JPS6145558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は情報カード読取装置等のカード挿入口
部分に装着されるカード挿入具に関する。

磁気カードやさん孔カード等の情報カード読取
装置におけるカード挿入口部分には、通常該情報
カード（以下カードという）の挿入抜去を容易に
しかつ塵埃等の侵入を防止する目的にてカード挿
入具が別途装着されている。第１図は上記カード
挿入具の従来例であつて、第１図ａは平面図、同
図ｂはａのＡ−A′断面図であり、また同図ｃは
底板（後出）を外した状態における底面図であ
る。カード挿入具１はケース２及び底板３並びに
ガイドばね４とからなつており、その底板３に設
けたカード導出口５を図示していない情報カード
読取装置のカード挿入口部分に正しく対向させて
装着されるものである。ケース２はプラスチツク
製であつてほぼ直方体状をなし、一方の面に誘導
斜面６と該誘導斜面に連続するカード導入口７と
が形成され、ケース内部には他方の面に開口する
空室８が設けられ該空室８内にはガイドばね４が
装着される。ガイドばね４は弾性金属板製であつ
て第２図の斜視図及び第１図ｂの断面図に示すよ
うな外形を有し、押圧板９と押圧板９から一定の
角度で曲げられた傾斜板１０、及び上記押圧板９
の長手方向両端より互いに接近する方向に曲げ延
出され、次に互いに反対の方向に曲げられて全体
としてＶ字形の平面形を呈する一対の固定脚１１
とからなつている。このガイドばね４は傾斜板１
０をカード導入口７側として空室８内に挿入する
と、固定脚１１の外側の面１１ａが空室８の一方
の側面８ａに密着して押圧板９を他方の側面８ｂ
に弾接させる。それと共に固定脚１１の各先端部
が側面８ａと平行に設けた保持溝８ｃ内に嵌入す
る。更に傾斜板１０の端縁は空室８の上面８ｄに
接触又は接近した位置となるから、前記底板３を
ケース２にねじ止めすることによりガイドばね４
は殆どガタつくようなことなく空室８内に保持さ
れる。そして押圧板９が常時空室の側面８ｂに密
着することによりごみ等がカード導出口５を通つ
てカード読取装置内に侵入するのを防止する働き
をする。いま、図示していないカード読取装置の
カード挿入口が上方に設けられている場合には、
本カード挿入具１は第１図ｂのごとき位置であ
り、通常、カード１２は概ねＣ方向からカード導
入口５内に挿入される。するとカード１２の先端
が傾斜板１０に当接したときのカード１２と傾斜
板１０とのなす角αがほぼ鋭角であるため、カー
ド１２先端は傾斜板１０上を滑り押圧板９と傾斜
板１０との屈折部１３に達する。そこで更にカー
ド１２をＣ方向に押し込むと、押圧板９はＤ方向
に押されて固定脚１１が弾性変形し押圧板９と空
室８の側面８ｂとの間に隙間が生ずるから、カー
ド１２は容易にこの隙間を通過し底板３のカード
導出口５を通つてカード読取装置のカード挿入口
内に導入される。しかしカード読取装置の形式に
よつてはカード挿入口が水平に設けられ、従つて
カード挿入具も第１図ｄのごとくそのカード導入
口７及びカード導出口５がそれぞれ水平方向とな
るように取付けられることがある。この場合には
カード１２がほぼ水平なＥ方向ではなく斜め上方
の例えばＦ方向から挿入される状態がしばしば生
ずる。そして第１図ｄのごとくカード１２がＦ方
向から挿入され、その結果カードと傾斜板１０と
のなす角αが鈍角か直角に近い角度になつたとす
ると、カード１２の先端で押されることにより傾
斜板１０が屈曲部１３を支点としてＧ方向に曲げ
変形し、そのためカード１２は傾斜板１０の先端
方向に滑つて傾斜板の端縁と空所８の上面８ｄと
の間に挾まつてしまい、カード挿入具としての機
能を果さないばかりか極端な場合にはカードが変
形して破損する事故も起りうる。

本考案は従来のカード挿入具における上述のご
とき欠点を解決するためになされたものであつ
て、斜め方向に挿入されたカードに押されて傾斜
板が曲げ変形し、そのためカードが傾斜板端縁と
空所の上面間に挾まつて変形するようなことな
く、常に押圧板方向にカードを正しく送出するこ
とができるカード挿入具を提供することを目的と
する。

以下図面を参照して本考案の一実施例につき説
明する。

第３図は本考案にかかるカード挿入具１４に使
用されるガイドばね１５の斜視図で、また第４図
はカード挿入具１４の断面図で前記の第１図ｂに
相当するものである。その他ケース２及び底板３
については前記従来例と同一の形状であるから、
各部の符号は同一のものを使用しかつ細部の説明
は省略する。ガイドばね１５も次の支持片１６を
除いては従来例と同一である。支持片１６は傾斜
板１０の端縁より延出するように設けられた複数
個の長方形の小片であつて、通常２個が傾斜板１
０の長手方向の両端付近より傾斜板１０と鋭角を
なすように曲げられて固定脚１１方向に伸び、そ
の先端は固定脚の下側端縁とほぼ同一平面上かま
たはやや上方にあるように構成される。このガイ
ドばね４をケース２に装着するには、従来例と同
様に傾斜板１０をカード導入口７側として空室８
内に挿入したのち底板３をケース２にねじ止めす
ればよい。このカード挿入具１４にC′方向より
カード１２が挿入された場合には、カードは傾斜
板１０の斜面を滑り屈曲部１３に達したのち押圧
板９を押して生じた隙間を通つてカード導出口５
より導出される。しかしカード１２が第４図の
F′方向より挿入されたとすると、カード１２の
先端部が傾斜板１０の面にほぼ直角に当接する
が、そのため傾斜板１０が屈曲部１３を支点とし
てG′方向に曲げ変形しようとしても、上記の支
持片１６の先端が底板３の面に当接するため傾斜
板１０は殆ど曲げ変形することがなく、従つてカ
ード１２は傾斜板１０の端縁方向に滑ることはな
い。即ちカード１２の挿入方向がF′方向のよう
に傾いていたとしてもカード１２は傾斜板１０に
当接して停止されそれ以上の挿入を妨げられるか
ら、従来例のごとき無理な挿入によるカードの変
形や破損を防止できる。しかも支持片１６の先端
は底板３の面に僅かに接するか又は僅かに離れた
位置にあるから、傾斜板１０を含めた押圧板９の
圧常な動きには妨げとならずカード１２の押圧板
９と空室８の側面８ｂとの間の通過に全く影響を
与えない。

以上述べたように本考案によれば、カード挿入
具において、ガイドばねの押圧板端縁に複数個の
支持片を形成し、該支持片の先端が底板に極めて
接近した位置にあるようにしたことにより、カー
ドが斜め方向から挿入されても傾斜板がカードに
押されて曲げ変形せず、従つて、カードが傾斜板
の端縁と空室の上面との間に挾まつて変形又は破
損する事故を十分防止することができ、しかも従
来のものに比して構造が特に複雑となるようなこ
とがなく材料の増加も極く僅かですむというすぐ
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカード挿入具の一実施例を外観
図及び断面図で示したもの、第２図は同じく従来
のカード挿入具のガイドばねを斜視図にて示した
もの、第３図は本考案にかかるカード挿入具に使
用されるガイドばねの斜視図、また第４図は同じ
くカード挿入具の断面図である。 １，１４……カード挿入具、２……ケース、３
……底板、４，１５……ガイドばね、１０……傾
斜板、１２……カード、１６……支持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースと、該ケース内に形成された空室内に装
   着されるガイドばねと、上記空室の開口部に固定
   される底板とよりなるカード挿入具において、前
   記ガイドばねの傾斜板端縁より延出する複数個の
   支持片を設けたことを特徴とするカード挿入具。