JP2518221Y2 - オートバイの導風パイプ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、オートバイの導風パイプ構造の改良に関
する。

〔従来の技術〕

オートバイは、車体前部をカウリングで覆って風の抵
抗を少くすることが行われている。この場合、エンジン
がカウリングの内側に位置し、走行による風が十分に通
らないので、換気が不十分で、エンジンの発熱によっ
て、エンジン付近の雰囲気温度が高くなる。この温度が
上昇した空気を、エアークリーナーが吸気として吸入す
ると、空気密度が薄くなっていて、吸気効率が低下す
る。これを補うため、カウリング前端の導風孔に連結し
た導風パイプをエアークリーナー付近に開口させて、温
度上昇していない大気を吸気として吸入できるようにし
ている。例えば、特開昭63-61692号公報参照。この場
合、更に防熱板をカウリング後部上縁の内側に取付け
て、運転者に、エンジンの熱気が当らないようにしてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

エアークリーナー付近に大気を導く導風パイプと、エ
ンジン付近の熱気を後方に導く防熱板を取付けるので、
スペースが狭くて取付け難く、カウリングが大きくなる
傾向になり、部品点数も増して、製造コストが高くつく
問題がある。

この考案は、かかる点に鑑み、合成樹脂で成形する導
風パイプに、防熱板になるフランジを一体に設け、部品
点数を少くしてコストダウンが図れ、カウリングが小さ
くできて組付けも簡単にできるオートバイの導風パイプ
構造を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案のオートバイの
導風パイプ構造は、燃料タンク８の下方に配置したエン
ジン３と車体前部と該エンジン３側方とを覆ったカウリ
ング２を備えたオートバイにおいて、該カウリング２の
前面に設けた導風孔４に導風パイプ５の前端5bを連結
し、該導風パイプ５の中央5cを該カウリング２の内側位
置であってエンジン３の上方かつ側方を通し、該導風パ
イプ５の後端5aをエンジン３後方に開口させると共に、
前記導風パイプ５の外周面には前記導風パイプ５の軸方
向に沿って前記導風パイプ５の左右方向幅以上の長さで
かつほぼ左右方向に左右一対に延びた略水平のフランジ
６を一体に設け、該一方のフランジ６をカウリング２に
締着したことを特徴とするオートバイの導風パイプ構造
にある。

〔作用〕

導風パイプは、走行によって受ける風を導風孔４を通
して受入れ、エアークリーナー９の前方に導いて、エン
ジン３熱を受けていない大気をエアークリーナー９に供
給する。導風パイプ５は、フランジ６をカウリング２に
締着することによって取付けが簡単にできる。フランジ
の一方は、カウリングの内側とエンジンとの隙間を塞ぐ
防熱板になり、フランジの他方と共にエンジンの熱気を
上昇させないようにすると共に、当該熱気を走行風で後
方へ流すことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例に係るオートバイの導風パイプ
構造を図面によって説明する。

オートバイは、車体１の前部を、カウリング２で覆っ
て、風の抵抗を軽減する。カウリング２の内側下部にエ
ンジン３が設けてある。カウリング２には、前面左右に
内側に突設させて導風孔４を設ける。左右の導風パイプ
５は、合成樹脂を用いて型成形するもので、導風パイプ
５の両側に、左右方向に板状に突出させてフランジ６を
設ける。

左右の導風パイプ５の前端5bは、カウリング２に設け
た導風孔４に連結し、ゴム筒のジョイント７で固定す
る。左右の導風パイプ５は、後側に向けて延ばして該導
風パイプ５の中央5cを該カウリング２の内側位置であっ
てエンジン３の上方かつ側方を通し、後端5aを、エンジ
ン３の上側と燃料タンク８の間に開口する。エアークリ
ーナー９は、導風パイプ５の後端5aの後側に装着してあ
る。

前記導風パイプ５の外周面には前記導風パイプ５の軸
方向に沿って前記導風パイプ５の左右方向幅以上の長さ
でかつほぼ左右方向に左右一対に延びた略水平のフラン
ジ６を一体に設け、該一方のフランジ６の外側には、ス
ピードナット10を挿入し、カウリング２の後部上端の内
側に向けた縁11に重ねて、スクリューを用いて締着す
る。

導風パイプ５は、走行で受ける風を導風孔４から導い
て、燃料タンク８の下側後部に送り、エアークリーナー
９に、エンジンの熱を受けていない大気を吸気として供
給する。導風パイプ５に一体に設けたフランジ６は、カ
ウリング２の上縁11への取付け部分になる。そして、フ
ランジ６の一方は、カウリング２の上側の縁の内側エン
ジン３との隙間を塞ぐ防熱板になり、フランジ６の他方
と共にエンジン３の熱気を上昇させないようにすると共
に、当該熱気を走行風で後方へ流す。これにより、当該
熱気が運転者にエンジン３の熱気が当たらないようにす
ることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は上述のように構成し
たので、導風パイプ５は該導風パイプ５の中央5cをカウ
リング２の内側位置にあってエンジン３の上方かつ側方
を通しているので、該導風パイプ５に一体に設けたフラ
ンジ６の一方がカウリング２と締着して当該カウリング
２の内側のエンジン３との隙間を塞ぐ防熱板になり、か
つ、フランジ６の他方も主にエンジン３の熱気を上昇さ
せないようにする防熱板になる。したがって、エンジン
３側およびカウリング２側のいずれのフランジ６も防熱
板になって、エンジン３の熱気を上昇させないように
し、かつ、当該熱気を後方へ流して、運転者に熱気が当
たらないようにする。

また、フランジ６は導風パイプ５に一体のため、コン
パクトにできて部品点数が少なくなり、重量も軽減でき
る。そして、カウリング２側のフランジ６が導風パイプ
５の取り付け部分にもなって、取り付け箇所を少なくで
き、カウリング２を小型化できると共に組付け作業も簡
単になる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視図、第２図
は要部の拡大分解斜視図、第３図は要部の横断面図、第
４図は全体側面図、第５図は左側導風パイプの平面図、
第６図は同側面図、第７図は右側導風パイプの平面図、
第８図は同側面図である。 １……車体、２……カウリング、３……エンジン、４…
…導風孔、５……導風パイプ、６……フランジ、８……
燃料タンク。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンク（８）の下方に配置したエンジ
   ン（３）と車体前部と該エンジン（３）側方とを覆った
   カウリング（２）を備えたオートバイにおいて、該カウ
   リング（２）の前面に設けた導風孔（４）に導風パイプ
   （５）の前端（5b）を連結し、該導風パイプ（５）の中
   央（5c）を該カウリング（２）の内側位置であってエン
   ジン（３）の上方かつ側方を通し、該導風パイプ（５）
   の後端（5a）をエンジン（３）後方に開口させると共
   に、前記導風パイプ（５）の外周面には前記導風パイプ
   （５）の軸方向に沿って前記導風パイプ（５）の左右方
   向幅以上の長さでかつほぼ左右方向に左右一対に延びた
   略水平のフランジ（６）を一体に設け、該一方のフラン
   ジ（６）をカウリング（２）に締着したことを特徴とす
   るオートバイの導風パイプ構造。