JPS584272B2 - 耐火ライニングの吹付補修装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は取鍋、タンデイシュ等の溶融金属用容器と製鋼
炉、窯炉等の耐火ライニングを、不定形耐火材によって
吹付補修する、耐火ライニングの吹付補修装置に関する
。

従来、取鍋、タンデイシュ等の溶融金属用容器の吹付補
修装置としては、いわゆる、乾式吹付装置（ノズル部で
、吹付材と添加水を混合し吹き付ける型式）と、湿式吹
付装置（あらかじめ、吹付材と添加水を混合したものを
、ノズルより吹き付ける型式）があり、該容器を、正立
、または、傾倒させ、作業者か吹付パイプを担持し、吹
付補修を行なっていたが、高温、かつ、粉塵下での重労
働のため、吹付距離、および方向を、一定に保つことが
困難で、かつ、リバウンドロス（はねかえり）も多く、
均一な補修を行なうことは困難であり、さらに、傾倒さ
せて吹き付ける場合、上側壁面への吹付効果の減少、お
よび、吹付パイプの熱変形等がおこり、均一な吹付補修
ができない等の問題点があった。

これに対して、近年、いわゆる、遠心投射式の吹付装置
が開発され、自動化、省力化等に若干の改良効果をあげ
ている例（特公昭５０−３９４０３号公報）がある。

すなわち、この種の装置は、逆円錐状の容器部に貯蔵さ
れた吹付材を、該容器下部の高速回転する放射盤から、
水平方向に、放射状に投射し、吹付補修する装置であっ
て、クレーン等によって、容器内の所望高さに自由に昇
降することができるものである。

しかしながら、該装置では、 １）側壁の局部的な補修が困難で、かつ、敷部の補修が
全く不可能である。

２）補修作業中、常時クレーン等の吊り下げ手段を必要
とする。

３）場合によって、装置全体を高温の容器内に入れる必
要があるため、水冷機構等か膨大となり、かつ、コスト
高となる。

４）横断面が円状容器以外の補修には不適当である。

等の欠点があり、まだ、これらの問題点が解決されてお
らず、作業環境上の見地からも、これらの早期解決が強
く要望されていた。

本発明は、上記問題点を解決し、溶融金属用容器、製鋼
炉、窯炉等の損傷部を均一、かつ、安全に能率よく吹付
補修できる、耐火ライニングの吹付補修装置を提供する
ことを目的とする。

本発明は前記特許請求の範囲に記載した如き構成からな
る耐火ライニングの吹付補修装置に係り遠隔操作によっ
て、被補修容器の損傷部（敷部を含む）を完全かつ均一
に能率よく補修することができ、大幅な延命を達成する
ことができると共に省力化、自動化、作業環境の改善に
顕著な効果を有するものである。

以下、本発明の一実施例を示す添附図面にもとすいて説
明する。

１は本体架台、１３は本体架台１に旋回用ベアリング１
０を介して載置されたターンテーブルである、１９は本
体架台１上に取付けた電動モーターであり、その回転軸
に嵌合固定されている小かさ歯車１８は、ターンテーブ
ル１３外周に設けている大かさ歯車１７と噛合している
。

２０はターンテーブル１３の中心線上に垂直方向に設け
た受筒で、受筒２０外周面に固着した軸２２は、ターン
テーブル１３内周面に固着したベアリング軸受２３に遊
合されている。

シリンダー２４は、そのチューブ２５をピン２７を介し
てターンテーブル１３上に取付けられ、又そのロツド２
６はピン２８を介して受筒２０に係合されている。

２９は不定形耐火材、流体流通用二重パイプ３５（以下
「二重パイプ３５」と称す）を内挿した外筒で受筒２０
内部を垂直方向に挿通している。

外筒２９外周面軸線方向に摺動係合部材、たとえばラツ
クギヤー３２が固着され、受筒２０上に取付けた駆動機
構、たとえばモーター３３の回転軸に嵌合固定されたピ
ニオン３４と噛合している。

又外筒２９のラツクギヤー３２は受筒２０の内周面軸線
方向に穿設された溝２１に係合している。

３６は二重パイプ３５０案内部材で外筒２９内周面に内
挿している。

案内部材３６は二重パイプ３５を嵌合固定している。

案内部材３６の上下端面に、外筒２９の外周に取り付け
られたモーター３８の回転軸に嵌合固定されているスプ
ロケット３９と、外筒２９のラッパ状上端部３１に取り
付けられたスプロケツト４０と、外筒２９の下部に取り
付けられたスプロケット４１を介して、伝達機構たとえ
ばチェーン４２の両端をそれぞれ接続している。

案内部材３６の突起３７は外筒２９の溝３０に係合して
いる。

二重パイプ３５上端には、回転継手４３を介して耐火材
流通用ホース４４を接続している。

又、回転継手４３には流体（エヤー、水）流通用ホース
４５も接続され、回転継手４３下部より出た流体流通用
ホース４６は、二重パイプ３５の外周空隙部３５’上部
に接続され、外周空隙部３５′下部より流体流通用たわ
み管（外周を金属布で被覆されたホース）４７で、二重
パイプ３５下端に接続されたノズル４９，５０の間に取
り付けられた流体添加器４８に接続されている。

前記本体架台１には吊りアーチ２が取り付けられており
、吊りアーチ２上端中央部には吊り具４が固着されてい
る。

又、吊りアーチ側柱３上側部に不定形耐火材流通用ホー
ス４４、流体流通用ホース４５を通した電動ホースガイ
ド５を取り付けている。

次に、本発明装置の操作について説明する。

所定の位置にある本発明の吹付補修装置の吊り具４にク
レーンをかげ吊り上げ、補修を要する取鍋ａの開口ｂ上
まで運び開口ｂ上に降ろす。

直径方向に可動自在な案内板６によって炉の中心線に二
重パイプ３５の軸線を容易に合せられ、又、水平方向に
動くことも防止される。

不定形耐火材流通用ホース４４を不定形耐火材加圧供給
タンク５２に接続し、流体流通用ホース４５を流体供給
源（湿式はエヤーコンプレッサー、乾式は水加圧供給タ
ンク）５３に接続する。

次に、ノズル操作兼位置指示のための制御盤５１を電源
盤７にコレクター８を介して接続し、該制御盤５１によ
って遠隔操作する。

側壁レンガｃの補修には曲管状のノズル４９を使用する
、電動モーター１９を起動正逆回転して、小かさ歯車１
８、大かさ歯車１７を介してターンテーブル１３を正逆
回転させる。

スリップリング１２とカーボンブラシ１１によって、タ
ーンテーブル１３は３６０×ｎ°の正逆回転が可能（次
の補修箇所へ、最短回転方向をとれる）である。

外筒２９はモーター３３を起動正逆回転し、ピニオン３
４、ラツクギヤー３２を介して昇降し、二重パイプ３５
はモーター３８を起動正逆回転し、スプロケツト３９、
４０，４１、チェーン４２を介して昇降する。

外筒２９、二重パイプ３５の繰込時には電動ホースガイ
ド５により、不定形耐火材流通用ホース４４、流体流通
用ホース４６を巻き取る。

ノズル４９（５０）を傾斜させる場合はシリンダー２４
のロツド２６を伸縮し、受筒２０を傾動することによっ
て行なう。

本発明の装置においては以上の機能を組合せてもたらさ
れる同時作動、単一作動によって、いかなる損傷箇所に
もノズル４９を対応させ得、同時に不定形耐火材加圧供
給タンク５２内の不定形耐火材に圧力を加えて不定形耐
火材流通用ホース４４、回転継手４３、二重パイプ３５
を経て、ノズル４９先端に圧送するとともに、流体供給
源（湿式はエヤーコンプレッサー、乾式は水加圧供給タ
ンク）５３より流体（湿式はエヤー、乾式は水）を流体
流通用ホース４５、回転継手４３、流体流通用ホース４
６、二重パイプ３５、流体流通用たわみ管４７を経て、
流体添加器４８から吹出せば、両者の圧力によって、表
面形状および場所を問わずすべての損傷箇所を吹付補修
できる。

敷レンガｄ補修には、直管状のノズル５０を使用する。

又、ターンテーブル１３上の動力源を油圧又は空気圧に
する場合には、油圧又は空気圧ユニットはターンテーブ
ル１３に載置、内蔵する。

油圧の場合を第１図によって説明すると、ターンテーブ
ル１３上にはオイルポンプユニット１４か載置され、タ
ーンテーブル１３内にはオイルタンク１５、制御機器ユ
ニツト１６が蔵されている。

外筒２９はラツクギヤー３２が受筒２０の溝２１に嵌合
して、案内３６は突起３７が外筒２９の溝３０に嵌合し
て円周方向には回動しない第４図、第５図。

本発明装置の昇降機能を前記の外筒と二重パイブの昇降
による二段方式にしているのは、繰出し最長時のノズル
の安定性、繰込み最短時のコンパクト化のためである。

又、本発明装置はノズル最降下（最長）時においても、
炉内への駆動源の進入がない機構であり熱間補修時の熱
による駆動源の故障かない。

二重パイプは垂直に設けられているので、自重、高温に
よるたわみがない。

外筒２９のラッパ状上端部３１は、不定形耐火材流通用
ホース４４、流体流通用ホース４５の損傷を防ぎ、外筒
２９自体が炉内へ落下することを完全に防止できる。

第８図におけるタンデイシュｅの補修には、本体架台１
の替りに電動ホースガイド５８を設けた走行台車５４を
使用し、該台車上に本装置を取り付け、レール５５、ト
ロリーダクト５６を取り付けた作業台５７上に載置し、
タンデイシユｅ上に吊り具５９にクレーンをかけ作業台
５７ごと吊り上げ備えつける。

補修要領は走行機能を加える以外、前記の取鍋補修と同
じである。

又、クレーン等で本装置を吊り下げて補修する場合、装
置自体の回転、横振れを防止するため、架台１と容器を
鎖等によって少なくとも３箇所程度係止する。

本装置は既述のような溶融金属用容器だけでなく、製鋼
炉、窯炉等にも、炉等の上部に吹付パイプの入る程度の
開口さえあれば使用でき、応用範囲の広い装置である。

なお、本発明の装置は該容器、炉等が高温いわゆる熱間
、および室温又はこれに近い温度いわゆる冷間の何れの
状態においても使用可能であることはいうまでもない。

以上説明したように、この発明によって取鍋、タンデイ
シュ等の溶融金属用容器、製鋼炉、窯炉等の耐火ライニ
ングの炉内吹付補修を遠隔から、均一に能率よく行ない
得、作業者も粉塵のない常温下で安全、軽快に行な得か
つ、必要に応じて局部的な補修も行なえる等、省力化、
自動化、作業環境改善に顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明耐火ライニングの吹付け補修装置の一実
施例を示す平面図、第２図は同縦断面正面図、第３図は
ターンテーブルの縦断面正面図、第４図は外筒、及び不
定形耐火材、流体流通用パイプ、案内、ノズルの縦断面
図、第５図は第４図Ａ−Ａ線横断面図、第６図は本発明
装置の取鍋側壁レンガ補修要領を示す縦断面図、第７図
は本発明装置の取鍋敷レンガ補修要領を示す縦断面図、
第８図は本発明装置によるタンデイシユ補修要領を示す
正面図。 図中、１は本体架台、２は吊りアーチ、３は吊りアーチ
側柱、４は吊り具、５は電導ホースガイド、６は案内板
、７は電源盤、１３はターンテーブル、１７は大かさ歯
車、１８は小かさ歯車、２０は受筒、２９は外筒、３５
は不定形耐火材・流体流通用二重パイプ、３６は案内部
材、４８は流体添加器、４９、５０はノズル、５１は制
御盤、５２は不定形耐火材加圧供給タンク、５３は流体
供給源、５４は走行台車、５７は作業台、ａは取鍋、ｂ
は取鍋開口、ｃは取鍋側壁、ｄは敷レンガ、ｅはタンデ
ツシュを夫々示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体架台上に設けたターンテーブルに垂直方向に軸
   支した受筒が駆動機構によって傾動自在に設けられ、該
   受筒内に摺動係合部材を介して垂直方向に外筒が設けら
   れて、該外筒に耐火材、流体流通用二重パイプが案内部
   材を介して垂直方向に内挿され、該外筒に連結している
   駆動機構および伝達機構によって、前記外筒に内接しな
   がら昇降可能であり、かつ駆動機構によって該外筒が独
   立に昇降自在に設けられ、耐火材、流体流通用二重パイ
   プの先端にノズルが装着され、他端には吹付耐火材およ
   び流体を供給するためのホースが接続されてなる耐火ラ
   イニングの吹付補修装置。