JPS6144710B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はリザーバに取り付けられる液面警報装
置に関する。

従来、マスタシリンダに装着され、該マスタシ
リンダへ油液の供給を行うリザーバに液面警報装
置を取り付け、リザーバ内の油液量が一定レベル
以下になると警報を発するようにしている。この
場合、液面の検出を行う検出部をリザーバ内に位
置させ、この検出部で検出した信号をリード線に
より外線に取り出すのであるが、リード線端に設
けるコネクタは何物にも固定されていない自由状
態にあつたので、相手側コネクタとの接続を両手
でやる必要があり、作業がやりにくく、リード線
を無理に引つ張たりして、破損事故なども起こつ
ていた。

本発明は、液面警報装置を取り付けるべくリザ
ーバに設けた開口を覆うキヤツプに、コネクタを
取り付けることにより前記のごとき不都合を解消
することを目的とする。

前記目的は、本発明によると、水平方向に伸延
するリザーバの天井部よりリザーバ外へのび内周
面によりリザーバの開口を規定している円筒部
と、この円筒部外周面に、突出して形成されてお
り複数の切落し部を有したフランジ部と、前記開
口において円筒部の内周面に液密に嵌合し、リザ
ーバ内部にのびるケース部材と、前記リザーバ内
部のケース部材の外周に摺動自在に嵌合され磁石
を有するフロートと、前記ケース部材内に収容さ
れており前記フロートの磁石により作動されるリ
ードスイツチと、前記リードスイツチにリード線
を介して接続され前記リザーバの開口外に位置す
るターミナルと、前記開口を覆うべく、前記円筒
部に装着された円筒状のキヤツプ部と、前記フラ
ンジ部との係合により前記キヤツプ部の円筒部か
らの脱落を防止すべく、前記フランジ部の最大径
よりもわずかに大きい直径を有する前記キヤツプ
部の内周面に、前記切落し部と同数形成されたつ
め状部と、前記円筒状のキヤツプ部から一体的
に、前記天井部と同様にほぼ水平方向に伸延し、
前記ターミナルに対する相手側コネクタの連結の
ための開口面が実質的に垂直面内にあるように終
端して前記ターミナルを被覆しているコネクタ被
覆部とからなる液面警報装置により達成される。

以下具体例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すように、リザーバ１は水平断面が
ほぼ長方形をした、それ自体公知のタンデムマス
タシリンダ用のものである。このリザーバ１の長
手方向の一方の端近傍の天井部３から円筒部２を
突設して、油液供給口とし、常時はキヤツプ４に
よりこの円筒部２は蓋されている。

天井部３のほぼ中央からフランジ５を有する円
筒部６を上方向へ突設してあり、この円筒部６の
内側により開口７が形成され、この開口７に液面
警報装置１０が装着される。

液面警報装置１０は、円筒で下端をメクラに形
成したケース部材１１と、このケース部材１１の
内部にエポキシ樹脂などに固着されたリードスイ
ツチ１２と、ケース部材１１の外部に位置し、ケ
ース部材に沿つて上下に移動するフロート１３
と、リードスイツチ１２に接続されるリード線１
４，１５とからなり、リード線１４，１５はケー
ス部材１１から外部へ取り出されている。フロー
ト１３には磁石としてのマグネツト１６を内蔵さ
せてあり、液面が一定レベルまで低下すると、マ
グネツト１６によりリードスイツチ１２が作動
し、信号を発する。

この信号はリード線１４，１５によつて外部へ
取り出される。

ケース部材１１の上端は大径部１７に形成し、
この大径部１７からシール空間１８を備えるごと
く側部１９を上方へ突設し、側部１９の上端は外
方向へ延設してなるフランジ部２０となつてい
る。フランジ部２０はリザーバの天井部から突設
した円筒部６のフランジ部５に当接する。

円筒部６のフランジ部５は、第２図に示すよう
に、平面形状が円形のフランジを３箇所で切落し
て切落し部２１を設けた形状であり、このフラン
ジ５に当接するケース部材１１のフランジ２０も
同じ形状に形成する。この例の場合、切落し部２
１は３箇所に設けてあるが、これは３箇所に限ら
ず、複数箇所であればよい。

キヤツプ２５は、前記フランジ５に係止されて
開口７を覆うもので、第３図および第４図に示す
ように、切落し部２１を設ける前の円形フランジ
５の外径よりもわずかに大きな内径を有する円筒
部２６と、この円筒部２６から一体に横方向へ突
設したコネクタ被覆部２７とからなり、円筒部２
６には、前記フランジの切落し部２１に対応する
位置でこの切落し部に適合する形状の、切落し部
２１と同数のつめ状部としてのつめ２８を円筒部
から内側方向へ突設してある。このつめ２８は円
筒部２６に対して、第１図のように、キヤツプ２
５をリザーバ１に取り付けたとき、円筒部２６の
天井部分２６ａの内側がケース部材のフランジ２
０の上側に当接し、しかもつめ２８の上側が円筒
部のフランジ５の下側に当接するような高さに形
成する。この場合、それぞれの当接面はわずかに
摩擦係合するような高さにし、シール性の向上を
図ると共にキヤツプの離脱を防ぐ構造とすること
が好ましい。

コネクタ被覆部２７は垂直断面が逆Ｔ字形空間
をなすごとく形成したもので、この空間を前記円
筒部２６の内部に設けられる空間と連通させ、リ
ード線１４，１５に接続されるターミナル２９，
３０を垂直と水平とに配設して固定し、コネクタ
３１を形成してある。コネクタ被覆部２７の裏面
３２にはガイド溝３３と、中央に凹所３４とを設
けてあり、一方リザーバ１の天井部３には、ガイ
ド溝３３、凹所３４に対応する位置でリザーバの
短手方向の中央に突起３５を突出させてある。フ
ランジの切落し部２１とキヤツプ部のつめ２８と
を合わせてキヤツプ２５を押し込み、つめ２８を
フランジ５の下側に位置させた後キヤツプ２５を
回動させるとき、突起３５はガイド溝３３に係合
する。この場合、ガイド溝３３は入口側の方が中
央側よりも深く、入口側から中央側に向けて次第
に浅くなるように形成し、ガイド溝３３から凹所
３４に移るときに、突起３５が弾性変形してガイ
ド溝から外れ、その後凹所３４に嵌まるように形
成する。このように形成すると、キヤツプ２５を
回動させるときには抵抗が少なく、しかも凹所３
４に突起３５が嵌まると、キヤツプ２５のそれ以
上の回動は抑制されることとなり、使用時にキヤ
ツプが振動によつて回動して、リザーバから外れ
るようなことはない。

以上の構成になる本発明液面警報装置のリザー
バへの組み付けに当たり、あらかじめ、リードス
イツチ１２およびリード線１４，１５をケース部
材１１に挿入し、エポキシ樹脂にて固着してお
く。この際リード線にはら旋部３７を形成し、キ
ヤツプ２５とケース部材１１とを所定距離離すこ
とができる程度に余裕をもつておくことが好まし
い。シール空間１８内へ弾性シール部材、例えば
Ｏリング３６を挿入した後、ケース部材１１を開
口７内に押し込み、円筒部６のフランジ５とケー
ス部材１１のフランジ２０とをそれぞれの切落し
部が一致するように当接させる。次いで、フラン
ジの切落し部２１とキヤツプのつめ２８とを対向
させてキヤツプ２５を押し込むと、つめ２８は切
落し部２１を通り抜けるので、その後キヤツプ２
５を回動させると、つめ２８はフランジ５の下側
に係止される。キヤツプ２５の回動をさらに行う
と、突起３５がガイド溝３３に沿つて凹所３４に
嵌まり、キヤツプの回動が止められ、組み付けを
完了する。

本発明は前記例の外、例えばキヤツプ２５とフ
ランジ５とをネジ止めすることによつても実施で
きるが、前記例のような切落し部とつめとの組み
付け方式によれば、組付作業の能率向上が図れ
る。また、前記例のようにタンデムマスタシリン
ダ用のリザーバに限らず、いわゆるシングルマス
タシリンダ用のリザーバにも適用できることは明
らかである。また、前記した具体例では、コネク
タのターミナルは直角配置となつているが、第５
図に示すように、ターミナル２９，３０を平行に
配置してもよい。

本発明によれば、液面警報装置のリード線コネ
クタが自由形態ではなくリザーバキヤツプに固定
しているので、相手側コネクタとの接続が片手で
容易にでき、また、リード線を無理して引つ張た
りすることによる破損事故なども生じない。

しかもコネクタはキヤツプに設けられ、リザー
バに固定されるので、狭いエンジンルームなどに
リザーバが設置されても、他の機器の問題とはな
らない。

また、本発明では、リードスイツチを収容した
ケース部材は、リザーバの天井部の円筒部から内
部へとのびており、このケース部材上でリザーバ
の円筒部に、開口を覆うキヤツプが取付けられて
おり、該キヤツプとコネクタ被覆部とが一体的に
形成されているため、リザーバ内の液体を予め取
除いておく必要もなく、キヤツプを取り外せば簡
単にケース部材をリザーバ内から取り出し得、リ
ードスイツチの検査及び交換を簡単且つ確実に行
い得る上に、キヤツプの取付けと共にコネクタ被
覆部も確実にリザーバ上で位置ぎめされ得、コネ
クタに相手側コネクタを簡単に接続し得る。しか
も、作業者はコネクタ被覆部を把持してキヤツプ
の取付け及び取外しを行えば、小さな力でキヤツ
プの取付け及び取外しを簡単且つ確実に行い得
る。

加えて、本発明では、コネクタ被覆部がリード
線に接続されたターミナルを被覆してコネクタを
形成しているため、ターミナルは露出されること
なく、ターミナルが破損されるような事態は良好
に防止され得、また、ターミナルに水がかかるよ
うな事態も良好に防止し得る。

また、本発明では、磁石を有するフロートがケ
ース部材の外周に摺動自在に嵌合しているため、
前述の如く、ケース部材をリザーバ内から取り出
した際、リードスイツチの検査及び交換と同時に
フロートの調整も簡単且つ確実に行い得る。その
上、リザーバ内の液体交換を簡単に行い得る液面
警報装置を提供し得る。

そうして、本発明の液面警報装置においては、
前述のように、円筒部外周面に突出し複数の切落
し部を有したフランジ部と、前記フランジ部の最
大径よりもわずかに大きい直径を有し切落し部と
同数形成されたつめ状部を内周面に有するキヤツ
プ部との係合により、キヤツプ部の円筒部からの
脱落を防止し得るとともに、簡単かつ確実な装着
が得られるものである。すなわち、キヤツプ部の
円筒部への装着は、まず、つめ状部を切落し部に
対応させつつ、キヤツプ部を円筒部に冠着させた
後、キヤツプ部をそのままの状態で円筒部に対し
て回転させることによつて終了する。このよう
に、本発明の装置においては、ネジ止め等の手段
を用いることなくキヤツプ部の円筒部への簡単か
つ確実な装着が得られ、作業能率のめざましい向
上が得られるのである。

また、本発明においては、コネクタ被覆部が円
筒状のキヤツプ部から一体的に、天井部と同様に
ほぼ水平方向に押延し、ターミナルに対する相手
側コネクタの連結のための開口面が実質的に垂直
面内にあるように終端してターミナルを被覆して
いるため、上方からの水等の侵入が防止し得、装
置の精度を保障すると共に長寿命の装置を提供し
得るものである。その上、本発明においては、装
置の形状を小型化しかつ単純化し得るものであ
り、適用範囲の広い装置を提供し得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は液面警報装置を取り付けたリザーバの
一部断面正面図、第２図はフランジの斜視図、第
３図および第４図は本発明に採用するキヤツプの
斜視図で、第３図は上から見た状態を、第４図は
底面側から見た状態をそれぞれ示し、第５図は本
発明に採用するキヤツプの別の例を示す上から見
た斜視図である。 １……リザーバ、５，２０……フランジ、６…
…円筒部、７……開口、１０……液面警報装置、
２１……切落し部、２５……キヤツプ、２８……
つめ、３１……コネクタ、３３……ガイド溝、３
４……凹所、３５……突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平方向に伸延するリザーバの天井部よりリ
   ザーバ外へのび内周面によりリザーバの開口を規
   定している円筒部と、この円筒部外周面に、突出
   して形成されており複数の切落し部を有したフラ
   ンジ部と、前記開口において円筒部の内周面に液
   密に嵌合し、リザーバ内部にのびるケース部材
   と、前記リザーバ内部のケース部材の外周に摺動
   自在に嵌合され磁石を有するフロートと、前記ケ
   ース部材内に収容されており前記フロートの磁石
   により作動されるリードスイツチと、前記リード
   スイツチにリード線を介して接続され前記リザー
   バの開口外に位置するターミナルと、前記開口を
   覆うべく、前記円筒部に装着された円筒状のキヤ
   ツプ部と、前記フランジ部との係合により前記キ
   ヤツプ部の円筒部からの脱落を防止すべく、前記
   フランジ部の最大径よりもわずかに大きい直径を
   有する前記キヤツプ部の内周面に、前記切落し部
   と同数形成されたつめ状部と、前記円筒状のキヤ
   ツプ部から一体的に、前記天井部と同様にほぼ水
   平方向に伸延し、前記ターミナルに対する相手側
   コネクタの連結のための開口面が実質的に垂直面
   内にあるように終端して前記ターミナルを被覆し
   ているコネクタ被覆部とからなる液面警報装置。 ２ キヤツプが円筒部に取付けられた後の前記キ
   ヤツプ部及び前記コネクタ被覆部の前記リザーバ
   に対する回動を制限すべく、前記リザーバと前記
   コネクタ被覆部との接合面において、前記リザー
   バには突起が設けられており、前記コネクタ被覆
   部には前記突起と係合する凹部及び前記突起を前
   記凹部に案内すべく前記凹部の方向に徐々に浅く
   形成されてなる案内溝が設けられていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の液面警報
   装置。