JPS6144122B2 - - Google Patents

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JPS6144122B2
JPS6144122B2 JP10749481A JP10749481A JPS6144122B2 JP S6144122 B2 JPS6144122 B2 JP S6144122B2 JP 10749481 A JP10749481 A JP 10749481A JP 10749481 A JP10749481 A JP 10749481A JP S6144122 B2 JPS6144122 B2 JP S6144122B2
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JP
Japan
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less
rolling
steel pipe
temperature
temperature range
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JP10749481A
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JPS589925A (ja
Inventor
Isao Takada
Hiroshi Ootsubo
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP10749481A priority Critical patent/JPS589925A/ja
Publication of JPS589925A publication Critical patent/JPS589925A/ja
Publication of JPS6144122B2 publication Critical patent/JPS6144122B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/10Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of tubular bodies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は低温靭性にすぐれたAPI規格X80級鋼
管の製造方法に係り、特に寒冷地のパイプライン
用高張力大径鋼管の製造方法に関する。 近年、石油、天然ガスなどのエネルギー資源の
開発が進められ、特に寒冷地において広範囲に行
われるようになり、これに伴つて輸送用パイプラ
インの敷設が急速に延びつつある。しかもこれら
のパイプラインに用いられる鋼管は次第に大径化
する傾向にあると共に、高張力化が要求されるよ
うになつて来た。これらの寒冷地のパイプライン
用鋼管は低温下に設置されるので、低温靭性に対
する要求も当然のことながら厳しいものがある。
従つてこれらの鋼管用素材は大径鋼管用としてす
ぐれた低温靭性と高張力を併せ有する特性でなけ
ればならぬ。 現在パイプラインに用いられる大径高張力鋼管
は、主としてUOE法、スパイラル造管法または
ロールフオーム後電縫溶接する方法によつて製造
されている。このうちUOE鋼管は厚板ミルで製
造される鋼板を素材とし、スパイラル鋼管および
電縫鋼管は熱延鋼帯を素材としており、アメリカ
のAPI規格によるX70級までの強度を有する素材
は主として制御圧延によつて製造されている。 一般に制御圧延材は比較的高い強度を有すると
共に、低温靭性にもすぐれ、パイプライン用高張
力大径鋼管素材に適した材質特性を有せしめるこ
とができる。制御圧延材は圧延後直ちに再結晶を
開始するオーステナイト温度領域(以下再結晶γ
領域と称する)。圧延のパス間に再結晶が起らな
いオーステナイト領域(以下未再結晶γ領域と称
する)、およびオーステナイト、フエライト2相
領域(以下γ+α域と称する)の各領域に対して
それぞれの圧下量および最終圧延仕上温度を規制
し、各温度領域における圧下配分と仕上温度を調
整することにより要求される材質特性を満足させ
る方法をとつている。従つて最近の如き高張力
で、かつすぐれた低温靭性を有する大径鋼管素材
を製造するに当つては、低温領域での圧下量の増
大と、仕上温度のより低温化が必要となる。 しかし、低温領域における圧下量を大きくし、
かつ仕上温度の低温下による制御圧延は現行の加
熱、圧延法においては甚だ困難であつて、特にス
パイラル鋼管または電縫管用素材となるホツトス
トリツプミルで圧延される熱延鋼帯の製造は著し
く困難である。 ホツトストリツプミルによる熱間圧延は通常粗
圧延および仕上圧延と称されている2段階の圧延
から成り、粗圧延には一部可逆式圧延機も使用さ
れているが、仕上圧延は隣接した数個のロールに
より一方向に連続圧延されるため、圧延中にシー
トバーの形状に曲りが生じると圧延不能となる。
そこで仕上圧延前のシートバーの形状が問題にな
り、形状が均一でない先端部は圧延前に剪断機に
よつて切落し適正形状としている。ところが剪断
機の能力によつてシートバーの厚さが規制され、
厚板ミルの場合のような大きな圧下量を取ること
ができない。従つてホツトストリツプミルで製造
される熱延鋼帯の強度と靭性も製造設備の能力よ
りかなり限定される。 現行の圧延機と圧延方法によつて、シートバー
の先端部を切り落す必要のないようなスラブの場
合、または非常に軽度の粗圧延後に仕上圧延を行
なう場合には、スラブの加熱炉からの抽出後、ま
たは粗圧延終了から仕上圧延開始までの間に規定
温度までの冷却のため通常長時間の温度待ちが必
要である。その結果著しい圧延能率の低下を来た
すほか、圧下後のγ粒の粗大化による低温靭性の
劣化が起る欠点がある。この長時間の温度待ちな
しに圧延するためには、加熱温度を未再結晶γ領
域近傍まで低下させる必要があるが、この場合に
は次の如き問題が発生する。すなわち、この場合
には長時間低温領域においてスラブを加熱するの
で、制御圧延に不可欠な固溶Nbがすべて炭・窒
化物として析出してしまい、そのため低温領域で
の圧下量を増大しても所望の高強度、高靭性を得
ることができないという問題がある。 さらに、一部においては、X80級の高強度を有
し、かつ低温靭性も良好な鋼管の使用が計画され
ており、その需要が今後増大する傾向にある。従
来法により製造される圧延のままの熱延鋼帯に
は、上記の如き強度と低温靭性に関する制約があ
り、これをX80級鋼管素材に適用する場合、強度
の面からみるとMo、Ni、NbおよびVなどの高価
な特殊元素を多量に添加せねばならず、またX80
級の強度を満足しても十分な低温靭性が得られる
可能性は小さい。たとえ上記合金元素の多量の添
加により、高強度、高靭性が得られたとしても近
年特にこれら特殊合金元素の価格は著しく高騰し
ているので、従来法により製造される素材を使用
したX80級鋼管は著しく高価になる。 本発明の目的は熱延鋼帯による上記従来の低温
靭性、高張力鋼管の製造方法における欠点ならび
に問題点を解決し、低温靭性のすぐれたAPI規格
X80級鋼管の製造方法を提供するにある。 高価な合金元素を多量に添加せずに、熱延鋼帯
を素材とするX80級鋼管を製造するには、従来法
と異なる新たな圧延法による高強度、高靭性の素
材を得るとともに、その素材から成形された鋼管
に対して成形後さらに強度を上昇させる手段を取
ることが必要である。 造管後に強度を上昇させる手段として、まず誘
導加熱による鋼管の焼入れ、焼戻し処理が考えら
れるが、この処理は大規模の設備を必要とし、鋼
管製造コストが大幅に上昇する。 一方鋼管成形後に時効処理を施すいわゆるひず
み時効処理も鋼管の強度上昇のためには有効な手
段であるが、一般にひずみ時効処理は材料の低温
靭性を劣化させるので従来は好ましくないとされ
てきた。 本発明者らは、この点に関し、化学組成および
圧延方法の異なる多くの素材から製造された鋼管
を対象として、これらの低温靭性におよぼす冷間
加工およびひずみ時効の影響について数多くの実
験と検討を重ねた結果、特定の化学組成を持ち、
かつ適切な制御圧延によつて製造され、良好な低
温靭性を有する材料においては、冷間加工および
その後のひずみ時効による低温靭性の劣化が従来
考えられていたよりも著しく少ないこと、またか
くの如き良好な低温靭性とひずみ時効による劣化
を少なくさせる製造方法は同時に強度も上昇させ
ること、したがつて、この製造方法によつて得ら
れた熱延鋼帯素材から成形された鋼管に適切なひ
ずみ時効処理を施すことにより、低温靭性の良好
なX80級鋼管を製造し得ることを見出した。 本発明者らは上記の知見をもとに下記要旨の4
発明を完成した。 第1発明および第2発明の要旨とするところは
次のとおりである。すなわち重量比にてC:0.15
%以下、Si:0.70%以下、Mn:0.50〜2.50%、
P:0.025%以下、S:0.005%以下、Nb:0.01〜
0.15%、Al:0.070%以下を含有し更に必要によ
りV:0.01〜0.15%、Ti:0.005〜0.150%、Zr:
0.005〜0.150%、Mo:0.05〜0.50%、Cu:0.10〜
1.00%、Ni:0.10〜4.00%、Cr:0.10〜1.00%、
希土類元素:0.020%以下、Ca:0.010%以下のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含み、残部
は実質的にFeより成る鋼のAPI規格X80級鋼管の
製造方法において、300mmから最終成品厚さの3
倍までの厚さを有する連続鋳造スラブを製造する
段階と、前記スラブをそのままもしくは20分以内
保温または加熱した後該スラブの表面温度が1000
〜800℃になつた時点で粗圧延を開始する段階
と、前記粗圧延終了後60秒以内に950〜750℃の温
度範囲で仕上圧延を開始し、該圧延時の圧下率を
60%以上とし、Ar3変態点〜650℃の温度範囲で
仕上圧延を終了する段階と、前記熱延鋼帯を750
〜450℃の温度範囲で巻取る段階と、前記巻取つ
た熱延鋼帯を鋼管に成形する段階と、前記鋼管を
100〜400℃の温度範囲で0.5〜120分間の時効処理
を施す段階と、を有して成ることを特徴とする低
温靭性にすぐれたAPI規格X80級鋼管の製造方法
である。 第3発明および第4発明の要旨とするところは
上記第1発明および第2発明と同一組成の鋼の
API規格X80級鋼管の製造方法において、300mmか
ら最終成品厚さの3倍までの厚さを有する連続鋳
造スラブを製造する段階と、前記スラブをそのま
まもしくは20分以内保温または加熱した後該スラ
ブの表面温度が1000〜750℃になつた時点で仕上
圧延を開始し950℃以下における圧下率を60%以
上とする仕上圧延を行つた後Ar3変態点〜650℃
の温度範囲で仕上圧延を終了する段階と前記熱延
鋼帯を750〜450℃の温度範囲で巻取る段階と、前
記巻取つた熱延鋼帯を鋼管に成形する段階と、前
記鋼管を100〜400℃の温度範囲で0.5〜120分間の
時効処理を施す段階と、を有して成ることを特徴
とする低温靭性にすぐれたAPI規格X80級鋼管の
製造方法である。すなわち、第3発明および第4
発明は粗圧延を行わずスラブの表面温度が1000〜
750℃になつた時点で直ちに仕上圧延を開始し、
Ar3変態点から650℃の温度範囲で仕上圧延を終
了し、以後の巻取り、造管および時効処理の各工
程は第1発明と同様であるが、いずれの場合も
950℃以下の低温領域における圧下率を60%以上
として低温靭性および強度の向上を図つたもので
ある。 本発明における制御圧延に使用する鋼スラブの
成分範囲を限定したのは次の理由によるものであ
る。 C: Cは強度を高めるために必要な元素であるが、
0.15%を超えると溶接性および低温靭性が著しく
冷下するので0.15%以下に限定した。 Si: Siは鋼の脱酸と強度上昇のために添加される
が、0.70%を越えると低温靭性を劣化させるので
0.70%以下に限定した。 Mn: Mnは低温靭性を劣化させずに強度を高める特
性があるので本発明の如き高張力、高靭性鋼には
不可欠の元素であり、少くとも0.50%を必要とす
るが、0.50%未満では強度上昇に対する効果が小
さく、また2.50%を越えるとスラブに割れが多発
するので0.50〜2.50%の範囲に限定した。 P: 不可避的不純物として鋼中に含まれる元素であ
り、特に0.025%を越えると低温靭性を著しく劣
化させるので上限を0.025%とした。 S: Pと同様に不可避的不純物として鋼中に含まれ
る元素であるが、0.005%を越えると圧延方向に
対して直角方向の衝撃吸収エネルギーを著しく低
下させるので、上限を0.005%とした。 Nb: Nbは再結晶遅延作用および析出硬化作用があ
る元素で制御圧延材には不可決の元素である。し
かし、0.01%未満ではその効果が極めて少く、反
対に0.15%を越える多量の添加は鋼管製造時の溶
接金属の低温靭性を著しく劣化させるので、0.01
〜0.15%の範囲に限定した。 Al: Alは鋼の脱酸および結晶粒の微細化に極めて
有効な元素であるが、0.070%を越えると鋼板の
表面性状を悪化させ、内部欠陥をもたらすほか、
鋼管溶接部の超音波探傷による不良を多発するの
で0.070%以下に限定した。 上記限定組成を本発明鋼の基本組成とするが、
必要により次の限定量のV、Ti、Zr、Mo、Cu、
Ni、Cr、希土類元素(以下REMと称する)およ
びCaのうちより選ばれた1種または2種以上を
添加することにより本発明の目的がより効果的に
達成される。これらの選択添加元素の限定理由は
次のとおりである。 V: Vはその析出硬化作用のために強度向上に有効
な元素として添加されることがあるが、0.01%未
満ではその効果が少く、0.15%を越えると低温靭
性が劣化するので0.01〜0.15%の範囲に限定し
た。 Ti: Tiは結晶粒の微細化および強度上昇の目的で
添加されることがあるが、0.005%未満ではその
効果がほとんどなく、0.150%を越えると鋼板の
表面欠陥が多発するので0.005〜0.150%の範囲に
限定した。 Zr: Zrは硫化物の形態制御および結晶粒の微細化の
ために添加されることがあるが、0.005%未満で
はその効果が極めて小さく、0.150%を越えると
鋼材の表面欠陥が多発するので0.005〜0.150%の
範囲に限定した。 Mo: Moは低温靭性を劣化させずに強度を上昇させ
る元素として添加されることがあるが、0.05%未
満ではその効果が小さく、0.50%を越えると鋼管
溶接時の溶接熱影響部の低温靭性を著しく劣劣化
させるので0.05〜0.50%の範囲に限定した。 Cu: CuもMoと同様に低温靭性を劣化させずに強度
を高める元素として添加されることがあるが、
0.10%未満ではその効果が小さく、1.00%を越え
ると赤熱脆性の欠陥を生じるので0.10〜1.00%の
範囲に限定した。 Ni: Niは低温靭性を高め、かつ強度を上昇させる
元素として添加させることがあるが、0.10%未満
ではその効果が小さく、またパイプライン用大径
鋼管材として要求される低温靭性の範囲では4.00
%を越える多量の添加が必要なく、かつ高価でも
あるので0.10〜4.00%の範囲に限定した。 Cr: Crは強度を高めるために添加されることがあ
るが、0.10%未満ではその効果がほとんどなく、
1.00%を越えると低温靭性を著しく劣化させるの
で0.10〜1.00%の範囲に限定した。 REM: REMは硫化物の形態制御効果があり、かつ圧
延方向に直角の方向の衝撃吸収エネルギーを増加
させるために添加されることがあるが、0.020%
を越えると鋼板の表面および内部欠陥を多発する
ので0.020%以下に限定した。 Ca: CaもREMとほぼ同一効果があるが、0.010%を
越えると鋼板の表面および内部欠陥を多発するの
で0.010%以下に限定した。 本発明に使用されるスラブは上記必須限定成分
のほか、必要により選択添加される元素のほか
は、残部は実質的にFeより成るものである。 次に本発明における制御圧延の限定理由につい
て説明する。 先づスラブの厚さを300mmから最終成品厚さの
3倍までと規制したのは、スラブ厚さが300mmを
越えると規制圧延開始温度までの冷却に長時間を
要し、その間にNbの炭・窒化物が析出してしま
い制御圧延による強度と靭性の向上が達成されな
くなる。またスラブ厚さが最終成品厚さの3倍未
満の場合には効果的な制御圧延が行えないからで
ある。 また、本発明において使用するスラブを連続鋳
造スラブと限定したのは、造塊、もしくは分塊圧
延法をとる場合には、300mm以下の厚さを有する
鋼塊を得ようとすれば鋼塊の寸法が著しく小さく
なり、歩留の低下のみならず加熱および圧延能率
の低下が生じて著しくコスト高となるからであつ
て連続鋳造法による場合は上記寸法スラブを得易
いからである。 次に圧延前のスラブを必要により20分以内の保
温もしくは加熱を行なうのは、スラブの厚さが小
の場合はその表面、裏面および端部の冷却速度が
大で均一な圧延が困難であるために冷却し易い部
分の保温もしくは加熱を図るものである。而して
その処要時間を20分以内と規制したのは20分を越
すとNbの炭・窒化物が析出してしまい、低温領
域での圧下量を増大しても所望の高強度、高靭性
が得られなくなるからである。従つてスラブの厚
さが大の場合には上記の保温もしくは加熱が不要
である。 粗圧延を行なう場合、その開始温度を1000〜
800℃と限定したのは、この温度をはずれて800℃
未満もしくは1000℃を越す粗圧延開始温度では低
温靭性の劣下が著しいからである。 粗圧延を実施する場合、粗圧延終了から仕上圧
延開始までの経過時間を60秒以内と規制したの
は、60秒を越えるとγ粒の粗大化が生じ低温靭性
が劣化するからである。 粗圧延後に仕上圧延を行なう場合の圧延開始温
度を1000〜750℃の範囲に限定したのは、この上
限、下限をはずれるときには低温靭性の劣化が大
きいからである。 また、粗圧延を実施する場合および省略する場
合のいずれの場合においても、950℃以下の温度
領域における圧下率を60%以上と規制したのは、
下記、本発明者等の実験結果より明らかな如く、
上記圧下率を60%以上とし、圧延中の各パス間で
再結晶を起さない圧下率、いわゆる未再結晶累積
圧下率を増大させて、強度を増加させた場合の
み、時効前の鋼管の低温靭性が良好であり、また
ひずみ時効による劣化が少ないからである。すな
わち、本発明者らは、C:0.07%、Si:0.24%、
Mn:1.67%、P:0.015%、S:0.002%、Nb:
0.040%、V:0.070%、Al:0.023%、を含み残
部が実質的にFeより成る組成のスラブを用い、
粗圧延開始温度が1000〜880℃、仕上圧延終了温
度が730〜690℃、巻取温度が580〜520℃の条件で
製造した熱延鋼帯から成形した外径101.6mm、肉
厚14.3mmの300℃×2分の時効処理前後のスパイ
ラル鋼管について、950℃以下の温度領域におけ
る圧下率と、管軸に対して直角方向の2mmVノツ
チフルサイズシヤルピー試験における破面遷移温
度vTrsおよび−80℃における吸収エネルギー
Kg・m(vE−80)との関係を調査し、その結果を
添付図面に示した。図面から明らかな如く、950
℃以下の温度領域における圧下率が大となるに従
つてシヤルピー破面遷移温度が下降し、低温靭性
が大となる傾向を示すが、圧下率が60%未満とな
るとシヤルピー破面遷移温度が上昇し、低温靭性
が著しく劣化することを示しているので、950℃
以下の圧下率を60%以上と規制した。950℃以下
すなわち未再結晶オーステナイト域圧延における
圧下率の上限は、材質面からの制約はないが、累
積圧下の増大による加工硬化および温度低下によ
る変形抵抗の増大のため88%程度とすることが望
ましい。 仕上圧延終了温度をAr3〜650℃としたのは、
終了温度がこの範囲からはずれるときには低温靭
性が著しく劣化するからである。 巻取温度を700〜450℃としたのは、巻取温度が
700℃を越えると結晶粒の粗大化による強度の低
下と低温靭性の劣化を生じ、450℃未満のときに
は加工組織の残存および上部ベイナイトの生成に
よる低温靭性の著しい劣化が生ずるからである。 鋼管成形後の時効処理の加熱温度を100〜400℃
に規制したのは、100℃未満では十分な時効硬化
が起こらず、一方400℃を越えると過時効による
軟化が著しく、いずれにしても強度を上昇させる
効果が乏しく、本発明の目的を達成できないので
温度範囲を100〜400℃に規制した。 また、時効処理に要する時間は0.5〜120分程度
が有効である。0.5分未満では時効硬化が十分で
なく、時効処理時間120分で時効による硬化は十
分に飽和し、120分を越えると過時効により、逆
に強度が低下する場合を生じ得るからである。 なお時効処理の加熱は電気炉、ガス炉、誘導加
熱装置のいずれを使用してもよく、また鋼管を回
転させながらバーナーで加熱することも可能であ
る。 上記の如く、本発明は鋼の成分組成を限定した
連続鋳造スラブを使用し、本発明特有の制御圧延
を実施し、その熱延鋼帯から造管し時効処理を行
うことにより、低温靭性にすぐれたAPI規格X80
級鋼管を得ることができた。 実施例 化学組成がすべて本発明の限定組成を満足する
連続鋳造スラブを使用し、本発明の要件を満足す
る保温もしくは加熱を行つた後制御圧延した後巻
取り造管時効処理した本発明鋼管と、本発明の要
件のいずれかを満足しない比較鋼管について、管
軸に直角方向の降状応力、引張強さ等の強度およ
び常温ならび低温における靭性の比較試験を行つ
た。この比較試験の条件および結果は第1表に示
すとおりである。なお、比較鋼管において本発明
の要件を満足しない処理条件にはアンダーライン
を付した。 すなわち本発明による供試材A〜N鋼から連続
鋳造法によつて72〜143mm厚さのスラブを製造
し、第1表に示す圧延条件および粗圧延開始温度
950〜900℃、仕上圧延終了温度730〜690℃にて圧
延し、14.3mm厚の熱延鋼帯を製造した。この熱延
鋼帯から外径1016mmのスパ
【表】
【表】 ラル鋼管を成形し、250゜×4minまたは300゜×
2minの時効処理を施した。 一方比較鋼管の供試材O〜Z鋼においては、化
学組成は本発明の要件を満足し、肉厚と外径は本
発明鋼管と同一であるが、スラブの加熱条件、制
御圧延条件、鋼管の時効処理条件等の少くとも一
つが本発明の要件を満足しないものである。 なお第1表における本発明鋼管Dのみは粗圧延
を行わず900℃にて直ちに仕上圧延を開始したも
のであり、その他の供試材はいずれも粗圧延終了
後、仕上圧延を開始したものである。 第1表より明らかなとおり、本発明による鋼管
の降伏応力および引張応力は比較鋼管のそれらよ
り平均値においてすぐれているのみならず極めて
安定した高い強度を示しており、2mmVノツチフ
ルサイズ試験片による破面遷移温度およびシヤル
ピーの吸収エネルギーも本発明鋼管はほぼ上位に
安定しているのに対し比較鋼管の値は大きくばら
つき、本発明鋼管が低温靭性にすぐれていること
が判明した。 上記実施例より明らかな如く、本発明において
は特定組成の鋼による連続鋳造スラブを使用し、
ホツトストリツプミルによる制御圧延において
は、低温領域での長時間加熱を回避して、低温に
おける高圧下率にて仕上圧延を行うことが可能と
なり、更に鋼帯の冷却条件、鋼管の時効条件を規
制することにより低温靭性のすぐれたAPI規格
X80級鋼管を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明による組成スラブの950℃以
下の温度領域における圧下率とスパイラル鋼管の
シヤルピー破面遷移温度およびと−80℃における
シヤルピー吸収エネルギーとの関係を示す相関図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比にてC:0.15%以下、Si:0.70%以
    下、Mn:0.50〜2.50%、P:0.025%以下、S:
    0.005%以下、Nb:0.01〜0.15%、Al:0.070%以
    下を含有し残部は実質的にFeより成る鋼のAPI規
    格X80級鋼管の製造方法において、300mmから最
    終製品厚さの3倍までの厚さを有する連続鋳造ス
    ラブを製造する段階と、前記スラブをそのままも
    しくは20分以内保温または加熱した後該スラブの
    表面温度が1000〜800℃になつた時点で粗圧延を
    開始する段階と、前記粗圧延終了後60秒以内に
    950〜750℃の温度範囲で仕上圧延を開始し、該圧
    延時の圧下率を60%以上とし、Ar3変態点〜650
    ℃の温度範囲で仕上圧延を終了する段階と、前記
    熱延鋼帯を750〜450℃の温度範囲で巻取る段階
    と、前記巻取つた熱延鋼帯を鋼管に成形する段階
    と、前記鋼管を100〜400℃の温度範囲で0.5〜120
    分間の時効処理を施す段階と、を有して成ること
    を特徴とする低温靭性にすぐれたAPI規格X80級
    鋼管の製造方法。 2 重量比にてC:0.15%以下、Si:0.70%以
    下、Mn:0.50〜2.50%、P:0.025%以下、S:
    0.005%以下、Nb:0.01〜0.15%、Al:0.070%以
    下を基本組成とし更にV:0.01〜0.15%、Ti:
    0.005〜0.150%、Zr:0.005〜0.150%、Mo:0.05
    〜0.50%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜4.00
    %、Cr:0.10〜1.00%、希土類元素:0.020%以
    下、Ca:0.010%以下のうちから選ばれた1種ま
    たは2種以上を含み、残部は実質的にFeより成
    る鋼のAPI規格X80級鋼管の製造方法において、
    300mmから最終製品厚さの3倍までの厚さを有す
    る連続鋳造スラブを製造する段階と、前記スラブ
    をそのままもしくは20分以内保温または加熱した
    後該スラブの表面温度が1000〜800℃になつた時
    点で粗圧延を開始する段階と、前記粗圧延終了後
    60秒以内に950〜750℃の限度範囲で仕上圧延を開
    始し、該圧延時の圧下率を60%以上とし、Ar3
    態点〜650℃の温度範囲で仕上圧延を終了する段
    階と、前記熱延鋼帯を750〜450℃の温度範囲で巻
    取る段階と、前記巻取つた熱延鋼帯を鋼管に成形
    する段階と、前記鋼管を100〜400℃の温度範囲で
    0.5〜120分間の時効処理を施す段階と、を有して
    成ることを特徴とする低温靭性にすぐれたAPI規
    格X80級鋼管の製造方法。 3 重量比にてC:0.15%以下、Si:0.70%以
    下、Mn:0.50〜2.50%、P:0.025%以下、S:
    0.005%以下、Nb:0.01〜0.15%、Al:0.070%以
    下を含有し、残部は実質的にFeより成る鋼のAPI
    規格X80級鋼管の製造方法において、300mmから
    最終成品厚さの3倍までの厚さを有する連続鋳造
    スラブを製造する段階と、前記スラブをそのまま
    もしくは20分以内保温または加熱した後、該スラ
    ブの表面温度が1000〜750℃になつた時点で仕上
    圧延を開始し950℃以下における圧下率を60%以
    上とする仕上圧延を行つた後Ar3変態点〜650℃
    の温度範囲で仕上圧延を終了する段階と、前記熱
    延鋼帯を750〜450℃の温度範囲で巻取る段階と、
    前記巻取つた熱延鋼帯を鋼管に成形する段階と、
    前記鋼管を100〜400℃の温度範囲で0.5〜120分間
    の時効処理を施す段階と、を有して成ることを特
    徴とする低温靭性にすぐれたAPI規格X80級鋼管
    の製造方法。 4 重量比にてC:0.15%以下、Si:0.70%以
    下、Mn:0.50〜2.50%、P:0.025%以下、S:
    0.005%以下、Nb:0.01〜0.15%、Al:0.070%以
    下を基本組成とし更にV:0.01〜0.15%、Ti:
    0.005〜0.150%、Zr:0.005〜0.150%、Mo:0.05
    〜0.50%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜4.00
    %、Cr:0.10〜1.00%、希土類元素:0.020%以
    下、Ca:0.010%以下のうちから選ばれた1種ま
    たは2種以上を含み、残部は実質的にFeより成
    る鋼のAPI規格X80級鋼管の製造方法において、
    300mmから最終成品厚さの3倍までの厚さを有す
    る連続鋳造スラブを製造する段階と、前記スラブ
    をそのままもしくは20分以内保温または加熱した
    後、該スラブの表面温度が1000〜750℃になつた
    時点で仕上圧延を開始し950℃以下における圧下
    率を60%以上とする仕上圧延を行つた後Ar3変態
    点〜650℃の温度範囲で仕上圧延を終了する段階
    と、前記熱延鋼帯を750〜450℃の温度範囲で巻取
    る段階と、前記巻取つた熱延鋼帯を鋼管に成形す
    る段階と、前記鋼管を100〜400℃の温度範囲で
    0.5〜120分間の時効処理を施す段階と、を有して
    成ることを特徴とする低温靭性にすぐれたAPI規
    格X80級鋼管の製造方法。
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