JPS6145043B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷却フアンで内燃機関を強制空冷する
式の冷却風取入口構造の改良に関するものであ
る。

内燃機関の空冷式のもので、機関の外周をカバ
ーで覆い、カバーの一部に冷却風取入口を設け、
取入口の内側に機関で駆動される冷却フアンを設
け、これの駆動で冷却風をカバー内に取り入れ、
機関周にこれを送り込んで強制空冷する式の内燃
機関の冷却装置は知られている。

以上の内燃機関において、冷却風取入口から泥
水等が侵入して内部の機関のシリンダブロツク、
シリンダヘツドの冷却フインに付着した場合、冷
却性能が低下し、機関の耐久性が低下する虞れが
ある。特にかかる機関の冷却装置を車両に用いた
場合、走行中に泥、塵埃を含んだ水や雨中走行時
に道路条件によつては泥水が上記取入口から侵入
する虞れがあり、改善が望まれる。

本発明は以上の如き不都合を改善すべくなされ
たもので、その目的とする処は、冷却風取入口周
に内・外二重のフランジ部を設け、外側のフラン
ジ部で内側のフランジ部内の取入口への気流等の
影響を防止し、又泥水等を外側のフランジ部で阻
止して取入口周をなす内側のフランジ部への侵入
を防止し、泥水、塵埃等の機関への吸い込み、付
着等を防止するようにした内燃機関の冷却風取入
口構造を提供するにある。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本発明が実施される一例としての自動
二輪車１を示し、実施例では自動二輪車とした
が、三輪車、原動機付四輪車、スノーモビル等の
車両用原動機、定置用エンジン等の原動機等に実
施することができる。

自動二輪車１は車体２の前部にフロントフオー
ク３を介して前輪４を配設し、前部に設けたフロ
ントカバー５上にはハンドル６が配設され、車体
２の後部には上方にシートポスト７が起設され、
これの上にシート８が設けられている。車体後下
部にはパワーユニツト９が延設され、これの後部
で後輪１０を支持する。

パワーユニツト９は不図示の伝動機構を内装せ
る伝動ケースとエンジン１１からなり、エンジン
１１は伝動ケースと連なるクランクケース１２、
シリンダブロツク１３、シリンダヘツド１４等か
らなり、シリンダブロツク及びシリンダヘツド内
にはピストン１５が嵌装され、クランクケース１
２内にはクランクシヤフト１６が横架され、クラ
ンクシヤフト１６の一端１６ａは軸受部１２ｂ外
に延出され、これの端部にACGの一部をなすフ
ライホイール１７が固設されている。以上のフラ
イホイール１７の端壁１７ａを取付ベースとして
これの外面に冷却フアン１８が止着され、クラン
クシヤフト１２の駆動で冷却フアン１８は駆動さ
れる。以上のシリンダヘツド１４、シリンダブロ
ツク１３及びクランクケース１２の一部には冷却
フイン１４ａ，１３ａが突設されている。

かかるエンジン１１の冷却フインを有する中間
部乃至上方部周を囲む如くシユラウド１９と称さ
れるカバー部材を設けるとともに、シユラウド１
９の一側を開放し、この開放部をフアンカバー２
０で覆い、フアンカバー２０の冷却フアン１８の
上方から下方及び前後、側方を覆い、フアンカバ
ー２０の冷却フアン１８と対向する側壁には取入
口２１をカバー内・外を連通する如く開口設置
し、取入口２１の内側のカバー上方の内壁２０ａ
は上方にシリンダヘツド側に近づくように湾曲
し、取入口から吸入した空気を内壁２０ａに沿つ
てシリンダブロツク、シリンダヘツド側に案内す
る。

取入口２１はフアン１８の外径より小さく、取
入口周辺の内壁２０ｂはフアン１８の外端と離間
し、相互に干渉しないように構成されている。取
入口２１の内径部２１ａはこれの内径を維持した
まま外方に突出する円筒状のリング状の第１のフ
ランジ部２２を設け、実施例ではフランジ部２２
の内径部２１ａにルーバ２３………を横架した。
かかる第１のフランジ部２２の外周にこれと離間
し、これを囲繞する如く外側に第２のフランジ部
２４を外方に突設し、内・外の第１及び第２のフ
ランジ部２２，２４間にはリング状の内方にもぐ
つた凹状の空間２５が形成され、実施例では内・
外のフランジ部２２，２４はカバー２０の外壁２
０ｃ下部から外側方に該カバー２０と一体に突設
した。そしてフランジ部２２，２４の外方への突
出量は略々等しい。

以上において、取入口２１の内側に臨む冷却フ
アン１８の回転駆動で空気は取入口からカバー２
０の内側に導入され、一方、自動二輪車の走行で
走行風はフアンカバー２０の外側を流れる。走行
風の一部は外側の第２のフランジ部２４外周表面
を流れて進行方向後方に達し、風の流れは第３図
の如くなり、図中右側を進行方向前方とし、左側
を進行方向後方とする。フランジ部２４前面の風
はこの部分で上下に別れ、フランジ部周面に沿つ
て後方に流れが、後方で気流が剥離し、気流の乱
れを生じるが、実質的な取入口は内側の第１のフ
ランジ部２２であり、内・外フランジ部２２，２
４間は離間し、ために取入口２１からの吸入空気
流は気流の乱れの影響を受けにくく、走行中の空
気吸入を効率良く行わせることができ、冷却効果
の点で優れる。

又、走行時、飛水した泥水がフアンカバーに付
着するが、側方からの泥水は内・外二重のフラン
ジ部２２，２４で防止することができるととも
に、カバー上方に付着した泥水等はこれの外壁を
伝つて落下するが、外側のフランジ部で先ず阻止
され、これを越えた泥水等はこの内側のフランジ
部で阻止されて下方に落下し、従つて取入口から
の内部への侵入、風取入作用による吸入はされ難
くなり、エンジン表面への付着を可及的に抑制、
減少せしめ、エンジンの冷却性が阻害されること
が少ない。

以上実施例では内・外両フランジ部を夫々外方
に突出したが、内側のフランジ部２２を内方に突
出させ、外側のフランジ部２４を外方に突出させ
ても良い。

第４図は第２実施例を示し、カバー１２０の取
入口１２１周に設けられる第１のフランジ部１２
２の外方への突出量を外側の第２のフランジ部１
２４よりも大きくし、従つて第１のフランジ部１
２２の外端１２２ａは第２のフランジ部１２４の
外端１２４ａよりも外方に突出する。突出量ｌは
上記した気流の乱れ等を勘案して適宜に定める。

以上においては、取入口をなす内側の第１のフ
ランジ部１２２が外側の第２のフランジ部１２４
よりも外方に案出しているため、第２のフランジ
部１２４から落下した泥水等は第１のフランジ部
１２２の端縁に達せず、中間部乃至先部周に達
し、これの周りを伝つて落下することとなり、泥
水吸入等の防止効果を更に高めることができる。

第５図は変更実施例を示し、以上の実施例は何
れも内・外のフランジ部をカバーと一体に成形し
たが、本実施例では双方を別体で成形し、一体的
に接合したものである。

フアンカバー２２０の取入口２２１を囲む第１
のフランジ部２２２をカバーと一体に成形し、一
方、フランジ部２２２よりも大径のリング状部材
２２４を別体で成形し、部材２２４の内径部には
例えば放射状に等角間隔で三本の脚片２２５……
…を突設し、脚片２２５………の内径を第１のフ
ランジ部２２２の外周と緊密に嵌合する径とし、
第１のフランジ部２２２の外周に脚片２２５……
…の内径を嵌合し、これにより部材２２４は第１
のフランジ部２２２外周を離間して囲繞し、第２
のフランジ部２２４が形成されることとなり、脚
片内径部と第１のフランジ部外周とは接着等す
る。

第７図は上記の変更実施例で、フアンカバー３
２０と第２のフランジ部３２４を一体に成形し、
これの内径部３２４ｂに上記と同様の脚片３２５
外周に突設した第１のフランジ部をなすリング状
部材３２２を嵌合接合したもので、この場合、第
２のフランジ部３２４の基端部から内径方向への
リング状壁３２０ｂを延出し、内・外フランジ部
間の軸方向内端を閉じ、別物の嵌合して接合され
る部材３２２で取入口３２１を形成し、且つ第１
のフランジ部を形成する。

以上実施例を詳述したが、内・外のフランジ部
を別体に成形した場合の接合構造は上記に限られ
ず任意である。

以上で明らかな如く本発明によれば、内・外二
重のフランジ部を取入口に臨むように設けたた
め、走行時の取入口での乱気流等を防止して効率
の良い空気の取入れ、吸い込みを行え、冷却効果
を高め得るとともに、飛水等による泥水の取入口
からの吸い込みを可及的に防止し、エンジン外面
への泥水等の付着を可及的に防止し、冷却性能が
低下するのを可及的に防止し、エンジンの耐久性
向上を図ることができるという多大の利点を有
し、以上を簡易な構造で企図し得る等多大の利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は本発明に係る冷
却風取入口を含む内燃機関の縦断面図、第３図は
第２図矢視３方向の図で風の流を付加した説明
図、第４図は第２実施例を示す第２図と同様の
図、第５図は変更実施例の同様の図、第６図は第
５図矢視６方向の図、第７図は第５図の変更実施
例の図である。 尚図面中１１は内燃機関、１９，２０，１２
０，２２０，３２０はカバー、２１，１２１，２
２１，３２１は取入口、２２，１２２，２２２，
３２２は第１のフランジ部、２４，１２４，２２
４，３２４は第２のフランジ部である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関の周りをカバーで囲み、カバーの一
   部にはカバー外部と内部を連通する冷却風取入口
   を設け、カバー内部に臨むフアンの駆動で冷却風
   を取入口からカバー内に取り入れるようにした内
   燃機関の冷却装置において、冷却風取入口周を囲
   む第１のフランジ部を設け、該フランジ部の外周
   にこれと離間して該フランジ部を囲むように第２
   のフランジ部を設けたことを特徴とする内燃機関
   の冷却風取入口構造。 ２ 前記第１、第２のフランジ部は取入口外方に
   突出した前記特許請求の範囲第１項記載の内燃機
   関の冷却風取入口構造。 ３ 前記第１、第２のフランジ部は取入口外方に
   突出し、その突出量は内側の第１のフランジ部が
   大きい前記特許請求の範囲第１項記載の内燃機関
   の冷却風取入口構造。