【発明の詳細な説明】
硝酸を用いるフタル酸及び無水フタル酸のニトロ化本発明はフタル酸及び無水フ
タル酸をニドolするための改良方法に関する。とりわけ、本発明の改良方法は
、少くとも約95重量%、好ましくは少くとも約97重量%のm硝酸から成る溶
剤に溶かした前記無水物又は酸の溶液を約20℃から硝酸の沸点、好ましくは約
50’Cから硝酸の沸点、最も好ましくは約60℃から約85℃の温度範囲にお
いて調製し、ニトロ化反応を進行させ、反応物の二l・口止誘導体を生成させ、
その後光分野で知られた慣用の回収方法によってこれらのニトロ化生成物を回収
することからこれらのニトロ化芳香族化合物の多くが、工業用樹脂組成物の製造
の際の出発反応物質又は中間物質として特に有用であるため、芳香族化合物のニ
トロ化誘導体を製造する代りの方法が絶えずめられている。
タック(Cook)らは(米国特許第3.981.933号)、反応媒体として
塩化メチレンの存在下で芳香族化合物を80〜100重拍%淵硫酸及び90〜1
00重量%濃硝酸と、有利には約−20℃から約50℃又はこれよりやや高い温
度範囲内で接触させ、その後ニトロ化合物をl1li!lする工程から成る炭素
数6〜18のニトロ化芳香族化合物を製造する方法を開示している。
バッカ(B acha)らは(米国特許第4.137.419号)、インデン、
ポリインデン、ジヒドロナフタレン又はポリジヒドロナフタレンを濃硝酸でニト
ロ化し、その後このニトロ化有機化合物を希硝酸で酸化することを含み、該ニト
ロ化が一40℃から約90℃の温度で約70〜約95重量%濃度の硝酸水溶液で
行われ、該酸化が約135℃から約210℃の温度で約5〜約50重撮%濃度の
硝酸水溶液で行われる4−ニトロ−〇−フタル駁の製造方法を開示している。最
後に、タックらは(米国特許第3.887゜588号)、!!li!酸中の無水
フタル酸を濃硝酸で処理し、その後、生成した無水ニトロフタル酸を塩化メチレ
ンで抽出することにより無水ニトロフタル酸をLTitする方法を示意外にも、
ここに、硝酸のみを用いるニトロ化方法においてフタル酸及び無水フタル酸をニ
トロ化して3−及び4−ニトOフタル酸の混合物を製造できることが見出された
。
特に本発明の方法は1)フタル酸又は無水フタル般を少くとも約95重量%、好
ましくは少くとも約97重量%の濃硝酸と混合し、2)約20℃から硝酸の沸点
、好ましくは約50℃から硝酸の沸点、最も好ましくは約60℃から約85℃ま
での温度範囲で混合物を反応させ、3)反応を進行させてニトロ化m 14体を
生成させ、4)その後既知の方法でニトロ化生成物を回収し、実質的にニトロフ
タル酸の3−及び4−異性体から成る混合物を得ることから成る。出発反応物質
、即ち1irI酸対フタル酸又は無水フタル酸の重絡比は、広い範囲にわたる。
一般的にこの比は約0.4〜約50であり、好ましくは約5〜約30.最も好ま
しくは約9〜約15である。
本発明方法は余分な要件とta酸の費用を省き、広い温度範囲にわたって有効で
あり、すぐれた収率が1qられる。さらに、この新しい方法は特に冷FJIの故
障及び及び/又は暴走反応の場合に、より安全で経費が少くてすむと考えられる
。そして、本発明の反応生成物の回収は乾燥、蒸発、抽出等を含むニトロ化生成
物の回収のための任意の既知の方法により行われ、WJMの除去が問題とならな
いのでより容易に行われる。むしろ本発明の生成物は硝酸から直接回収される。
明の詳細な1載
この明細出及び請求の間開の目的にとって゛硝酸の沸点”は用いる特定の硝酸が
、使用する圧力の下で沸詑する温度として定義される。この定義は、100%以
下の濃度の硝酸は100%の淵6rl酸よりも高沸点であり、硝酸の沸点は反応
を行う圧ツノを大気圧より上に上げることにより上昇させることができるという
ことから必要となる。このような場合は、この明細囚に示され請求の範囲によっ
て請求されているように本発明の範囲内に含まれることは明らかである。
ここにおいて開示されたニトロ化方法に有用な硝酸は、少くとも約951[t%
の濃度をもたねばならず、好ましくは約97〜約100重量%の鞭囲内である。
低濃度の硝酸は、全硝酸によるニトロ化方法に有用であるが、低濃度を用いると
、遅すぎて有効でない方法となる。このような濃度の硝酸は市販されているか、
あるいはより広く市販されている60〜67%濃度の硝酸から既知の濃縮法によ
り製造することもできる。
濃硝酸の使用Rは少くとも、フタル酸又は無水フタル酸の芳香核上に1個のニト
ロ(N O2>基を結合させるのに必要な理論量でなければならない。一般に、
硝酸対フタル酸又は無水フタル酸のEutlfi比は約0.4〜約50.好まし
くは約5〜約30.最も好ましくは約9〜約15である。本発明方法においてこ
れより少い又は多い量の硝酸を使用できることは明らかであるが、61[の間が
少ないと収率が低くなり、反応速度が遅すぎて効率が悪くなる。一方硝酸の闇が
多い場合は濃硝酸を無駄にし、酸及びその再循環のための費用が増える。
本発明で有用なフタル酸及び無水フタル酸はよく知られており、広く市販されて
いる。これらの物質の製造元にはミズリー州セントルイスのマリンクロット社(
Malli口ckrodt 、Inc、) 、ミズリー州セントルイスのモンサ
ント社(Monsanto Company) 、テキサス州ヒユーストンのエ
クソンケミカル(E xxon Chesical )がある。さらにフタル酸
及び無水フタル酸には、その酸又は無水物の芳香環が炭素数1〜10、好ましく
は1〜4の1個又はそれ以上のアルキル基及び/又は1個又はそれ以」:のハロ
ゲン原子でW1換されたそれらのgum誘導体、及び二塩基酸、二無水物、1i
!2照水物、酸ハロゲン化物及びその他のハロ誘導体を含む官能性誘導体が含ま
れ、例えばトリメリド酸、ピ耐メリト酎、無水トリメリド酸、ピロメリト酎二無
水物、塩化フタリル等がある。
本発明方法は、濃&lIM及びフタル酸又は無水フタル酸を、かく拌機又はかぎ
まぜ装置、反応器を加熱又は冷却する装置を備えた反応器において混合する工程
を含む。反応器はバッチ又は連続操作用のいずれでもよい。
本発明を実施するのに使用できるブロゼス装置の設計において特定の変更を行う
ことは当分野の技術者に知られている。例えば半径方向の混合を用いて又は用い
ずに、そして加熱又は冷却を用いて又は用いずにプラグ流方式で作動する1個又
はそれ以上の反応器を直列又は並列に用いることは可能である。また加熱及び冷
却を用いて又は用いずに・バッチ又は連続式で作動する逆混合方式で作動する1
個又はそれ以上の反応器を直列又は並列に用いることも可能である。さらに、前
記両方の特徴を有する反応器の組み合わせを用いることも可能である。
混合の方式及び反応物の添7J[]順序は本発明では重要視されない。反応物の
供給は1個以上の反応器を用いる場合最初の反応器になされるか、又は反応器間
に分配され、あるいは反応器の賃なった複数位置で供給させてもよい。さらに、
反応物は反応工程に入る前に予め混合されても、又は別々に供給されてもよい。
また1種類又は両方の反応物質を混合する前又は反応器に入れる前に望ましい反
応湿度にしておくことも可能である。
この方法が行われる圧力範囲は、真交かう大気圧以上まで広く変化する。用いる
反応器の型によっては、製法と安全性のため特にやや減圧で作動するすることが
できる。その他の場合は、一般に略大気圧で行われる。
一般には反応温度は約20℃から硝酸の沸点までであり、好ましくは約50℃か
ら硝酸の沸点まで、最も好ましくは約60℃から約85℃の範囲である。実際に
用いられる温度は望む反応速度及びニトロ化の効率に依存する。特に、温度が高
くなると、ニトロ化反応が速くなる。しかしながら、硝酸の沸点付近の非常に高
い温度は、沸騰及び亜酸化チッ素への変換による硝酸の損失を防ぐためには避け
るべきである。
また、上記温度範囲外の温度も本発明方法で使用できる。
しかしながらより低い温度では、反応速度が遅すぎて有効ではなく、一方高い温
度では硝酸の沸騰及びそれに伴う損失を防ぐために大気圧以上で操作することが
必要となる。
反応が進行する温度は反応速度に最も重要な影響を及ぼすが、用いる特定の反応
物質及び混合物中の反応物質の比もよた反
【5速度及び異性体の比に影+Rする
。前者に関しては、最初の混合物中の、又はN続操作の間に添加する際の、硝酸
の濃度が高くなるにつれ反応速度は大きくなる。そして反応物質の混合物の比に
関しては、反応速度は硝酸対フタル酸又は無水フタル酸の重昂比が大きくなるに
つれ増加することが見出された。また、重傷比が大きくなるにつれ、反応生成物
中の4−異性体対3−異性体の比は減少する、即ら1:1に近づく。
このように前記のものの任意の1つ又は1べてを変化させることにより、最適の
収率を(!Iるために、反応の進行時間を増やしたり減らしたりできる。概して
、好ましい範囲、例えば60〜85℃の温度で反応が進む場合は3時間以内に約
90%まで又はそれ以上の収率が得られる。これらの収率を、反応混合物を分離
する前に一定時間静置することによりさらに増加させることは任意である。
上記のように、反応が進む圧力は一般に大気圧程度である。しかし、反応器の圧
ツノを変えることは可能である。これは同じ温度においては反応速度に及ぼす影
響が少いと考えられる。しかし、圧力及び温度の両者の増加は、反応速度を多少
高めると考えられる。このように、前述のごとく硝酸の沸点は反応容器中の圧力
を高めることにより高くできるので、こうして高められた沸点も明細書及び請求
の範囲における゛硝酸の沸点′°という術語の範囲内に含まれると考えられる。
本発明方法の望ましい反応生成物は主としてニトロフタル酸の3−及び4−異性
体から成る。一般にこの比は、4−異性体対3−異性体の約1=1混合物から約
3:2混合物までの範囲である。
反応生成物それ自体は、ニドO化生酸物の回収にとって既知の任意の方法により
反応混合物から回収できる。)り用しうる方法の典型的なものとしては、抽出、
蒸発、乾燥、沈澱と乾燥等がある。回収された未反応のフタル酸及び/又は無水
フタル酸は再利用でき、使用された硝酸は再利用のために既知の方法によって再
循環できる。
当分野の技術者が本発明の実施のしかたをよりよく理解しうるように、次の実施
例を説明のために示すが、限定するためのものではない。
好ましい具体例の記載
一般に、反応生成物は、501!の採取量を臭化テトラエチルアンモニウム0.
5M、酢酸ナトリウム0.96Mを含む溶液3.8x7に入れ急冷する高圧液体
クロマトグラフィー(HPLC)によって分析づる。試料を、臭化テトラエチル
アンモニウム0.005M、酢酸0.035M及び酢酸ナトリウム0.070M
の溶液から成る移動@1.51!/分を用いて、つl−ターズ・ニー・ボンドバ
ック(Waters u BOMpak) /C,、カラムで280 nmにお
いて分析する。
実施例1及び2
99重量%濃硝酸100重ω部及び150重】部をそれぞれ反応器に加え、温度
を70℃にする。各溶液へ7タル110串量部を加える。70℃において3V1
間ニトロ化を続け、実質的に3−及び4−ニトロフタル酸の混合物を理論収率の
90%よりも大きい収率で得る。表1は反応生成物の混合物の組成をモルパーセ
ントで示す3゜生成する4一対3−二トOフタルなのモル比は約1.1:1であ
る。
表1
反応生成物の混合
HN Ch l量/ 物(モル%)3−フタルWHIM 及び4−NPAcid
フタル酸実1に例1 10/1 96.0 3,98実施例2 15/1 9
4,4 5.62実施例3〜16
一連の実験を、無水フタル酸を7タル酸に代えて用いることを除き実施例1及び
2と同様にして行う。温度及び反応物質の重偵比は表2に示す通りである。表2
はまた、3時間のニトロ化の間に形成された生成物の理論収率に対するモル%を
も表わしている。
!2
HN Os fE l / 4−及び3−211 無水フタル酸重洛 ニトロフ
タル酸実施例3 25 5/1 12.8(25,6)“4 25 10/1
18.6(38,2)”5 25 15/1 21.6(43,3)’6 25
20/1 23.7(46,0)7 50 5/1 52.5
8 50 10/1 68.3
9 50 15/1 75.2
10 50 20/1 77.6
11 70 10/1 93.5
12 70 1s/1 88.0
13 80 5/1 94.7
14 80 10/1 99.1
(a)かっこ内の斂字は7時間後に形成されるモル%を表わす。
表2は全硝酸によるニトロ化方法が種々の温度及び出発反応物質の重ω比におい
て進行する能力を示す。より高い温度が好ましいことは明らかである。さらに硝
酸対無水フタル酸のモル比が高くなるとより速い反応速度に有利となることは明
らかである。
実施例17〜19
それぞれ9つ、97及び95%の濃硝酸100重昂都合反応容器に加え、70℃
にする。これらのそれぞれに無水フタル醸10間部部を加える。ニトロ化反応を
3日間Vcfプ、その後入3に示されるように、ニトロフタル酸の3−及び4−
異性体及び未反応フタル酸から成る反応生成物を回収実施例17 99 93,
1 6.9
18 97 83.5 16.5
19 95 70.2 29.8
表3より、硝酸の温度が反応速度に大ぎく影響することは明らかである。
上記説明に照らして本発明のその他の変形及び変更が可能であることは明らかで
ある。従って、記載された本発明の特定の具体例において、請求の範囲で明らか
にされた本発明の範囲内にある変更をなしうろことは当然である。
国際膿審斡牛
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