JPS6146399Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は転炉、取鍋等の溶湯容器を補修する溶
射補修装置のパイプ送り装置の改良に関する。

〔従来技術〕

従来、かかる溶湯容器の補修方法としては、水
とエアを使用する吹付け方法と溶射による吹付け
方法がある。しかるに上記溶射補修方法において
用いるライニング装置、特に溶射用の溶射補修装
置は以下の問題を有している。

イ 溶射パイプが長尺かつ大径なので、進退が困
難である。

ロ また慣性力が大なので停止精度も悪い。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来技術が有する問題点
を解消しようとするものであり、その目的は、か
かる溶射パイプを円滑かつ確実に進退でき、停止
精度も向上することができる溶射補修装置のパイ
プ送り装置を提供することにある。

〔考案の構成〕

上記目的を達成するため、本考案に係る溶射補
修装置におけるパイプ送り装置は、ターンテーブ
ルの後方に位置する取付機枠に支持され且つター
ンテーブルの前方に位置する俯仰用シリンダを取
付けてなる保持筒体に溶射パイプを進退自在に取
付けてなる溶射補修装置において、溶射パイプの
送り装置を溶射パイプを取付機枠より後方で両側
から挟持する少なくとも一つのブレーキ機構を有
した連続した複数組の駆動ローラと同駆動ローラ
の軸線と交叉した軸線を有するサイドローラによ
つて構成したものである。

〔実施例〕

以下、添付図に示す実施例に基づいて、本考案
を具体的に説明する。

第１図および第２図において、１は車輪２，３
によつて走行自在な台車であり、同台車１はその
後方に台車１の走行、その他油圧装置を作動する
ためのエンジン４を搭載している。かかる台車構
造において、５はエンジン４の上部に跨設状態に
配設する固定枠であり、同固定枠５はその上位部
材６に旋回軸７を回転自在に枢支している。また
８は台車１上に旋回自在に配設するターンテーブ
ルであり、同ターンテーブル８は実質的にエンジ
ン４の上方に位置し、旋回軸７に固着する後方枢
支部８ａと、同後方枢支部８ａから前方に延設
し、かつ台車１の床面１ａ上に位置する前方旋回
部８ｂとより段差を有して構成される。ターンテ
ーブル８の旋回はターンテーブル旋回用シリンダ
８ｃによつて行なわれ、同シリンダ８ｃは基端を
台車１の床面１ａ上のブラケツト１ｂに枢支する
とともに、伸縮ロツド端を前方旋回部８ｂの一側
に枢支している。なお台車１はターンテーブル８
を旋回軸７のみによつて片持状態に支持するのを
防止するため、床面１ａ上に前方旋回部８ｂを転
動自在に支持するターンテーブル受けローラ９，
１０を取付けている。また１１はターンテーブル
８の後方枢支部８ａ上に取付けられる溶射装置で
あり、同溶射装置１１は、本実施例では、後方枢
支部８ａ上に門型取付機枠１２を固定し、同取付
機枠１２の上面両側に軸受１３を取付け、同軸受
１３によつて、第１保持筒支持リング１４の枢軸
１４ａを傾動自在に軸支し、同支持リング１４内
に保持筒１５を回動自在に支持し、さらに同支持
リング１４から前方に離隔した位置において、第
２保持筒支持リング１６によつて、保持筒１５を
同様に回動自在に支持し、両支持リング１４，１
６をサイドアーム１７で連結するとともに、第２
支持リング１６の下端に、基端をターンテーブル
８の前方旋回部８ｂ上に枢支するパイプ俯仰用シ
リンダ１８の伸縮ロツド端を連結し、さらに第１
支持リング１４上に保持筒回転用モータ１９を取
付け、同回転用モータ１９の出力軸に取付けたギ
ア２０を保持筒１５の周面に固設したギア２１と
噛合し、さらに保持筒１５の後端に保持筒１５内
に進退自在に取付けられる溶射パイプ２２を進退
するパイプ送り装置２３を取付けるとともに、保
持筒１５の先端に溶射パイプ２２の進退を円滑に
するガイドローラ装置２４を取付け、さらに溶射
パイプ２２の先端にバーナヘツド２５を連結する
とともに、その後端をスイベルジヨイント２６を
介して各種の供給管、例えば燃料供給管、材料供
給管、酸素供給管等と連結することによつて構成
している。

かかる構成において、パイプ送り装置２３の詳
細な構成が第３図から第５図に示されており、３
０は保持筒１５の後端に取付けた直方体のローラ
取付機枠であり、同取付機枠３０は隔壁３１によ
つて２組のローラ取付室３２，３３を形成してい
る。各ローラ取付室３２，３３内には溶射パイプ
２２を両側から挾圧する一対の駆動ローラ３４，
３５が配設されている。かかる駆動ローラ３４，
３５はそれぞれ両端を側壁３６，３７に回動自在
に支持するローラ軸３８，３９に固着しており、
さらに各ローラ軸３８，３９は溶射パイプ２２に
並設するスパイラルギア４０と噛合する一対のス
パイラルギア４１，４１を取付けている。また各
スパイラルギア４０，４０はローラ取付機枠３０
の前壁と後壁にそれぞれ取付けた回動モータ４
２，４３と連結している。また４４，４５は各ロ
ーラ軸３８，３９の両端に設けたテイクアツプ型
軸受であり、皿ナツト４６を具備するボルト４７
の締付量を調整することによつて溶射パイプ２２
の挾圧力を調整することができる。また上記構成
において、一方の回動モータ４２はブレーキ機構
を内蔵しており、溶射パイプ２２にブレーキ制動
をかけることができる。

なお、図示の実施例におけるその他の構成要素
について述べれば、５０は溶射パイプ２２進出時
の同パイプによる転倒モーメントから台車１の転
倒を防止するためのアウトリガーであり、５１，
５２は溶射時の飛散物や高熱から前方旋回部８ｂ
上の作業員を保護するための前面カバーおよび防
熱板、５３は保持筒１５の後端に設けたサイドロ
ーラである。

ついで上記構成を有する溶射補修装置における
補修作業について述べれば、パイプ送り装置２
３、パイプ俯仰用シリンダ１８、保持筒回転用モ
ータ１９を駆動して溶射パイプ２２を進退、俯
仰、回転させることによつて溶射パイプ２２のバ
ーナヘツド２５を的確に溶湯容器の被施工壁面に
向けて対峙させ、その後各種供給管を介して溶射
パイプ２２内に燃焼ガス、材料、酸素等を給送
し、その後バーナヘツド２５において点火後、被
施工壁面に材料を噴射する。

かかる溶射作業において、本実施例におけるパ
イプ送り装置２３は複数組の駆動ローラ３４，３
５によつて溶射パイプ２２を駆動するので、進退
を確実にかつ円滑に行うことができる。さらに少
くとも一組の駆動ローラはブレーキ機構を内蔵す
るので、相当の慣性力を有する溶射パイプ２２の
移動も瞬時に停止でき、被施工個所にバーナヘツ
ド２５を的確に対峙することができる。

〔考案の効果〕

以上述べてきた如く、本考案は下記の効果を奏
する。

イ 取付機枠より後方に連続した駆動ローラによ
つて駆動されるので溶射パイプの長さを短くで
き、装置全体をコンパクトにすることができ
る。

ロ パイプ送り装置内にブレーキ機構を設けたの
で、重量物である溶射パイプの停止精度を向上
できる。

ハ パイプ送り用駆動ローラが連続して複数ある
ので、一つが故障しても他のローラによつて緊
急代替できる。

ニ パイプ送り用駆動ローラの軸線と交叉する軸
線を有するサイドローラを設けたことによつ
て、駆動ローラがパイプの軸線を中心に回転し
ても溶射パイプが外れることがない。

ホ 先端が重い溶射パイプを進退或いは旋回させ
ても重量バランスが乱れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる溶射補修装置の正面
図、第２図は同平面図、第３図は溶射補修装置の
要部拡大正面図、第４図は同平面図、第５図は第
３図−線による断面図である。 図中、１；台車、１ａ；床面、１ｂ；ブラケツ
ト、２；車輪、３；車輪、４；エンジン、５；固
定枠、６；上位部材、７；旋回軸、８；ターンテ
ーブル、８ａ；後方枢支部、８ｂ；前方旋回部、
８ｃ；ターンテーブル旋回用シリンダ、９；ター
ンテーブル受けローラ、１０；ターンテーブル受
けローラ、１１；溶射装置、１２；門型取付機
枠、１３；軸受、１４；第１保持筒支持リング、
１４ａ；枢軸、１５；保持筒、１６；第２保持筒
支持リング、１７；サイドアーム、１８；パイプ
俯仰用シリンダ、１９；保持筒回転用モータ、２
０；ギア、２１；ギア、２２；溶射パイプ、２
３；パイプ送り装置、２４；ガイドローラ装置、
２５；バーナヘツド、２６；スイベルジヨイン
ト、３０；ローラ取付け機枠、３１；隔壁、３
２；ローラ取付室、３３；ローラ取付室、３４；
駆動ローラ、３５；駆動ローラ、３６；側壁、３
７；側壁、３８；ローラ軸、３９；ローラ軸、４
０；スパイラルギア、４１；スパイラルギア、４
２；回動モータ、４３；回動モータ、４４；テイ
クアツプ型軸受、４５；テイクアツプ型軸受、４
６；皿ナツト、４７；ボルト、５０；アウトリガ
ー、５１；前面カバー、５２；防熱板、５３；サ
イドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ターンテーブルの後方に位置する取付機枠に支
   持され且つターンテーブルの前方に位置する俯仰
   用シリンダを取付けてなる保持筒体に溶射パイプ
   を進退自在に取付けてなる溶射補修装置におい
   て、溶射パイプの送り装置を溶射パイプを取付機
   枠より後方で両側から挟持する少なくとも一つの
   ブレーキ機構を有する連続した複数組の駆動ロー
   ラと同駆動ローラの軸線と交叉した軸線を有する
   サイドローラによつて構成したことを特徴とする
   溶射補修装置におけるパイプ送り装置。