JPS6144165Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、雌雄二対のコネクタの誤接続を防止
できるようにしたコネクタに関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

例えば、受光素子及び発光素子を装着した雄側
コネクタと２本の光フアイバを装着した雌側コネ
クタの雌雄一対のコネクタを接続する場合には、
誤接続を防止するため、雄側コネクタの側壁に突
起を形成し、この突起に係合するくぼみを雌側コ
ネクタに形成し、雌雄一対のコネクタが誤つて接
続されないように構成されている。しかし、上記
のような雌雄一対のコネクタを二対近接して設け
る場合には、第１、第２の雌側コネクタにそれぞ
れ第１、第２の雄側コネクタを接続することが正
しいのであるが、第１の雌側コネクタに第２の雄
側コネクタを接続するようにことが生じる。この
誤接続により、上記コネクタを使用した機器或い
は装置が異常動作し、事故の原因となるため、誤
接続を完全に防止する必要がある。

そこで、かかる要求に応えるために、突起とく
ぼみの大きさ、位置、数等を変える方法が採られ
ている（例えば、特公昭45−19102号）。

しかしながら、従来は、その突起やくぼみを雌
雄のコネクタの本体部に一体成形して設けていた
ため、二対のコネクタを近接配置する場合には、
各対毎に雄、雌ともに形状の異なるコネクタを用
意しなければならず、製造面、製品管理面で不利
となるほか、経済的なロスも大きくなると云う問
題があつた。

この考案は、二対のコネクタの誤接続防止に付
随する上述の問題点を無くすことを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案は、各々
が２個を１組とする雌雄のコネクタのうち、いず
れか一方の各コネクタに結合方向に延びる棒状突
起を、他方の各コネクタにその棒状突起の受け入
れ孔をそれぞれ設け、さらに、一方の各コネクタ
の棒状突起には、同一形状、大きさで、表裏を逆
にした状態では輪郭が重ならない別形成された平
板を片側の棒状突起に対しては表面が表、他側の
棒状突起に対しては裏面を表にして回り止め状態
に取付け、上記他方の各コネクタの受け入れ孔
は、一方の孔が一方の平板を、他方の孔が他方の
平板を適合して受け入れる断面状となしたのであ
る。

〔作用〕

このコネクタは、同一形状、大きさであつて
も、表裏を逆にしたときに輪郭が不一致となる平
板と表裏が逆の平板に対応した孔によつてコネク
タの結合時の方向を決定づけ、誤接続を防止する
ので、平板を取付ける側のコネクタを、平板も含
めて同一形状、大きさに成形することが可能にな
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図及び第２図に示すように、独立した２個
の雌側コネクタ１（図はその１個のみを示す）に
は、各々２個の光フアイバ装着部２，２が棒状突
起３を挾んで並列に配置されている。突起３は、
基部３ａとその上部に連なる突片３ｂとから成
り、基部３ａの横断面形状は、矩形の隣合う二角
を切欠いた形状になつている。突片３ｂの横断面
形状は円以外であれば任意であるが、基部３ａの
横断面形状よりも小さく形成されている。この棒
状突起３の突片３ｂには、第５図に示すように、
矩形の一角を切欠いた平板が、中央の穴５の内面
を突片３ｂの外周面に回り止め状態に係合させて
取付けられる。このとき、平板４は、２個あるメ
ス側コネクタのうち、片方のコネクタの棒状突起
に取付けるものは表面を表にして、もう一方のコ
ネクタの棒状突起に取付けるものは裏面を表にし
て取付け、一方の平板の切欠きを矩形の隣り合う
２角の一方のコーナに、他方の平板の切欠き他方
のコーナに位置させる。なお、例示の平板４は、
原形となる矩形の大きさを、突起の基部３ａの原
形となる矩形と等しくしてある。

上記光フアイバ装着部２は内周中途にフランジ
６を形成した筒体であり、これに光フアイバの端
末プラグ７が挿入される。このプラグ７は、外周
の中途に形成したフランジ６と光フアイバ装着部
２の上端部にねじ合わせた筒状キヤツプ９の下面
とによつて制限される範囲内において軸方向に移
動できるが、外力を受けない図の状態では、外周
に嵌め合わせたコイルスプリング１０の付勢圧を
受けているので、フランジ８がフランジ６に圧接
したところに静止する。なお、第１図では、一方
の光フアイバ装着部２のみにプラグ７を装着した
ものを示し、他方は省略している。

上記雌雄コネクタ１の両側には操作板１１の中
途がつながつている。この操作板１１の一端部に
は内向きに突出する係合突部１２が形成され、操
作板１１の他端部を押圧すると、係合突起１２が
外向きに拡がるようになつている。

つぎに、第３図、第４図に示すように、雄側コ
ネクタ２１，２１′は２個が一体的に形成されて
いる。この雄側コネクタ２１，２１′には、二個
の素子装着部２２，２２が孔２３，２３′を挾ん
で並列に配置されている。孔２３，２３′の横断
面形状はいずれも矩形の一角を切欠いた形とする
が孔２３の切欠きは矩形の隣接２コーナの一方側
に、孔２３′の切欠きは他方側に設ける。このよ
うにすると、孔２３の切欠き部と上記一方の平板
４の切欠き部とが、また、孔２３′の切欠き部と
他方の平板４の切欠き部とが各合一致して一方の
平板４を孔２３に、他方の平板４を孔２３′に挿
入することができる。また、一方の平板４の孔２
３′に対する挿入、他方の平板４の孔２３に対す
る挿入は切欠きの位置の不一致により阻止するこ
とができる。

上記雄側コネクタ２１の両側には、方向係合突
部１２に係合する受止突部２４が形成されてお
り、係合突部１２を受止突部２４に係合させて雌
雄のコネクタ１，２１の結合状態を保持する。各
素子装着部２２，２２は、コネクタ結合により、
光フアイバ装着部２，３に対して略同心に支持さ
れる。また、コネクタ１に設けた棒状突起３は、
孔２３に挿入され、素子装着部２，２の下部は光
フアイバ装着部２２，２２の上部外周に被される
ようになつている。

上記素子装着部２２，２２の一方には発光素子
２５が、他方には受光素子２６が装着される。素
子装着部２２は上端にフランジ２７を形成した筒
体である。この筒体の中にはフランジ２７に当接
するスリーブ２８とこのスリーブ２８の後端部に
支持される発光素子25或いは受光素子２６とが組
込まれ、下端からねじ込まれた中空ボルト２９に
よつて押圧固定されている。上記スリーブ２８
は、一端にプラグ７の先端が挿入されるプラグ挿
入孔を、他端に素子を支持する素子挿入孔をそれ
ぞれ有している。

なお、雄側コネクタ２１と２１′の相違点は、
孔２３，２３′の切欠き位置が相違するのみであ
る。即ち、第４図に示すように、孔２３は左下角
が、また孔２３′は左上角が切欠かれている。こ
のため、平板４を棒状突起３に取付ける前の雌側
コネクタ１は、２個とも棒状突起３の二角を同一
位置で切欠いているために雄側コネクタ２１，２
１′の両方に接続できるが、平板４をその表面が
表出するように棒状突起３に固定した一方の雌側
コネクタ１は、平板４の切欠き孔２３，２３′の
切欠きの関係で、雄側コネクタ２１′にのみ結合
可能であり、平板４の裏面が表出するように取付
けた他方の雌側コネクタ１は雄側コネクタ２１に
のみ結合できる。

以上のように構成される本考案のコネクタは、
予め孔の切欠き位置が異なる二個の雄側コネクタ
を準備し、二個の雌側コネクタの一方には平板の
表面が表出するように、また他方には平板の裏面
が表出するように棒状突起に接着剤もしくは熱溶
着等で固着すれば、雌側コネクタの本体部は同一
形状にして近接する位置に設置された二対のコネ
クタの誤接続を完全に防止でき、製造及びコスト
に関する首記の問題を解決できることになる。な
お、上記棒状突起３、平板４及び孔２３，２３′
の形状は、以上の実施例に限定されない。孔２
３，２３′のいずれか一方は平板の表面を下にし
たときのみ挿入可能で、他方は平板の裏面を下に
したときのみ挿入可能であるように形成してお
き、また平板は表裏逆にして棒状突起の定位置に
回り止め状態に固定できるようにしておけばよ
い。さらに、上記棒状突起と孔は雌雄のコネクタ
が定位置に対向したときに互いに結合できる位置
にあればよく、中央から外れた端部等の任意の位
置に配置することもできる。なお、コネクタに装
着される光電素子及び光フアイバは一個でもよ
く、その個数は任意である。

本考案は、以上のとおりであり、近接位置に設
けた二対のコネクタは、予め決められた雄側コネ
クタと雌側コネクタとのみが結合可能で、他と結
合されることがなく、その誤接続の防止は、雌雄
いずれかの各コネクタに設けた棒状突起に対し、
結合すべき他方の各コネクタの孔に外径が一致す
るように表裏を逆にして取付けた平板によつて行
なうので、平板は勿論、その平板をつける側のコ
ネクタも同一形状のものを使用することができ、
従来のコネクタに比較して製造面、コスト面、製
品管理面で有利になると云う効果が得られる。特
に、実施例のコネクタのように、棒状突起の基部
が孔に対して一定の向きでのみ挿入可能となる断
面に形成されたものは、平板をつけずに雌雄一対
で使用することもできるので、さらに形式の統一
化が計れ、上記の効果がより顕著になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は雌側コネクタを示す一部切欠正面図、
第２図は第１図の底面図、第３図は雄側コネクタ
を示す一部切欠正面図、第４図は第３図の平面
図、第５図は平板の一例を示す平面図である。 １……雌側コネクタ、２……光フアイバ装着
部、３……棒状突起、３ａ……基部、３ｂ……突
片、４……平板、５……穴、６，８……フラン
ジ、７……プラグ、９……筒状キヤツプ、１０…
…コイルスプリング、１１……操作板、１２……
係合突起、２１，２１′……雄側コネクタ、２２
……素子装着部、２３，２３′……孔、２４……
受止突部、２５……発光素子、２６……受光素
子、２７……フランジ、２８……スリーブ、２９
……中空ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々が２個を１組とする雌雄のコネクタのう
   ち、いずれか一方の各コネクタに結合方向に延び
   る棒状突起を、他方の各コネクタにその棒状突起
   の受け入れ孔をそれぞれ設け、さらに、一方の各
   コネクタの棒状突起には、同一形状、大きさで、
   表裏を逆にした状態では輪郭が重ならない別形成
   された平板を片側の棒状突起に対しては表面が
   表、他側の棒状突起に対しては裏面を表にして回
   り止め状態に取付け、上記他方の各コネクタの受
   け入れ孔は、一方の孔が一方の平板を、他方の孔
   が他方の平板を適合して受け入れる断面形状とな
   したコネクタ。