JPS6153159B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は油圧プレスにおける緩衝装置に関す
る。

（従来の技術） 従来、この種油圧プレスによる打抜き工程にお
いて、主シリンダの圧力が上昇して打抜きが完了
した後、主シリンダ内の圧力が急激に下降し、こ
の大きな圧力変動によりプレス装置に大きな振動
が生じ、かつ繰り返し作動されるため、プレス装
置各部に緩みを生じたり、油圧配管のボルト等が
緩んで油漏れを生ずる欠点があつた。この対策と
してプレス装置ベース上にストロークリミツタを
設けることも行われているが、従来のリミツタは
シリンダの底部に油の出入兼用ポートを設けたも
の、あるいはシリンターの底部と側部とにポート
を設けて主シリンダに反発力を与えて衝撃を吸収
するものがある。

（解決しようとする問題点） しかしながら、シリンダの底部にポートを有す
るものでは、切断前に主シリンダに反発力を与え
る欠点があり、また、シリンダの底部と側部にポ
ートを有するものではスライドの降下ストローク
が長くなつて金型を損傷する恐れがあつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記従来欠点に鑑みなされたもので、
衝撃を緩衝するとともに、切断終了後のスライド
の降下ストロークを大幅に短くできる緩衝装置を
提供することを目的とし、その要旨はプレスシリ
ンダに連結したスライドに取付けた打抜き用パン
チとテーブル上に前記パンチと対向して取付けた
下金型とを備えた油圧プレスにおいて、前記下金
型の両側のテーブル上に複数のシヨツクアブソー
バーを配設し、該シヨツクアブソーバーのシリン
ダの底部にはバルブを上下動可能に納めるバルブ
室を設け、該バルブ室には所定のエアー圧で保持
したオイルタンクの側壁側に接続する油孔を設
け、また、同底部には逆止弁を有し油室に連通
し、かつ前記オイルタンクの底部に接続する油孔
を設け、また、前記シリンダの側壁と底部との境
にはシリンダの油室に連通し、かつ所定の制御圧
に設定した圧力スイツチと接続する検出孔を設
け、また、前記圧力スイツチは前記プレスシリン
ダのピストン側の配管に配設した圧抜き弁に継電
してピストン側を減圧可能に設け、前記バルブ室
のバルブはその弁面下部のバルブ中心に向う油孔
の中心端部に前記バルブ室を介して前記底部中心
の油孔に連通するオリフイス孔を設ける構成とし
た油圧プレスにおける緩衝装置に存する。

（実施例） 次に本発明の一実施例を図面にしたがつて説明
すると、図中１はプレス本体であつて、その上部
フレーム２にはプレスシリンダ３が取付けられ、
そのピストンロツド４の先端にはスライド５が取
付けられるとともに、同スライド５の下面には打
抜き用パンチ６が取付けられている。また、フレ
ーム本体１のテーブル７の上面側には打抜き用パ
ンチ６と対応して下金型８が取付けられている。
また、９は方向切換弁であつて油圧ポンプ１０に
接続され、その配管１１はプレスシリンダ３のピ
ストン側に接続され、また、他方の配管１２はプ
レスシリンダ３のピストンロツド４側に接続さ
れ、配管１１には圧抜き弁１３が配設されるとと
もに、方向切換弁９のソレノイドSoLbが作動す
ると油圧ポンプ１０よりの圧油はプレスシリンダ
３のピストン側へ送油されてスライド５は降下さ
れて下金型８上に載置したブランクＷはパンチ５
と下金型８とにより打抜きされる。このように構
成されたプレス装置の下金型８の両側のテーブル
７の中央部にはスライド５と対向してシヨツクア
ブソーバー１４が配設されている。

１４は上記したシヨツクアブソーバーであつ
て、このシヨツクアブソーバーはシリンダ１５、
ピストン体３６、基部カバー４１およびロツドカ
バー４０とより構成されている。

１５は上記したシリンダであつて、該シリンダ
１５には底部１６を有し、その中心部にはバルブ
２１を納めるバルブ室１７が設けられるととも
に、同室１７の中心には孔１８が貫設されてい
る。また、１９はバルブ室１７に嵌合されたバル
ブガイドリンクであつてその上端部には弁座２０
が形成されている。２１はバルブであつてバルブ
ガイドリンク１９に摺動可能に嵌合される脚部２
２と頭部２３とからなり、頭部２３の下面には弁
座２０と密着状に当接する弁面２４が形成され、
また、脚部２２の中心部には下面に開口してばね
３５を弾装する受け凹部２５が形成されている。
また、脚部２２の上部、すなわち弁面２４の下部
の脚部２２よりバルブ２１の中心に向つて所定の
径の油孔２６が穿設るとともに、この油孔２６の
中心側端部には受け凹部２５へ貫通する所定の小
径（0.4〜0.6mm）のオリフイス孔２７が形成され
ている。なお、このオリフイス孔２７の孔径はブ
ランクＷ切断中はある切断速度にて降下するスラ
イドとともにシヨツクアブソーバー１４のピスト
ン体３６は降下するが、この時、油室Ａが昇圧し
ない程度の孔径0.4〜0.6mmに決定されている。ま
た、脚部２２の外周にはラビリンス溝２８が凹設
されている。また、２９はバルブ室１７の上部に
形成された凹部に取付けられる蓋体であつて、そ
の中心部には所定径の孔３０とバルブ２１の頭部
２３を納める凹部室３１とが形成されている。ま
た、シリンダ１５の側壁の下部、すなわち、底部
１６との境にはピストン部３７との間に形成され
る油室Ａに連通する検出孔３２が貫設されてい
る。また、底部の一部には孔１８と平行に油孔３
３が貫設されるとともに、同孔３３の上部には逆
止弁３４が形成されている。かくしてバルブ２１
は所定の設定ばね圧（本例では後述のオイルタン
ク４７のエアー圧５Kg/cm²より若干小さく設定し
た）を有するばね３５を介してその脚部２２へ嵌
合されるとともに、その上部には蓋体２９がボル
トにより取付けられている。

３６はピストン体であつて、ピストン部３７と
ロツド部３８とが一体に形成され、このピストン
部３７はシリンダ１５内に摺動可能に設けられる
とともに、その外周にはラビリンス溝３９が凹設
されている。このように形成されたピストン体３
６はそのピストン部３７がシリンダ１５内に嵌挿
されてロツドカバー４０が取付けられている。こ
のように嵌挿されたピストン部の下面と底部１６
の上面との間には油室Ａが形成されている。

４１は基部カバーであつて、その一側面４２に
は中心に向い、かつ上方に向つて穿設されてシリ
ンダ１５の孔１８と整合連通する油孔４３が形成
され、また、側面４４にはシリンダ１５の油孔３
３と連通する油孔４５が穿設されている。このよ
うに形成された基部カバー４１は孔１８と油孔４
３および油孔３３，４５が整合されてボルトによ
り止着されている。

このように構成されたシヨツクアブソーバー１
４はテーブル７上に取付けられるとともに、この
シヨツクアブソーバー１４のロツド部３８の頂面
３８ａの高さ位置は打抜き用パンチ６がブランク
Ｗに当接すると同時、若しくはブランクＷを切断
完了直前にスライド５と当接する位置に設定され
ている。また、相互の油孔４５を接続する配管４
６はオイルタンク４７の底部に接続され、また、
相互の油孔４３を接続する配管４８はオイルタン
ク４７の側壁、すなわち、オイルレベルOLより
下位に接続されている。なお、このオイルタンク
４７に頂部側はエアー源に接続されてタンク４７
内は所定のエアー圧（５Kg/cm²）に保持されてい
る。また、相互の検出孔３２は配管４９を下位し
て圧力スイツチ５０が接続されるとともに、この
圧力スイツチ５０は配管１１に配設した圧抜き弁
１３にリレー等を介して継電されて、シリンダ１
５の油室Ａがピストン体３６の降下により所定の
油圧（本例では約15Kg/cm²に設定した）に達する
と圧抜き弁１３を作動してプレスシリンダ３のピ
ストン側を減圧するように連繋されている。

次に、上記のように構成された本実施例の作用
および効果について説明する。

さて、本例緩衝装置はプレスシリンダ３に連結
したスライド５に取付けた打抜き用パンチ６とテ
ーブル７上にパンチ６と対向して取付けた下金型
８とを備えた油圧プレスにおいて、下金型８の両
側のテーブル７上にシヨツクアブソーバー１４を
配設し、該シヨツクアブソーバー１４のシリンダ
１５の底部１６にはバルブ２１を上下動可能に納
めるバルブ室１７を設け、該バルブ室１７には所
定のエアー圧で保持したオイルタンク４７の側壁
側に接続する油孔１８，４３を設け、また、同底
部１６には逆止弁３４を有し油室Ａに連通し、か
つオイルタンク４７の底部に接続する油孔３３，
４５を設け、また、シリンダ１５の側壁と底部と
の境にはシリンダ１５の油室Ａに連通し、かつ所
定の制御圧に設定した圧力スイツチ５０と接続す
る検出孔３２を設け、また、圧力スイツチ５０は
プレスシリンダ３のピストン側の配管１１に配設
した圧抜き弁１３に継電してピストン側を減圧可
能に設け、バルブ室１７のバルブ２１はその弁面
２４下部のバルブ２１中心に向う油孔２６の中心
端部にバルブ室１７を介して底部１６中心の油孔
１８に連通するオリフイス孔２７を設ける構成と
したものである。したがつて、打抜きに際しては
シヨツクアブソーバー１４のピストン体３６の上
端面は所定の位置に保持されている。しかして、
方向切換弁９のソレノイドSoLbが作動すると油
圧ポンプ１０からの圧油はプレスシリンダ３のシ
リンダ側へ送り込まれてスライド５および打抜き
用パンチ６は一体に降下される。そしてシヨツク
アブソーバー１４のロツド部３８の頂面３８ａの
高さ位置は打抜き用パンチ６がブランクＷに当接
すると同時、若しくはブランクＷを切断完了直前
にスライド５と当接する位置に設定されたもので
あるから、例えば打抜き用パンチ６がブランクＷ
に当接すると同時にスライド５がロツド部３８の
頂面に密着状に当接しさらに降下してブランクＷ
の切断を開始すると、これにともないシヨツクア
ブソーバー１４のピストン体３６も降下して油室
Ａ内のオイルを圧縮するが、シリンダ１５の底部
１６にはブランクＷ切断中はある切断速度にて降
下するスライドとともにシヨツクアブソーバー１
４のピストン体３６も降下するが、この時、油室
Ａが昇圧しない程度のオリフイス孔２７を有する
バルブ２１をばね３５を介して弾着したものであ
るから油室Ａのオイルはこのオリフイス孔２７よ
りオイルタンク４７側へ放出される。したがつ
て、従来のシリンダの底部にオイルの出入兼用ポ
ートを設けたリミツタのように衝撃吸収用の設定
圧がそのまま反力としてプレスシリンダ３に作用
することがなく、切断初期においてプレスシリン
ダ３内の圧力は徐徐に昇圧され、つぎには、急激
に切断圧力まで昇圧される。これにより打抜き用
パンチ６によりブランクＷの切断を完了する。こ
の切断過程でシヨツクアブソーバー１４の油室Ａ
の圧力がばね３５の設定圧力以上になるとバルブ
２１は降下作動されて、第３図ロに示すように弁
座２０を閉止してオイルの放出が阻止されて油室
Ａ内の圧力は切断圧力に相当するまで昇圧され
る。したがつて、切断完了と同時にスライド５は
降下しようとするが、昇圧されたシヨツクアブソ
ーバー１４により緩衝されるとともに、スライド
５の切断完了後の変位量は油室Ａ内のオイルの圧
縮による変位、バルブ２１の作動による変位、ピ
ストン体３６の圧縮量、プレス本体およびスライ
ド５の撓み量を勘案しても２mm以下とすることが
できるので金型の干渉を著減することができる。
一方、この油室Ａ内の圧力の昇圧途中で圧力スイ
ツチ５０が作動してリレーを介して切断完了と同
時に圧抜き弁１３が作動されてプレスシリンダ３
の圧力は０圧力まで降下される。かくして、１回
の切断作業を完了し、以後各切断過程初期におい
てプレスシリンダ３の昇圧を円滑に行うことがで
きて、所定の出力を確保することができ、切断終
了と同時にプレスシリンダに対し大きな反発力を
与えてこれを緩衝するとともに、極めて短いスト
ロークで停止することができて金型の緩衝および
騒音を著減することができる。

第４図はシヨツクアブソーバー１４の油室Ａの
圧力変動と時間の関係を示すグラフで、図中ａは
切断前および切断中でシヨツクアブソーバー１４
に反発力が発生していない時間、ｂはバルブ２１
の閉じるまでの時間、ｃはバルブ２１が閉じて最
大反発力が発生するまでの時間、ｄは圧力スイツ
チ５０が作動してから圧抜き弁１３が作動するま
での時間、ｅはプレスシリンダ３の圧抜きの時間
である。

なお、上記実施例においては下金型８の両側の
テーブル７の中央部にシヨツクアブソーバー１４
を設けて例示したがこれに限定するものではな
く、複数個対応して設けてもよい。

さて、本発明はプレスシリンダに連結したスラ
イドに取付けた打抜き用パンチとテーブル上に前
記パンチと対向して取付けた下金型とを備えた油
圧プレスにおいて、前記下金型の両側のテーブル
上に複数のシヨツクアブソーバーを配設し、該シ
ヨツクアブソーバーのシリンダの底部にはバルブ
を上下動可能に納めるバルブ室を設け、該バルブ
室には所定のエアー圧で保持したオイルタンクの
側壁側に接続する油孔を設け、また、同底部には
逆止弁を有し油室に連通し、かつ前記オイルタン
クの底部に接続する油孔を設け、また、前記シリ
ンダの側壁と底部との境にはシリンダの油室に連
通し、かつ所定の制御圧に設定した圧力スイツチ
と接続する検出孔を設け、また、前記圧力スイツ
チは前記プレスシリンダのピストン側の配管に配
設した圧抜き弁に継電してピストン側を減圧可能
に設け、前記バルブ室のバルブはその弁面下部の
バルブ中心に向う油孔の中心端部に前記バルブ室
を介して前記底部中心の油孔に連通するオリフイ
ス孔を設ける構成としたことにより、ブランクの
切断過程初期においてプレスシリンダの昇圧を円
滑に行うことができて、所定の出力を確保するこ
とができ、切断終了と同時にプレスシリンダに対
し大きな反発力を与えてこれを緩衝するととも
に、極めて短いストロークで停止することができ
て金型の緩衝および騒音を著減することができる
ので油圧プレスにおける緩衝装置としてその資す
るところ極めて大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はプレ
ス装置の略体説明図、第２図はシヨツクアブソー
バーの拡大縦断面図、第３図イ，ロはシヨツクア
ブソーバーのバルブの作用説明図、第４図はシヨ
ツクアブソーバーの油室内の圧力変動と時間との
関係を示すグラフである。 ３……プレスシリンダ、５……スライド、６…
…内抜き用パンチ、７……テーブル、８……下金
型、１１……配管、１３……圧抜き弁、１４……
シヨツクアブソーバー、１６……底部、１７……
バルブ室、２１……バルブ、２４……弁面、２７
……オリフイス孔、３２……検出孔、３４……逆
止弁、４７……オイルタンク、５０……圧力スイ
ツチ、１８，２６，３３，４３，４５……油孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレスシリンダに連結したスライドに取付け
   た打抜き用パンチとテーブル上に前記パンチと対
   向して取付けた下金型とを備えた油圧プレスにお
   いて、前記下金型の両側のテーブル上に複数のシ
   ヨツクアブソーバーを配設し、該シヨツクアブソ
   ーバーのシリンダの底部にはバルブを上下動可能
   に納めるバルブ室を設け、該バルブ室には所定の
   エアー圧で保持したオイルタンクの側壁側に接続
   する油孔を設け、また、同底部には逆止弁を有し
   油室に連通し、かつ前記オイルタンクの底部に接
   続する油孔を設け、また、前記シリンダの側壁と
   底部との境にはシリンダの油室に連通し、かつ所
   定の制御圧に設定した圧力スイツチと接続する検
   出孔を設け、また、前記圧力スイツチは前記プレ
   スシリンダのピストン側の配管に配設した圧抜き
   弁に継電してピストン側を減圧可能に設け、前記
   バルブ室のバルブはその弁面下部のバルブ中心に
   向う油孔の中心端部に前記バルブ室を介して前記
   底部中心の油孔に連通するオリフイス孔を設ける
   構成としたことを特徴とする油圧プレスにおける
   緩衝装置。