度好ましくは50〜60℃、圧力100〜400Torr好ま
しくは150〜200Torrの範囲が選ばれる。 このようにして、粗アセトニトリル中のシアン
化水素は遊離型及びシアンヒドリン型に関係なく
ほとんど完全に除去され、同時にアセトニトリル
の濃縮がなされる。 次に添附図面に従つて、本発明方法の好適な実
施態様を説明する。 図面は、本発明方法の1例を示すフローシート
であり、先ずアルカリと粗アセトニトリルはそれ
ぞれ導管2及び3により混合槽1に送られ、ここ
でかきまぜ機5によりかきまぜながらスチーム管
4で加熱反応させる。反応終了後、この処理液は
導管6を経て、例えば多孔板トレーを備えた精留
塔7の下から約1/10の位置に連続的に供給され
る。この精留塔は塔下部にスチーム導入管12に
よつて導入されるスチームで塔底温度40〜70℃に
加熱され、100〜400Torrの圧力に減圧されてい
る。このようにして、塔頂部から抜出管8により
水とアセトニトリルの共沸混合物を抜き出し、塔
底部の排水管9より水を抜き出しながら操作す
る。塔頂部からの共沸混合物の一部は還流ドラム
を経て導管10により精留塔内に還流され、また
残りは分枝管11により精製アセトニトリルとし
て回収される。他方、塔底部から抜き出された水
の一部は再沸器によりスチームに変換されて循環
され、一部はシアン化アルカリ及びシアン化ヒド
リンを含んだ廃水として排出管13を経て排水さ
れる。 このようにして、シアン化水素含量0.1〜10重
量%の粗アセトニトリルを処理すれば、脱シアン
化水素率99%以上、アセトニトリル回収率98%以
上という良好な結果が得られる。 本発明方法によると、特別な薬品を必要とせず
少量のアルカリを用いて粗アセトニトリルからシ
アン化水素をほぼ完全に除去することができ、し
かも高収率で濃縮アセトニトリルを回収すること
ができ、また過剰アルカリの存在なく低温で処理
しうるためアセトニトリルの分解が防止できると
いう利点があるので、シアン化水素含有アセトニ
トリルの工業的な濃縮方法として好適である。 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 混合器に、遊離シアン化水素0.3重量%、シア
ン化ヒドリン型シアン化水素0.7重量%、水29重
量%を含む粗アセトニトリル600gとこの遊離シ
アン化水素に対し等モルの25%水酸化ナトリウム
水溶液を加え、この混合液を70℃でかきまぜなが
ら、5時間処理したのち、塔径20mm、高さ600mm
のラシヒリング充てん塔の塔底部に毎時600gの
割合で導入した。この間精留塔は、塔底圧力
240Torr、塔底温度50℃の条件下に維持された。 このようにして塔頂より毎時465gの割合で、
濃度88.5%のアセトニトリルを回収した。このも
ののシアン化水素含量は8ppmであつた。 実施例 2 遊離シアン化水素0.3重量%、シアンヒドリン
型シアン化水素0.7重量%、水29.1重量%を含む
粗アセトニトリルに、遊離シアン化水素1モル当
り2.0モルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、実
施例1と同様に処理したところ、毎時465gの割
合で以下の組成のアセトニトリルが得られた。 成 分 含 量 全シアン化水素 6ppm 水 11.0重量% アセトニトリル 88.9重量% 実施例 3 遊離シアン化水素0.2重量%、シアンヒドリン
型シアン化水素0.5重量%、水30重量%を含む粗
アセトニトリル550gに、50%水酸化ナトリウム
3.05g(遊離シアン化水素とほぼ等モル量)を加
え、常圧下、20℃で10時間処理したのち、塔径20
mm、充てん塔高さ600mmのラシヒリング充てん塔
を用い、圧力240Torr、塔底温度50℃で減圧蒸留
を行つた。 塔頂からの初期留分414gについての組成は次
のとおりであつた。 成 分 含 量 全シアン化水素 12ppm 水 10重量% アセトニトリル 89.9重量% 比較例 50%水酸化ナトリウム水溶液の量を1.62g(遊
離シアン化水素の0.5倍モル)にした以外は全く
実施例3と同様に処理したところ、充てん塔から
の初期留分417gについての組成は次のとおりで
あつた。 成 分 含 量 全シアン化水素 1200ppm 水 10.1重量% アセトニトリル 89.8重量% 実施例 4 アセトニトリル70重量%、水分29重量%、シア
ンヒドリン型シアン化水素0.7重量%、遊離シア
ン化水素0.3重量%からなる粗アセトニトリル
に、遊離シアン化水素に対し等モルの25%水酸化
ナトリウム水溶液を加え、70℃で5時間かきまぜ
たのち、実施例1と同じ精留塔を用い、次表に示
す運転条件で処理した。 この処理により得られた留出液の組成を次表に
示す。 【表】
らシアン化水素を簡単に除去すると同時に、アセ
トニトリルを濃縮する方法に関するものである。 例えば、アンモオキシデーシヨン法によるアク
リロニトリルの製造の際に副生するアセトニトリ
ルは、不純分としてシアン化水素を含有する上
に、濃度が低く、そのままでは工業用原料として
用いることができないため、シアン化水素の除去
及び濃縮を行う必要がある。 これまで、このような粗アセトニトリルからシ
アン化水素を除去する方法としては、その中に存
在するシアン化水素とシアンヒドリンを水酸化ナ
トリウムによりシアン化ナトリウムに変換し、次
いで硫酸第一鉄を反応させてフエロシアン化ナト
リウムを形成させて除去する方法(特公昭47−
35416号公報、特公昭45−36490号公報)、シアン
化水素及びシアンヒドリンと等モル量のアルカリ
とホルマリンで処理して除去する方法(特開昭48
−81816号公報、特開昭50−25527号公報)などが
知られている。しかしながら、前者の方法は、ア
ルカリ処理と硫酸第一鉄処理を行わなければなら
ないため、処理工程が複雑になり、設備費、労力
費がかさむ上に、さらに処理に際して高温を必要
とするのでいつたん生成したアセトニトリルが加
水分解し、回収率が低下するという欠点がある。
また、後者の方法は、工程数が多く、設備費、労
力費がかさむ上に、アルカリをシアン化水素、シ
アンヒドリンの全量に対し、少なくとも等モル量
添加しなければならないため、生成したアセトニ
トリルの加水分解をひき起しやすいという欠点が
ある。 本発明者らは、このような従来方法のもつ欠点
を克服し、できるだけ少ないアルカリ使用量でい
つたん生成したシアンヒドリン、シアン化ナトリ
ウム、アセトニトリルの分解を抑制しながら、効
率よく簡単な操作で粗アセトニトリル中のシアン
化水素を除去する方法を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、粗アセトニトリル中の遊離シアン
化水素に対して等モル量のアルカリを添加して反
応させたのち、減圧蒸留すれば、シアン化水素の
除去とアセトニトリルの濃縮が同時に行われ効率
よく精製しうることを見出し、この知見に基づい
て本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、シアン化水素含有アセト
ニトリルに、その中に存在する遊離シアン化水素
をシアン化アルカリに変換するのに十分な量のア
ルカリを加えて反応させたのち、40〜70℃におい
て減圧蒸留することを特徴とするアセトニトリル
の精製方法を提供するものである。 本発明方法において原液として用いられる粗ア
セトニトリルとしては、例えばアンモオキシデー
シヨン法によりアクリロニトリルを製造する際に
回収された粗アセトニトリルをあげることができ
る。これはシアン化水素のほかに、アセトン、ア
クリロニトリル、オキサゾールなどを含んでいる
が、そのまま本発明方法で処理することができ
る。 本発明方法において遊離シアン化水素をシアン
化アルカリに変換するために用いられるアルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの
水溶液が好適である。このアルカリは、従来方法
の場合と異なり、シアンヒドリンを形成している
ものは除いた遊離シアン化水素だけに作用させる
ものであり、したがつて、遊離シアン化水素をシ
アン化アルカリに変換するのに十分な量で用いれ
ば足りる。通常、この量は遊離シアン化水素1モ
ル当り1.0〜2.0モルの範囲で選ばれる。この量が
1.0モル未満では、シアン化水素の除去が不十分
であるし、また2.0モルを越えると、過剰のアル
カリにより、アセトニトリルが加水分解するので
好ましくない。 このアルカリ処理は、20℃〜80℃好ましくは60
〜75℃において、2〜10時間好ましくは5〜6時
間、所望に応じかきまぜながら行われる。 このようにして処理した反応混合物は、次いで
シアンヒドリン型シアン化水素やシアン化アルカ
リの分解を抑制するために、できるだけ低い温度
で蒸留する必要がある。そのため、これを減圧に
もたらし、反応混合物の沸点を低下させて蒸留を
行う。 この際の蒸留条件としては、70℃を越えない温
度好ましくは50〜60℃、圧力100〜400Torr好ま
しくは150〜200Torrの範囲が選ばれる。 このようにして、粗アセトニトリル中のシアン
化水素は遊離型及びシアンヒドリン型に関係なく
ほとんど完全に除去され、同時にアセトニトリル
の濃縮がなされる。 次に添附図面に従つて、本発明方法の好適な実
施態様を説明する。 図面は、本発明方法の1例を示すフローシート
であり、先ずアルカリと粗アセトニトリルはそれ
ぞれ導管2及び3により混合槽1に送られ、ここ
でかきまぜ機5によりかきまぜながらスチーム管
4で加熱反応させる。反応終了後、この処理液は
導管6を経て、例えば多孔板トレーを備えた精留
塔7の下から約1/10の位置に連続的に供給され
る。この精留塔は塔下部にスチーム導入管12に
よつて導入されるスチームで塔底温度40〜70℃に
加熱され、100〜400Torrの圧力に減圧されてい
る。このようにして、塔頂部から抜出管8により
水とアセトニトリルの共沸混合物を抜き出し、塔
底部の排水管9より水を抜き出しながら操作す
る。塔頂部からの共沸混合物の一部は還流ドラム
を経て導管10により精留塔内に還流され、また
残りは分枝管11により精製アセトニトリルとし
て回収される。他方、塔底部から抜き出された水
の一部は再沸器によりスチームに変換されて循環
され、一部はシアン化アルカリ及びシアン化ヒド
リンを含んだ廃水として排出管13を経て排水さ
れる。 このようにして、シアン化水素含量0.1〜10重
量%の粗アセトニトリルを処理すれば、脱シアン
化水素率99%以上、アセトニトリル回収率98%以
上という良好な結果が得られる。 本発明方法によると、特別な薬品を必要とせず
少量のアルカリを用いて粗アセトニトリルからシ
アン化水素をほぼ完全に除去することができ、し
かも高収率で濃縮アセトニトリルを回収すること
ができ、また過剰アルカリの存在なく低温で処理
しうるためアセトニトリルの分解が防止できると
いう利点があるので、シアン化水素含有アセトニ
トリルの工業的な濃縮方法として好適である。 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 混合器に、遊離シアン化水素0.3重量%、シア
ン化ヒドリン型シアン化水素0.7重量%、水29重
量%を含む粗アセトニトリル600gとこの遊離シ
アン化水素に対し等モルの25%水酸化ナトリウム
水溶液を加え、この混合液を70℃でかきまぜなが
ら、5時間処理したのち、塔径20mm、高さ600mm
のラシヒリング充てん塔の塔底部に毎時600gの
割合で導入した。この間精留塔は、塔底圧力
240Torr、塔底温度50℃の条件下に維持された。 このようにして塔頂より毎時465gの割合で、
濃度88.5%のアセトニトリルを回収した。このも
ののシアン化水素含量は8ppmであつた。 実施例 2 遊離シアン化水素0.3重量%、シアンヒドリン
型シアン化水素0.7重量%、水29.1重量%を含む
粗アセトニトリルに、遊離シアン化水素1モル当
り2.0モルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、実
施例1と同様に処理したところ、毎時465gの割
合で以下の組成のアセトニトリルが得られた。 成 分 含 量 全シアン化水素 6ppm 水 11.0重量% アセトニトリル 88.9重量% 実施例 3 遊離シアン化水素0.2重量%、シアンヒドリン
型シアン化水素0.5重量%、水30重量%を含む粗
アセトニトリル550gに、50%水酸化ナトリウム
3.05g(遊離シアン化水素とほぼ等モル量)を加
え、常圧下、20℃で10時間処理したのち、塔径20
mm、充てん塔高さ600mmのラシヒリング充てん塔
を用い、圧力240Torr、塔底温度50℃で減圧蒸留
を行つた。 塔頂からの初期留分414gについての組成は次
のとおりであつた。 成 分 含 量 全シアン化水素 12ppm 水 10重量% アセトニトリル 89.9重量% 比較例 50%水酸化ナトリウム水溶液の量を1.62g(遊
離シアン化水素の0.5倍モル)にした以外は全く
実施例3と同様に処理したところ、充てん塔から
の初期留分417gについての組成は次のとおりで
あつた。 成 分 含 量 全シアン化水素 1200ppm 水 10.1重量% アセトニトリル 89.8重量% 実施例 4 アセトニトリル70重量%、水分29重量%、シア
ンヒドリン型シアン化水素0.7重量%、遊離シア
ン化水素0.3重量%からなる粗アセトニトリル
に、遊離シアン化水素に対し等モルの25%水酸化
ナトリウム水溶液を加え、70℃で5時間かきまぜ
たのち、実施例1と同じ精留塔を用い、次表に示
す運転条件で処理した。 この処理により得られた留出液の組成を次表に
示す。 【表】
図面は、本発明方法のフローシートの1例であ
り、図中符号は以下の意味をもつ。 1…混合槽、7…精留塔、8…共沸混合物抜出
管、9…排水管、12…スチーム導入管。
り、図中符号は以下の意味をもつ。 1…混合槽、7…精留塔、8…共沸混合物抜出
管、9…排水管、12…スチーム導入管。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 シアン化水素含有アセトニトリルに、その中
に存在する遊離シアン化水素をシアン化アルカリ
に変換するのに十分な量のアルカリを加えて反応
させたのち、70℃を越えない温度において減圧蒸
留することを特徴とするアセトニトリルの精製方
法。 2 アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
ウムである特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 遊離シアン化水素1モル当り1.0〜2.0モルの
アルカリを加える特許請求の範囲第1項記載の方
法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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- 1979-03-28 JP JP3657779A patent/JPS55129257A/ja active Granted
Patent Citations (2)
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