JPH083919Y2 - 窯炉内張ライニングの溶射補修装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は窯炉ライニングの損傷部を溶射技術によって
補修する際の窯炉内張ライニングの溶射補修装置に関す
るものである。

（従来の技術） 一般に窯炉ライニングを溶射技術によって補修する場
合、一定長さのランス先端部に溶射バーナーを取り付け
て、そのバーナーから噴出する火炎および粉体材料を炉
壁面に吹き付けて補修している。ランス長さは、対象と
する炉の大きさや、炉長によって決まるが、ランス長さ
が長くなると、溶射装置を休止させる場所や収納する場
合にランス周辺設備と干渉するため、溶射装置を設置で
きないケースがみられる。

例えば転炉の補修では、作業性の点からも炉体を横方
向に傾動後、炉前作業床上にランス駆動台車を停止させ
ランスを挿入する方法が一般的である。しかし、炉前の
作業床がランス長さより短かいと、炉前作業床に溶射装
置を設置することができない。そのための対策として、
炉下から下方向に傾動した炉口および直立状態の炉体の
炉口からランスを挿入する方法が考えられる。（特開昭
56−139767号公報） 炉下からのランス挿入は、受鋼台車軌条上に台車を設
置し、炉体を下方向に傾動した状態で行う。この場合、
軌条は受鋼台車と併用することになり、ランス駆動台車
の軌条への乗せ換えを操業間に行うことになり作業性が
悪化する。このように軌条上に設置したランス駆動台車
から下方に傾動した炉体の炉口を狙って補修部位にラン
スを挿入するには炉体と干渉しないように正確に駆動制
御することが必要であるばかりでなく、炉内での吹き付
け状態が肉眼で観察できない欠点がある。また、操業炉
体数が複数である場合、各炉体にガス制御装置、材料供
給装置等溶射機器を設置するか、あるいは溶射機器数を
一式としてランス駆動台車上に設置する方法があるが、
セット数の増加による設備費増、ランス駆動台車の大型
化による軌条乗せ換え時の干渉問題がある。

直立炉体の炉口からランスを挿入する方法では、溶射
ランス駆動装置の設置スペースの少ない既設工場でO₂ラ
ンス駆動装置との干渉問題、あるいは溶射ランス使用時
のO₂ランスとの交換方法問題がある。新規工場建設時に
は、これらの点を考慮した設備が設置できるが、設備費
がかかる。また、既設工場においても設備改造費がかか
ることが設置上の問題となる。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記従来の問題を解決するために、ランスホ
ルダー内で溶射ランスを前後、回転作動させることによ
り、従来より短かいランスで、従来と同じ長さのランス
機能を保持させ、しかも狭い作業スペースで溶射補修の
できる装置を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本考案は、台車２の上に左右方向へ可動可能なターン
テーブル３を設け、該ターンテーブル３に立設した支持
台10にランスホルダーガイドフレーム15を府仰可能に軸
着し、該ランスホルダーガイドフレーム15にランスホル
ダー４を前進又は後退可能に支受せしめ、ランスホルダ
ーガイドフレーム15に固定した油圧シリンダー11のロッ
トをランスホルダー４に連結し、ランスホルダー４内に
設けた油圧モーター18に連結したスクリューネジ８に、
ランスホルダー４内に進退自在に設けたランス５の回転
継手14のネジ部を螺合した、窯炉内張ライニングの溶射
補修装置である。

（実施例） 転炉溶射補修装置に適用した本考案の一実施例につい
て示す。

ランス収納時の側面図である第１図およびランス最伸
時の側面図である第２図において基礎１上を走行する台
車２にターンテーブル３が搭載されている。

このターンテーブル３は台車２に、油圧シリンダーで
駆動されて水平方向に回動できるように旋回ローラ６を
介して設置される台車２の前方に対して左右に旋回する
ようになっている、該ターンテーブル３に立設した支持
台10にランスホルダーガイドフレーム15を軸着し、ター
ンテーブル３とランスホルダーガイドフレーム15とを油
圧シリンダー７で連結し、該油圧シリンダー７の伸縮に
よりランスホルダーガイドフレーム15を府仰させる、こ
のランスホルダーガイドフレーム15にランスホルダー４
を前進又は後退可能に支受せしめ、ランスホルダー４の
内側に設置された軸受12、13にランス５を前後移動自在
に支持せしめ、ランスホルダーガイドフレーム15に固定
した受けフレーム20に、水平に固定した油圧シリンダー
11の伸縮側ロッドを連結し、この油圧シリンダー11の伸
縮によりランスホルダー４を前後に移動させる。

また、ランスホルダー４に設けた油圧モーター18に連
結したスクリューネジ８をランス５に設けた回転継手14
のネジ部に螺合し、油圧モーター18の回転によりスクリ
ューネジ８を回転し回転継手14と共にランス５を前進又
は後退させる。

（作用） 本考案は、ランス５を収納時からランス５を転炉炉内
に挿入する場合、油圧シリンダー11を作動させランスホ
ルダー４を前進させ、ランス５のバーナー16から補修材
を炉内に噴射し、補修を行ない、更に炉の奥方向の補修
には油圧モーター18を回転すると共にスクリューネジ８
が回転するのでランス５に設けてある回転継手14はスク
リューネジ８に案内されてランス５を炉の奥方向へ前進
させ、炉の奥まで補修することができる。また、ランス
５を収縮させるには、油圧シリンダー11を収縮作動さ
せ、ランスホルダー４を後方に移動させ、更に油圧モー
ター18を前記とは逆方向に回転せしめ、スクリューネジ
８を共に回転させると、ランス５は回転継手14の回転に
よりて後退しランスホルダー４内に収納される。

（考案の効果） 以上に説明してあるように、本考案によると、ランス
５を前進するには、油圧シリンダー11の作動によりラン
スホルダー４を前進させ、更に油圧モーター18を作動さ
せスクリゥーネジ８を回転し、ランス５に設けてある回
転継手14を移動することにより、ランス５を炉内に進入
又は後退せしめることができ、転炉炉内補修部の適正溶
射位置にバーナー16をセットすることができるのみなら
ず、ランスホルダーガイドフレーム15及びランス５をそ
れぞれ後退せしめ、ランス５の長さを従来の約半分にす
ることができるため、炉前にスペースのない狭い場所に
おいても溶射補修装置を設置できるので、スペースのな
い場所でも溶射による窯炉ライニングの補修を容易に実
施することができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し第１図はランス収納時の
側面図、第２図はランス最伸時の側面図、第３図はラン
ス駆動機構部拡大部分略図である。 １は基礎、２は台車、３はターンテーブル、４はランス
ホルダー、５はランス、６は旋回ローラー、７は油圧シ
リンダー、８はスクリューネジ、９は歯車、10は支持
台、11は油圧シリンダー、12、13は軸受、14は回転継
手、15はランスホルダーガイドフレーム、16はばーな
ー、17、18は油圧モーター。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−166476（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−133539（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−159200（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台車の上に左右方向へ可動可能なターンテ
   ーブルを設け、該ターンテーブルに立設した支持台にラ
   ンスホルダーガイドフレームを府仰可能に軸着し、該ラ
   ンスホルダーガイドフレームにランスホルダーを前進又
   は後退可能に支受せしめ、ランスホルダーガイドフレー
   ムに固定した油圧シリンダーのロットをランスホルダー
   に連結し、ランスホルダー内に設けた油圧モーターに連
   結したスクリューネジに、ランスホルダー内に進退自在
   に設けたランスの回転継手ネジ部を螺合したことを特徴
   とする、窯炉内張ライニングの溶射補修装置。