JPS6145718B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロール手入れ装置の構造に関し、特
に、連続メツキラインなどの処理液槽内に設置さ
れたコンダクターロールの表面に付着したスラジ
や表面傷などの修正するためのロール手入れ装置
の構造に関する。

ストリツプのメツキラインなどの処理ラインで
使用されるコンダクターロールは、メツキ液など
から発生する腐蝕性ヒユームのため表面にスラツ
ジが付着したり、あるいは種々の要因で表面傷が
発生したりする。このようなロール表面の汚損は
定期的に修正する必要があり、そのためロール手
入れ作業が行なわれている。

このロール手入れを行なうための装置は従来よ
り待望されていたが、メツキ液などから発生する
腐蝕性ヒユームのため機器が早期に腐蝕するとい
う問題があり、従来技術ではロール手入れを自動
的に行ないうる適当な装置は末だ提案されていな
かつた。

したがつて、従来のロール手入れは、第１図に
示すごとく、木の棒１の先端にポリシングペーパ
ー２を巻き付け、人力により作業を行なわねばな
らず、悪環境での人手作業を余儀なくされてい
た。

本発明は、このような従来のロール手入れ作業
の問題に鑑みなされたものであり、メツキ槽など
の処理液槽に設置されたコンダクターロールを自
動的に手入れすることができるロール手入れ装置
を提供することを目的とする。

本発明は、処理液面上方にラインと直角方向に
往復動可能な本体を設け、該本体にコンダクター
ロールと接離可能なポリシヤーロールを取付ける
ことにより上記目的を達成するものである。

すなわち、本発明によれば、ストリツプ連続処
理ラインの処理液槽に設置されたコンダクターロ
ールの表面手入れを行なうロール手入れ装置にお
いて、処理液面上方でラインと直角方向に所定範
囲で往復動する本体を設け、該本体に前記コンダ
クターロールに平行なポリシヤーロールを軸支す
るとともに、前記ポリシヤーロールを前記コンダ
クターロールに接触する手入れ位置および該コン
ダクターロールから離反する退避位置に駆動する
押付け駆動手段を設け、前記ポリシヤーロール
は、前記コンダクターロールとの間の摩擦力によ
つて付随回転しない一方向クラツチを介して軸支
され、かつ、寸動駆動手段により、その回転可能
方向に所定角度づつ寸動できるよう装着されてい
ることを特徴とするロール手入れ装置が提供され
る。

第２図〜第８図は本発明によるロール手入れ装
置の一実施例を示す図であり、以下、これらの図
面を参照して本発明を具体的に説明する。

第２図はストリツプ連続処理ラインのメツキ槽
の一部を例示する図であり、鋼板などの被処理材
であるストリツプ３は処理液槽（メツキ槽）４に
設置されたコンダクターロール５とバツクアツプ
ロール６との間を通過する。図示の例ではこれら
一対のロールから成る通板ロール装置が所定間隔
ごとの複数個所に設置されている。処理液（メツ
キ液）７はストリツプ３の面上まで溜められてい
る。コンダクターロール５は、これにポリシヤー
ロール８を押付けることにより、表面付着物の除
去や表面傷の修正などの手入れが行なわれる。

第３図および第４図において、メツキ槽（処理
液槽）４をまたいで設置された枠９には、メツキ
液（処理液）の液面上方でラインと直角方向に所
定範囲で往復動する本体１０が設けられ、該本体
にポリシヤーロール８が支持されている。

本体１０は、枠９に設けたスライドベアリング
１１によりその両端部で摺動自在に支持され、該
本体および枠９間に連結された摺動シリンダ１２
によりラインと直角方向に所定範囲で往復動しう
るようになつている。

前記本体１０には２本の支持アーム１３，１３
が固定され、各支持アームの先端に設けたベアリ
ング１４，１４により、処理液槽上方を横切る回
転部材１５が回転自在に軸支されている。

前記本体１０には往動型油圧シリンダなどから
成る押付け駆動手段１６が取付けられ、そのピス
トンロツド先端は前記回転部材１５に連結されて
いる。したがつて、前記押付け駆動手段１６を作
動させることにより前記回転部材１５を回転させ
ることができる。

前記回転部材１５の両端部には回転アーム１７
Ａ，１７Ｂが固定され、これらの回転アームの先
端に前記ポリシヤーロール８の軸が軸支されてい
る。ポリシヤーロール８はコンダクターロール５
に平行に配置され、一方の回転アーム１７Ａに対
してはベアリング１８を介して軸支されている
が、他方の回転アーム１７Ｂに対してはカムクラ
ツチなどの一方向クラツチ１９を介して軸支され
ている。

前記一方向クラツチ１９は、ポリシヤーロール
８を回転中のコンダクターロール５に押付けたと
き、該コンダクターロールとの間の摩擦力に付随
する方向の回転は許さないが、これと反対の方向
には自由に回転を許す構造になつている。

前記回転部材１５と前記ポリシヤーロール８の
軸との間には、該ポリシヤーロールをその回転可
能方向に所定角度づつ寸動回転させるための寸動
駆動手段（油圧シリンダなど）２０が連結されて
いる。

また、前記回転部材１５には、第３図および第
８図に示すごとく、前記寸動駆動手段２０により
ポリシヤーロール８を寸動させる場合、該ポリシ
ヤーロールの回転に抵抗を与えその回転位置を正
確ならしめるためブレーキ装置２１が設けられて
いる。このブレーキ装置は、第８図に示すごと
く、回転部材１５に固定された耳片２２，該耳片
に取付けられた板ばね２３、該板ばねの先端に取
付けられたポリシヤーロールの軸（図示の例では
軸に設けた大径部２４）の外周に摺接するブレー
キシユー２５、並びに、板ばね２３のばね力を変
化させることによりブレーキ力を調節するための
押しボルト２６で構成されている。

前記ポリシヤーロール８は、第５図〜第７図に
示すごとく、複数（図示の例では４個）のセグメ
ント２７を有するセグメント構造になつている。
各セグメント２７は、ロール軸に固定されたボス
部２８に対し、ボルトなどの締結具２９により着
脱可能に固定されている。

各セグメント２７は、部分円弧面を形成するセ
グメント本体３０、該円弧面に接合されたゴム状
弾性材の軟質層３１および該軟質層表面に取付け
られたポリシングペーパー３２で構成されてい
る。ポリシングペーパー３２は第７図に示すごと
く各セグメントの端縁に巻き付けられ、ボルト３
３により交換可能に取付けられている。

なお、第３図において、コンダクターロール５
の下側にはバツクアツプロール６が設けられ、こ
れらのロール間を通してストリツプ３が移送され
る。メツキ槽（処理液槽）４内にはストリツプ３
の上面までメツキ液（処理液）７が溜められてい
る。

処理液槽４の両側上部には第３図中二点鎖線で
示す位置にヒユーム遮へい板３４が設けられ、ロ
ール手入れ装置が処理液の腐蝕性ヒユームに直接
触れないような構造になつている。

次にロール手入れ時の作動を説明する。

押付け駆動手段（油圧シリンダ）１６を作動さ
せることにより回転部材１５を第３図中矢印Ａ方
向に回転させ、通常では上方退避位置にあるポリ
シヤーロール８を第３図および第４図に示す手入
れ位置へ駆動し、コンダクターロール５に押付け
る。ポリシヤーロール５は一方向しか回転しない
一方向クラツチ（カムクラツチなど）１９を介し
て軸支されているので、回転中のコンダクターロ
ールに押付けても回転しない。このため、ポリシ
ヤーロール８とコンダクターロールとの間にすべ
りが生じ、ポリシングペーパー３２によつて該コ
ンダクターロール表面が手入れされる。

同時に、摺動シリンダ１２により本体１０とと
もにポリシヤーロール８を軸方向（第３図中矢印
Ｂ方向）に往復動させ、片当りを防止しながらポ
リシングを効果的に行なわせる。

コンダクターロール５のポリシング（手入れ）
が完了した後、押付け駆動手段１６により回転部
材１５および回転アーム１７Ａ，１７Ｂを上方へ
回転させてポリシングロール８を退避位置へ移動
させる。同時に、摺動シリンダ１２の作動も停止
させる。

繰返し手入れを行なうとポリシングペーパー３
２の目詰りや砥粒はがれが生じ、ポリシング効果
が劣化するが、その場合は、寸動駆動手段（油圧
シリンダなど）２０によりポリシヤーロール８を
所定角度だけ寸動回転させ、ポリシングペーパー
３２の新しい面を自動的に送り出す。こうして、
手入れ毎のペーパー取替えは省略することができ
る。

消耗品であるポリシングペーパーの取替えは、
各セグメント２７毎に、ボルト３３を着脱するだ
けの簡単な作業で容易に行なうことができる。こ
のペーパー取替えは、例えば３週間程度の周期で
行なえばよい。

以上説明した実施例によれば、ストリツプ連続
処理ラインの処理液槽に設置したコンダクターロ
ールの表面手入れを自動的にしかも容易に行なう
ことができる。

また、手入れ装置の駆動部や摺動部など腐蝕性
ヒユームに弱い機械部分は処理液槽上から取外せ
る構造になつているので、耐腐蝕性に有効であ
り、さらに、ヒユーム遮へい板３４を取付けたの
で、一層耐蝕性にすぐれかつスラジ付着防止効果
にすぐれたロール手入れ装置が得られる。

また、ポリシヤーロール８に軸方向摺動運動を
与えることにより片当りのない良好なロール面に
仕上げることができ、該ポリシヤーロールを寸動
回転させることにより常にポリシング効果を維持
することができる。さらに、ポリシングペーパー
３２の取替えもきわめて容易に行なうことができ
る。

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれ
ば、処理液槽のコンダクターロールの表面手入れ
を自動的にしかも効果的に行なうことができるロ
ール手入れ装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロール手入れ作業法を例示する
説明図、第２図は本発明によるロール手入れ装置
が使用されるメツキラインの一部を例示する概略
側面図、第３図は本発明によるロール手入れ装置
の一実施例を示す正面図、第４図は第３図中の線
−から見た一部断面側面図、第５図は第３図
中の線−から見た部分拡大断面部、第６図は
第５図中の線−に沿つた断面図、第７図は第
６図中の線−に沿つた部分断面図、第８図は
第３図中の線−から見た部分断面図である。 ３……ストリツプ、４……処理液槽、５……コ
ンダクターロール、６……バツクアツプロール、
７……処理液、８……ポリシヤーロール、１０…
…本体、１１……スライドベアリング、１２……
摺動シリンダ、１４……ベアリング、１５……回
転部材、１６……押付け駆動手段、１７Ａ，１７
Ｂ……回転アーム、１８……ベアリング、１９…
…一方向クラツチ、２０……寸動駆動手段、２１
……ブレーキ装置、２７……セグメント、３１…
…ゴム状軟質層、３２……ポリシングペーパー、
３３……ボルト、３４……ヒユーム遮へい板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ストリツプ連続処理ラインの処理液槽に設置
   されたコンダクターロールの表面手入れを行なう
   ロール手入れ装置において、処理液面上方でライ
   ンと直角方向に所定範囲で往復動する本体を設
   け、該本体に前記コンダクターロールに平行なポ
   リシヤーロールを軸支するとともに、前記ポリシ
   ヤーロールを前記コンダクターロールに接触する
   手入れ位置および該コンダクターロールから離反
   する退避位置に駆動する押付け駆動手段を設け、
   前記ポリシヤーロールは、前記コンダクターロー
   ルとの間の摩擦力によつて付随回転しない一方向
   クラツチを介して軸支され、かつ、寸動駆動手段
   によりその回転可能方向に所定角度づつ寸動でき
   るように装着されていることを特徴とするロール
   手入れ装置。